連投です、今度はリアスの側で何が起きてるのかを語ります。
それでは、どうぞ。
リアスSIDE
この間の式典から数日が経過したけど、ようやくお兄様との面会が許可された。私の手にはあの時手渡された手紙が一通あるけど、内容は未だに知らない。私達の方の上層部に渡してほしいという事で我慢していたけど。
私と朱乃でお兄様の入間王様の執務室に到着し、ノックをしてから入室する。すると普段からその貌に浮かべている優し気な笑みを湛えたまま、魔王様が執務用の机から声をお掛けになられた。
「やあ、リアス。大変だったね」
「はい、魔王様例の件のは他の魔王様にも伝わってますでしょうか?」
「その点は大丈夫だよ。いろいろな方面で彼らを注視しているみたいでね、話は意外と早かったよ」
お兄様は事務机の上を整理しながら私の苦労を労ってくれる。そう言ってもらえるだけでも報われるわ。時渡さん達の情報を纏めるだけで一苦労しているのだからスムーズに事が運ばれてほしいものだわ。
「早速だけど例の手紙を見せてもらって良いかな」
お兄様の要求に従って手紙を手渡し、彼が奏の封を切る。そして封筒から出てきたのは黒い石のついたネックレスが八個、後は手紙が四枚も入っていた。
一先ず手紙の方を読もうと開くと、その手紙には信じられない事が書き込まれていた。
「封印球に保管しているパソコンの取り出しと復旧方法?」
手紙を見る限りではどうやら、封印球と言う黒い石からパソコンを取り出して起動するように指示されていた。一先ずその手順通りにパソコンを開いてみると勝手にアプリケーションが作動し、動画を移すような枠にに一人の男、司令と言われていた男が映し出された。
「ふむ機器の調子は万全な様で何よりだ。私の名は魔蠍竜。リアス・グレモリー嬢と仲良くさせて貰っている人材派遣会社スタッフ・ド・RBの取締役社長だ」
ノートパソコンの画面で見覚えのある一人の男が会釈をしてくる。あの時以来だけど、元気そうで何よりだわ。
「先ずは、このような形で不躾な会談を行う事に関しての非礼を詫びさせてもらう。こちら側としても出来るだけ速やかにそちらの世界との和平交渉を取り付けたいと願っている事を理解してほしい」
「ふぅん、敵対する意思は無いという事かしら?」
「有ったらこんなまどろっこしい手段なんか取らねえよ、リアス・グレモリー」
私の呟いた言葉を聞いたのか、司令がその口でモニター越しからツッコミを入れる。そのリアルタイムな事態に私は我が目を疑った。
「嘘っ!」
「誰が嘘を言うんだ? お前達がノートパソコンを開いただけですぐに使える様にスリープモードにしていた、何一つ不思議は無いな」
「なるほど、準備は万端だったという事だね」
「不躾な外交をする以上、無様を晒すのは宜しく無いものでね。わざわざ表の顔で挨拶した訳だ。裏じゃあ組織のトップの司令をしてる」
魔王様の軽口に司令は苦笑で答える。正直な所を考えればこの状態でも外交だと言えるから、些細なミスでも有ればそれは外交上の問題にまで発展する危険性があるのだけれども。だからこそあの時、私からの質問攻めには頑なに答えなかったのね。
「それでそちらは何を目的としているのか、教えてはもらえるのかな?」
「無論、そちらが外交権限を持つ首脳陣であれば、当局には返答する用意はある。それどころか、技術流出の危険も恐れぬ手土産を手紙にしたためさせて貰ったわけだが」
「差し当ってこの通信装置、で良いのかな?」
魔王様が人の好い笑みを浮かべると、司令はその貌に苦笑を浮かべだした。
「この程度の幼稚な技術を土産と呼んでしまっては足元を見られてしまう。先程の封印球が技術の一端だよ」
司令の口で注目先を切り替える羽目になった私達は、その貌に動揺の色を浮かべる。確かにノートパソコンを待機状態のままに内容していた装置だが、実質的な重さなど
無いに等しかった。むしろ手紙だけを運んでいた気でいた程、理解が追い付かない。
「こちら側の技術はそれだけでは無いが、デモンストレーションとしてはそれでも十分だろう。仮にこの通信装置を流布しても、技術的に再現可能なのか、議論する前に無用な混乱を招くだろうと見ている」
「確かに次元を超えて通信する手段が有る、と言うだけでも危険性にしか繋がらないだろうね」
画面の向こうで惚けて見せる司令に対して魔王様は苦笑すると共に内心で冷や汗を掻いていた。間違いなくこの通信技術が有れば軍事目的に使用されると。危険性の度合いを言っても通信装置の方がはるかに危険度は高いのだ、次元を超えるという点だけで。
「だからこその封印球だよ。荷物を出来る限り小さく纏めて手軽に運べる、輸送の概念が変わると思うぞ?」
「それで交渉のテーブルに着くというのかしら?」
司令の言葉に私は挑発を仕掛けてみる。どう出るのかしら?