落第騎士と幻影騎士の英雄譚   作:またたび猫

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皆さん‼︎ お久しぶりです‼︎
久しぶりに投稿させて頂きました‼︎
気に入らないので『リメイク』しました‼︎

これからも作品投稿を頑張っていきたいと思います
ので『他の作品』なども試聴をして頂いたら本当に
ありがたいです‼︎


豆腐なメンタルな自分がここまで作れて
本当に良かったと思う……(;ω;)


『感想』などありましたらよろしくお願いします‼︎



【注意】

今回のお話は『ヘイトの内容』がかなりの確率で
積み込まれます。それでも読むのが大丈夫って言う
方だけオススメをさせてもらいます。
どうぞこれからもよろしくお願いします‼︎








伐刀者の価値と其々の価値観

第七修練場ーー

 

 

そこには今迄に見たことのないほどの観客が

集まっていた。当然と言えば当然。

 

 

何故ならばこの第七修練場では、ーー十年に一度の

逸材と呼ばれる異国の少女、一年生にしてすでに

『二つ名』を有する今年の首席入学者、

ステラ・ヴァーミリオンの公式戦初戦が

行われているのだから。

 

 

 

「いけー! 桃谷ィ!」

 

 

「長距離戦でお前に勝てる奴なんていねえぞ!」

 

 

「最上級生の意地を見せてやれぇぇ!」

 

 

『応援席からの声援がすごい!

《重戦車》桃谷選手!学内序列一桁の人気は伊達

じゃないッ! さあ今日も出るか⁉︎ 数多の騎士を

場外まで吹き飛ばしてきた桃谷選手の得意技!

希少な甲冑型の固有霊装《ゴリアテ》から放たれる

ヘヴィチャージが!』

 

 

応援席から声援。

 

 

それらを一身に背負うのは、身長百九十センチは

あろうという巌が如き巨漢。

 

 

ステラの初戦の相手、桃谷武士だ。

 

 

分厚い装甲が幾重なった甲冑に身を包んだ桃谷は、

開始線で身体の視線を低くし、肩から相手に

ぶつかっていく構えを取りーーーしかしとったまま

ぴくりとも動かない。

 

 

「どうした桃谷! 

いつも通り吹き飛ばしてくれ!」

 

 

「そいつはFランクにも負けてるんだ!

オマエなら余裕だせ!」

 

 

囃し立てる友人、クラスメイトたち。

 

 

 

しかし桃谷はーーー

 

 

(………こんなのに、どうやって勝てって

いうんだ……)

 

 

目の前に広がる、炎の海を見て……すくみ

上がっていた。

 

 

燃えさかる火炎をドレスのように見に纏うステラ。

 

 

そんな彼女を中心にリングに広がる炎の海。 

 

 

燐光を散らし、大気を燃やす《妃竜の息吹》の

熱は、十メートル以上離れているにもかかわらず、

甲冑の中を焼く。

 

 

目の前に対峙して初めてわかる、ステラの持つ

桁外れの存在感。

 

 

それを目に、桃谷は思った。

 

 

こんな相手と戦うなんて、自分から火口に身投げ

するようなものだと。

 

 

「アンタは後ろで騒いでいる連中と違って

弁えているみたいね」

 

 

立ち止まったまま動かない桃谷に、ステラが

話しかける。

 

 

 

「……この試合は『実戦』。

当然飛び込めば、《幻想形態》のように

『痛いだけじゃ済まないわ。』そのあたり、

よぉく考えて決断することね」

 

 

自分の臆した心も、その理由も、すべて悟られて

いる。

 

 

それを知り、桃谷はーーー

 

 

 

 

「………まいったっ」

 

 

『な、なななんと〜! 桃谷選手、開始線から

一歩も動かないままギブアップを宣言ッ!』

 

 

『うはは! なっさけねー! だけど賢け〜!』

 

 

桃谷の判断に、解説席に座る赤い着物を着た小柄な

教師がゲラゲラ品のない笑い声を上げ、けなして

いるのか褒めているのかわからないことを言う。

 

 

『賢い、とはどういうことでしょうか西京先生?』

 

 

『だってあんな化け物に勝てる訳ないじゃん!

オマエ今から焼身自殺しろって言われてできる?

できね〜っての! だけど一歩も動かないまま

ギブアップとか超だっせー! あはははっ!』

 

 

『あ、あの、西京先生、少し言葉は選んだ

方が……』

 

 

少し見かねて、実況の女子生徒が引きつった顔で

注意するとーーー

 

 

『まあ、あの化け物を止められる可能性がある

人物ならいるかもしれないがねぇ……?』

 

 

『さ、西京先生‼︎ それは 一体、誰でしょうか⁉︎』

 

 

『さあ、一体、誰だろうねぇ?』

 

 

西京寧音がそう言った瞬間、観客席がザワザワと

騒ぎ始める。

 

 

それもそのはず、『KOK世界ランキング3位』の

超一流の現役騎士であり『夜叉姫』という二つ名で

呼ばれた『魔人の一人』である彼女にそう言わせる

ほどの人物だ。騒ぐなと言う方が無理があるのだ。

 

 

その後、寧音は試合解説をしていた放送部の生徒

に笑顔ではぐらかしながら

 

 

『ただ、今回選抜戦は『予想外の伏兵』が現れる

かもなってな?』

 

 

寧音は口元をニヤリと悪そうな笑顔をさせながら

そう言って視線をある方向へと向けていた。

 

 

 

その視線の先にはーー

 

 

 

 

(僕か……)

 

 

第七訓練場の入り口付近で立ったまま緑茶を

立ち飲みしながら試合を見ていた雪がいた。

 

 

「それにしてもあのちびっ子め……ぬるい解説

だったなあ……」

 

 

雪は寧音の解説に呆れた表情をしながら溜息を

ついていた。

 

 

そもそもだ、寧音はステラ・ヴァーミリオンが

圧倒的な魔力の量で桃谷に勝ったと試合の実況で

そう言っていたがーー

 

 

 

 

要はこの試合でステラ・ヴァーミリオンが勝てた

のは『温室育ちで恵まれた貴族様様の血筋や血統』

や『ただの運の良さ』で勝てたに過ぎないだろう。

 

 

 

もし、試合開始の合図の瞬間、ヴァーミリオンの

不意をついて桃谷の鎧の霊装である《ゴリアテ》の

突進力を利用すれば一撃で仕留められなくても少し

の間怯ませて意識を奪うことが出来るはずだ。

 

 

だが、桃谷は《ゴリアテ》でそれをしなかった。

楽勝に勝てると対戦相手を舐めてかかった結果、

負けに繋がった。ただそれだけのことだ……

 

 

 

ヴゥーー‼︎ ヴゥーー‼︎ ヴゥーー‼︎

 

 

ん…? 携帯が鳴っている? 

一体、誰からだろう……?

 

 

もしかして…あのちびっ子か…?

それとも…黒乃理事長からの電話だろうか…?

 

 

恐らくあの二人は僕のことをかなり警戒して

危険人物対象として見ているだろう……

 

 

まあ、警戒しておくに越したことはない……

 

雪は携帯の電源を入れて確認すると

 

 

「……チッ」

 

 

雪は舌打ちして機嫌が悪そうな表情をながら

第七訓練所を後にしてした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おめでとうステラ」

 

 

選抜戦一日目が終了し、寮室に戻ってきたステラ

に、一輝が祝辞を述べた。

 

 

「………ふ、ふん。まあアタシにかかれば

このくらい当然よっ」

 

 

相変わらずの口調だが、鼻がヒクヒクしている

あたり、まんざらでもないらしい。

 

 

「戦いにすらならなかったらしいね」

 

 

「いつも以上に燃やしてやったからね」

 

 

「僕も見に行きたかったんだけど、残念だよ」

 

 

 

「…………………アタシだって残念よ」

 

 

「え? なんだって?」

 

 

「な、なんでもない! 仕方ないじゃない、

今回はシズクと時間が重なっちゃたんだから。

でも、次はちゃんと見にきなさいよね!」

 

 

「うん。それはもちろん。……それにしても

帰りが少し遅かったね?」

 

 

「あまりにも拍子抜けで、力を持てあましたから。

ジムの方で汗をかいてきたの」

 

 

「そうなんだ。……でも本当によかった。

珠雫もステラもアリスもみんな勝てて」

 

珠雫の試合が行われたすぐ後、有栖院の試合も

同じ第十五訓練所で行われ、有栖院はEランクの

二年を相手に試合時間十秒で圧勝した。

 

 

対戦に不利な能力とはいえ、さすがに次席新入生

である珠雫のルームメイトに選ばれるだけのこと

はある。

 

 

「アリスの力は僕も解放軍の一件で見たけど、

能力に攻撃力がないぶん、攻め方がいやらしい。

ああいうトリックスター系は案外ステラとは相性が

悪いかもね」

 

 

「誰が相手でもアタシは負けないわよ。

あのーー『ピピッ‼︎ ピピッ‼︎ ピピッ‼︎』」

 

 

「あ、ステラ…ちょっとごめん……」

 

 

一輝がステラにそう言ってポケットから携帯を

取り出してスラスラと指で軽々と操作する。

 

 

「どうしたの? イッキ…?」

 

 

ステラが一輝を心配そうな表情をしていた。

 

 

どうやら思い悩んだ表情していたようだ……

 

 

「いや、なんでもないよ。 それよりも……」

 

 

一輝立ち上がってステラに笑顔で

 

 

 

「ちょっと用事が出来たから外に出て来るね」

 

 

 

「そう、分かったわ」

 

 

そう答えるとステラが一輝のに返事して一輝を

見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーンーーー

 

 

一輝がファミレスに入ると店内には明るい音楽

が流れてくる。

 

 

 

「たしか…この辺りだったと思うけど………」

 

 

 

一輝はファミレスの周囲の席を左右に見渡すと

見つけたのか『ある人物が座っている席』に

視線を向けて一歩、また一歩と近づいて行った。

 

 

「遅くなってすみません……」

 

 

 

一輝が『その人物』軽く頭を下げて

 

 

 

 

 

『因幡 先輩』

 

 

 

一輝がそう言うと雪は待ちくたびれての溜息

なのかそれとも一輝の顔を見ての溜息なのか

全く分からない

 

 

「そんな御託はいい…案山子みたいにじぃーと

突っ立ってないでさっさと座れよ、黒鉄一輝」

 

 

 

雪は死んだような光のない魚の目でそう言うと

「そうですね…分かりました……」と一輝が雪に

そう言ってとりあえず席に座った。

 

 

「長居をするつもりはない。用件は何だ?」

 

 

雪が一輝にそう言うと一輝は覚悟を決めたのか

真剣な表情で雪を見て

 

 

「次の試合について話しです……」

 

 

一輝は一言言って更に話しを続ける。

 

 

「もし、試合に勝てたら…以前、教室で言った

『あの時の言葉』を撤回してください……」

 

 

 

『あの言葉』とは一体…? ああ、もしかしてーー

 

 

 

雪は一瞬にして一輝が何を言いたいのか理解した。

あの時、自分自身のことを『ペテン師』と呼んだ

からだろうか? それとも『剣客の紛い物』と

言ったことを言って根に持っていたのだろうか?

 

 

「もしかして以前、お前たちが言い争っていた時

にお前のことを『ペテン師』と言ったことか?

それともーーー」

 

 

雪はつまらなそうに淡々と一人で話しを続ける。

そんな中、一輝は黙り込んでいるが更に続ける。

 

 

 

「それとも、自分自身が剣客にすらなれない

鈍の棒切れを持った『哀れな剣客の紛い物』と

言われたことか?」

 

 

「ッ‼︎」

 

 

雪がそう言った瞬間、ピクリとだが一輝は反応

した。

 

 

どうやら雪の言葉が図星だったのだろうか額には

分かりやすいぐらい大量の冷や汗が滝のように

ダラダラと流していた。

 

 

 

なるほど…これだけの内容を言うためだけにここに

呼んだのか……黒鉄一輝といい、《雷切》生徒会長

東堂刀華といい本当に騎士や剣客という生き物は

呆れてしまうほど愚かな生き物だと思ってしまう…

 

 

 

「なるほどな、どうやらそのことを気にしていた

ようだな。んで、何故、僕が言った言葉を撤回

しなければならない?」

 

 

「え…?」

 

「紛い物であるのは実際事実だろう?しかも、

本気で戦ったことすらないこともなければ

やり合ったことすらない。そんな鈍な刃で

『黒鉄 龍馬』のような『この国一の剣豪』

なると戯言を豪語して言っているのだろう?」

 

 

一輝は雪の言葉に戸惑っていた。

 

 

「断言してやる。あんな紛い物の猿真似の我流の

剣技レベルではあの人『黒鉄 龍馬』のような剣豪

になれるはずがないしその頂に辿り着けるはずが

ない…デパートの立て篭り事件だってそうだ…

目の前の現実を見ろ」

 

 

「そ、そんなことーー「そんなことないわ‼︎」」

 

 

「えっ…?」

 

 

一輝が間抜けな声を出しながら後ろを

振り向こうとすると

 

 

 

「まさか『予想外の招かれざる客』がやってきた

ようだな『ステラ・ヴァーミリオン』皇女殿下様」

 

 

雪がそう言ったのと一輝の間抜けな声と同時に

背後から別の人物の声が聞こえた。

 

 

そして一輝が声が聞こえる背後に視線に向けると

『ヴァーミリオン皇国の第二皇女である彼女』

『ステラ・ヴァーミリオン』が立っていた。

 

 

「ステラ…どうして、此処に……」

 

 

 

一輝がステラの姿を見て驚きながらもそう聞くと

ステラはポケットから『ある物』を取り出した。

 

 

「それは……」

 

 

その『ある物』は『一輝の携帯の端末』だった。

 

 

 

「アタシもイッキの端末のメッセージの内容を

見るまで分からなかったわよ」

 

 

ステラは一輝にそう言って『一輝と雪の会話の

内容』を見せた後、視線を雪に向けた。

 

 

 

「人の携帯端末の内容を盗み見るどころか…今僕達

がファミレスで話していた内容さえも盗み聞くとは

……皇族、ましてやヴァーミリオン皇国第二皇女様

がするような行いは如何なものかと思うのだが?」

 

 

雪がステラにそう言うとステラは溜息を一回して

「そうね……」と言って口を開いて更に言葉を

紡ぐ。

 

 

「アンタはさっきイッキのことを聞いていたけど

ペテン師や剣客の紛い物など言ってくれたみたい

だけど次の試合でイッキが勝つわ‼︎ そして私達は

全員で選抜戦を勝ち上がってみせるわ‼︎」

 

 

ステラは雪にそう言う。ステラの表情は怒っている

のだろう。顔を真っ赤にして今にも自身の霊装を

取り出そうと感情を露わにしているのは誰がみても

分かる。

 

 

 

それに対して雪は冷静に淡々と言葉を紡ぐ。

 

 

 

 

「ヴァーミリオン。今、そんな『夢物語』を語って

一体、何の意味がある?」

 

 

 

とても冷静だった。まるで氷のように冷たく機械の

ような無機質な瞳でヴァーミリオンを冷めるように

横目で見ていた。

 

 

「夢、物語……?」

 

 

「そうだヴァーミリオン。この際だからはっきり

言ってやる。お前達のレベルでは選抜戦の代表に

選ばれることはない。それどころか選ばれるかすら

あやしく思えてならない」

 

 

「何ですって‼︎」

 

 

 

「それに選抜代表になって選ばれる人数は6名の

少数で更にはそんな僅かな可能性の中なんだぞ?

それとも何か? お前達はみんなで仲良く友達

ごっこしたくてこの破軍学園に遊びに来たのか?」

 

 

「そ、それは……」

 

 

「それともこの男に惚れたか?」

 

 

「なっ‼︎ そ、そんなことは……‼︎」

 

 

ステラ・ヴァーミリオンがこんなに分かりやすく

動揺するのを見て本当にこの男に惚れたのだろう

と理解出来た。

 

 

「ああ‼︎ もう、とにかく‼︎ 私達の全員で

選抜代表選を勝ち取ってアンタを見返してやる‼︎ 」

 

 

 

「『口だけなら』いくらでも言える。それにーー」

 

 

 

雪に読心術じみた的確な内容を散々言われたから

だろうかステラがそう言って雪を睨みつける。

 

 

 

だが、雪はそんな騒いでいるステラを無視して

席から立ち上がって一輝を見ながら

 

 

『結果を出してから言え』

 

 

 

そもそも黒鉄一輝の初戦の対戦相手は胸糞悪い

あの不愉快な《狩人》桐原静矢だ。コソコソと

絶対的安全な場所でほくそ笑みながら『相手(獲物)

という名の弱者』を痛ぶり射抜くことを楽しむ

しかも自分の能力で勝てないと分かった途端、

棄権して逃げる臆病者で騎士と呼ぶには相応しく

ないと言える屑ような騎士だ。

 

 

 

そして『黒鉄一輝にとって桐原静矢は最悪の天敵』

であり、因縁がある相手なのだと理解しているから

だからこそ

 

 

 

『結果を出してから言え』

 

 

 

と一輝に言ったのだ。

 

 

 

そして雪は席を立って一輝とステラを見向きも

せずにその場を後にしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イッキ、大丈夫…?」

 

 

 

「ああ、心配されてすまないステラ……」

 

 

 

「うぅ……だって……イッキがバカにされて、

くやしかったんだもん」

 

 

「え? だって、……なに?」

 

 

 

「な、なんでもないっ!」

 

 

 

雪がファミレスを去った後、ステラと一輝は

二人きりになって少し話していた。

 

 

 

「それで…イッキは何でアイツ…イナバ先輩と

会っていたの?」

 

 

ステラは真剣な表情で一輝に聞くと

 

 

「認めてもらおうと思ったんだ…」

 

 

「認めてもらうため? どう言うこと…?」

 

 

ステラは一輝の言葉に頭を傾げていると

 

 

 

「以前、ステラと珠雫が争っていた時、因幡先輩

に言われた内容が気になっていたんだ…」

 

 

 

「そ、それは……」

 

 

 

ステラは一輝の言葉理解してその時のことを

思い出していた。

 

 

 

『お前がどう鍛錬して努力しようが僕には

どうでもいい……だが、君がもし、そのまま

そのふざけた贋作の模造を続けるなら僕は君を

絶対に容赦しないし『君の存在』と『その刃』ごと

斬り落とすから……』

 

 

と言う言葉を思い出していた。

 

 

その言葉を聞いていてステラでも分かる。

『因幡雪は黒鉄一輝の騎士としての存在と騎士と

して振るう刃を許さないどころか黒鉄一輝の騎士の

プライドと刃(陰鉄)を切り捨てると、つまりは

『因幡雪』という騎士は躊躇いや躊躇などの感情は

一切なく容姿なく切り捨てると言う警告しているの

だと、だから今回の選抜代表選ばれたら認めさせて

ことが出来るんじゃないかと一輝は僅かな可能性を

思って言ったのだろう…

 

 

 

「でも、今日因幡先輩と話してみて因幡先輩の

言う通りだと思ったよ……」

 

 

 

「えっ?」

 

 

えっ…? イナバ先輩の内容を肯定するの?

それってつまり…以前、一輝がアタシに言っていた

『黒鉄龍馬のような騎士になりたい』という夢を

諦めるというの……?

 

 

ステラは一輝の言葉を聞いて内心慌てていると

 

 

 

「まだ、結果を出していないのに勝った前提の

話しをしていたんだ……因幡先輩に言われた通り

結果を出してからじゃないと……」

 

 

そうだ…自分の対戦相手は《狩人》桐原君だ。

それに『桐原君の能力は自分にとっては天敵』

であり一輝たちの世代には『首席新入生』と

呼ばれて一年生にして七星剣武祭の代表選手に

選ばれた猛者だ。

 

 

 

(もしかしたら…雪先輩は気付いていたかも

しれない……)

 

 

『桐原君の能力は僕にとって最大の天敵』で

あるとそして彼は二回戦止まりの人間に躓いて

負けているようでは騎士の高みもクソもないと

言うことに……

 

 

それに……勝たなくては意味がないのだ。

 

 

だからこそ一敗することなく無敗を貫かなければ

ならない。一敗でもすれば、おそらくチャンスは

ないのだから

 

 

 

(ああ…そうか……)

 

 

因幡先輩が先程自分に『結果を出してから言え』と

言っていたあの言葉の意味は『この試合の勝利』

ではなく『選抜代表の一人として選ばれる結果』を

出してから言えと言っていたのか……

 

 

 

確かにそうだたった一回戦勝ったぐらいで選抜代表

になれるはずがないし実力がない者が選抜代表の席

を掴めるほど七星剣武祭の選抜代表の席は容易く

などないし安くもない…

 

 

 

むしろ、ステラ、珠雫、アリス……そしてこの学園

のみんな…だって選抜代表の席を掴もうと今でも

努力を重ねている……なんで自分はこんな単純な

ことを忘れていたんだろう……

 

 

鍛えた分だけ刀や刃重みもそして……

 

 

一輝が更に考えていると

 

 

「イッキ…大丈夫…?」

 

 

「えっ? あ、す、ステラ……」

 

 

そうだ…僕は負けるわけにはいかない。

負けてしまえば、耐えに耐えた今までが無位意味

になってしまう。だから、誓う。

 

 

「ステラ……」

 

 

「なに、イッキ…?」

 

 

「僕は、必ず勝つよ」

 

 

誰にでもなく、自分自身に。普段の一輝とは

少し違う、強い言葉で。

 

 

そう、誰にも負けない‼︎

 

 

勝って、勝ち続けていつか黒鉄龍馬様な剣豪に

伐刀者になってみせる‼︎

 

 

「策でもあるの?」

 

「ある」

 

一輝は迷うことなく断言した。

 

 

「攻略法はもう見えている」

 

 

「そう…」

 

 

ステラはそう言って俯いていた顔を上に上げて

 

 

「イッキ」

 

 

「ん? どうしたのステラ?」

 

 

「絶対、全員で選抜戦の代表になって七星剣武祭

に出るわよ……」

 

 

「ああ、もちろんだ。

全員で選抜戦の代表になろう‼︎」

 

 

 

「選抜戦の代表になってアイツの度肝を抜いて

やるんだから‼︎」

 

 

 

二人はこの日を境に改めて誓い合った。

お互いが選抜戦の代表なって『剣の頂』を目指す

『好敵手』として大勢が注目する大舞台である

七星剣武祭で決着をつける覚悟を決める。

 

 




ここまで読んで頂きありがとうございました‼︎

これからも作品投稿を頑張っていきたいと
思いますので『投票』や『お気に入り』、
そして『しおり』などの応援したいただけたら
『豆腐のようなメンタル』な自分も頑張れます‼︎

更に続けていける様に頑張っていきたいと
思います‼︎

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