遊戯王 Replica   作:レルクス

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五話

 カードショップを襲撃した白衣の男と彩里のデュエル。

 その直前に、脇腹にきつい一撃をもらった誠一郎も、一応復活している。

 さて……どうなるのだろうか……。

 

「私の先攻です」

 

 不審者からのスタートだ。

 

「それと最初に言っておきますが、私のことは早川(はやかわ)と呼んでいただきたい。不審者などと呼ぶのは、デュエリストとしてどうなのかな?」

「「……」」

 

 いきなり何を言いだすのだろうか。

 

「まあ、いいわ。そう呼ぶことにする」

 

 偽名であろうと本名であろうとこの際関係はない。

 

「では、私は自分フィールドにモンスターが存在しないことで、手札から『ホワイトブランク・コア』を特殊召喚しましょう」

 

 ホワイトブランク・コア ATK0 ☆1

 

 半透明な素材でできた球体だ。

 

「ホワイトブランク・コアの効果に寄り、『ホワイトブランク』オーディナルモンスターをオーディナル召喚する場合、一体で二体分の素材にできる」

 

 

 ホワイトブランク・コア

 レベル1 ATK0 DFE0 光属性 機械族

 ①:自分フィールドにモンスターがいない場合、このモンスターを手札から特殊召喚できる。

 ②:自分が「ホワイトブランク」オーディナルモンスターをオーディナル召喚する場合、このモンスターは、一体で二体分のオーディナル素材とすることが出来る。

 

 

「特殊召喚能力に加えて、ダブルシンボルモンスター……」

「そういうことですよ。私は光属性のホワイトブランク・コアをシンボルリリース。オーディナル召喚!現れろ、レベル8『ホワイトブランク・ドラゴン』!」

 

 ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000 ☆8

 早川 SP0→2

 

「それがあなたのエースカードと言うわけね」

「フフフ、私はカードを一枚セット、ターンエンドです」

「私のターン。ドロー!」

 

 彩里はカードを一枚引いて、笑みを浮かべた。

 

「私は手札から、『クロスロジック・ビースト』の効果を発動。手札一枚をコストにして特殊召喚することが出来る」

 

 現れたのは、五つの石板を身に付けた白い獣。

 

 クロスロジック・ビースト ATK1500 ☆4

 

 

 クロスロジック・ビースト

 レベル4 ATK1500 DFE1000 光属性 獣族

 ①:手札一枚をコストにして発動できる。このモンスターを手札から特殊召喚する。

 

 

「く……クロスロジック?」

「そうよ。そして私は、墓地の『クロスロジック・イーグル』の効果発動。自分フィールドにクロスロジックモンスターが存在する場合、一ターンに一度、墓地のこのカードを特殊召喚できる」

 

 クロスロジック・イーグル ATK1000 ☆4

 

 ビーストの方は白かったのに対して、イーグルの方は黒い。

 ただし、五つの石板を身に付けているデザインは同じだ。

 

「い……色が違う」

「そうよ。ビーストは光属性だけど、イーグルは闇属性だもの」

「何?」

 

 

 クロスロジック・イーグル

 レベル4 ATK1000 DFE800 闇属性 鳥獣族

 このカード名の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 ①:自分フィールドに「クロスロジック」モンスターが存在する場合に発動できる。墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

 

「な、なんだ。自信があるようだが、そこから属性を揃えるのか?なら、そうはさせんぞ。私は永続罠『エレメント・ロック』を発動。フィールドに表側表示で存在するモンスターの属性は、そのモンスターの本来の属性としてのみ扱う」

 

 

 エレメント・ロック

 永続罠

 ①:フィールドに表側表示で存在するモンスターの属性は、そのモンスターの本来の属性としてのみ扱い、変化、重複は行われない。

 

 

「あのカード。重複ってどういうことなのかしら」

 

 彩里は分からないようなので、誠一郎が説明する。

 

「ようするに、カードの効果に寄って属性が変化しない。あとはそうだな……例を挙げるなら、フィールドにいる時だけは、『光と闇の竜』が闇属性としては扱われないってことだ」

「もともとの属性に固定するカード、と言うことね」

 

 彩里はまだ疑問があるようだ。

 それは、『何故そのようなカードを採用しているのか』ということだろう。

 誠一郎は分かっているが、あえて言わないことにした。

 

「まあいいわ。ただ、そのカードも、私のデッキに意味はないわよ」

「どういうことだ?」

「こういうことよ。私は光属性のクロスロジック・ビーストと、闇属性のクロスロジック・イーグルをシンボルリリース!」

 

 二体のクロスロジックモンスターがシンボルに変わる。

 

「なに!?」

「同じ属性をリリースすることで召喚するオーディナルモンスターしか見ていないのかしら。こういうカードもあるのよ」

 

 彩里は一枚のカードをモンスターゾーンに置く。

 

「二つの理論が混じりあい、封印されし猛獣は姿を現す。オーディナル召喚!レベル7『クロスロジック・キマイラ』!」

 

 クロスロジック・キマイラ ATK2600 ☆7

 彩里 SP0→2

 

「な……異なる属性でオーディナル召喚だと」

「オーディナル召喚は、属性を『揃える』召喚方法じゃなくて、属性を『求める』召喚方法よ。確かに、ダブルシンボルモンスターもいてそっちに意識が向きやすいけど、忘れてもらっては困るわね」

「ぐぬぬ……だが、私のホワイトブランク・ドラゴンには及ばない!」

 

 確かに。

 キマイラの攻撃力は2600なのだ。爆炎獣のように永続的な攻撃上昇能力は持っていない。

 ただまぁ……何も考えがなく出すモンスターでもないのは確かだ。

 

「甘いわよ。クロスロジック・キマイラの効果発動。SPを一つ消費して、相手モンスター一体の表示形式を変更する」

「なに……」

 

 彩里 SP2→1

 ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000→DFE2000

 

「残念だけど。守備力が低いモンスターではキマイラの前では壁にもならないわよ。キマイラは、貫通能力を持っている」

「な……」

 

 

 クロスロジック・キマイラ

 レベル7 ATK2600 DFE1000 光属性 獣族

 オーディナル・効果

 光属性+闇属性

 ①:シンボルポイントを一つ消費して、相手モンスター一体を対象にして発動できる。対象にしたモンスターの表示形式を変更する。

 ②:このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 『SP2』

 

 

 素材に闇属性は必要だが、ステータス的に言えばこのカードは闇属性とは全く関係がない。一応注意が必要である。

 

「バトル!クロスロジック・キマイラで、ホワイトブランク・ドラゴンを攻撃!」

 

 キマイラが飛びかかると、ドラゴンを爪でなぎ倒した。

 

「ぐ……」

 

 早川 LP4000→3400

 

「ホワイトブランク・ドラゴンの効果発動。このモンスターが破壊されるとき、墓地から『ホワイトブランク・コア』一帯を特殊召喚することができる」

 

 ホワイトブランク・コア ATK0 ☆1

 

「モンスターを墓地から……私はカードを一枚セット、ターンエンドよ」

「私のターン。ドロー!」

 

 早川はカードを引くとにやりと笑った。

 

「私は魔法カード『死者蘇生』を発動。墓地からホワイトブランク・ドラゴンを特殊召喚!」

 

 ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000 ☆8

 

「さらに、ホワイトブランク・コアをシンボルリリース。二体目の『ホワイトブランク・ドラゴン』をオーディナル召喚!」

 

 ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000 ☆8

 羽計 SP2→4

 

「二体目……」

「私は魔法カード『シンボル・フォース』を発動。自分フィールドのすべてのオーディナルモンスターは、自分のシンボルポイントの数×200ポイントアップする!」

 

 

 シンボル・フォース

 通常魔法

 ①:自分フィールドのすべてのオーディナルモンスターは、ターン終了時まで、自分のシンボルポイント一つにつき、攻撃力が800ポイントアップする。

 

 

 ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000→3800

 ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000→3800

 

「やるわね……」

「さあ、このターンのバトルフェイズで終わりです。ホワイトブランク・ドラゴンが攻撃する場合、戦闘ダメージを二倍にする!」

 

 なんでお前先攻とったんだよ……。

 そうおもった誠一郎は間違いではないはずだ。

 

 

 ホワイトブランク・ドラゴン

 レベル8 ATK3000 DFE2000 光属性 ドラゴン族

 オーディナル・効果

 光属性×2

 ①:このカードがモンスターに攻撃した場合、その戦闘で相手に発生するダメージは倍になる。

 ②:このカードが破壊された場合、墓地の「ホワイトブランク・コア」一体を特殊召喚することができる。

 『SP2』

 

 

「ホワイトブランク・ドラゴンで、クロスロジック・キマイラを攻撃!」

「伏せカードは警戒しなさいよ……カウンター罠『攻撃の無力化』を発動。攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させるわ」

「む……私はターンエンドです」

 

 ホワイトブランク・ドラゴン ATK3800→3000

 ホワイトブランク・ドラゴン ATK3800→3000

 

 手札なくなったしな。もうこれ以上のことはできないだろう。

 

「私のターン。ドロー。まずは、魔法カード『シンボル・ドロー』を発動。SPを一つ消費して、デッキからカードを二枚ドローする」

 

 彩里 SP1→0

 

 

 シンボル・ドロー

 通常魔法

 ①:シンボルポイントを一つ消費して発動できる。デッキからカードを二枚ドローする。

 

 

「そして、墓地の『クロスロジック・イーグル』を、自身の効果で特殊召喚!」

 

 クロスロジック・イーグル ATK1000 ☆4

 

「そして、自分フィールドにクロスロジックモンスターが特殊召喚されたことで、手札の『クロスロジック・ファング』を特殊召喚!」

 

 クロスロジック・ファング ATK1700 ☆4

 

 

 クロスロジック・ファング

 レベル4 ATK1700 DFE1400 光属性 獣族

 このカード名の効果は一ターンに一度しか発動できない。

 ①:自分フィールドに「クロスロジック」モンスターが特殊召喚されたときに発動することができる。手札のこのモンスターを特殊召喚する。

 

 

「いくわよ。私は光属性のクロスロジック・ファングと、闇属性のクロスロジック・イーグルをシンボルリリース!二つの理論が交わるとき、封印されし鳥は舞い上がる。オーディナル召喚!レベル7『クロスロジック・ガルーダ』!」

 

 クロスロジック・ガルーダ ATK2500 ☆7

 彩里 SP0→2

 

「二体目のオーディナルモンスター……だが、キマイラの効果を使ったとしても、倒せるモンスターは一体だけです!」

「そんなわけないでしょ。クロスロジック・ガルーダの効果発動。自分フィールドのこのカード以外の『クロスロジック』オーディナルモンスター一体を選択して、そのモンスターは、相手モンスター全てに続けて攻撃できる!」

 

 ガルーダが舞い、キマイラが咆える。

 

 

 クロスロジック・ガルーダ

 レベル7 ATK2500 DFE1800 闇属性 鳥獣族

 オーディナル・効果

 光属性+闇属性

 ①:一ターンに一度、自分フィールドのこのカード以外の「クロスロジック」オーディナルモンスター1体を対象として発動できる。このターン、そのモンスターは相手フィールドのモンスター全てに1回ずつ攻撃できる。

 『SP2』

 

 

「ぜ、全体攻撃だと……」

「そして、クロスロジック・キマイラの効果を発動。一ターンに一度の制限はないわ。あなたのモンスターには、二体とも守備表示になってもらう!」

 

 彩里 SP2→1→0

 ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000→DFE2000

 ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000→DFE2000

 

「な……」

「バトル!クロスロジック・キマイラで、ホワイトブランク・ドラゴン二体に攻撃!」

「ぐ……ま、まさかこんなあっさりと、この私が……」

 

 キマイラが雄叫びと共に、ホワイトブランク・ドラゴンに向かって突撃する。

 

「く……」

 

 キマイラの牙は――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――突如現れたバリアに寄って、その攻撃を通すことはなかった。

 

「「何!?」」

「……」

 

 彩里と早川が驚いている時、誠一郎は、早川の奥に目を向けていた。

 

 そこには、『デュエル中のデュエルディスク』を構えた、癖毛のある紫色の髪の少年が歩いてきていた。

 真っ黒のジャケットが印象的だった。

 年は誠一郎たちと変わらないだろう。

 

「早川。そのあたりで演技は止めておけ」

「宗達様」

 

 早川はその少年を見ると、小物臭のする雰囲気から一転して、まさに『優秀な部下』という雰囲気を出して少年に対して道を開ける。

 

「あなた。誰?」

 

 聞いておきたかったところだが、彩里が聞いてくれた。

 

「僕か?僕は才馬宗達(さいばそうたつ)。で、こっちは……名前だけは教えているか。早川だ」

 

 名字だけ?別にいいけど。

 

「そう、で、さっきのバリアは一体どういうことなのかしら」

「僕が乱入して、罠カード『リグレット・バリア』を発動させた。『リグレットカウンター』を持たない相手モンスターが攻撃した時、手札から発動できる。そのモンスターの攻撃を無効にする」

「そういうことね……」

 

 

 リグレット・バリア

 通常罠

 ①:相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。その攻撃を無効にする。攻撃宣言をしたモンスターに「リグレットカウンター」がおかれてない場合、このカードは手札から発動できる。

 

 

 リグレットカウンター。

 それが才馬宗達と言うデュエリストにとって重要なのだろう。

 

「さて、早川。戻るぞ」

「はい」

 

 いつの間にかサングラスとスーツと言った姿になっていた早川が才馬についていく。

 

「ちょっと、デュエルはどうするのよ」

「すぐにまた会うことになる。それにしても……」

 

 才馬は彩里を見る。

 

「お前。弱いな」

「な……そう言うのならデュエルしなさいよ!」

「断る」

 

 才馬はそう言うと、指をパチンと鳴らした。

 すると、スモークが発生して、一瞬で見えなくなる。

 いや、足音は聞こえているのだが、あえて追わないことにした。

 

 煙がはれた時、当然、二人はいない。

 

「はあ……誠一郎君。どうする?」

「……さあな。カードはおいていってるから、俺としては放置でかまわん」

 

 そう、あのでかい白い袋はすでに放置されている。

 そう思った時、爆発したまま放置していた壁から強盗みたいなのが出てきていた。

 

「ハッハッハ!今回は大量だぜ!」

「「……」」

 

 何を言えばいいのかわからない。

 のだが、彩里はデュエルで発散することにしたようだ。

 

「あんたたち、私の怒りの矛先になりなさい!」

 

 無茶苦茶である。

 

(才馬宗達……か。挑んでくるにしても、共闘することになるとしても、いい方には転ばないだろうな)

 

 彩里がキマイラやガルーダを出しているのを見ながら、誠一郎はそう思った。

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