あべこべポケモン(仮)   作:ユーキ

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主人公がアローラ入りする前のポケモン雑誌。魔王に嶺上開花でゴッ倒されたので初投稿です。


weeklyポケモンTODAY Part1

『カントー期待のトレーナー特集!貴方の推しは?』

 

 カントー出身のトレーナーがどれだけいるかご存知だろうか? トレーナーの数は上昇傾向にありカントーだけでも6千万ものトレーナーがいると言われており、今年トレーナー教育を終え旅立つ新人トレーナーは300万人にも及ぶとされている。

 日々行われているバトル、それに伴い求められるトレーナーのレベルは高くなり、様々な戦法や技術が生み出されてきた。最近ではポケモンの編成だけではなくポケモンの育成にも目が向けられており、トレーナーの0.01%にも満たない数であったブリーダーが注目を集め、ブリーダーを志す者も増えているという。

 今回はジムリーダーや四天王である上位トレーナー、ではなくそれ以外のトレーナーについて纏めてみた。今回は初回という事で5人のトレーナーをご紹介しよう。

 

『キャロル・デ・キュリサード・アーチボルト』

 キャロルと聞けば誰しもが一人の女性を思い起こすだろう。そう、モンスターボールを生産しているシルフカンパニーの現社長であるキャロル・デ・キュリサード・アーチボルトだ。20代でシルフカンパニーに就職し、その後破竹の勢いで業績を上げトップにまで上り詰めた女性である。そんな彼女が30代に入ってから始めたのはトレーナー。目的は自社の宣伝であり、複数の大会で活躍する程の腕によってボール売り上げは先代の頃よりも15%上昇しているそうだ。

 そんな彼女が使うポケモンは一流ブリーダーが育て上げており、主力であるブラッキーとヘルガーの悪タイプツートップは次代四天王候補と呼ばれるトレーナー『カリン』の悪タイプにも勝るとも劣らないと言われている。

 彼女は7つの大会に出場し、第52回カントー選出大会では堂々の準優勝を果たし名実共にトップトレーナーとなっている。

 

『ミヤビ・カラクレ』

 黒の歌姫と呼ばれるミュージシャンである彼女の歌声は全てを魅了するが、それはポケモンバトルでも同じであり、ホウエン地方のジムトレーナーである『ミクリ』にも「彼女のバトルは繊細でありながらもどれ程の相手にも動じない固く強い芯がある。美しい」と言わせる程だ。

 彼女が使用するポケモンと言えばミロカロスとキレイハナであろう。美しさの具現化とも呼ばれるミロカロスと可愛らしいキレイハナ、この二匹の見た目に油断してはならない。ミヤビ曰く「綺麗な花には棘がある。美しきポケモンには技がある」。強力な技をお見舞いされてはどんなポケモンも一撃で落ちてしまう。

 ミュージシャンとトレーナーの両立の為大会に参加した回数は少ないが、参加した全ての大会でトップ8に入る実力を有している。

 

『ハンディエナ・ムエッティ』

 日に焼けた健康的な肌と編み込まれた黄金のドレッドヘアーがトレンドマークな彼女は、トレーナーの傍らサファリパークで働いているサファリ従業員である。サファリの中で鍛え上げられた肉体を持つ彼女だが、ポケモン達も肉体を鍛え上げており生半可な攻撃ではビクともしない。

 彼女が使うポケモンは格闘タイプが中心であり先鋒で必ず選出されるカイリキーと次鋒ルカリオの二匹はマッスルシスターズと呼ばれ並み居る挑戦者達を纏めて薙ぎ払ってきた。

 攻撃に耐えながら持てる力を全て込めた強力な一撃を相手に叩き込む、という戦いを好む為5人の中での勝率は最下位だが、それでもその実力は折り紙付きである。

 

『ロ・リー』

 両親は元々ジョウトの産まれであり、独特な口調が特徴なトレーナー。前述した三人とは違い特別な職に就いている訳ではない普通のトレーナーであるが、その技術は他のトレーナーから頭一つ抜きん出ている。使用するポケモンは一匹のみという驚きのトレーナーである。

 使用ポケモンは、ギャラドス。「幼い頃より共に生きて来た。この一匹のみを育てて来た」とは本人の言葉。その言葉通り今まで参加してきた大会にはギャラドス一匹で挑み、一匹で三匹や六匹を相手にしてきた。しかし最近「新しい仲間を見つける」と一言残し、遠き島国であるアローラへと旅立ってしまった。たった一匹で好成績を残して来たロ・リーが更なる進化を遂げて帰ってくるのが楽しみである。

 大会への参加回数は35回、優勝15回準優勝18回準々優勝2回という怒涛の成績を叩き出している。

 

 

 

 四人のトレーナーを紹介したが、この四人は上位のトレーナーの中でも大会での優勝数が多いトレーナーでありポケモン協会からも注目の人物であると言われている存在である。しかし最近そんな彼女達よりも注目されている男性トレーナーがいる事をご存知だろうか?

 

 ここ最近になって注目を集めてる男性の名前は『ユーキ・トレニウス』という。

 

 

 

『ユーキ・トレニウス』

 綺麗な黒髪と白い肌が特徴の10代の男性トレーナー。見る者を魅了しその全てを飲み込んでしまう様な深い赤色の瞳を持っており、その美貌で世の女性を魅了して止まない。だが注目してほしいのはその美しさだけではない。トレーナーとしての技量と育成に関しての腕は高く、四天王やジムリーダーへのインタビューで注目のトレーナーはと問えば「今注目しているのは、ユーキ・トレニウスである」という回答は多かった。ヤマブキシティジムリーダーである『エスパーの申し子ナツメ』は「彼のエスパータイプは強力だ、今育てているポケモン達やジムで雇っているトレーナーの手持ちを彼に預けてみるのもいいかもしれない」と彼に対して好意的でありその腕を買っているのは明白であった。

 だがそんな彼が何故今になって話題になっているか、それはユーキの行動にあった。彼とバトルをし話す機会があったトレーナーに取材をすると「彼はあまり目立ちたくないらしい」という情報が聞けた。その話の通り、彼はジム巡りを終えた後は各地で行われている小規模中規模の大会に参加するのみであり、大規模な大会や協会が主催する大会には参加しておらずメディアの前にあまり出ていなかった。そういった経緯があり彼は他のトレーナーに埋もれる形となってしまったのである。

 だが記者である私の調査によって様々な情報が集まって来た。彼は他のトレーナーと同じ様に数年間はカントー各地を転々としながらもジムに挑戦しバッジを手にしてきた、ここまでならば普通の事であるが、その速さが問題であった。何と半年の間に手にしたバッジは20を超えていたのである。その時に少し話題に上がり当時の本雑誌でも記事にした程である。(当時の記事は出版社サイトから→www.pokemonnewscompany.co.pk)

 だが最近、時折ジムリーダーや四天王と接触しているという情報が流れ始めた事で再度注目を集めている。最近ではイッシュ地方四天王の一人であるカトレアが「飛行機の中で彼と出会った」とPoketterに書き込んでいた。なお、これ以前にカトレアは出演していた番組内で「アローラに観光へ」という旨の話をしていたのでアローラへ向かったと思われる。ユーキも我々メディアだけではなく、集まっていた四天王やジムリーダーに声を掛けられながら飛行機に乗り込んでいた。そういった情報によって彼への注目度が上がっている。

 そんな彼の使用するポケモンは多く、確認出来ているだけでも大会で使用してきたポケモンは12匹である。それ以外のポケモンを使用していたという情報もあるが真偽は確かではない。一匹一匹が鍛え上げられており、トレーナーの手腕と合わさる事で常に戦いを有利に進めて来ていた。大会等の残っている記録では一度も負けておらず無敗。大きな大会ではないが、彼が勝つ姿を見る者はいても負けた姿を見た者はいないと言われている。しかしそれ以外の情報は少なく、それが【謎の麗人】という二つ名の元となっている。

 

 次号のweeklyポケモンTODAYでは『謎多き麗人ユーキ・トレニウスの謎に迫る!』と題し名の知れたトレーナー達への取材内容をお送りします。彼に関しての情報も随時募集しております(情報はポケモンニュースカンパニーWeeklyポケモンTODAY、トレーナー特集係まで)




元ネタは雑誌【weekly麻雀TODAY】から。

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