小説を投稿してからこれが10話目になりますが、合計UA数が1000を超えていました。
こんな小説でも読んでいてくれている人に感謝です。
「なぁ...玲! お前ってパンチラってどう思うよ!」
「...は?」
突然の勇吾からの質問。
唐突過ぎる質問に玲は...
「どうって思われてもなぁ...いきなりそんなことを言われても...」
「お前それでも男かぁ!!」
「えぇ...」
なんて理不尽な。
勇吾の理不尽な所にはほぼ毎日困っている。まぁ悪いやつではないから、玲もそれなりに接しやすい相手ではあった。
「あ!いたいた!玲くーん!」
廊下を歩きながら話していると、後ろから心奏が走って玲達に向かって走ってきた。
「んぁ? 楠さんじゃん。どったの?」
「あ。勇吾君も。奈夜君は?」
「奈夜?あー...あいつなら図書室にいつもいるから、今日もそこにいるかな」
「わかった!ちょっと呼んでくるから、校庭で待ってて!」
そう言うと、心奏は玲達を置いて、そそくさと図書室へと走っていった。
その後ろ姿を眺めていた玲達は、
「なぁ...玲? あの後どうしたんだ?」
「あの後? あの後は...」
あの後というのは、三日前の文化祭での、心奏への告白。
心奏からもokされ、正式なカップルになっている。あの後心奏から「ホントは私からしたかったのにー!」って言われたけど。
「...告白しただけで後は何もしてないけどね...」
「なーんだ。つまんね」
「何がさ...」
「お前らの事だからてっきり家に持ち帰って(自主規制)とか(自主規制)とか(自主規制)なんかしたのかと」
「そんなこと...」
勇吾の言い放った(自主規制)を想像し、玲は熟成したトマトのように顔を赤くした。
「ほ、ほら!校庭で待ってろって言われてるだろ!?早く行くよ!」
「はいはい」
____________。
放課後の学校。玲と勇吾は心奏の言われた通り校庭に行くと、そこには千秋の姿があった。
「おー!来たみたいだね」
「千秋さん...ずっとここで待ってたの?」
「いや?私も今来たばっかり」
「楠さんに呼ばれて来たけど...おまえもそうなの?」
「いや、私が玲達を呼んできてって頼んだの」
「なにかするの?」
「それは奈夜君たちが来た時のお楽しみ」
「??」
「おーい!」
「あ。来た」
「それで?用事って?」
「じゃあ、5人集まったことだし」
千秋は懐から一つの缶を取り出し、
「第1回!缶蹴り大会〜!」
千秋が缶蹴りをやるのだと。そう叫んだところに勇吾は、
「...帰るわ」
「えぇ!?」
そりゃそうでしょ。割と大事な話かなー。って思ったところにこれだもん。勇吾や奈夜だって、盛大に滑ったギャグを見ている観客のように冷たい目で千秋を見つめていた。
「勇吾君!?ホントにこれでいいの!?」
「良いんだよ!!いいからとっとと俺を家に帰らせろぉ!」
全力で帰ろうとする勇吾に、千秋は全力で勇吾のカバンを掴み、重心を低くして勇吾を静止させる。
「家で俺の彼女(画面の中)が待っているんだぁぁぁ!!」
「今ここで帰ったらリアルの女の子に嫌われるぞぉぉぉぉ!!」
「よしやるかぁぁ!」
(なんだこの茶番...)
全く以て訳が分からない千秋と勇吾の茶番と、それを見届ける僕と心奏と奈夜。
「と...とりあえず誰が鬼をやるか決めよっか...」
「よし、じゃーんけーん」
「「「「「ぽい!」」」」」
僕 グー
心奏 パー
勇吾パー
奈夜 パー
千秋 パー
...まさかの一人負け。
_____________。
「はい、勇吾みっけ」
「ダニィ!?」
「お尻見えてたよ...」
「あ、まじでか」
あれから20分。玲は自分の缶を守りつつ、心奏達を探していた。
「都神君強いねー...」
「お前なんか開始2分で見つかってたしな」
「うっさい」
「あ、奈夜も見つかった」
「都神君強すぎないこれ」
あとは心奏1人だけど...どこいった?僕の缶を守らないといけないから、あまり離れられないし...。
ガサッ
「ん?」
どう動くか考えている時に、玲の後ろ側から物音がした。低木の揺れる音だ。
...そこにいるのか?
物音のした所に歩いていくと、そこには
「...猫か?」
また捨てられたのであろう、小さな猫だった。...この町は猫を捨てるのが流行っているのか?
「心奏じゃあ、無かったか。...この辺は車が多く通るからあぶないよ?」
玲は子猫を抱き上げた瞬間、
ガサッ!
「あ!いた!」
玲のいる所の反対側の低木から心奏が出てきた。心奏と玲のお互いの缶への距離はほぼ同じ。...しかし
「...間に合わない!」
「もらったぁ!」
心奏の方が3歩ほど速かった。
心奏が足を振り上げたところに、
「届けぇぇぇ!」
玲が缶に向けて足を伸ばす。
が。
「あ...」
速く走りすぎて、ブレーキの効かない心奏はそのままのスピードで玲とぶつかり。
「いだ!」
「あいた!」
そのまま、玲と共に地面に激突した。
...あいたたた。あれ、何この顔のしかかる重量感。あとなんかあったかい。何この感触。
「あいたたた...玲君、大丈...夫?」
心奏が起き上がると、状況を察知したのか、心奏は顔を赤くした。どうしたのかと心奏に問いかけようとするが_____。
「お、おい!玲!」
「え?」
「え?じゃねーよ!羨ましいぞこらー!」
...あー...何となく理解した。多分僕の顔にのしかかってたのは...
心奏のその大きなふたつの山だ。
「死ねぇぇぇぇい!!」
「ちょ!ストップ!今子猫いるから!」
「関係なぁぁぁぁい!!」
あかん。話が通じない。とりあえずこの子猫を...。
「心奏!ちょっとこの猫預かってて!」
「ふぇっ!?あ...うん」
「まてやごらぁぁぁぁ!!」
「...勇吾君は何に怒ってるの?」
「多分、玲が楠さんといちゃついてたからじゃない?」
「い、いちゃつくって...そこまでしてたの?私達」
「少なくとも、勇吾にはそう見えてたと思うよ」
「...青春だねー」
「待てぇぇぇぇぇい!!」
「だぁぁぁぁぁ!!」
...結局、僕が勇吾から解放されたのは太陽が完全に沈んだ時でした。