連投という事でライザーたちが帰った後、オカケンではこんな一幕がありました。
それではどうぞ。
婚姻の件で問題が発生した事によりライザー達が冥界へと帰還し、リアス達オカ研メンバーと俺達異世界支部メンバーは緊張から解放された。
「ふぅ、この件については礼を言うわ、時渡さん」
「かまわないさ、リアス・グレモリー。問題が解決したわけじゃないんだからな」
一応の礼を言ってくる彼女に対して俺は左手をひらひらと振って見せる。彼女の抱えている結婚問題は振り出しどころか結婚するかもしれない土壇場で待ったが掛かっただけだ。酷い事を言うなら待機命令で控室に監禁されている状態。
「でもさ、カケカケが気にしてた継承順位だっけ? それが同問題になるの?」
トリーは首を傾げながら誰にともなく問いかける。するとそこに真面目な堅物クリスティーがアイツに手を伸ばして引き寄せた。
「貴様は個々の一族が持つ家督の継承権を理解していないのか」
引き寄せたその手でアイツを肩に担ぎあげてタワーブリッジを華麗に決める。関節技というよりは力任せの背骨折り技だからトリーにとってはそれほど痛くない。
「当主が大事なのはさ、解ってるつもりなんだけどね」
「なら覚えておけ、一族の伝統を保持する義務とそれを継承するための義務を当主が負っていることを」
「そこまで簡単じゃねえよ。継承権問題は」
クリスティーの台詞に俺は待ったをかける。
そもそもの話、リアスに子供が生まれるか死亡したかの時点で問題が発生する。リアスが死んだ場合、婿入りしたライザーに継承権が移ったとなると事実上のグレモリー家滅亡を意味し、子供が生まれた場合はフェニックス家の後見人が立たないようにグレモリー家から後見人を指名しなければならない。また財産についてもライザーは入り婿の立場からグレモリー本家の資産に対して着手が許されないだろう。出来るのはライザー本人の稼ぎかリアスが正式な許可を出したものだけのはずだ。
そしてここが一番の問題なのだが、ライザーは入り婿として入籍する際に誓約書を書き、グレモリー当主に認可を受けなければならない。フェニックス家との親戚付き合いは許されるのか、ライザーからフェニックス家に相談することは可能なのかなど。
結論として貴族同士の婚姻は一般人の婚姻よりも別次元に面倒な手続きの塊なのだ。その辺の不備が見つかったのが今の状態だ。
「まあ、こういった具合に問題だらけの所を誓約書とかで何とかクリアしていくわけなんだけどな。中途半端にしてしまうと後で起きた問題に対しての解決策がその手続きの不備で消えるかもしれない」
「じゃ、じゃあ!それを理由に婚約解消……!」
「出来ないから問題なんだよ。結婚しないといけないのに結婚もできないその状態が今だ、理解しやすいことを言うと、ライザーとの婚姻のお陰で他に好きな男が出来ても全部『間男』になるんだ。しかも旦那様見習いだから他の男との婚姻届けも受け付けない」
俺が説明するとリアスが再度婚約解消の糸口を取り上げてくるが、それを俺がバッサリと切り捨てる。
「じゃあ、この子達があの連中とのゲームに勝たない限り、結婚話に出来ないんだ?」
「そういうこった」
「出来るなら爆殺してやっても良かったんだけどね」
結論を口にする南極に俺が賛同すると、彼女は物騒な破談方法を口にしてきた。でもそれは悪手だ。
「やめとけ。そいつはやっただけ面倒を増やすぞ。次の婚約者が誰なのかも分からなくなる」
「え~っ! 1人で終わるんじゃないのぉ~っ!」
「相手の当主が諦めなければ延々と続くイベントだ。面倒くさいんだよ」
嫌そうに悲鳴を上げる南極に対して呆れた声を漏らす俺。こういう事が有るから貴族の婚約話に首を突っ込むのは避けてるんだよ。シーカーの連中でも調査以外ではこの件は絡まないと言い張って聞かないぐらいだ。
「部長も面倒なことに巻き込まれましたね」
木場はそう言ってリアスを慰める。この話はこれで終わりだ。気分転換をしないと精神的にまずいよな。
「おし、リアスの件はこれで終わりにして」
俺はそう言いながら南極に視線を向ける。
「南極! お前の持ち物検査だ!」
俺の検査宣告を受けた南極ははぁ? と間抜けな顔を見せる。だが危険物持ち込みの罰は受けてもらわないと示しがつかないよな。こういう時の封印球解放暗号は事前に副指令から聞いている。
「南国の封印球、ロックアップ、フルオープン!」
俺が暗号を言い放った瞬間、南国の足元にゴロゴロと手榴弾やら地雷やら人差し指ほどの箱を付けた四角い紙包みまで転がり出てきた。いくら彼女が爆弾魔でも持ち込んだ爆弾の数なんてたかが知れてると、と思って時が俺にも有りました、本当に有りました。
その音が転がり出る爆弾と共に絶え間なく流れていく。一分を超えた時には堕天使3人組以外の組織所属のヤツ以外、全員顔を引きつらせていた。しかも出てきた爆弾のせいで彼女の膝から下が見えなくなった。
そして彼女の足が見えなくなってきた所で俺が音を上げた。
「勘弁してくれ!」
「え~、まだ半分も出てないぃ~」
待てこら! 百じゃ効かない爆弾の数を吐き出しても先があるのかよ!