「地下デュエルでホライトブランクを見つけた?」
『そう言う報告が多いみたいだぜ。どうするんだ?誠一郎』
どこに投資するかの情報を集めていた時、界介が発見して、誠一郎に電話してきた。
別に、誠一郎もすべてが分かるというわけではないし、判断ができるというものでもないのだが、それでも、一応報告してくる人間はそれなりにいる。
界介はその一人だ。
というより、弟子たちがそれに該当するのだが、一応言うと、まじめな方である。
「手に入れることはできるか?」
『それなりに金を積めば手に入れることはできるだろうけど、ホワイトブランクって、リアリティ・テーゼが作ったもんだろ?流通枚数もかなり少ないはずだ。コレクターなら一部の連中は持ってるかもしれないが、可能性は低いぞ』
「だよなぁ……わかった。まあ、そっちでも続けて情報だけは集めておいてくれ」
『わかった』
通話終了。
誠一郎は界介から相談されたないように疑問を持った。
「……流通し始めた……いや、まだ地下デュエルだけだから、表に出すつもりはないが、リアリティ・テーゼから離れたことは間違いないか」
こういうときは……と言った表情で、誠一郎は電話番号を打ち込む。
誠一郎は連絡先が非常に多いのだ。
いちいちリストから探すのは面倒なので、番号の方を覚えているのである。はっきり言って頭がおかしい。
コールは一回でつながった。
『はいはーい。せいちんが電話してくるなんて珍しいねぇ』
陽気な感じの少女の声が聞こえた。
「……相変わらず元気みたいだな。葉月」
『もっちろーん!で、
「ホワイトブランクだ」
『……なるほどね』
電話の向こうの声に真剣さが宿る。
「持ってるか?」
『もちろん。そういったカードも取り揃えてるよ。ただ、在庫は少ないんだよね』
「デッキ一つ分ならいくらするんだ?」
『うっは……すごく攻めるね。どうせあっくんにでも預けるんでしょ?』
「よくわかってるじゃないか」
ホワイトブランクについてはまだ謎が多い。
研究者である晶なら、預けておけば何か分かる可能性もある。
『ふーむ……分かった。後でせいちんに郵便で請求書を送るよ。今すぐには金額を出せないからね』
「まあ、それならそれでかまわんが……あ、アイツ切りやがった」
誠一郎は溜息を吐いた。
「なんだろう。言い値で買うって感じになってしまったな」
次の日、請求書が郵便で来たわけだが……。
予想の三倍くらいの金額であった。
具体的な数字は言わない。
ただ、誠一郎が肩をすくめた。とだけ言っておこう。
★
「で、手に入れたカードがそれと」
晶が呆れた様子で誠一郎を見る。
「そうだ」
誠一郎は、再びDEラボを訪れていた。
そして、先日手に入れたデッキを渡す。
晶はそれを一枚ずつ確認した。
「何か分かるか?」
「まず第一に言えるのは、『薄い』ということかな」
「薄い?」
「多くのカード……特にオーディナルモンスターがそうなんだけど、情報的にというか、いろいろな意味で重さがあるはずなんだけど、これらのカードはすごく薄い」
「ふむ……」
ホワイトブランクを使ったデュエルを思い出す。
なんというか……。
「コアがないとあまり動けない感じだな」
「そのコアのカードも、あくまでシステムの一部であって、別に重さがそこまであるわけじゃない」
「結果的に抜け殻になったのか?」
「いや、抜け殻くらいならなりそうな材料を集めて作ったようなものだね」
晶がデッキを返してきたので、誠一郎は受け取る。
「それであんな感じのデュエルになるのか……完成したらどうなるんだろうな」
「それはわからない。ただ、僕は興味がないからね」
晶は再び、自分が見ていた試験管を観察し始めた。
そして、数秒後に熟睡した。
「……」
誠一郎は思考を放棄して、その場を後にした。
★
「結局、よくわからん」
「だめじゃん……」
家に帰ると彩里があきれていたが、別に否定はしない。
「誠一郎様。これからどうするのですか?」
「実はまだ決めてないんだよな……」
誠一郎は基本的に後手に回るタイプだ。
「お兄ちゃんってやっぱりノープラン……」
刹那が何か残念なものを見るような視線を向けてくるが、誠一郎はそんなことは気にしない
「ふむ、特に決まっていないのなら、あれをするべきだね」
彩里はとても笑顔だ。
「……あれってなんだ?」
「それはね。強化合宿だよ!」
手作りっぽいパンフレットを取り出しながら彩里が言う。
「……強化合宿?」
「そうよ。これからとても強いモンスターを相手にする可能性がある。それなら、専門のプランを組んで、それで挑むほうがいいよ」
誠一郎は基本情報を確認する。
「場所が南の孤島なんだな」
「そうよ。イーストセントラルから少し離れて考えるのが一番だからね」
学校の近くだと学校のことがどうしても思い浮かぶからな。そういうものなのだろう。
……彩里にとっては。
「で、本音は?」
「ビーチに広がる砂浜、そこに行けば水着は必需品。そうなれば、刹那ちゃんのビキニ姿を合法的にいじれるのよ!」
本人を目の前にしてなんてことを。
「賛成します!」
そして湧いて出てくる聡子。
元素四名家だというのにこれはひどい。
「むうううううう!絶対に行かないもん!」
プイっと顔をそむける刹那。
(……知ーらねっと)
誠一郎は安定の報知であった。ひどい兄貴である。
次回、僕の欲望が爆発する!
……あ、R-18にはしないので大丈夫です。はい。