花を咲かせましょう   作:輝く羊モドキ

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逆に花じゃないのって何だろう


[点]とか[P]ってあるだろ?あれも花だからね。

~紅霧異変~

 

「霊夢ー霊夢ー!出番だ働けぐーたら巫女オラァ!!」

「あ”ぁ”ん”朝から煩いのよゴミクズ無能クソオヤジ!花粉臭ハンパないんだけど!?」

「黙れ反抗期怠惰脇出し巫女!外見ろボケェ異変じゃ異変!」

「脇出してるのは私の趣味じゃないですー!森近さんの趣味ですー!そういうアンタは若作り花塗れ男じゃない!人の事言えた義理!?」

「若作りじゃないですー!いつまでも若いだけですー!心はいつでも旧石器時代ですー!!」

「……いや古くない?しかも旧って付いてるわよ……」

「あらやだ本当。やだねー、歳は取りたくないもんだぜ全く」

「はぁー……じゃ、ご飯の仕度するから」

「おー」

 

「いやいや、お前等朝からテンションの上げ下げ激しすぎだぜ……」

「あら、魔理沙じゃない」

「よー白黒の…………あー…………えーっと…………アリサ!!

「マリサだぜ。てか霊夢がさっき名前言っただろ」

「あれ、そうだっけか」

「それで?何でアンタ朝から来てんの?」

「おいおい、外見ろよ。異変だぜ?だからこの魔理沙様の力を貸してやろうと思ってな」

「要らないわ」

「そういうなって。きっと役に立つぜ?」

「あー……足手纏いは要らないって意味なんだけど」

「辛辣!この巫女辛辣!なんて奴だ育ての親の顔が見てみたいぜ!」

「右見なさい」「It's ME!!」

「うわうぜえ。可哀想にこんな奴でも生きてるのか」

「うわ辛辣!この魔女辛辣!なんて奴だコイツを育てた先生の顔が見てみたいぜ!」

「鏡なら帽子に入ってるぜ?」

「わあイケメン。きっとこの男は数々の素晴らしい生徒を育て上げたに違いない!」

「「……ハッ!」」「鼻で笑いおった」

 

 ◇

 

「で、だ。本当にこの異変解決に行くのかマリア?」

「マリサだぜ、誰が聖女だ。勿論だろ?アンタが言ったじゃないか、『誰かの協力ありきでも、異変を解決できるようなら里の外で暮らす事を認める』ってな」

「ありゃぁ里の外で最低限以上の自分を守る力を持ってればそれで良いって意味だったんだがなぁ。そもそも今更俺の許可なんて要らないだろマイナー」

「マリサだぜ、誰が無名だ。まぁそれでも、だ。私は、アンタに認められる。それで初めてスタートラインに立つんだ。……そんな気がするってだけ」

「そうかい。ならパパッと行って解決してくれや。こう霧が濃いと花に悪影響だからな。頼んだぜガイア」

「アンタは二言目には花、花だな。変わんないというか成長してないというか。あとマリサだぜ」

「そりゃもう……ねぇ?花=俺みたいなトコあるし?」

 

「はいはい、お喋りはその辺にしてご飯よご飯。運ぶの手伝いなさい」

「はーい霊夢カッチャマ」

「誰がカッチャマよ誰が。アンタももう少し年上らしい事しなさいよ」

「いやぁ今の霊夢は控えめに行ってもお母さんって感じだぜ?」

「うーん、霊夢が小さかった時の事をまるで昨日のように覚えてるなぁ。あの頃はそりゃあもうゴマ粒かってくらい小さくて」

「あーそーうんうんすごいわねー」

「なんて棒読み。そこは『小さい時の話すんな!』ってキレる所だろ」

「ちいさいときのはなしすんな。これで良いでしょ?ほらご飯よ」

「霊夢が成長したようで嬉しいよ俺は……」

「霊夢、コイツあしらうの上手だな」

 

 

「……じゃ、ご飯も食べたしさっさと行ってくるわ」

「お、じゃ私もついてくぜ」

「後片付けはしとくよ。じゃ、いてらー」

「軽いなおい」

「……あ、ちょい待ち霊夢一行」

「何よ」「一行って一括りにされたぜ……」

 

「霊夢、お前がこの異変を解決出来たらなら、俺はお前を一人前の博麗の巫女として認めるぞ」

「っ……そう」

「それと……魔理沙、怪我すんなよ?」

「!……あったりまえだぜ!!」

「じゃー行ってこい。ま、あんまり解決すんのが遅くなるんだったら俺が解決しちまうぞ?」

「そりゃヤベェな。アンタが動くとかそれこそ異変だぜ!」

「勘弁してよね。アンタを退治するなんて面倒なんてもんじゃないわ」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

~春雪異変~

 

「雪荒ぶ銀世界に場違いな館は此処かァ!!」

「はぁぇへ!?ね、寝てませんよ私は!?寝てたんじゃなくて雪の中に春を感じようとしてただけですよ!!?」

「……」

「……」

「誰だお前!?」

「いや此方の台詞ですよね!?何ですか貴男は……この紅魔館に何の御用で?」

「少なくとも眠っている門番を叩き起こしに来ただけじゃねえわな」

「むしろそれだけの用事だったら困惑なんてものじゃないんですが……」

「とりあえず辺り一面真っ白しろすけなのに真っ赤な館があったからつい襲撃を仕掛けようと」

「理不尽!?ついで襲撃掛けられてるの!?」

「あとこのままだと春の花が死滅しそうだからこの異変の黒幕ぶっ飛ばす前にちょっと八つ当たりを……」

「追い理不尽!!八つ当たりで何をしてるんですか貴男!?」

「いやぁね?どうもこの前の紅い霧の所為で花の一部が枯れちゃってねぇ……思い出したら腹立って来たんで」

「っ、ということは貴男が噂の……それで、主犯たるここの主にケジメでもつけさせようと?」

「そうだな。この異変を何とかする前にちょっとばかしオハナシでもしようか」

「……それを許すとお思いで?」

「ふん、許す?誰にモノを言ってんだお前。お前の前にいるのは偉大なる大地の支配者にして花の王だぞ?」

「貴男が誰であろうと関係ない。この門を押し通るというのなら、私を倒してからにしなさい!」

 

 ◇

 

「あら、咲夜じゃない」

「咲夜か、珍しいな。お前も異変解決か?」

「ええ。紅魔館の燃料が尽きそうになっちゃったからね」

「……」

「……」

「……何よ」

「「なんでもないわ(ぜ)」」

「(頭に花咲いてる……)」

「(絶対あのアホがなんかしたわね)」

 

 

「しゃくやー!しゃくやー!頭に変な花がぁ~!」

「クシュン!クシュン!ク……ゲホッゴホッ!!ヒュー……カヒュー……」

「パチュリー様ァァァ!?喘息の上に花粉症の症状まで……どうすればいいんですかチクショー!!」

「ア”ア”ア”ア”目が痒いィィィィ!!!破壊の目も痒いィィィィ!!!!」

「紅魔館とか言ったなこの館。今日から花魔館に変えてやるべ」

「うおおおおお止めろくださいいいいいい!!!」

「メイド妖精隊!このクサレ植物を片っ端から焼き払え!!」

「有りったけの火を付けろ!根っこの一片まで残すなぁぁぁ!!」

「咲夜さぁぁぁぁぁん!!!早く……早く異変解決してぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

~三日置きの百鬼夜行~

 

「よお、探したよ花の。こんな辺鄙な所でなにしてんだ?」

「どう見ても花を育ててるんだが・・・お前には家でも建てているように見えるのか?」

「変わりゃしないじゃないか。アンタは花が家みたいなもんだって昔言っただろ?」

「言ったか?」

「言ったさ」

「そうか……それで?俺になんのようだ?えーと、あー……」

「……」

「いやちょっと待て、思い出す。えーっと……その角は……鬼、かぁ?で、鬼のちっこいのっつったら……」

「……おい」

「いやまてまて、今喉まで出かかってるから。…………あ、思い出した!ユウギカセンだろ!」

「全然違う!伊吹だ!イ・ブ・キ・ス・イ・カ!」

「イブキスイカ?誰だ?」

「鬼の四天王!山の支配者!お前の作った花酒を奪い合っただろ!」

「いや、昔は花酒の奪い合いとか茶飯事だし。八雲とか八雲とか八雲とか」

「ああ……」

「あ、思い出した!お前あれか!俺が作った靄花食った阿呆か!」

「食わされたんだよお前に!後お前だけには阿呆と呼ばれたくない!」

「オーオー思い出した思い出した。頭に花咲かせてたし、酒と醤油の区別つかないし、鬼喰花に半分食われてた伊吹かぁ!久しぶりやん」

「覚え方雑かお前ェ!私の知ってるなかで、鬼全員頭に花咲かせられたし、お前が酒だと言って渡された醤油一気飲みしたのは勇義の奴だし、花に食われたのは半分じゃなくて手だけだし!!」

「後10秒もせずに手だけじゃなく体全部持ってかれるのは半分って言わねぇか?」

「うっせ!」

「で、なんのようだ?」

「お前が宴会に来ない理由を調べに来たんだが、嘗ての恨みを丁度今ここで晴らすのも悪くはないって思ってた所さ……!」

「宴会ィ?何で俺が態々出向かなきゃいけないんだ?お前らが来いよ」

「……フン、その図々しい所も変わんないねアンタ。まあいいや、折角だ。お前を宴会に引き連れていくついでに一丁私と喧嘩でもしようじゃないか!」

「えー。今は花育てるのに忙し「返事は聞かない!そぉら『ミッシングパワー』!!」

 

「……俺の前で花畑を荒らすなんざ良い度胸だな。死ね」

 

 ◇

 

「……なんだコレ」

「またアイツうちの神社に変な花生やして……」

「な、なんだかこの花不自然に動いてますよ……!」

「あら、お化けの仕業かしら?」

「お!?おおおおばけなんて居る訳無いでしょう常識的に考えて!?」

 

「うおー!ここから出せコノヤロー!!」

「何やってんのよ萃香……」

「あらー。今日はこの変なお花で花見酒かしらねー」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

~永夜異変~

 

「満月が欠けてんだけどアンタ何か知らない?」

「すまん。その質問するために退治されかけたのだとしたら全俺が浮かばれないんだか」

「あら、花の王による超一流の英才教育の賜物じゃないの。誇っていいわよ」

「対話の前に殴れ、何て教えた記憶ねぇよ。むしろそういうのは藍の分野だろコノヤロー」

「あらいやだわ。まるで私の式が脳筋みたいな言い方して」

「アレ自分では頭良いって思ってるみたいだがやる事成す事筋肉式みたいなトコあるじゃん」

「……そういえばそうね」

「ちょっと、話逸れてってるわよ。で?どうせアンタの事だからこの異変についてなんか知ってるんでしょ?」

「さてなぁ……あ、霊夢が昔みたいに俺の事をおとーさんって呼ぶんなら思い出さんでも……」

「…………」

「オーケー本気の夢想封印の構えを解こうか。とはいってもなぁ、俺妖怪じゃねえから月が欠けてようが殆ど影響なんて無いんだが?」

「それでも手がかり位持ってんでしょ?出しなさいよ」

「針振り回すなあぶねえな。手がかりって言われてもなぁ……………………あ」

「何よ」

「そういえば月輪の花の様子がおかしかった、と思ってな」

「がちりんのはな?」

「また貴男変な花を育ててるのかしら?幻想郷のパワーバランスを崩すような化け物花を作るのは止めてって何度も……」

「失礼な!八雲の言う危険な花はちゃんと幻想郷じゃなく天界で育ててるぞ!!」

「幻想郷で育てるなって言ったんじゃなくてそもそも作るなって意味だったのですけど!?というか天界ってまた半端に私の手の出しにくい所に……」

「だぁから話が逸れてるって言ってんでしょうが!!その月輪の花がどうしたって言うのよ!」

「いやまぁ、月輪の花は常に月をある方向を見続けるっつー花なんだが、今は上じゃなくほぼ真横を向いているんだそうだ。つまり月輪の花が向いてる方に本物の月が隠されてるんじゃねえか?」

「それでどっち向いてるって!?」

「迷いの竹林の方角だな。あそこにはまー古い知り合いがいてなぁ。そいつは……」

「今はアンタの昔話なんて聞いてる暇はないわ。迷いの竹林ね、ここからだったらそれほど離れていないわね」

「あら霊夢、彼の交友関係に興味ないの?私はまだ知らない彼の交友関係に興味あるのだけど」

「どうでもいいわそんなこと。ほらさっさと行くわよ」

「仮にも親の過去くらい興味もてよ」

「霊夢ったら最近貴男が神社に全然来ないから拗ねてるのよ」

「はあ!?誰が拗ねてるって!!?」

「そっかー、ゴメンな霊夢。だけどこれも一人立ちした博麗の試練でもあり宿命なんだよ」

「……嘘ね。どうせアンタの事だから花育てるのに忙しいとか、そういう理由でしょ」

「バレたか」

「やっぱり!」

「ハハハ、分かった分かった。これからはもっと神社に寄るから許せ」

「ッ!!あ、頭撫でるなコラ!!」

「霊夢は変わらんなぁ……色々と

「誰の何処が変わらないって!?」

「おおっと、こりゃ退治される前に逃げようか。それじゃ、また今度な!」

「待ちなさい!待て!」

 

 

「くっ、逃げ足だけは速いんだから・・・」

「霊夢、霊夢。」

「何よ紫」

 

「顔、緩んでるわよ?」「うるさい!」「ちょ!?陰陽玉投げるの止めなさい!」

 

 ◇

 

「はぁ、これでようやく永い夜も終わりね。疲れたわ」

「後はこの秘術とやらを解除させるだけね」

 

「ところがどっこい!まだこの異変は終わりません!!」

 

「ッ!?アンタ・・・何でまたここに!?」

「いやぁさっきぶりだな霊夢一行。」

「質問に答えなさい。まだ異変は終わってないってどういう意味かしら?」

「言葉通りさ。ここからはEXステージすっ飛ばしてPHステージが始まるんだよォ!」

「意味わかんないんだけど!?」

「うるせぇぇぇぇ!この数時間で2対1の弾幕ごっこ何度もさせるんじゃねえよ!!吸血鬼ィ!亡霊ィ!魔女ォ!オマエラ何度も何度もしつこいんじゃボケェ!!」

「いや私達に言われても・・・」

「だまらっしゃい!!元はと言えばお前ら結界組がしっかりせんから迷惑被ってるんやないか!しゃんとせぇ!!」

「理不尽!?ちょっと紫!得意のスキマでアレの相手しなさいよ!」

「嫌よ!アイツ隙あらばスキマに花咲かせてくるのよ!?手に負えないわ!」

「ぶるァァァァ!!温厚な俺でも今日という今日は我慢ならん!全員まとめて薔薇(バラ)してやらァ!!召喚『迎え花』!」

「きゃ!?」「うわ!?」「っ!?」「何が起きたの!?」「痛っ!?」「!?ここは?!」

「えっ!?幽々子、妖夢?!」

「レミリア、咲夜!魔理沙、アリスまで!?」

「Welcome諸君鬱陶しいクソザコナメクジども!竹林で迷い続けた所からようこそ!ここが地獄の一丁目だ!」

「ちょっと!?永遠亭を勝手に地獄扱いしないでちょうだい!!」

「アンタまだ居たの?」

「ラ~ス~ボ~ス~で~す~!!居るに決まってるじゃない!ちょっと花の王!かぐや姫の印象が霞んじゃったじゃない!」

「知るかボケ!家具屋だかニトリだか知らんが俺の邪魔をするなら等しく花壇にすっぞ!」

「なにその脅し方!?斬新奇抜過ぎて反応に困るわ!」

「ハナキライハナコワイ」

「お嬢様ァァァァ!!!?」

「脅し通じちゃったよ!?」

「永夜異変はこれにて終了!月は元通りのハッピーエンド!だが残念!!異変の解決に乗り出した奴らとついでに異変の首謀者は揃って花壇と化すのだ!!」

「ついで扱いされた!?」

 

「残機無限、時間制限無し、敗北条件はお前らの心が折れるまで!!9体1の変則弾幕ごっこでお前等全員花塗れにしたるよォ!!!」

 

「クソー。完全に見下しやがって」

「私達を何度も退けたくらいで調子乗ってるわね……」

「アリス!今こそ本気を出す時だぜ!」

「いやぁそれは……」

「今度こそ私が斬ってみせます!」

「あのヒト私の能力が及ばないから苦手だわ~」

「ふん、わわわ私にかきゃればヤツを倒すうう運命くらいわぇないあ」

「お嬢様、言えてません!」

「あーもー!何でこうなるのよ!!」

「アレの奔放さは今に始まった事じゃないわ……思えば幻想郷を作り始めた時も……」

「ちょっと!過去回想なんてしないで現実見なさい!!」

 

「ちなみに普通の俺はLunaシューターレベルだが全力の俺は究極反則生命体並かそれ以上だぞ」

「ちょ、時間軸的にそりゃないぜ」

 

 ◇

 

~♪月見草~

 

「いやー、花の王は強敵でしたね」

「一言で片づけられる大変さかと小一時間」

「戦った時間は一時間じゃすまなかったですがね」

「何アレ……意味わかんない……竹林全体に弾幕とか……」

「マスパって真ん中安置なのね初めて知ったわ」

「そんな訳無いだろ」

「花が……花が……」

「お嬢様、お気を確かに」

「あぁ……スキマに花が溢れてる……」

「歩いて帰りましょうね……」

 

「……なんで私にまで頭に花が咲いてるのかしら」

「大塚が花は嫌!ってしつこいから代わりに永琳が」

「家具屋じゃない輝夜だってば!あんたそればっかでしつこいわ!」

「スマンな。億年生きてるとヒトの名前を憶えておく容量なんて無ェんで」

「結局あんな大がかりな異変なんて起こさなくてよかったウサねぇ」

「俺に一言相談すりゃよかったのにねー」

「ええ……!そうすれば頭に花咲かす事も無かったでしょうしね……っ!!」

「少女がしちゃいけない顔してらぁ」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

~稗田亭~

 

「……あの」

「なんじゃい阿求、人が過去の大きな異変を順繰りに回想してる途中に」

「いや、もう……なんというか……長いわァ!!」

「えぇ~」

「大体なんですか!全部会話文て!描写力皆無かオノレはァ!!」

「阿求が異変の様子聞かせてーって頼むからこうして話してるのに失礼な奴だ」

「せめて誰の会話かぐらい分かり易く説明してくれませんかねェ!?」

花「こうか?」

阿「そうだけどそうじゃない!?」

「阿求はワガママだなぁ。というか俺的に山場である六十年周期の大結界異変とか博麗神社の間欠泉騒動とかまだ話してないんだけど」

「も、もう勘弁してください。聞いてるだけでものすごく疲れてきました……」

「お、じゃあ疲れに効くハーブティーでも淹れてやろうか?」

「……お気持ちはもの凄くありがたいですが貴男が台所に立つと碌な物作らないので遠慮しておきます」

「本当にワガママな奴め」

「貴男に言われたくない……」

「折角花酒使ったレシピ考えたんだけどなぁ……」

「……え?」

「ま、阿求も一応は病弱設定だし今日はここいらでお暇しようかね」

「誰が病弱『設定』ですか!じゃなくて……いま花酒って言いました?」

「言った」

「「花酒と聞いて」」

「うわビックリした!!て、八雲紫に伊吹萃香!?てか臭っ!?花臭っ!!」

「まだスキマに花詰めてんのお前。草生える」

「貴男の所為でしょうが!!何なのこの花!!捨てるそばから増殖していくんだけど!?」

「よっぽどスキマ空間が気に入ったんだなぁ。良きかな良きかな」「良くないわ!!」

「おい花の!花酒くれよ!」

「お前は何時もド直球だな」

「回りくどく話して花酒くれるんなら幾らでもするけど」

「回りくどく話しても花酒はやらん」

「おーしお前そこになおれ鬼に酒を渡さないなんて悪行に罰を与えてやる」

「花壇荒らした悪行の罰はまだ足らないようだな?」

「ごめんなさい」

「弱っ!鬼弱っ!?」

「うるせえ稗田!お前そんな事言うんならいっぺん花に食われてみろ!アレは地獄より地獄だぞ!?」

 

「ここに花の王様が居るって聞いて来たのだけど」

 

「やべえ奴が来たそれでは此処でさようなら」

「待ちなさい。何処かに行くというのなら花酒を置いて行きなさい」「そうだ置いてけ!」

「馬鹿お前等放せ!逃げるんだよ俺は此処から!!」

「ちょ!家で暴れないでください!」

 

「あは♪ようやく会えましたわね。偉大なる大地の支配者にして花の王様。風と共に歩むもの……」

 

「お、おう久しぶり風見……元気してる?」

「……なんですかアレ。アレがまさか風見幽香だと?」

「恐ろしい事にアレがまさかの風見優香なのよ」

「完全に恋する乙女だよなアレ」

「いやぁ恋する乙女って言うにはいささか顔に殺意溢れてません?」

「えっ?恋ってそういうもんじゃねえの?」

「えっ」

「えっ」

「悲しい事にコレでも鬼なのよね……」

 

「いやー、折角会えたけど今ちょっと忙しいからまた今度な風見「幽香」…ぇ」

「幽香と呼んでください……♥」

「ゴメンちょっと急ぎで地底の地獄鴉に会いに行く予定できたんで」

「でしたらお供しますわ」

「あー!その後天界行って花畑の様子身にいかんとならんから!超特急で!!」

「貴男の為なら何処までもついて行きますわ」

「更にちょっと地獄に行かないとなー!ちょっと閻魔に会いに行かないとなー!」

「貴男の為なら死ぬ事すら厭いませんわ」

「 」

 

「ですから私と()し合いましょう♥」

 

「ギャァァァ助けてゆかりん!いぶきん!」

「誰がゆかりんよ」「誰がいぶきんだ」

「あ、あの……家でそういう事するの勘弁してくださいほんとマジで」

「知るか!てかマジで何とかして!花酒あげるから!!」

「そういう事早く言えよ。おい風見幽香!私が相手だ!」

「勿論一升瓶なんてケチ言わないわよね?ほら幽香、その辺にしときなさい」

「花酒ヤベェェェェ!!大妖怪が一瞬で手のひら返しを!」

 

「……貴方達……今……愛称で呼ばれた……?私は呼んでくれないのに……?」

 

「ヒィッ!?」

 稗田阿求は普通の人間の少女である。死後転生し、記憶を引き継いだまま新たな生を受けることが確定しているがそれでも肉体は普通の少女である。

 そんな普通の少女が大妖怪の、しかも風見幽香の殺気に等しい怒気に中てられ、未だに命を繋ぎ止めているのは御阿礼の子だからに他ならない。

 だがしかし風見幽香の怒気を前に、所詮人間でしかない彼女は氷より()めたい海の底に裸で横たわっているに等しい。既に彼女の心臓は活動を止め、呼吸も出来ず、手足は凍り付いたかのように微塵も動かない。脳機能も一つずつシャットダウンしていくように、目の前が暗くなっていき、眠るように息を引き取った……

 

かに思えた。

「大丈夫か阿求!しっかりしろ!!」

 斃れていく身体を支え耳元で力強く放たれた言葉に、稗田阿求は躰全体に熱が戻っていくのを感じた。

 風見幽香の怒気が凍てつく海であるなら、()()は麗かな春の日差しだった。冬に凍り付いた生命を芽吹かす、世界の温もりだった。

 心臓は元通り、否、今まで以上に活力ある鼓動を開始した。

 呼吸は元通り、否、今まで以上に熱い息を吐き出した。

 凍り付いていた手足は熱を求めるように()にしがみつく。

 死んでいたはずの脳機能も完全に蘇生し、熱を吐き出すように動き出した。

「阿求!しっかりしろ!阿求!!」

 耳元で名前を呼ばれるたびに身体に熱が駆け巡っていく。

 この熱を放したくない。

 この熱から離れたくない。

 手足に力を入れ、さらに強く()にしがみついた阿求は熱により溶け出た心の声を言った。言ってしまった。

 

「結婚……」

「あァ!?なんて!?」

「ふぁぁああ何でもない!何でもないですぅ!?」

「お、おう。元気そうだな……」

 

「思えばそうね。貴女達が出てきてから花の王様はワタシを見てくれなくなった。避けるようになった」

「いやぁ元々じゃないかな」

「アノヒトの愛は私が受けるはずなのに、私だけが受けるはずだったのに!!」

「あ、だめだこりゃ聞いちゃいねえ」

「それよりも流石に里の中で暴れられたらマズいわ。場所移すわよ」

「花塗れのスキマでか?勘弁してくれよ……」

「何時も花に飲まれてる貴女が言う?」

「また……またワタシの知らない所で花を咲かせて!!どうして!?ワタシじゃ駄目なの!?」

「やべーよ、アイツ紫のスキマ見て発狂しだしたぞ」

「私も私のスキマの中見るたびに発狂しそうよ……」

「ワタシは……ワタシが!!誰よりも!!何よりも!!強く!!美しい!!花なのよ!!!それなのに……それなの「はいはい、花酒の為にスキマツアーしましょうね」

「まぁ、風見のヤツ相手にすんのは骨が折れるが、花酒の為だからなぁ。オイ花の、当然報酬は樽一杯だろうなぁ?」

「用意しとっからマジで頼んだぜ!!」

 

「……ふぅー。マジでどう育て間違ったかなぁ……」

「えと、し、式はいつにしますか!?」

「え、急に何言ってんのお前」

「ああああ違います!!なんだもにいです!!」

「は?なんて?」

「にゃあああ!!そうじゃなくて!こ、これからどうするんですか!?」

「そうだなぁ、とりあえずほとぼりが冷めるまで……」

「……」

 

「外の世界でぶらぶらしてようか」

「ええ!?」

 

 

 その後博麗神社から外の世界へ抜け出そうとした俺だが、八雲と伊吹に捕まり花酒を殆ど搾り取られた。その上、風見幽香にまた追っかけまわされ散々な一日だった。

 

 

 俺に心休まる日は来ないのか!?




設定

・博麗霊夢
 貧乏じゃない巫女。花の王の影響で時折ムチャクソ口悪い。紅霧異変後の神社は広く感じるらしい。めっちゃ強い。そしてカッチャマ。

・霧雨魔理沙
 辛辣系普通の魔女。花の王の影響で時折ムチャクソ口悪い。家出する前から花の王とは教師生徒の関係。

・紅魔館
 不思議な事に植物園と化した。ジツニフシギダナー。でも紅い。生活には困らないそう。

・紅美鈴
 花愛好家の一人。近接なら敵なしだったが花の王には勝てなかったよ・・・。

・伊吹萃香
 花に食われてる鬼。霞花なる物を食べてから疎密を操れるようになったヤベー奴。

・月輪の花
 月光を存分に吸収した花。手に入れた者は天下を統べるほどの魔力を得るとかどうとか。

・究極反則生命体
 理外の生き物。本気の花の王なら正直者の死大回転を鼻糞ほじりながらやってのけるに違いない。

・頭に咲く花
 この世界の幻想郷の住人は頭に花を咲かせるのが通過儀礼。自然と抜ける。

・稗田阿求
 花愛好家の一人。わりとチョロイン。

・花酒
 大妖怪すら目の色を変えて欲しがるチートアイテム。

・風見幽香
 最も美しく最も強い『花』。そして重度のファザコン(


気分転換も終わった上英気を養えたのでいい加減メイン小説更新しましょかね。
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