灰かぶり姫は1人だけ   作:error405

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悪と解放と開幕戦

 

巧翔「あいつがチートプレイヤーか」

 

男「なんだ?獲物が獲物を増やしてくれたのか?けひひ、最高だなぁ、おい」

 

スッゲェ、イラッとする

 

巧翔「まゆ、あいつの動きを止めろぶん殴ってくる」

 

まゆ「はい」

 

まゆがリボンを伸ばし、男の体を縛る。俺がそこに向かって走り出すと

 

タタタッ

 

巧翔「うおっ」

 

亜季「そうはさせないであります」

 

大和亜季の銃撃により足止めをくらい、

 

珠美「そりゃぁ!」

 

脇山珠美によってリボンを切られてしまった

 

まゆ「まゆのリボンそこそこの硬度があるはず何ですが切られてしまいました」

 

巧翔「なるほど、多分あの刀で斬れないものはない的な特技か」

 

それが本当だとしたら厄介だな

 

甲斐斗「俺達はどうすればいいッスか!」

 

前に見た戦闘スタイルから考えると多分李衣菜は肉弾戦のはず

 

巧翔「李衣菜と大和亜季を抑えろ!美夜は美穂と脇山珠美を!」

 

美穂「分かりました!」

 

李衣菜「りょーかい!」

 

四人がそれぞれの相手へ向かっていく

 

巧翔「さてじゃあ、俺とまゆで神谷奈緒の特技の回答編と行きますか」

 

男「あぁん?そこのふたりに聞いた話だけでわかったての?」

 

巧翔「簡単すぎるだろ」

 

俺が聞いたのは魔法、反射、手が伸びるだったな

 

巧翔「魔法ならいろんなアニメに出てるし、反射も割とあるな、一方通行とか。手が伸びるのはまんまルフィだろ?アニメの力を使える特技。でもそれだけなら歌の力まであるにしては強すぎる、だから回数制限あり、そんな所じゃないか?」

 

男「けひひ、ほぼ正解」

 

そう言うと男はまゆの方に目をやる

 

男「キュートかぁ、俺はいらねえなぁ。まぁ土産に持って帰るか、けひひ」

 

男のセリフが終わるのを待たずに俺とまゆはそれぞれ動き出す

 

巧翔「何もう勝った気でいるんだよっ!」

 

男を殴ろうとすると奈緒が止めに入る。それをまゆがリボンを使い牽制する、しかしそのリボンも奈緒が手刀で切ってしまう。

 

巧翔「おいおいおい、なんであんな殺戮マシーンみたいになってんだよ」

 

まゆ「さっき言ってた洗脳の効果じゃないですか?」

 

まぁ、それ以外に心当たりはないしな。他のメンツはどうだ?

美穂チームの方を見ると美夜が撹乱を行いながら美穂がビームを溜めている

李衣菜チームを見ると李衣菜と亜季の2人で肉弾戦が行われていた。李衣菜まじロック

 

巧翔「隣は順調か、そういやチートの解放方法聞いてねえな」

 

まゆ「多分ですがスマホを壊せばいいと思います」

 

巧翔「理由は ?」

 

まゆ「私達偶像はスマホを起点に契約者と繋がっています」

 

巧翔「なるほど、その起点を崩せばチートも切れるはず、と。やってみる価値はあるな」

 

まゆ「ただそのまでの間…………」

 

巧翔「奈緒を抑えないといけない、か」

 

その役はまゆに頼むしかないが、あの状態の奈緒を抑えられるのか

 

巧翔「まゆ、やってもらえるか」

 

まゆ「正直できるか分かりませんが、やるしかありません」

 

巧翔「ありがとう」

 

まゆ「お礼は終わったあとでお願いしますね」

 

巧翔「そうだな、その通りだ。じゃあ行くぞ」

 

まゆ「はい!」

 

二人で同時にダッシュし始める、と同時にまゆは2本のリボンを奈緒へと伸ばす

軽くリボンをいなす奈緒、しかし時間稼ぎとしては十分。俺はチート野郎と、まゆは奈緒と対峙する

 

男「けひひ、サシでやる気か?無謀だな」

 

巧翔「無謀でもやらなきゃいけないんでね!」

 

殴る蹴るを繰り返すがすべて躱されてしまう、殴り合いに慣れてるのかコイツ

 

男「オラオラどうした?一発も当たってねえぞ?けひひ、けひひひひ」

 

挑発だ、のってはいけない。冷静に冷静に行かなくてはチャンスがあるまで耐えるんだ。相手の隙を待て、確実に彼女達を助けるにはそれが正解だ!

 

男「けひひ、隙待ちか。あのふたりは論外だがお前はそこそこやるな。奈緒!珠美!亜季!撤退だ!」

 

男の合図とともに戦闘を放棄し走り出す3人

 

巧翔「な!ちょ待てこら逃げんな!」

 

男「けひひ!また遊んでやるよ」

 

美夜「追わない方がいいわ」

 

甲斐斗「賛成っすね」

 

巧翔「まあ、あいつなら罠とか張って待ってそうだし俺もそれがいい気がする」

 

まゆ「亜季さんも、珠美ちゃんも手加減してる気がしました」

 

李衣菜「え?ほんと?」

 

美穂「そんな!じゃわたしたち押せてる気がしてたのにわざとだったんですか!?」

 

とことんふざけた野郎だな、開幕戦だってのにまともに戦えず逃げられちまったし

 

まゆ「とりあえず巧翔さん、買出しに行きませんか?」

 

巧翔「ん?あぁ、そういえば買出しに行く所だったな」

 

あぶねえあぶねえ、今の戦闘で忘れて帰るとこだった

 

巧翔「そうだ別れる前に甲斐斗さん」

 

甲斐斗「どうしたっすか、てかタメ口でいいっすよ」

 

巧翔「いやオレまだ高校生なんで」

 

甲斐斗「気にすることないっすよ。で、なんすか」

 

巧翔「いいなら、じゃあ………今後も連携取れるように連絡先が欲しいんだがメアド教えてくれない?」

 

甲斐斗「お安い御用っす」

 

巧翔「美夜もな」

 

美夜「分かってるわ」

 

2人と連絡先を交換する

 

巧翔「そうだ甲斐斗はこのたたかいにかけてる願い事とかあるのか?」

 

甲斐斗「それは…まああるっすけど」

 

巧翔「別に中身までは言わなくていいんだ、だけど一つだけ約束してくれないか?」

 

李衣菜「約束?」

 

まゆ「えぇ、約束です」

 

巧翔「俺とまゆの前では偶像を倒さないでもらいたい」

 

李衣菜「それって!」

 

まゆ「落ち着いて、李衣菜ちゃん」

 

巧翔「願い事があるなら願いを叶えるのは大分先まで伸びるかもしれない、それでも構わないなら俺と協力関係を続けてくれ」

 

李衣菜「甲斐斗さん……」

 

甲斐斗「別にいいっすよ」

 

李衣菜「でも甲斐斗さん、そしたら」

 

甲斐斗「何も倒すなって言ってるわけじゃない、巧翔達の前だけっす。なら大変な時は協力してもらって強くなってやり返せばいいだけ」

 

巧翔「いいのか?」

 

甲斐斗「もち、巧翔達はこの戦いを終わらせたくない派ってことっしょ?なら、表で協力して裏で倒しまくって最後にまゆと美穂を倒せばいいだけっすからね」

 

まゆ「うふふ、倒せればの話ですがね」

 

甲斐斗「まぁ今後共ヨロシクお願いするっす、じゃあ俺らはこの辺で」

 

巧翔「あぁ、またな」

 

美夜「またチートプレイヤーに見つかって逃げ帰ってこないようにね」

 

そう美夜が言うと二人は振り返って

 

李衣菜、甲斐斗「「その言葉そっくりそのまま返します」」

 

巧翔「言われてやんの」

 

美夜「か、数の不利があっただけよ!1対1なら負けないから!」

 

巧翔「最初一対一で李衣菜たちに負けてただろ」

 

美夜「ぐぬぬ、ふん!帰ろう、美穂ちゃん!」

 

美穂「はい、ではまた」

 

巧翔「さて、俺らも行くかまゆ」

 

まゆ「お昼は何が食べたいですか?」

 

巧翔「パスタ」

 

まゆ「いいですね、まゆ頑張っちゃいます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗く光も届かない場所に二人の影があった

 

男「けひひ、佐久間まゆを発見しました」

 

一方は先ほど巧翔たちと対峙したチートプレイヤー

 

青年「本当か?プレイヤーの情報は?」

 

そしてもう一方は高校生ほどの顔立ちの青年であった

 

男「名前は確か巧翔と呼ばれていました」

 

青年「タクト?………たくと、巧翔なるほど蕣巧翔、お前か。おもしろい、おもしろいな!は、はは、はははははは




初戦は敵の撤退で終わったものの、まだ余力を隠していた
悔しさを感じつつも日常へと戻った巧翔、しかしその日常も少しずつ変化を見せていて………
Fin 第4章『悪と解放と開幕戦』
Next 第5章『日常と変化と潜むモノ』

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