もしも八幡とあーしさんが運命の赤い糸で結ばれていたら   作:しゃけ式

10 / 37
お気に入り数が爆上がりしていて天変地異か!?と思っていたらどうやら日刊ランキングに載せていただいていたようです。10位代半ば辺りだったはずですね。ありがたい話です。


…そ、そのせいで嬉しくなって書き上がるのが早くなったわけじゃないんだからね!(長




10話

 電車に揺られること15分。俺と三浦は予定していたアウトレットに到着した。広々とした駐車場に所狭しと立ち並ぶ店舗の数々。

 

 服を買いに行ったことならば何度かあるが、こういったアウトレットに来た経験は1度もない。若干緊張した面持ちで身構えると、見かねたのか三浦が苦笑いでからかってきた。

 

 

「何、もしかして緊張してんの?あーしと一緒だから?」

 

 

「ばっか違えよお前、俺はただこんなキャピキャピしたとこには来たことなくてだな…」

 

 

「どうでもいいけどキャピキャピって表現古すぎない?流石にやばいっしょ」

 

 

 え、キャピキャピって古いの?たまに会う某女教師は割と普通に使ってるのに?ジェネレーションギャップってこわ…、おっと冷や汗が。てかこの流れつい最近もやったぞオイ。

 

 

 与太話もそこそこに、俺達は適当な店に入った。洋楽がBGMに使用されており、オーソドックスな服屋と言える。明るい店内であり、マネキンに着せられた冬用のコーデはその店の雰囲気を体現しているかのようだった。カジュアルと形容するのが最も的を射ているだろうな。

 

 

「お、これとか良くない?」

 

 

 三浦がまず手に取ったのは何故かサングラスで、大きめのそれは三浦の顔を用途以上に隠した。

 

 

「冬だぞ」

 

 

「別にいいっしょ、冬でも。あーしこういうの好きだしキープっと」

 

 

 そう言いながらもサングラスを元の場所に戻す。キープと言うとカゴなりなんなりに入れるのを想像したが、見た目を意識してなのかそういったことはしないようだ。それともそこまでほしくはないのか、どちらにせよ俺にはわからない感性である。

 

 

「あーしロンスカ欲しいんだよねー。あとパンツ」

 

 

「え、お前急に何言ってんの。やっぱりビッチか?」

 

 

「パンツ↓じゃなくパンツ↑!あとやっぱりってどういうことだし」

 

 

「なんで最近はズボンのことパンツって言うんだろうな。そもそも紛らわしいからズボンって言うことにしたんじゃねえの?」

 

 

「ああ、それはあるかもね。あとやっぱりってどういうことだし」

 

 

「マフラーとストールも謎だよな。あれを見分けるやつらの気が知れん」

 

 

「あれは元の用途が肩掛けか首に巻くかだから大きさで判断できんね。あとやっぱりってどういうことだし」

 

 

「あ、この服良さそうだな。小町によく似合いそうだ」

 

 

「あーしがさっきのビッチ発言忘れると思ったら大間違いだからね?」

 

 

「………」

 

 

 安易に人をビッチ呼ばわりしてはいけない。三十路教師をからかった時に出る冷や汗と同種のものをかきながら、そう悟りました(白目)

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 あれから何軒か回ったが、結局三浦は何も買うことは無かった。入っては見て、試着したと思ったら買わずに出る。俗に言うウインドウショッピングとはこのようなものなのだろうか。経験が無いからわからないが、そういうものなのだろうと勝手に納得する。無論俺は何も買っていない。

 

 

「あれ?あそこあんなんできてたんだ」

 

 

 三浦の示す店はパッと見余り目立たなく、表にある名前にも聞き覚えがない。しかし三浦の発言からしてもできて間もないのは確かであり、周りの店よりも幾分綺麗に映った。

 

 

「しかも丁度ロンスカ置いてんじゃん。行くよ」

 

 

「よくこの距離で見えたな…」

 

 

 連れられるまま店に入る。全体的に白を基調としており、所狭しと並ぶ商品の数々はどれも親しみやすいようなものだった。物を買わせるのなら入り組んだ構造の方が良いとは有名な話だが、ここはそんな小細工を嘲笑うかのように開けた店内である。

 

 

「良い雰囲気じゃん、ここ。あーしドンキみたいなゴチャゴチャしたの嫌いなんだよねー」

 

 

「意味はあるんだけどな」

 

 

「ああ、あれっしょ?コンビニの左回りの法則的なやつ。あっ、これ可愛い」

 

 

 俺の返事も待たず商品を物色する。アホそうな見た目だがたまに博識なところを見せるところは、由比ヶ浜とは違う、また雪ノ下とは別の知性を感じる。見た目で判断するのは俺の性に合わないが、世間一般のイメージと照らし合わせた時のギャップがあるのは事実だ。

 

 

 恐らく、俺がこいつにどこか惹かれるのはそういったとこなのだろうな。

 

 

「…いや惹かれるつってもそういうのじゃねえけど」

 

 

「は?何?」

 

 

「独り言だ」

 

 

「そ。それよりこれ良くない?」

 

 

 三浦が手にしているのはジーンズみたいな色をしたロングスカートだ。ジーンズといっても濃いめのものであり、生地も厚そうに見えるので見た目も機能性も中々良さげだと思う。

 

 

「いいんじゃねえの。上に白のもこもこしたやつとか着たら合うと思うぞ」

 

 

「ついにあーしと感性似てきたね。それ同じこと思ってた。こんな感じの服のことっしょ?」

 

 

 指を走らせスマホを見せてくる。画面に表示されていたのは考えていたものと全く同じ系統だった。

 

 

「それだな。買うのか?」

 

 

「うーん…、まあまだ何も買ってないし買おっかな。丁度ヒキオのくれたストールにも合いそうだし」

 

 

 そう言って三浦は試着すらすることなくレジのところへ持っていった。余程気に入っていたのか、または着ずともわかるのか。どちらにせよ俺にはわからないことだが、遠巻きに見ても三浦に悩みの色は見えなかった。

 

 

 

 

 

「お昼どうする?」

 

 

「フードコートとかねえの?……ってか寒っ」

 

 

 外に出ると、朝よりも冷え込んだ空気に思わず体を縮こまらせた。雲も薄く広がりだして、太陽は見えなくなっていた。

 

 

「まあ冬だしね。気圧配置もお手本みたいな感じだったし」

 

 

 何それ、最近流行ってんの?ストールん時も聞くとは思わなかったが、まさか三浦から聞くなんてな。文系なのに何でそんな詳しいんだよ。もしかして俺が知らなさすぎるのか?

 

 

「フードコートは多分混みまくってるんじゃない?ほら、そこフードコートだけど並んでる人めっちゃいるし」

 

 

 指差すところを見るが、生憎俺にそこまでの視力はないので判断はできなかった。

 

 

「アマゾネスかよ」

 

 

「目のこと言ってんなら南米じゃなくてアフリカでしょ。どうする?外で良いならそこにハンバーガーとか売ってるとこあるけど」

 

 

「そうするか。寒ィつっても我慢出来ないほどじゃねえし」

 

 

「んじゃあーし買ってくるから、適当に座るとこ確保しといてよ」

 

 

「あいよ」

 

 

 三浦が先にあるハンバーガーショップに向かうのを確認してから、俺は空いているテーブルと椅子を確保した。椅子とテーブルはいずれも木で出来ており、テーブルの真ん中にはパラソルが貫いていた。大きめのパラソルは少々の雨が降っても濡れない程度には広かった。

 

 

 しかし、やはりというか周りを見渡すとカップルが多いな。いつかのカップル限定というフレーズは見ないが、クリスマスカラー一色のここは言外に男女を歓迎しているようにも思える。バイトらしきサンタコスの男は軽く見渡しただけでも2人、トナカイも合わせると3人いた。性格上俺にはああいうバイトはできないだろうな、と他人事のように考えながら空を見上げた。パラソルのことを失念していたので正確にはパラソルの内側を、というのが正しいが。

 

 椅子を後ろへやって再度見上げると、雲に覆われた太陽を見つけることが出来た。今日は風も強いのでみるみるうちに雲が流される中、太陽だけは居場所を変えずそこに佇んでいる。どこかでこんな風景を見たなと感じながらも思い出すことは叶わず、そうこうしている内に三浦がこちらへ歩いてきた。

 

 

「適当に買ったけどこれでいいよね?」

 

 

 三浦が俺の前に置いたのはリブサンドだった。ハンバーガーかと思ったらまさかのチョイスだな。別にこれはこれで好きだが。

 

 

「いくらだった?2000円あれば足りるよな」

 

 

「それあーしの分も数えてるっしょ。いいよ、これくらい奢るし」

 

 

「…まあストールもやったしな」

 

 

「自分で言うとかマジないんですけど?まあつっても、あーしめっちゃ奢られてるから気にしなくていいしね、ホント」

 

 

 考えてみるとなるほどと言ってしまいそうになるが、これを口に出すと本当に“ない”やつだろうとは察しがついたので飲み込む。

 

 

「ならお言葉に甘えて。……の前に、煙草吸うか。最近頻度多くなってるな…」

 

 

 ポケットに入れていた箱を取り出し、慣れた手つきで火をつける。昔はつけてもつけても火がたたないと苦労したもんだな。

 

 

「火つくの早いね。あーし4回くらいしなきゃつかないんだけど、なんかコツとかあんの?」

 

 

「エスパーかよ。……コツっつか、お前つける時に吸ってないだろ?吸いながらつけたら一発でいけるはずだ」

 

 

 俺も気付くまでに5本は無駄にしてた。まあ三浦には言わねえけど。

 

 

 肺を煙で満たし、気持ち斜めに吐く。いくら三浦も喫煙者と言えど、正面から叩きつけるのはマナー違反だろう。

 

 

「前は頻度1日に1回って言ってたよね。今どんくらい?」

 

 

「言っても2、3本だけどな。脳クラさせんのは夜だけとはいえ」

 

 

「ああ、それあーしもよくなる。風呂上がってのぼせた時みたいな感じのやつだよね」

 

 

「それだな。煙草の場合は心地良さも伴うけどな」

 

 

 灰を落とそうとした時、ここに灰皿がないことに気付いた。仕方なくリブサンドを左手で持ち、残された包装紙に灰を落とす。包装紙といっても純粋な紙ではなく肌触りがつるつるするものなので火が起きる危険性はなかった。

 

 

 

 

 

 それから少しして、俺と三浦はアウトレットを出た。最終的に三浦はロンスカ、俺に至っては何も買わないというひやかしもいいところの客だった。まあアウトレットなんてそういうものかと考え直し、人がまばらな道を2人で歩いていた。

 

 

「近郊都市とはいえ、これ人少なすぎだろ。ましてクリスマスじゃねえのかよ」

 

 

「クリスマスだからこそかもね。つってもこの時間なら人増えてもいいと思うんだけど、まあたまたまっしょ」

 

 

 今の時間は2時の中ほど。元々食べだした時間が遅かった上に食べ終わってからも駄弁っていたのが原因だ。

 

 

「あ、そうだ」

 

 

 思い出したかのように三浦が口を開く。

 

 

「プリクラ撮らない?あーし地味にヒキオと撮ったことないんだよね」

 

 

「なんで義務みたいになってんだよ」

 

 

「別にあーしが撮りたいだけだし、それとも撮られたら魂抜かれる的な話?」

 

 

「いつの時代だよ……、まあいいけど。ただこの辺にはそういうのないだろ」

 

 

 大型モールやアウトレットは車でならやっと行けるような、中心部からは遠く離れたところにある。それは土地が安いからであり、ゲーセンのような縦に伸ばせば広い土地はいらないところは駅近くに位置することが多い。つまりアウトレットとプリクラは近くに並立しないということだ。

 

 三浦もそれはわかっているようで、どうしようかと唸っていた。

 

 

「…あ、あれならいいんじゃない?」

 

 

 真っ直ぐ伸びた道の先には、なぜかポツンと置かれている証明写真機があった。

 

 

「証明写真機でプリクラって、お前はどこぞのスクールアイドルかよ」

 

 

 それもリーダー。高校生の頃の中心にいた境遇を考えるとあながち間違いでもない気がするが、ああいやこいつに限ってあれだけの可愛さは振りまけないな。カリスマだけならわからんが。

 

 

「あーしはそっちより今の方が好きだし。ほら、行くよ」

 

 

「おい、服引っ張るな…、ん?お前スクールアイドル系女子のこと知ってんのかよ。意外性ありすぎだろ」

 

 

「なんか結衣がこういうのどう?って言うから一緒に見ただけだけどね」

 

 

 そういえば由比ヶ浜に神田明神に行ってみたいとか話した気がするな。元を正せば俺から伝わってんのかよ。世間は狭くてこわい(小並感)

 

 

 

 証明写真機の中に入ると、ありきたりな感想だが意外と狭いことがわかった。入るのは俺も三浦も初めてであり、思ったよりもくっつくことに落ち着かない思いをしていた。

 

 

「ちょっとヒキオ、今あーしの足触ったでしょ」

 

 

「狭いから仕方ないだろ…、いや触ってねえけど」

 

 

 とりあえず金を入れると、急に機体が喋りだした。どうやらカラーか白黒かを選べと言っているようだ。

 

 

「カラーでいいよな?」

 

 

「ひゃっ!」

 

 

「……カラーな」

 

 

「今の忘れないとヒキオはヒキコになるからね」

 

 

「えっ」

 

 

「裁ち(ばさみ)

 

 

「出会った中で今のが一番怖えな」

 

 

 雑談(?)を交わしながら、適当に設定を決めていく。進めながらわかったことだが、プリクラと違い証明写真は1枚きりしか出てこないらしい。ん?なんで俺がプリクラのことに詳しいかって?そりゃお前戸塚に関することなら忘れるわけないだろ。

 

 

「ほら、撮るから早く位置につけ」

 

 

「それ絶対プリん時にいう言葉じゃないし…。まあプリじゃないけど」

 

 

 最終確認をし、前のボタンを押す。カメラの奥が一瞬光り、これでいいかと機体が訊いてくる。俺と三浦は本当の証明写真のように真顔だった。

 

 

「…あーしなんかこれは違う気がする」

 

 

「だな」

 

 

 取り直しを押して、もう一度カメラを見る。あれ、これ何も変わってなくね?と思ったその時急に背中へと柔らかい質量がのしかかってきた。

 

 

「ほら、さっさと押す!」

 

 

「おま、近すぎるだろ!」

 

 

 俺のツッコミも虚しく、先にボタンを押した三浦は後ろから抱きついて俺の首に手を回していた。

 

 

 出来た写真はまるで男女のそれであり、驚いた顔で三浦を見る俺と俗に言うあすなろ抱きをした三浦が映っていた。

 

 

「これいいじゃん。決定」

 

 

 三浦は再度ボタンを押し、現像が始まる。機体がありがとうございますといって初めて撮影が終わったことに気がついた。

 

 

「…いつまで抱きついてんだよ」

 

 

 撮り終わったなおも抱きつきながら機体を操作していた三浦に、諦念の混じった声で言う。前のガラスに映った三浦の顔はどんどん羞恥に染め上がり、しかし形相に反して何も言わず機体の外へ出た。

 

 

「ハサミで切って…っと。ほら、半分」

 

 

 差し出した写真にはどう見てもカップルの2人だった。突き返すのもおかしな話なので一応受け取り、スマホのカバーにあるポケットへ入れた。

 

 

「あれ、もしかしてヒキオ意識してんの?」

 

 

「うるせえ」

 

 

「安心しな、あーしがヒキオになびくとかないから。ただ真顔のままじゃ味気なかったっしょ?だから仕方なくああしただけだし」

 

 

「……その割には赤い顔で写真に映ってるみたいだけどな」

 

 

「裁ち鋏じゃなくても普通のハサミならここにあるからね?」

 

 

「正直すまんかったと思ってる」

 

 

 三浦はスマホのカバーを外し、スマホとカバーの間にその写真を入れてからまた歩き出した。遅れて俺も歩き出すが、なぜか普通に歩いて追いつけるペースではなかった。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「意外とかかったな」

 

 

「まあアウトレット行くだけでも割と歩くしね」

 

 

 4時頃、俺達は元の駅へ戻ってきていた。帰ってきたは良いもののこの後のことを全く決めておらず、どうしようかと立ち止まっていた。

 

 

「この辺だっけ。河川敷」

 

 

「懐かしいな」

 

 

 合コンの日、俺が三浦を見つけた場所。なぜか帰る気にもなれず歩いていたところへ、(うずくま)る人影を見つけた。あの予感めいた感覚はなんだったのだろうか。全くの偶然ではあるが、すべて導かれていたような気もする。無理に名前をつけるならば、月を綺麗に見るための導きだろうか。自分でも臭いと思いながら独り心の中で笑う。

 

 

「行くとこもないし、行くか」

 

 

「うん」

 

 

 今度は俺が前を歩き、三浦は後ろからついてきた。

 

 

 

 

 

 程なくして到着はした。何も無いまっさらな景色にゆっくりと流れる川。川沿いだからだろうか、寒い風が何度も通り過ぎる。

 

 

「何もないな」

 

 

「月も見えないしね。…あれなんだったの?本当に意味もなく?」

 

 

 あれとは月が綺麗に見えたことだろう。確認せずに話を進めた。

 

 

「合コンの時俺が外に煙草吸いに行ったのは覚えてるか?」

 

 

「あいつと一緒に行ったやつだよね」

 

 

「多分それだな。その時に『月が綺麗じゃない?』って聞かれたんだよ。その時は何も思わなかったんだが、三浦を見つけた時は綺麗に思えた……、おい変な勘違いはするなよ?」

 

 

「月が綺麗ですね、っての?あーしがヒキオのこと好きになる事はないから残念だね」

 

 

「俺もねえから。お前に告白するくらいなら戸塚に告白して玉砕するわ」

 

 

「あんた本当に戸塚のこと好きだよね……。やっぱ今は月見えないかなあ」

 

 

 見上げる三浦につられて俺も空を仰ぎ見る。太陽はもう少しで落ちそうであり、夕日が徐々に顔を出していた。

 

 

 

 

 ふわり、と白が舞い落ちる。

 

 

 

 

「雪?…いいじゃん、ホワイトクリスマスってやつ?」

 

 

「だな」

 

 

 チラチラと降りてくる雪は夕日に照らされ幻想的な様子を醸し出していた。

 

 粉雪はやって来ては消え、それを繰り返す。少しの間俺と三浦は時間を忘れていた。

 

 

「三浦」

 

 

「何?」

 

 

「この後どうする?宅飲みなら俺んちでいいけど」

 

 

 問われた三浦は、吐き出した白い息を解きながら。

 

 

 

「なんか今日みたいな日にアルコールはもったいないし。………もうちょっとだけ、浸っていたいかな」

 

 

 

 それからは俺と三浦は口を開かなかった。一体どれくらいそうしていたかはわからない。

 

 

 俺は三浦の肩に乗る雪が染みていくのを、ただぼんやりと眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




咲-Saki-作品が3作同時発売されていてビビりました。ロリ怜と慕とビビクンが可愛すぎて禿げますねホント。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。