私の初恋の相手は男の娘でした。   作:ゆんさん

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玲の歌

 

 文化祭。

 それは、飲食店、舞台物、展示系、ライブ...様々なイベントが楽しめるが...。

 因みに心奏と玲はというと。

 「あんな服、僕には到底着れないな...」

 「私も...」

 学校を代表する美少女(美少女という設定を殆ど忘れていた)楠 心奏と、その隣には傍から見たら女性に見える男の娘、都神 玲は2年生の出し物、ファッションショーを見ていた。

 その服は、2年生の手づくりであり、とても派手なものばかりだった。

 「...やっぱあれは着れないな」

 「そうだね...」

 続いて、室内。心奏達とは別の1年C組の出し物を楽しんでいた。

 「はい、あがり」

 「へ?もう?」

 心奏と玲、C組の生徒2人、合計4人でババ抜きをしていた。

 「あ、またババ...」

 「...顔に出すぎだよ心奏。顔だけでジョーカー引いたってわかっちゃうよ」

 「それを言われても...」

 現在、C組男子2人が抜け、玲と心奏の一騎打ちになっていた。お互いにハートの10を引けば勝ちになる。

 「えーと...」

 (こっち!こっち引いて!)

 「...凄い震えてるけど、大丈夫なの?」

 ハートの10とジョーカーを持つ両手が震えていた。どうにか平静を保とうとするが、心奏はかなり緊張していた。

 「...じゃあ、こっち」

 (...!)

 玲が心奏の持つジョーカーに指をかけた瞬間

 (勝った!第3部、完!)

 一瞬でた心奏の口の端が上に釣り上がったのを見逃さなかった玲は

 「やっぱこっちで」

 「あっ...」

 ジョーカーの左隣のハートの10を持っていった。

 「心奏が最下位だね」

 「う、うるさい! ほら、次行くよ!」

 (青春だなー)

 (リア充爆ぜろ)

 

 _____________。

 

 「...お腹いたい」

 「食べ過ぎだよ...カレーに唐揚げに綿あめに...」

 「だって...玲君との文化祭デートだったから...楽しすぎて...」

 「だからってはしゃぎすぎ」

 「うぅ...そう言えば、今何時?」

 「えーと...4時47分...あと13分か...」

 5時からは、クラスの代表による歌合戦が始まる。準備のために5時までに舞台裏に行かなければいけないのだ。

 「じゃあ、行こうか」

 「うん...」

 

 ____________。

 

 『おおおおおおおおお!』

 校庭にいくつもの拍手が鳴り響く。

 私はあの後、玲君は舞台裏に行き、私は会場で玲君の登場をずっと待っている。

 玲君が出てくるまでの間、他のクラスの代表の歌を聞いていた。

 ...途中に3秒で終わる曲とかあったけど、気にしない。

 『はい!3年A組の素晴らしいパフォーマンスでした! 流石は3年生と言ったところでしょうか!』

 「凄かったぞー!」

 「いい思い出できたなー!」

 盛り上がる会場に、

 『さぁ!このイベントも遂に最後!』

 「次!君の番だぞ! 準備しろ!」

 (き、緊張する...)

 慌ただしい舞台裏。

 『最後を飾るのは...』

 「い、行きます!」

 緊張する足が、1歩、1歩と歩みでる。まるで自分の足じゃないみたいだ。

 『二学期にこの暁島高校に転校してきた、都神 玲君です!』

 ...来た!玲君!

 「頑張れよー!」

 「期待してるぞー!」

 「何あの子、可愛い!」

 『いやー、可愛い容姿ですね!彼女は?』

 「い、いや、まだいません!」

 『この際客席から1人選んだらどうですか?』

 「え...え?」

 おい何聞いとるんだ司会者。玲君の彼女は私だぞ。(まだ告白とかしてない。と言うか出来てない)

 『...とまぁ、冗談はさておき、都神玲君の歌をお聞き下さい!それではどうぞ![小さな恋の歌]!』

 曲が流れ出すと、意を決したように玲君は客席を見つめた。そして玲は、透き通るような声で歌いだし___________。

 

 「______響け、恋の歌」

 「うおぉぉぉぉ!」

 「すげー!」

 「カッコイイ!」

 「やばーい!」

 歌が終わり、その時、玲は初めて戦慄というものを覚えた。

 「...凄い」

 時々カラオケとか行くけど、とてもあんな声は出せなかった。

 『はい!素晴らしい歌をありがとうございました! これにて、暁島高校の文化祭を終わりにしようと思います!』

 「あの...」

 『はい?』

 「えっと、さっきの話、させていただきますね」

 「え?」

 「まさかの?」

 『か、彼女のことですか?』

 「はい。客席にいるので...呼んでいいですか?」

 『は、はい!どうぞ!』

 「はい。じゃあ...楠心奏さん?舞台に上がって来てくれませんか?」

 「え...?」

 「え?まじで告白すんの?」

 「流石だねー」

 不意に私の名前を呼ばれ、玲に言われたまま、舞台に上がると、

 「心奏...?」

 「は、はい!」

 「ずっと...8年前から、ずっと君のことが好きでした! 良かったら、僕と付き合ってください!!」

 「「「おおおおおおおお!!」」」

 突然の玲からの告白。

 心奏は、自分で考える前に...

 「...はい!よろしくお願いします...!!!」

 

 玲の告白に応え、そして、長かった文化祭は幕を閉じた。

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