カードショップを襲撃した白衣の男と彩里のデュエル。
その直前に、脇腹にきつい一撃をもらった誠一郎も、一応復活している。
さて……どうなるのだろうか……。
「私の先攻です」
不審者からのスタートだ。
「それと最初に言っておきますが、私のことは
「「……」」
いきなり何を言いだすのだろうか。
「まあ、いいわ。そう呼ぶことにする」
偽名であろうと本名であろうとこの際関係はない。
「では、私は自分フィールドにモンスターが存在しないことで、手札から『ホワイトブランク・コア』を特殊召喚しましょう」
ホワイトブランク・コア ATK0 ☆1
半透明な素材でできた球体だ。
「ホワイトブランク・コアの効果に寄り、『ホワイトブランク』オーディナルモンスターをオーディナル召喚する場合、一体で二体分の素材にできる」
ホワイトブランク・コア
レベル1 ATK0 DFE0 光属性 機械族
①:自分フィールドにモンスターがいない場合、このモンスターを手札から特殊召喚できる。
②:自分が「ホワイトブランク」オーディナルモンスターをオーディナル召喚する場合、このモンスターは、一体で二体分のオーディナル素材とすることが出来る。
「特殊召喚能力に加えて、ダブルシンボルモンスター……」
「そういうことですよ。私は光属性のホワイトブランク・コアをシンボルリリース。オーディナル召喚!現れろ、レベル8『ホワイトブランク・ドラゴン』!」
ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000 ☆8
早川 SP0→2
「それがあなたのエースカードと言うわけね」
「フフフ、私はカードを一枚セット、ターンエンドです」
「私のターン。ドロー!」
彩里はカードを一枚引いて、笑みを浮かべた。
「私は手札から、『クロスロジック・ビースト』の効果を発動。手札一枚をコストにして特殊召喚することが出来る」
現れたのは、五つの石板を身に付けた白い獣。
クロスロジック・ビースト ATK1500 ☆4
クロスロジック・ビースト
レベル4 ATK1500 DFE1000 光属性 獣族
①:手札一枚をコストにして発動できる。このモンスターを手札から特殊召喚する。
「く……クロスロジック?」
「そうよ。そして私は、墓地の『クロスロジック・イーグル』の効果発動。自分フィールドにクロスロジックモンスターが存在する場合、一ターンに一度、墓地のこのカードを特殊召喚できる」
クロスロジック・イーグル ATK1000 ☆4
ビーストの方は白かったのに対して、イーグルの方は黒い。
ただし、五つの石板を身に付けているデザインは同じだ。
「い……色が違う」
「そうよ。ビーストは光属性だけど、イーグルは闇属性だもの」
「何?」
クロスロジック・イーグル
レベル4 ATK1000 DFE800 闇属性 鳥獣族
このカード名の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。
①:自分フィールドに「クロスロジック」モンスターが存在する場合に発動できる。墓地のこのカードを特殊召喚する。
「な、なんだ。自信があるようだが、そこから属性を揃えるのか?なら、そうはさせんぞ。私は永続罠『エレメント・ロック』を発動。フィールドに表側表示で存在するモンスターの属性は、そのモンスターの本来の属性としてのみ扱う」
エレメント・ロック
永続罠
①:フィールドに表側表示で存在するモンスターの属性は、そのモンスターの本来の属性としてのみ扱い、変化、重複は行われない。
「あのカード。重複ってどういうことなのかしら」
彩里は分からないようなので、誠一郎が説明する。
「ようするに、カードの効果に寄って属性が変化しない。あとはそうだな……例を挙げるなら、フィールドにいる時だけは、『光と闇の竜』が闇属性としては扱われないってことだ」
「もともとの属性に固定するカード、と言うことね」
彩里はまだ疑問があるようだ。
それは、『何故そのようなカードを採用しているのか』ということだろう。
誠一郎は分かっているが、あえて言わないことにした。
「まあいいわ。ただ、そのカードも、私のデッキに意味はないわよ」
「どういうことだ?」
「こういうことよ。私は光属性のクロスロジック・ビーストと、闇属性のクロスロジック・イーグルをシンボルリリース!」
二体のクロスロジックモンスターがシンボルに変わる。
「なに!?」
「同じ属性をリリースすることで召喚するオーディナルモンスターしか見ていないのかしら。こういうカードもあるのよ」
彩里は一枚のカードをモンスターゾーンに置く。
「二つの理論が混じりあい、封印されし猛獣は姿を現す。オーディナル召喚!レベル7『クロスロジック・キマイラ』!」
クロスロジック・キマイラ ATK2600 ☆7
彩里 SP0→2
「な……異なる属性でオーディナル召喚だと」
「オーディナル召喚は、属性を『揃える』召喚方法じゃなくて、属性を『求める』召喚方法よ。確かに、ダブルシンボルモンスターもいてそっちに意識が向きやすいけど、忘れてもらっては困るわね」
「ぐぬぬ……だが、私のホワイトブランク・ドラゴンには及ばない!」
確かに。
キマイラの攻撃力は2600なのだ。爆炎獣のように永続的な攻撃上昇能力は持っていない。
ただまぁ……何も考えがなく出すモンスターでもないのは確かだ。
「甘いわよ。クロスロジック・キマイラの効果発動。SPを一つ消費して、相手モンスター一体の表示形式を変更する」
「なに……」
彩里 SP2→1
ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000→DFE2000
「残念だけど。守備力が低いモンスターではキマイラの前では壁にもならないわよ。キマイラは、貫通能力を持っている」
「な……」
クロスロジック・キマイラ
レベル7 ATK2600 DFE1000 光属性 獣族
オーディナル・効果
光属性+闇属性
①:シンボルポイントを一つ消費して、相手モンスター一体を対象にして発動できる。対象にしたモンスターの表示形式を変更する。
②:このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
『SP2』
素材に闇属性は必要だが、ステータス的に言えばこのカードは闇属性とは全く関係がない。一応注意が必要である。
「バトル!クロスロジック・キマイラで、ホワイトブランク・ドラゴンを攻撃!」
キマイラが飛びかかると、ドラゴンを爪でなぎ倒した。
「ぐ……」
早川 LP4000→3400
「ホワイトブランク・ドラゴンの効果発動。このモンスターが破壊されるとき、墓地から『ホワイトブランク・コア』一帯を特殊召喚することができる」
ホワイトブランク・コア ATK0 ☆1
「モンスターを墓地から……私はカードを一枚セット、ターンエンドよ」
「私のターン。ドロー!」
早川はカードを引くとにやりと笑った。
「私は魔法カード『死者蘇生』を発動。墓地からホワイトブランク・ドラゴンを特殊召喚!」
ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000 ☆8
「さらに、ホワイトブランク・コアをシンボルリリース。二体目の『ホワイトブランク・ドラゴン』をオーディナル召喚!」
ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000 ☆8
羽計 SP2→4
「二体目……」
「私は魔法カード『シンボル・フォース』を発動。自分フィールドのすべてのオーディナルモンスターは、自分のシンボルポイントの数×200ポイントアップする!」
シンボル・フォース
通常魔法
①:自分フィールドのすべてのオーディナルモンスターは、ターン終了時まで、自分のシンボルポイント一つにつき、攻撃力が800ポイントアップする。
ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000→3800
ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000→3800
「やるわね……」
「さあ、このターンのバトルフェイズで終わりです。ホワイトブランク・ドラゴンが攻撃する場合、戦闘ダメージを二倍にする!」
なんでお前先攻とったんだよ……。
そうおもった誠一郎は間違いではないはずだ。
ホワイトブランク・ドラゴン
レベル8 ATK3000 DFE2000 光属性 ドラゴン族
オーディナル・効果
光属性×2
①:このカードがモンスターに攻撃した場合、その戦闘で相手に発生するダメージは倍になる。
②:このカードが破壊された場合、墓地の「ホワイトブランク・コア」一体を特殊召喚することができる。
『SP2』
「ホワイトブランク・ドラゴンで、クロスロジック・キマイラを攻撃!」
「伏せカードは警戒しなさいよ……カウンター罠『攻撃の無力化』を発動。攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させるわ」
「む……私はターンエンドです」
ホワイトブランク・ドラゴン ATK3800→3000
ホワイトブランク・ドラゴン ATK3800→3000
手札なくなったしな。もうこれ以上のことはできないだろう。
「私のターン。ドロー。まずは、魔法カード『シンボル・ドロー』を発動。SPを一つ消費して、デッキからカードを二枚ドローする」
彩里 SP1→0
シンボル・ドロー
通常魔法
①:シンボルポイントを一つ消費して発動できる。デッキからカードを二枚ドローする。
「そして、墓地の『クロスロジック・イーグル』を、自身の効果で特殊召喚!」
クロスロジック・イーグル ATK1000 ☆4
「そして、自分フィールドにクロスロジックモンスターが特殊召喚されたことで、手札の『クロスロジック・ファング』を特殊召喚!」
クロスロジック・ファング ATK1700 ☆4
クロスロジック・ファング
レベル4 ATK1700 DFE1400 光属性 獣族
このカード名の効果は一ターンに一度しか発動できない。
①:自分フィールドに「クロスロジック」モンスターが特殊召喚されたときに発動することができる。手札のこのモンスターを特殊召喚する。
「いくわよ。私は光属性のクロスロジック・ファングと、闇属性のクロスロジック・イーグルをシンボルリリース!二つの理論が交わるとき、封印されし鳥は舞い上がる。オーディナル召喚!レベル7『クロスロジック・ガルーダ』!」
クロスロジック・ガルーダ ATK2500 ☆7
彩里 SP0→2
「二体目のオーディナルモンスター……だが、キマイラの効果を使ったとしても、倒せるモンスターは一体だけです!」
「そんなわけないでしょ。クロスロジック・ガルーダの効果発動。自分フィールドのこのカード以外の『クロスロジック』オーディナルモンスター一体を選択して、そのモンスターは、相手モンスター全てに続けて攻撃できる!」
ガルーダが舞い、キマイラが咆える。
クロスロジック・ガルーダ
レベル7 ATK2500 DFE1800 闇属性 鳥獣族
オーディナル・効果
光属性+闇属性
①:一ターンに一度、自分フィールドのこのカード以外の「クロスロジック」オーディナルモンスター1体を対象として発動できる。このターン、そのモンスターは相手フィールドのモンスター全てに1回ずつ攻撃できる。
『SP2』
「ぜ、全体攻撃だと……」
「そして、クロスロジック・キマイラの効果を発動。一ターンに一度の制限はないわ。あなたのモンスターには、二体とも守備表示になってもらう!」
彩里 SP2→1→0
ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000→DFE2000
ホワイトブランク・ドラゴン ATK3000→DFE2000
「な……」
「バトル!クロスロジック・キマイラで、ホワイトブランク・ドラゴン二体に攻撃!」
「ぐ……ま、まさかこんなあっさりと、この私が……」
キマイラが雄叫びと共に、ホワイトブランク・ドラゴンに向かって突撃する。
「く……」
キマイラの牙は――
――突如現れたバリアに寄って、その攻撃を通すことはなかった。
「「何!?」」
「……」
彩里と早川が驚いている時、誠一郎は、早川の奥に目を向けていた。
そこには、『デュエル中のデュエルディスク』を構えた、癖毛のある紫色の髪の少年が歩いてきていた。
真っ黒のジャケットが印象的だった。
年は誠一郎たちと変わらないだろう。
「早川。そのあたりで演技は止めておけ」
「宗達様」
早川はその少年を見ると、小物臭のする雰囲気から一転して、まさに『優秀な部下』という雰囲気を出して少年に対して道を開ける。
「あなた。誰?」
聞いておきたかったところだが、彩里が聞いてくれた。
「僕か?僕は
名字だけ?別にいいけど。
「そう、で、さっきのバリアは一体どういうことなのかしら」
「僕が乱入して、罠カード『リグレット・バリア』を発動させた。『リグレットカウンター』を持たない相手モンスターが攻撃した時、手札から発動できる。そのモンスターの攻撃を無効にする」
「そういうことね……」
リグレット・バリア
通常罠
①:相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。その攻撃を無効にする。攻撃宣言をしたモンスターに「リグレットカウンター」がおかれてない場合、このカードは手札から発動できる。
リグレットカウンター。
それが才馬宗達と言うデュエリストにとって重要なのだろう。
「さて、早川。戻るぞ」
「はい」
いつの間にかサングラスとスーツと言った姿になっていた早川が才馬についていく。
「ちょっと、デュエルはどうするのよ」
「すぐにまた会うことになる。それにしても……」
才馬は彩里を見る。
「お前。弱いな」
「な……そう言うのならデュエルしなさいよ!」
「断る」
才馬はそう言うと、指をパチンと鳴らした。
すると、スモークが発生して、一瞬で見えなくなる。
いや、足音は聞こえているのだが、あえて追わないことにした。
煙がはれた時、当然、二人はいない。
「はあ……誠一郎君。どうする?」
「……さあな。カードはおいていってるから、俺としては放置でかまわん」
そう、あのでかい白い袋はすでに放置されている。
そう思った時、爆発したまま放置していた壁から強盗みたいなのが出てきていた。
「ハッハッハ!今回は大量だぜ!」
「「……」」
何を言えばいいのかわからない。
のだが、彩里はデュエルで発散することにしたようだ。
「あんたたち、私の怒りの矛先になりなさい!」
無茶苦茶である。
(才馬宗達……か。挑んでくるにしても、共闘することになるとしても、いい方には転ばないだろうな)
彩里がキマイラやガルーダを出しているのを見ながら、誠一郎はそう思った。