連投です。要約話が進んでライザーたちのご登場ですが、カケカケはやはりやってくれます。
※ さきほど107話が二重投稿になってしまっていたので削除させていただきました申し訳ありません。
それではどうぞ。
「ふぅ、人間界は久しぶりだな」
赤いジャケットに開襟シャツ、赤いスラックスとホスト風の装いをした金髪の若者を中心とした一団が魔方陣を通して姿を現した。上下に分裂した魔法陣の中で立体映像だったものが立体的になった挙句、実体を取り戻したような感じになったというべきか。
その一団は金髪男を除くと全員が女性、いや女子供であり、半数が非戦闘員の様に見える。それどころか銀髪メイド以外に俺達組織と戦える戦力は居ない事が窺い知れる。
他の仲間に視線を向けると、一様に肩を竦めている。あの金髪ホストがどういった能力を有しているかは掌握出来てないが、攻撃的な能力に特化しているわけでは無い事はその体格が教えてくれる。肩幅は赤いスーツのパッドで誤魔化してるが結構広い、しかし筋肉は全体的にしなやかさ重視のアスリート系だ。どうやら上半身が重点的に動くみたいだな。
「愛しのリアス、逢いに来たぜ」
ホスト男はそう言って馴れ馴れしい声を掛けるが彼女の反応は実に冷淡だ。
「さて、リアス。早速だが、式の会場を見に行こう。日取りも決まってるから早め早めが良い」
冷淡な態度のリアスに構わず、マイペースに自分の要件を済ませようと口走るホスト男。あの程度の口ぶりではまだまだ青二才を抜け出せずにいる様だ。式場も大事だろうが、ドレスやそれに合わせるアクセサリーで誘い出すのが肝要だ。会場と違って宝石とかは横取りする相手に事欠かないからな。特別注文だとしても時折見に行って相手がその気になる様、煽るのも大事な事だ。
そんな風に2人を生暖かく俺達が見ていたら、余程うっとおしかったのかリアスは相手の手を撥ね退けた。
「……離してちょうだい、ライザー」
腹に据えかねた声音からしてリアスは大層ご立腹の様だ。しかしライザーと呼ばれたホスト男はその貌に苦笑を浮かべるだけだった。
他に視線を向ければイッセーのヤツが妙に歯ぎしりして睨んでる。他のグレモリー眷属はリアス動揺に冷淡な視線を向けて何があってもすぐに動けるように構えている。
……教師として助け舟でも出すか。
「あ~っ、キミキミ」
「ん? 誰だ貴様?」
横から口出しを始めた俺に対してライザーが訝し気な目を向けてくる。だから自己紹介をしておくことにした。
「私の名前はモットエロオ侯爵」
「私はその連れのダメー」
俺が名乗るのに続いてトリーが名乗ったのを聞いて思わず互いをジト目で睨み合う。エロぐらい良いじゃねえかよ。抑止にかかってんじゃねえよ。
「……頭痛の種を増やしてどうするのよ」
俺達の悪ふざけにリアスが釘を刺す。一服の清涼剤代わりに出したつもりだったんだけどな。
「愛しのリアスに会いに来たんだが、こんな連中が居るとは思わなかったぞ。何なんだ」
ホスト男は理解が利かないとばかりにリアスの肩を掴んで説明を求める。彼女は迷惑そうな顔をしながら掴んできた相手を睨みつけた。
「……放してちょうだい、ライザー」
「どうしてこんな訳も分からん連中が此処に居るんだ。それにそっちの奴等は堕天使だろ、どうして連中まで居るんだ」
手を放すように要求するリアスに対してライザーと呼ばれたホスト男は眉尻を上げて俺達の事を問い尋ねる。
「俺の部下の3人組の、依露本、美似本、夜牡=異本だ」
ドカァ!
俺の紹介に堕天使3人組が激怒し、俺を蹴り飛ばす。コイツ等もいっちょ前に反発するようになってきたじゃねえか。
そんな事をしていると不意にライザーのすぐ後ろの方に居る銀髪メイドからかなりの圧が放たれてきた。でも隊長や先輩幹部達の圧に比べたら何でもない。彼等の圧は相手を吹き飛ばすほどの威圧感を迸らせるからな。
「お嬢様、この方達は?」
「魔王様づ手に訊いていると思うのだけれど、先日ここの教師として赴任した先生よ」
メイドにお嬢様と呼ばれたリアスは少々困り顔を見せながらも魔王様を話題に出して説明を端折る。すると本当に聞いていたのかメイドの顔に合点が言ったという様相が出てきた。
「なるほど、そちらの方々がそうでしたか」
少し雰囲気が和らいだメイドの言葉に俺達は内心で胸を撫でおろす。そう広くないこの部屋での戦闘は大変だからな。調度品を壊すわけにも行かないし、テーブルとかが邪魔して行動範囲も限られてくるしと。
「なあ、リアス、こんな奴等は放っておいて俺と式場を見に行こう……」
「おい、あんた。部長に対して無礼だぞ! つーか、女の子にその態度はどうよ?」
ライザーの態度が腹に据えかねたのか、イッセーが声を張り上げてけん制する。すると彼は少年を一瞥しては気の無い素振りを見せては興味を欠片も示さなかったのが、忌々しさをにじませながら少年を睨みつけている。
「あ? 誰、おまえ?」
あからさまに不機嫌な声音をイッセーに投げつける。リアスに向けていた甘い声と違ってこちらは見下している様子が露骨に出ている。
一瞬即発の危うい空気が流れる中、イッセーが啖呵を切った。
「俺はリアス・グレモリー様の眷属悪魔、『ポーン』の兵藤一誠だ!」
「ふーん、あっそ」
イッセーのその啖呵も、見下してるライザーでは他所吹く風の様で肩透かしに終わる。格下に見られたらこうなるモンだという典型的な例だな。教科書に載せたいぐらいの。