宇宙世紀と言う激闘の中で。   作:吹雪型
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第1地球軌道艦隊の異物

ロイヤル、レオニードは第1地球軌道艦隊と合流すべく行動を開始。そして第1地球軌道艦隊が目視出来た頃、ソーラー・システムⅡがはっきりと見えたのだ。

 

「アレがソーラー・システムⅡか。確かにあの兵器ならコロニーを破壊出来るだろう」

 

アーヴィント少佐がソーラー・システムⅡを見ながら呟く。そして第1地球軌道艦隊旗艦マダガスカルから命令が下される。

 

「アーヴィント少佐、旗艦マダガスカルから通信です。ソーラー・システムⅡの防衛任務に就けとの事です」

 

「うむ。ではモビルスーツ隊出撃。これより我々はソーラー・システムⅡの防衛に専念する。ソーラー・システムⅡさえ守り切れれば我々の勝ちだ」

 

そしてラングリッジ小隊は出撃準備に入る。それと同時に格納庫内は慌ただしくなる。

 

「武装用意!急げよ!」

 

「ジム・カスタムが最初だ。次にFb行くぞ」

 

「発進5分前だ。最終チェック怠るなよ!」

 

俺も最終確認の為、整備兵と話をしていた。

 

「中尉、Fbの各関節部の強化はしてあります。それとリミッター解除は3分間のみにして下さい。この機体は元々高機動型ですので無理してリミッターを解除する必要は有りませんから」

 

「悪いな無理言って。でも全力で戦わないと行けない時は必ず来る。例え身体が壊れようともな」

 

俺は操縦レバーを握りながら言う。そんな姿を見た整備兵は何も言わなくなる。

 

「中尉…了解しました。御武運を」

 

整備兵は最後に一言言いながら敬礼する。それに対し此方も答礼する。コクピットハッチを閉めシステムを立ち上げる。徐々にコクピット内が明るくなりモニターから外の様子が見て取れる。

 

「さて、コロニー落としの阻止か。此処が正真正銘の正念場だ」

 

誰もが必死になって動いてる。コロニーを地球に落とす訳には行かない。観艦式での大被害を受け何人もの人間が死んだのだ。そこから更に大量の人々の命が脅かされ様としている。これ以上の犠牲者を出す訳には行かない。

 

『全員聞こえる?間も無く出撃よ』

 

「此方ガルム2、準備完了。いつでも行けます」

 

『ガルム3、此方も準備完了です』

 

レイナ大尉は最終確認の為通信を繋げる。

 

『コロニーを再び地球に落とす訳には行かない。これ以上の被害を私達で食い止めるのよ。そして、全員生きて祝杯を挙げましょうね』

 

「そうですね。その時は無礼講で宜しいですかね?」

 

『勿論よ。だから覚悟しときなさいよ?』

 

「だってさウィル少尉。覚悟しとけよ」

 

『ええ!自分ですか?』

 

『アンタの事に決まってるでしょう!』

 

何時ものやり取りに俺達は自然と笑顔になる。そして自分自身少し力んでいたのを自覚する。多分レイナ大尉はその辺りを気を使ってくれたのだろう。

 

(やはり隊長として尊敬しますよ)

 

絶対に口には出さない事を心の中で思う。でないとあの人調子に乗るからな。

 

『皆さん出撃準備は如何ですか?』

 

『此方ガルム1、準備良し』

 

「ガルム2、何時でもどうぞ」

 

『自分も行けます』

 

ルイス少尉から最終確認が来る。間も無く出撃だ。

 

『これより私達は第1地球軌道艦隊と共にソーラー・システムⅡの防衛に当たります。現在もコロニーは此方に接近しています。それと同時にコロニー周辺に敵艦隊を捕捉。恐らく此処が戦場となるでしょう』

 

どうやらデラーズ・フリートに取っては全て予定通りだったのだろう。だが、此方も第1地球軌道艦隊とソーラー・システムⅡで対抗策は出来ている。

 

『また、現在ソーラー・システムⅡの設置作業は進行中です。ですので敵を近寄らせない様にして下さい』

 

『了解よ。皆、聞いての通りよ。ソーラー・システムⅡを守り抜く。此れが出来なければコロニーは地球へ落ちる事になるわ』

 

『勿論です。絶対に守り切りましょう!』

 

「意地でも守って見せるさ。コロニー落としを阻止する為の最後の防波堤なんだからな」

 

俺達の後ろには地球が有る。コロニーを止めるには此処を守り切るのは絶対の条件。何が何でも守らなくてはならない。

 

「やってやるさ」

 

例え身体が壊れ様ともな。

 

『間も無く時間です。ガルム1、カタパルトへ』

 

『了解よ』

 

レイナ大尉のジム・カスタムは90㎜ガトリングガンとシールドを装備してカタパルトに立つ。

 

『進路クリア。発進どうぞ』

 

『ガルム1、レイナ・ラングリッジ大尉。ジム・カスタム出るわよ!』

 

レイナ大尉のジム・カスタムが戦場へと発進して行く。

 

『続いてガルム2、カタパルトへ』

 

「了解」

 

俺はカタパルトへジム・カスタムFbを移動させる。そしてロング・ライフルとシールドを装備する。

 

『シュウ中尉、どうかご無事で』

 

ルイス少尉の言葉にグッドサインで返事をする。するとルイス少尉は少しだけ笑顔になる。

 

『進路クリア、発進どうぞ』

 

「ガルム2、シュウ・コートニー中尉。ジム・カスタムFb行くぞ!」

 

カタパルトにより機体は漆黒の宇宙へと放り出される。それと同時にブースターを使いガルム1の後を追って行く。そして直ぐに追い付く事が出来た。

 

『相変わらずFbは速いわね。もう追い付いて来るなんて』

 

「良い機体ですよ。機動性は圧倒的ですからね。唯、此奴は一応テスト機ですけどね」

 

是非一度で良いからガンダムに乗ってみたい物だ。きっとジム・カスタムFbより更に高性能なのは間違い無いだろう。そして少し待つとウィル少尉のジム・キャノンⅡが追い付いて来た。

 

『お待たせしました。それで自分達は何処を防衛するんですか?』

 

『私達は第1地球軌道艦隊と共同して防衛をするわ。恐らく近くまで行けば指示が出される筈よ』

 

「成る程。なら自分は機体慣らしと身体を温めて起きたいので向こうまで全開で行かせて頂きます」

 

俺は機体のブースターを全開にして第1地球軌道艦隊に向かう事にしたのだった。

 

『ちょっと!もう、仕方ないな』

 

『良いんですか?』

 

『良いのよ。シュウ中尉は少しでも緊張を解して起きたいのよ。一年戦争の時も似た様な事してたし』

 

レイナ大尉は思い出す様に言う。それはかつて試作ジム改を暗礁宙域で縦横無尽に操作していたシュウの姿だった。

 

『はぁ、自分は一年戦争を経験してませんけど。シュウ中尉の機体はジムだったんですか?』

 

『違うわよ。シュウの機体は特別な機体だったんだから』

 

『特別ですか?』

 

ウィル少尉の疑問にレイナ大尉は答える。

 

『何と言ってもエースなんだからね』

 

それは我が事の様に嬉しそうに言うのだった。

 

……

 

俺は加速によるG身体で感じる瞬間が好きだ。身体が頑丈故に色々無茶な機動が出来る事に、顔も名前も知らない親に感謝している。

 

「もう少しで艦隊と接触出来るな…ん?あの機影は」

 

第1地球軌道艦隊とソーラー・システムⅡはもう目の前に居る。だがその中に場違いな機影を見つける事になる。機影の解析と識別を確認する。そして俺は驚愕してしまう。

 

「ゲルググだと?然も、ムサイまで居るじゃないか」

 

其処には第1地球軌道艦隊の中にMS-14MゲルググMとムサイ級巡洋艦が混ざっていたのだ。鹵獲したのを使用しているのだろうか?それともジオン共和国から接収したのか。

 

「何方にせよIFFは味方になってるか」

 

しかし鹵獲ならムサイ級巡洋艦にジオンのマークが有るのは可笑しな話だ。だがジオンのモビルスーツと言えども味方は味方だ。

 

「もしかしたら【アグレッサー部隊】みたいな連中かも知れんしな」

 

ふと一年戦争時にお世話になった人達を思い出す。チェイス・スカルガード教官とハインツ・ハイウェイ軍曹。当時彼等はジオン公国より地球連邦軍へ亡命した人達だ。そしてアグレッサー部隊は彼等の様に亡命して来た人達で構成されていた。

 

「いかんな。気持ちをしっかりと切り替えないと。じゃないと教官に特別メニューを貰いそうだ」

 

今はコロニー落としを阻止する事に意識を向け無くてはならない。俺は彼等を横目に見ながら第1地球軌道艦隊の間を高速で移動して行くのだった。それは彼等の様な存在を見て抱いた不信感を吹き飛ばす為に。








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