やぁ、巷で流行りのオリ主だよ。
もはや説明は不要だと思うが、いちよう起こったことを振り返ってみようか。
事故った
以上である。
特に何の事件性もないただの事故である。強いて言うならば、少し電柱と喧嘩してみたら負けてしまっただけだ。
凄く、自業自得です。本当にありがとうございました。
んで、気を失って間もなくご臨終した訳だが、なんで意識あるのん?いや、田舎で◯ゃんぱすライフは始まらないと思うが。実はまだ生きててゆうたいりだつ〜⤴︎してるだけかもしれないな!
などと、考えているとこれまた不思議なもので謎の白い光の玉がしゅわ〜っと現れた。
それが現れると同時に周囲もただの真っ白い空間から、真っ黒な空間へ!
…画像処理して2値化でもしたんです?
いやいや、映像にしてもすげーなと乏しい感想を浮かべていたら、「お褒め頂き光栄ですね〜。」と、俺の感性に響くような声がした。
おー、幻聴先輩じゃないっすか。おつかれーっす。声どうしました?イメチェンですかね。いやいや、先輩の声はあのままの機械音声で良いんですよ。水臭いんだからまったく。俺と先輩の仲でしょうに、いったい何年付き合ってると思ってるんですか。
「幻聴でもイメチェンでもないですよー。」
そこで2度目の癒し声。まぁ、この時点でネットで小説漁った経験のあるオタクならある程度察しつくよね。
ロリボイス
死にかけ(暫定)
謎の空間
これは俗にいう神様的なやつなのではなかろうか。
「はい、正解ですよー。」
ほら、答え返ってきたし。声出てないのに。正解だってさ。やったぜ。
いやいや待て待て、まだ信じるには早いぞ。状況的にいろいろ困惑してる最中ではあるが。
えーと、ならば、俺自身ですら書類が無いと忘れかけてるようなものを……。そうだ!
Q. 私の口座の残金はいくらでしょう?
「答えられますけど、言ってしまって宜しいのですか?」
いえ、やっぱり結構です(泣)
違うんすよ、その、ね?いつの間にか消えてたんすよ。あんまり使った覚えは俺には無い。つまり、これは妖怪の仕業なんだ!
「カード支払いが原因では無いですかねー?」
そうとも言う。
むしろ、そうとしか言わないのだが、俺は認めたく無い。
うーん。それにしてもこの筒抜け感は慣れんな。考えてることが勝手に伝わるのは楽だがなんだかなーって感じがするよね。
「それは良く言われますねー。私も読もうとしなければ伝わらないのですが、貴方は今喋れませんので我慢して頂きたいのですよ。私も仕事ですので申し訳ありません。
…それはそうと、そろそろ落ち着きましたか?」
落ち着きましたかと、言われてみれば割と混乱していたことに気づく。そして、全てを飲み込めたわけでは無いが、だんだんと察しはついてきたので冷静に考えが浮かぶようになってきたことを自覚できる。
あ、やっぱりもう死んじゃってんの?
「はい、それはもう綺麗な死顔でしたよー。」
そっかー。と、割と怖い会話を素直にストンと受け止めることができた。前知識にプラスして実感あるとこんなもんかね。未練がないわけじゃ無いけど。
「それは良かったです。暴れ出そうとする方もいらっしゃいますから。実体はないのでそれは出来ませんけどねー。」
うふふ〜と、笑う光の玉。その声なのに姿無いのが残念でならない。…………ふむ。
すみません。ちょっとだけ宜しいですか?
「ええ、構いませんよー。」
ありがとうございます。それでは、俺が今から思い浮かべる本のタイトルを読み上げて貰えますかね。
「いやらしい本でしたら断らせて貰います。」
……………。
「…………。」
何故分かったし。
「神ですからねー。そして私に同じようなことをさせようとしたのは貴方がはじめてではないですよー。」
ーーー先人達に敬意を表する。
そうして、俺が黙祷していると、神様(仮)が言った。
「貴方は話が早いようですが、脱線するタイプのようですから、身体が見えるようにしましょうか。その方が話しやすいでしょう。それに、地の文との分け方が分からなくなってきてますから。」
神様、それはメタイです。
俺のツッコミも軽く躱すとコマンド実行!と言ってブレ始める光の玉。
そして、ピカッと光るとさっきまではあやふやだった俺の身体も死ぬ前の服装そのままになっていた。
ついでに私もですーっと、光の玉が再度ピカッと光を発し、それが収まると、そこには金髪幼女がランドセルじゃ無い方の天使の羽を背中に生やし、鎮座していた。
「神は居た…」
「はい、神ですよー。」
声が出るようになっていることに気づきつつも、目の前でドヤ顔を浮かべるロリ神様をよく見てみる。
可愛い(確信)
普通に可愛い。社長だったらふつくしいって言ってる場面だとも思うよ。うん。
「ありがとうございますー。それでは早速本題に入らせて頂きますねー。」
「ばっちこい。」
慣れた様子の事務的対応に作り笑い。この幼女やはりできる!と、やっぱり内心ふざけながら話を聞くことにする。
「貴方は先程亡くなられました。しかし、本来の死に方ではありませんでした。」
「あ、そうなんですか。」
「ええ、酔っていたわけでもないのに電柱に向かって喧嘩を売りに行った訳ですからね。」
「まあ、確かに。考えてみればおかしいですよね。これじゃ、俺の頭がイかれてたとしか言えませんね。」
「それは、否定できませんが、電柱ですからねー。」
「そうですねー。電柱ですからねー。」
「「あっはっはっはっはー。」」
笑いあってみると平和よね。目は笑ってないけど。イかれてることを否定されなかったのは自業自得なのでスルーしたが、ふと、気になったついでに聞いてみる。
「ちなみに、本来の死に方というのは?」
「…………。」
サッと、目を逸らされたので、電柱にぶつかりに行くよりも酷かったらしい。
ブラックに勤めていた自覚はあるので過労死とかかな。中学生のノートを暴かれた時のような最期でないことを祈るばかりである。
そんな風に少々思考が逸れていると、んん!と、咳払いされてしまった。
指摘されたばっかりなのに何してんでしょうねほんと。
「さて、話を戻しましょうか。貴方の死に方がズレてしまったのは管理世界からの干渉があったせいですね。あ、管理世界というのは、貴方の世界に隣接する複数の世界のうちのいくつかの事です。
神達の間でも譲り譲られ、創り壊され、色々と有るのですよ。そして、稀に隣の世界にまで影響できるような力をもって生まれてきてしまう人が居てですね、調整しても追いつかない時が有るのです。
そのまま好き勝手されてしまうと困るので、貴方のように縁をもってしまった方の魂を自我を残したままにお招きし、交渉させて頂いて、お手伝いをして貰っているのです。ここまでは宜しいですか?」
うん。つまり、断ったら次へどうぞーって感じやろ?
選択肢あるのそれ?
「そうですねー、自我の消失は拒否感か大きい方が多いみたいですねー。
でもそれは、私達には理解しがたい感覚なのですよー。」
「せやろな。神様に寿命とかあるかは知らんけども。」
「せやねぇです。」
「さよか。というか、ノリ良いですね。」
「ふっふっふ。これでも神ですからねー。」
神様なのに世俗にまみれてよろしいのかなとも思ったがまぁ良いのだろうね。守りたいこの笑顔。
そして、改まった様子で状況的には文字通り、魂に問われるように。
身体を戻して貰っても、感覚はあっても、どこか抜け落ち、実体とはどこか違うままのおれに、神様は問いかける。
「それでは、貴方の意思を聞かせてください。貴方に結ばれた縁。降りかかった不幸。それらの元凶は未だに健在しています。
ええ、ズルイ言い方をあえてしています。
それでも、その必死に隠している怨嗟を抱えて終わるよりも、この機にぶつけてみませんか?
元凶を倒し、2度目の生を謳歌する気は有りませんか?」
少し違うかもしれないが、要は手をかしてやるから死んだ仕返ししてみろや。終わったらそのまま生きていいから。
って事らしい。
「特典…いえ、お力添えは貰えるのですかね?」
「はい!もちろんです。必ず始末をつけられるモノをご用意します。貴方の知識にある特典というのも付け足すことは可能ですよ。見過ごせないほどの悪用は控えて頂きますけどね。」
「その元凶とやらのいる世界ってのは、どんなところなんです?」
「それはある程度いじることが出来ますよー。イメージが定まっていなければならないので、私達はよくあなた方の世界の創作物をお借りしています。テクスチャを被せるイメージと言えば分かりますかねー?そして、元凶を倒さないかぎりは、必ず仕様を変えてもその世界のどこかしらで現れるのが、貴方の敵となる者です。世界の仕様によっては、その者の姿形も変化しますね。」
「申し出を断った場合は?」
「記憶や自我をを消してから通常どおりにまた流れに組み込ませて頂くか、望むのならばここでその怨嗟と向き合って頂いても構いませんよ。時間だけは膨大ですから。」
「ここや神様達のいるあの世ってのと、向かう世界ってのはどっちが刺激的ですかね。」
「比べるまでも有りませんねー。ここは止まっていますから。ですが、私達がいくら調整しても世界は自由に動いています。だから世界はいくつもあるのですよ。」
「神様が直接手をくだすというのは?」
「ふふっ。それは有りません。私達が直接的な介入をするのはご法度という暗黙の了解なのですよー。…でも、貴方の懸念はそこではありませんよね?」
やっぱりなんでもばればれらしい。
そう、さっきも隠してるのがバレたらしい。
俺はそこまで短気でもなかった筈なのだが、その元凶とやらに、憤りを感じている。
どうして顔も名前も世界さえも違う相手にここまで怒れるものなのか自分でも不思議でならない。
間接的に運命的なものが変わってしまったとしても、そいつに直接殺された訳でも厨二ノート公開された訳でもないのだ。
神様が何か細工した訳ではないだろう。目線で確認してみたが、首を振られた。
嘘なんて見抜ける訳じゃないが、それは何故か信じられる。
「大丈夫です。邪魔は致しません。思う存分ぶつけてくださって構いませんよ。」
手伝いはしますけどねー。と、クスクス笑うロリ神様。
そうか。それなら安心だ。
薄く口の端が上がるのを自覚する。
すると、神様もよそをむいてくれた。
読もうとしなければ、と言っていた通りなのだろう。有難い限りだ。これは聞かせられないな。
そして、暫くして俺の黒々とした考えがまとまったのを察して、神様もこちらに向き直ってくれた。
「聞くまでもないですかね?◯◯さん。最終確認をさせていただきますがよろしいですか?」
名前を呼んで確認された。もう決定なのだろう。
だから、おれも誠意をもって答えるとしよう。
「はい。」
「それでは、お聞きします。
転生し、貴方自身の片をつけに行ってもらえますか?」
神々しいオーラを纏い、分かりきった答えを聞いてくる神様。
ならばこそ、俺も挑戦的に、獰猛な笑顔を浮かべて、勢いよく応えた。
「断ります!!!そんなことより神様と一緒にいたいです。」
「………へ?」
俺の答えにぽかんとした顔を浮かべた神様。そんな顔も可愛らしい。
「…え、ど、どうしてですか!?あんなに決まった様にしていたのに!」
「いえ、確かによくもぶっ殺してくれやがったなあんにゃろうって気持ちも大きいですが、神様可愛すぎてやばいんで、ぶっちゃけどうでもよくなりました。でも、記憶とか消えんのも嫌なんでここに居たいです。ここで自分の怒りと向き合っててもいいんですよね?確か。」
「どうでもいいって…いえ、そんなはずありません!稀に血涙を流しながらも消えることを望む人もいますけど、貴方は聖人君子や理性の桁が異なる人とは違いますよね!ここに呼び出す魂は抑えられない大きさの未練を抱えている人です。なのに、ここに残るなんて…いえ、本人が望むのでしたらそれをこちら側から却下することはできませんが。」
「そうですか!そうですか!やったー!美幼女と一緒だぁー!という訳で神様好きです!結婚してください。」
「っ…好きって私神様ですよ?!ここにとどまっても人間では耐えられませんから!それに、貴方は、やり返したいと思うのでしょう?」
「ええ。マジで腹たちました。」
「!そうでしょう?でしたら!」
言われたとおり怒りが自分の中で渦巻いてるというのだろうか?取引先で殴りたいと思っても必死こいて顔には出さないようにしている時のように、胃がキリキリしている気がする。
「でも、やだー。ここにいたいー。」
「大人がバタバタしないでください!駄々っ子ですかあなたは!」
「違うもーん。ロリっ子の紐だもーん。」
「言ってること最低ですよ⁈なんですかもーんて、そして誰がロリっ子!?」
私のパーフェクトボディに向かってなんと失礼な!と、プリプリ怒る神様。
知ってるかい?この子神様なんだぜ?びっくりだよ。
めっちゃ可愛い(真顔
ほら、愛は勝つって言うだろ?
いや、臭いこと言った。すまん。
怨嗟?いや、うふふ〜って笑った時に浄化されたよね。
可愛いは正義なのだ。
そして、ちょくちょく好きって言った時のリアクションで分かったのだが、この神様、チョロい事務員の気配がする。
きっと今までの受け答えも、セクハラ対策もマニュアル通りなのだろう。
しかし、直接的な好意には慣れていないと見た!
それはそうだろう。復讐(笑)に燃える相手が下心…もまああるが、ほぼほぼ善意的な気持ちで好意を伝えてきたりはしなかっただろう。
だけど、俺は紳士だ。YESロリータNOタッチ。
現状困らせているのが俺というのが頭に痛い問題だが、それもいずれはどうにかしてみせよう。
何より、この神様。苦労人の気配がする。
ならば、放っておけまいて。
本当に紐になるつもりなど微塵もない。
人間には耐えられないと言っていた。それは、神様自身もここも少しは退屈だと感じていることに他ならない。
ロリっ子の顔が曇るのは良くないのだ。
姿が違っても個人的にこの神様の人柄は気に入った。
幸せにするなどと傲慢なことは言えない。
だからせめて、精一杯笑わせてからくたばってやるとしよう。その後が余計に退屈になるだけだと?
ふはははは。甘いぞ三下が。
例え俺の精神がすり潰れるのが先だろうが、それまでに彼女の価値観をほんの少しだけ変えてやるほど楽しませてみせようではないか。
娯楽に勝るものはなし。
「神様!!!」
「はひっ。な、なんですか。」
「必ず君を笑わせてみせよう。だからしばらくよろしくたのんます。」
よし、先ずはどうやって攻略しようか。
駄文にお付き合い頂きありがとうございました。