さてはて、イッセーをめぐってお姉様2人が争いだした前回。どうなるのか、蚊帳の外のとカケカケはどう切り返すのか。
それでは、どうぞ。
リアスと朱乃の2人で乳を押し付け合いながら睨み合いを続けている。割って入る余地が無いのでカケカケさんは放置民です。
「ふむ、パイが2つあるからパイパイというわけか」
「先生、ここにスケベ親父が居ます」
「はぁ~い」
小猫! 俺も先生! トリーも応えてんじゃねえ!
そんな俺達の耳に、ブバッ、と何か吹き出す音が聞こえてきた。音の方を見ると、介抱してた木場が何故か血まみれになっている。彼の足元では横になっているイッセーが血の海に沈んだままだ。
出血多量で重篤な状態のイッセーを他所にリアスと朱乃が互いの胸を押し付け合いながら口論を繰り広げている。確かに胸囲100前後同士で密接しながら口論するとなると互いの胸が反発するよね。
「あ、あの時渡さん、イッセーさんは大丈夫なのでしょうか?」
アーシアがイッセーを尻目にしながら俺に安否確認をしてくる。俺が彼に視線を向けると木場が介護している上にイッセーの傍にはトリーが用意しただろう点滴スタンドとそこにぶら下がっている輸血用のパックとチューブが見える。
「輸血されてるなら大丈夫だろ。ここに医者が2人も居るんだし」
アーシアの不安に対して俺とトリーは医師免許を手にして答える。ちなみに俺は日本の、トリーはアメリカの医師免許だ。アーシアにも医師免許……いやいや看護師免許の方を取らせるべきか。おっちょこちょいなナースは怖いが需要が割と高いモンな。
それでリアス達の方はと言うと。
「引く気は無い様ね」
「部長の方こそ、邪魔をしないでくださらないでしょうか?」
よもや拳が飛び交っても不思議ではなくなっていた。ずいぶんあっさりと見境を無くしたもんだと思ったら理性まで無くしかけてるぞ、連中。イッセーから何らかの変化を感じ取ったんだろうか。俺にはちょっと分からない。
「イッセーの始めては私の物なのよ! 朱乃は引っ込んでて頂戴!」
「あらあら、イッセー君の始めては私も興味がありますのよ、引っ込むのは部長の方ではありませんか? 私よりも『小さい』のですから」
僅か数センチの違いは誤差の範囲じゃ無いのかよ。女の尊厳だか何だかがあそこで壮絶な戦いを繰り広げてやがるぞ。カップを隔てるサイズの違いは反り立つ壁なのか。そそり立つ壁だと思ってたけど。
2人仲良く協力プレイがあるって事を話してなかったよ、俺の落ち度じゃねえか。しかしああなるとそれを言っても火に油を注ぐ様なものだろうし。
どうしたものかと悩んでいた俺の肩を、トリーがトントン叩いてくる。しかもその手に例の物が、2つもある。いや、分からない訳じゃ無いんだけどさ、ジャンボスイカって春の果実だっけ?
「だから言ってるでしょ朱乃! イッセーの事は私がするって!」
「ですから部長!」
「ぶぼおぉぉおおお~っ!」
「「えっ?」」
激しい口論を切り裂いた猛牛のようなくぐもった悲鳴にリアス達が思わず振り返る。その視線の先では誰だか分からなくなった男子生徒が小猫とアーシアに挟まれる形でもみくちゃにされている。
「んっ、しょっ! これは大変ですぅ~っ」
「コレが持つ者の重み……いえ、手ごたえですか」
2人共、服の上からとはいえ装着したスイカップ越えの偽乳を、両手どころか両腕で揉みしだいているが完全に持て余している。苦情はアメリカンなサイズで造ったトリーに言ってくれ。ほら、もう少し顔を出させてやらないと窒息するぞ、イッセーが。
もちろん、駒王学園の2大お姉様方の悲鳴が上がったのは言うまでもない。
その夜。拠点に戻った俺達はと言うと。
『あのレポートは効果が無いって解ってるんじゃなかったのかよ! どわはははっ!』
本部に通信して事の顛末を報告したら司令が大爆笑しやがったよ、ド畜生。
『そう笑うな司令、全ては若さゆえの過ちというヤツじゃないか』
元凶のアンタが言うな、副司令。
『もともとの元凶はお前だろーが、時渡』
『解決策なんてものは相手の好きなものを餌にして釣るしか無い筈だが』
2人に正論を言われて俺は縮こまる事しか出来なかった。
そして翌朝、大急ぎでイッセーのフォローに入り、試験の赤点回避と追試の難を逃れる事に成功した彼だった。その分、俺は教師としての準備にてんてこ舞いしたのはここだけの笑い種。