宇宙世紀と言う激動の中で。   作:吹雪型
<< 前の話 次の話 >>

80 / 84
最近色々なガンダムSSが増えてオラ嬉しいぞ!
ガンダムよ永遠に続け!!!


仮初めの平和に潜む者達

今回は暗礁宙域のパトロール任務になる。多数の岩石と一年戦争時の残骸で出来たデブリ群により出来た暗礁宙域は、地球連邦軍からの監視の目を擦り抜ける事が出来る良い隠れ蓑だ。勿論今回の様にパトロール任務によって索跡はされるが、こうも残骸が多いと限界は有るだろう。

 

「ヘイルズ1よりポプキンス。これより指定座標での索跡に入る」

 

『此方ポプキンス、了解しました』

 

「よし。各機、これより暗礁宙域での索跡に入る。戦闘になる可能性は低いが零では無いからな」

 

『了解しました』

 

『はいはい。隊長は心配性だよな。こんな場所に敵が居るとは思えませんがね』

 

『ヘイルズ3、駄目だよ。隊長は少し臆病な人なんだからさ』

 

やはりと言うべきだろう。オールコック上等兵とビューマン曹長の任務に対する姿勢は低い。そして、最近ではビューマン曹長も俺を舐め始めていた。

 

「無駄口は其処迄だ。各機、索跡開始」

 

俺は暗礁宙域に突入して行く。速度は巡航速度より速めにする。ジム改を操作してデブリを回避して行く。

 

「さぁて、お仕事お仕事ってな」

 

足に力が入る。それと同時にジム改の速度が徐々に速くなる。それでも問題は無い。この程度の速度ならデブリは回避出来る。しかし、デブリを回避しながらふと思った事を口にする。

 

「一年戦争が終わってもう5年が経ったのか」

 

マゼラン級やドムの残骸を見ながら呟く。地球連邦とジオン公国は総力戦を行った。そして何十億人もの人々が死んで行った。戦後の復興は順調とは言えなかった。嘗ては大都市だった場所も、今ではゴーストタウンと化してるのも珍しく無い。それに拍車を掛ける様にジオン公国残党軍がテロ活動を行なっていた。

そしてデラーズ紛争の勃発。この戦いにより更に復興作業は遅れて行くだろう。

 

(一番の被害者は俺達軍人では無く民間人だな。こう言う光景を見るのも、その場凌ぎで軍に入ったツケだな)

 

新兵だった頃、世界情勢は悪化の一途を辿っていた。だが、心の奥では戦争なんて起こる訳が無いと思っていた。結局、戦争は起こり今に至る訳だが。

内心色々思い出しているとレーダーに反応が出る。

 

「ん?あぁ、デブリの回収業の連中か」

 

其処には作業用ポットを使用しているリサイクル業者が居た。ボランティアと謳ってる連中も居るが、そう言う連中は基本的に金目当てのジャンク屋だ。この辺りは地球連邦軍の管轄だから許可は必要だ。唯、彼等は間違い無く正規のリサイクル業の人達だろう。

 

「よう、デブリ回収ご苦労様」

 

『ああ、連邦軍の方で。其方もお仕事ご苦労様です』

 

「いやいや、此方は唯デブリの中を飛んでるだけだからな。大した労力じゃ無いさ」

 

他愛無い話をしながら本題に入る。

 

「所で、この辺りは地球連邦軍の管轄宙域だ。許可証を提示してくれるか?」

 

『分かりました。此方です』

 

すると直ぐにデータが届く。中を見れば正規の許可証だ。

 

「問題は無いみたいだな。仕事の邪魔して悪かったな」

 

『いえいえ、お気になさらず』

 

デブリの回収業者と別れて再び索跡を開始する。しかし問題等は起こる事は無く索跡は終了する。何も無い事にブツクサ言う部下を無視してポプキンスに帰投するのだった。

そして、こんな何も無い日常が日々続いて行く。だが軍人として何も無いと言う事は平和とも言える。それが仮初めの平和であったとしても。

 

……

 

ニュータイプ。ジオン・ズム・ダイクンが提唱した新しい人類の形だ。それは宇宙に適応した者達を指している。そして一年戦争に於いてニュータイプと言える存在が徐々に明るみに出て行く。

アムロ・レイ、シャア・アズナブル、ララァ・スン等と言った名だたる人物達は一年戦争時に多数の戦果を挙げた。敵の位置が見え、弾道予測をして回避。更にニュータイプ同士での意識の疎通等も出来る。それはエスパーとも言えるのかも知れない。だが、ニュータイプが人を導く存在には至る事は無かった。両陣営の上層部はニュータイプを秘密兵器として扱い様々な戦場に出して行く。その中にはニュータイプとしての素質が有るだけで戦場に出される者も居た。

一年戦争終結後、ニュータイプ研究は更に進んで行く。その研究対象者は戦災孤児と言われる幼い子供達も多く含まれていた。決して表に出る事の無い非人道的な扱い。仮に表に出たとしてもクレームを出す大人は居ない。何故なら子を守る親は居ないのだから。

 

宇宙世紀0084.●月●日。地球連邦軍オーガスタ基地。

 

オーガスタ基地はニュータイプ研究所として最も古い分類に入る場所だ。一年戦争中にはアムロ・レイ専用機となるRX-78NT-1アレックスを開発。またRX-78-4ガンダム4号機、RX-78-5ガンダム5号機、更に【EAXMシステム】【ペイルライダー計画】の中心拠点でも有った。一年戦争後にはRGM-79Nジム・カスタムを開発。更にデラーズ紛争後にはRGM-79Qジム・クゥエルと言った新機体を開発していた。

 

オーガスタ基地のある一室に数人の研究者と軍人が1人居た。中にはモニターの明るさだけが彼等を照らす。

 

「孤児の者達を使った研究は他の部署でも継続して行きます。しかし我々のチームは別の観点から強化人間の研究を補佐をして行こうと思っております。ですので、其処でアモス・ベアリー中佐にはご協力をお願いしたいと思いまして」

 

「それで?私に何をさせようって言うのかな。ロイ・ブラックモア博士」

 

がっしりとし体格で鷹の目の様に鋭い視線でロイ班長を見ながら少し棘の有る言い方をするアモス・ベアリー中佐。小太り気味で頭が薄いロイ・ブラックモア班長は鋭い視線を受けても気にせず薄い笑みを浮かべながら頷く。

 

「我々は薬物での肉体強化や催眠によるマインドコントロールを行って来ました。しかし、如何してもパイロットとしての性能不足が出てきます。勿論訓練等は行いますが、エースとしての素質は運頼りになってしまいます」

 

「だが強化人間には子供が適任と聞いているが?」

 

「勿論それも有ります。付け加えるなら世間に対する問題が無いのも有りますね。勿論マインドコントロール等と言った精神面では比較的容易に出来ます。しかし、肉体強化の限界も出てくるのです」

 

アモス中佐はロイ班長の最後の言葉を聞いて理解した。

 

「つまりパイロットを捕まえて来いと言うのか。また、無茶な注文をする。敵の捕虜を使うのは駄目なのか?」

 

「敵の場合マインドコントロールが難しいのが有ります。また高確率で最後まで抵抗しますから死亡してしまうんですよ。それに捕虜の多くは凡人ですから強化の意味無いんですよ。ハハハ」

 

愛想笑いと共にロイ班長は軽く言う。

 

「もう実証済みだったか。まあ良い。それで、誰を誘拐すれば良い?」

 

「此方になります」

 

モニターに3名の人物がリストアップされる。

 

「この3名は全てエースパイロットです。ですので戦闘での鹵獲に関してはかなり梃子摺るかと」

 

「手段は問わんのだな?」

 

「勿論です。出来れば無傷な状態が理想ですがね」

 

「手段を問わなければ幾らでもやり様は有る。此方に勧誘するなりすれば良いだけの話だ」

 

アモス中佐はリストアップされたデータを回収して部屋から出て行く。

 

「アモス中佐、ご健闘をお祈りします」

 

「貴様等からのお祈りは要らんよ。逆に不安になるわ」

 

そして明るい廊下に出る。アモス・ベアリー中佐の制服はティターンズだと分かる 濃紺色の軍服に、烏と地球を象徴するエンブレムが付いていた。部屋に残っていた研究者達も部屋から出て行き研究に戻って行く。そんな中モニターに映る写真と名前の中にある人物が居た。

其処にはルナツー方面軍所属第031パトロール部隊隊長、シュウ・コートニー大尉と映し出されていたのだった。








※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。