Re:外道が始めるヤクザ生活   作:タコス13

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第5話『野良犬は噛まれると結構危ない。』

屋敷の食料などの買い出しの為に村に出かけていくが、ラムはサボ...もとい屋敷での仕事の為同行しなかった。

 

アーラム村への道中、西谷は森の方へ視線を移すとある事に気付いた。

 

「なぁ、レムちゃん。所々木に掛かっとるあれはなんや?」

 

「ん?あぁ、あれは魔獣除けのお守りですよ、ホマレ君。」

 

「なるほどのぉ。これで魔獣に襲われる危険性を少なくしとるわけやな。」

 

レムの分かりやすい答えに、西谷がそんな感想を述べているうちにアーラム村に着いた。

 

「おっさん誰だ?」

 

「おう、この前雇われた執事の西谷誉や!それとおっさんやなくてお兄さんやで!」

 

駆け寄ってきた子供達にそんな自己紹介していると、買い出しの為その場を離れるレム。

 

買い出しを済ませてレムが戻って来ると何故か人集りが出来ており見に行く。

 

「...ホマレ君...何をなさっているんですか?」

 

「おう、暇やったからブレイクダンスを披露しとったとこや。」

 

時間つぶしに以前真島が見せたブレイクダンスを見よう見まねでやったら人集りが出来てしまったらしい。

 

「兄ちゃんスゲーな!代わりと言っちゃなんだけど、こいつを撫でさせてやるよ!」

 

子供達が抱いている犬っぽい小動物を西谷に差し出しそんな事を言い出した。

 

「ほう、ほんならちょっと...っ危ないなぁ。こいつ噛もうとしとるやんけ。」

 

指を犬っぽい小動物に噛まれそうになり、瞬時に手を引っ込めながらそんなことを言う西谷。

 

「おかしいなぁ...こいつ普段は人懐っこいんだけどなぁ...兄ちゃんの顔が怖いからかなぁ...」

 

「そうですよ、ホマレ君。ほら怖くないですよ?...痛っ...」

 

西谷の代わりにレムが撫でようとするが、人差し指を噛まれて血が出てしまう。

 

「ははは、レムちゃん噛まれとるやんけ。...にしてもどっかで見たことある気ぃするわ...」

 

レムが噛まれたのを笑って見ていると、何か既視感を覚えて一人ごちる。

 

それから、子供達や村人達に別れを告げて西谷が荷物を運びながら道中西谷がレムに話しかける。

 

「それにしても、魔獣ってそんなに恐ろしいんか?」

 

「そうですね...ものによりますが魔女が生み出した存在ですから。」

 

「なるほどのぉ...魔女...サテラ...しまっ...」

 

レムの返しにうっかりサテラと口にしてしまい、心臓を撫でられる不快感を味わってしまう。

 

「...っ!!......大丈夫ですか?ホマレ君。」

 

「?...あ、ああ、大丈夫や。」

 

一瞬射抜くような視線を浴びせるレムに疑問を浮かべながらも普通に返す西谷。

 

そんなこんなで買い出しから帰った西谷とレムはまた仕事に戻るとロズワールが身支度をしていた。

 

「お、ロズ君お出かけするんか?」

 

「少しばーぁかり、厄介な連絡が入ってねーぇ。今夜は少し戻れそうにないんだーぁよ。」

 

西谷の問いかけにそう答えると宙に浮き、飛び去っていくロズワール。

 

「飛べるんやなぁ...魔法ってもんはごっついのう...」

 

ロズワールを見送り飛び去っていく姿に感嘆を漏らす西谷はまた仕事に戻る。

 

いつも通り仕事を終えると、買い出しもあったので今日は勉強は無しで寝る事になった西谷。

 

ベッドに入りながらいびきをかいている西谷に突如トゲ付きの鉄球が襲いかかった。

 

「ごっつ激しいモーニングコールやなぁ。頼んだ覚えはないで?レムちゃん。」

 

「...やはり一撃で仕留めるのは無理でしたか...ホマレ君。」

 

鉄球が襲いかかると同時に飛び起きた西谷は間一髪で避けると、レムを見据えた。

 

 

「わし、レムちゃんになんかしたんか?身に覚えがないんやけどなぁ?」

 

「...魔女の匂いを撒き散らしといて....何を言ってるんですか!?」

 

レムはそう叫ぶと鉄球による猛攻を仕掛けるが全て避けられてしまう。

 

「まぁ、別にわしを襲う理由なんかどうでもええか...せやけど気に食わんことがある。...なんで襲う方がそない辛そうな顔しとんねん!!もっと胸張って襲わんかボケェ!!」

 

そう西谷が怒りを露わにすると鉄球を受け止めて引っ張ればレムは体勢を崩し倒れる。

 

「...はぁ...はぁ...うぐっ...!」

 

「はっ!どないしたんやレムちゃん!レムちゃん!!」

 

レムが苦しそうに倒れ込めば西谷は駆け寄り声をかける。

 

「ベア子ちゃん!!レムが大変なんや!!助けたってくれ!!」

 

反応のないレムを抱き抱えて扉渡りを破りベアトリスの書斎に駆け込む。

 

「なんなのよ!騒々しいったらありゃしないのよ!...これは...呪いなのよ。」

 

「なんとかならんのかいな!?助ける方法はないんか!?」

 

「ないのよ...一度発動した呪術は解けないのよ。今もマナを吸われてるかしら...」

 

必死の形相で訴える西谷に力なく答えるベアトリス。

 

「...ちょっと待てや。マナが吸われとる?ちゅう事は吸っとる本人が死んだらどないなるんや?」

 

「!?...それなら、救えなくはないかしら...でも...後30分もすれば死ぬのよ...」

 

西谷の問いに対してそれならと答えるもまたも力なく返すベアトリス。

 

「なんとか、時間を稼げんのかい!?魔法とかないんか!?」

 

「...わかったのよ。ベティもレムが死ぬのは本望ではないのよ。マナを分け与えて時間を稼ぐのよ。...それでももって2時間かしら。」

 

「おう、頼むで!犯人はわかっとんのや。魔獣の犬っころや。効率良く集める方法はないんかの?」

 

「魔女の匂いにつられてくるかしら!」

 

「おおきにな!ほな、行ってくんで!!」

 

西谷はベアトリスの進言を聞くと上半身を脱ぎ捨てドスを持って屋敷を飛び出して行った。

 

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