遊戯王 Replica   作:レルクス

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二十二話

「地下デュエルでホライトブランクを見つけた?」

『そう言う報告が多いみたいだぜ。どうするんだ?誠一郎』

 

 どこに投資するかの情報を集めていた時、界介が発見して、誠一郎に電話してきた。

 別に、誠一郎もすべてが分かるというわけではないし、判断ができるというものでもないのだが、それでも、一応報告してくる人間はそれなりにいる。

 界介はその一人だ。

 というより、弟子たちがそれに該当するのだが、一応言うと、まじめな方である。

 

「手に入れることはできるか?」

『それなりに金を積めば手に入れることはできるだろうけど、ホワイトブランクって、リアリティ・テーゼが作ったもんだろ?流通枚数もかなり少ないはずだ。コレクターなら一部の連中は持ってるかもしれないが、可能性は低いぞ』

「だよなぁ……わかった。まあ、そっちでも続けて情報だけは集めておいてくれ」

『わかった』

 

 通話終了。

 誠一郎は界介から相談されたないように疑問を持った。

 

「……流通し始めた……いや、まだ地下デュエルだけだから、表に出すつもりはないが、リアリティ・テーゼから離れたことは間違いないか」

 

 こういうときは……と言った表情で、誠一郎は電話番号を打ち込む。

 誠一郎は連絡先が非常に多いのだ。

 いちいちリストから探すのは面倒なので、番号の方を覚えているのである。はっきり言って頭がおかしい。

 コールは一回でつながった。

 

『はいはーい。せいちんが電話してくるなんて珍しいねぇ』

 

 陽気な感じの少女の声が聞こえた。

 

「……相変わらず元気みたいだな。葉月」

『もっちろーん!で、売人(ディーラー)である私に対して電話してきたんだし、何かご注文はあるのかな?』

「ホワイトブランクだ」

『……なるほどね』

 

 電話の向こうの声に真剣さが宿る。

 

「持ってるか?」

『もちろん。そういったカードも取り揃えてるよ。ただ、在庫は少ないんだよね』

「デッキ一つ分ならいくらするんだ?」

『うっは……すごく攻めるね。どうせあっくんにでも預けるんでしょ?』

「よくわかってるじゃないか」

 

 ホワイトブランクについてはまだ謎が多い。

 研究者である晶なら、預けておけば何か分かる可能性もある。

 

『ふーむ……分かった。後でせいちんに郵便で請求書を送るよ。今すぐには金額を出せないからね』

「まあ、それならそれでかまわんが……あ、アイツ切りやがった」

 

 誠一郎は溜息を吐いた。

 

「なんだろう。言い値で買うって感じになってしまったな」

 

 次の日、請求書が郵便で来たわけだが……。

 予想の三倍くらいの金額であった。

 具体的な数字は言わない。

 ただ、誠一郎が肩をすくめた。とだけ言っておこう。

 

 ★

 

「で、手に入れたカードがそれと」

 

 晶が呆れた様子で誠一郎を見る。

 

「そうだ」

 

 誠一郎は、再びDEラボを訪れていた。

 そして、先日手に入れたデッキを渡す。

 晶はそれを一枚ずつ確認した。

 

「何か分かるか?」

「まず第一に言えるのは、『薄い』ということかな」

「薄い?」

「多くのカード……特にオーディナルモンスターがそうなんだけど、情報的にというか、いろいろな意味で重さがあるはずなんだけど、これらのカードはすごく薄い」

「ふむ……」

 

 ホワイトブランクを使ったデュエルを思い出す。

 なんというか……。

 

「コアがないとあまり動けない感じだな」

「そのコアのカードも、あくまでシステムの一部であって、別に重さがそこまであるわけじゃない」

「結果的に抜け殻になったのか?」

「いや、抜け殻くらいならなりそうな材料を集めて作ったようなものだね」

 

 晶がデッキを返してきたので、誠一郎は受け取る。

 

「それであんな感じのデュエルになるのか……完成したらどうなるんだろうな」

「それはわからない。ただ、僕は興味がないからね」

 

 晶は再び、自分が見ていた試験管を観察し始めた。

 そして、数秒後に熟睡した。

 

「……」

 

 誠一郎は思考を放棄して、その場を後にした。

 

 ★

 

「結局、よくわからん」

「だめじゃん……」

 

 家に帰ると彩里があきれていたが、別に否定はしない。

 

「誠一郎様。これからどうするのですか?」

「実はまだ決めてないんだよな……」

 

 誠一郎は基本的に後手に回るタイプだ。

 

「お兄ちゃんってやっぱりノープラン……」

 

 刹那が何か残念なものを見るような視線を向けてくるが、誠一郎はそんなことは気にしない

 

「ふむ、特に決まっていないのなら、あれをするべきだね」

 

 彩里はとても笑顔だ。

 

「……あれってなんだ?」

「それはね。強化合宿だよ!」

 

 手作りっぽいパンフレットを取り出しながら彩里が言う。

 

「……強化合宿?」

「そうよ。これからとても強いモンスターを相手にする可能性がある。それなら、専門のプランを組んで、それで挑むほうがいいよ」

 

 誠一郎は基本情報を確認する。

 

「場所が南の孤島なんだな」

「そうよ。イーストセントラルから少し離れて考えるのが一番だからね」

 

 学校の近くだと学校のことがどうしても思い浮かぶからな。そういうものなのだろう。

 ……彩里にとっては。

 

「で、本音は?」

「ビーチに広がる砂浜、そこに行けば水着は必需品。そうなれば、刹那ちゃんのビキニ姿を合法的にいじれるのよ!」

 

 本人を目の前にしてなんてことを。

 

「賛成します!」

 

 そして湧いて出てくる聡子。

 元素四名家だというのにこれはひどい。

 

「むうううううう!絶対に行かないもん!」

 

 プイっと顔をそむける刹那。

 

(……知ーらねっと)

 

 誠一郎は安定の報知であった。ひどい兄貴である。




 次回、僕の欲望が爆発する!
 ……あ、R-18にはしないので大丈夫です。はい。
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