カケカケがオカ研連中にカツアゲされそうになっているこの譲許、好転する兆しは有るのでしょうか、有ったら話が続かないけど。
それではどうぞ。
リアスがノートパソコンに俺の秘蔵のお宝ディスクを読み込ませ、再生した動画は。
『ンミィィ~ッ』
「きゃあああぁぁああぁぁぁっ!」
生まれて数日の子猫の欠伸動画だった。茶虎という種類の子猫で確か生まれて四日ぐらいだったか。飼い主からの快諾で誕生した俺のお宝映像だ。俺と飼い主しか持っていない貴重な映像。
「んもぉうっ! 時渡さんってば人が悪いんだからぁ!」
リアスが喜色満面の笑みを浮かべながら俺を酷く非難してくる。これだから見せたくないんだよ!動物好きな連中なら腰が砕け散って元に戻らなくなるほどの破壊力を持った動画だからな、誰にも見せられねえ。
「ああ、見てください! 猫ちゃんが欠伸しましたぁ! あっ! アッチの猫ちゃんはモグモグしてますぅ!」
「これは凄く癒されます」
「本当ですわねぇ」
オカ研の他の女性陣もすっかり蕩けた目で動画に見入っている。見れば木場も見入ってるよ。
「これは確かにお宝です」
「ええ、この部の共有財産にしましょう」
「ふざけてんじゃねえぞ! ハイエナどもがぁ!」
小猫とリアスが頷き合いながら勝手な事をほざく。体の良いカツアゲじゃねえかよクゾが!
「コッチの動画は、……金魚?」
朱乃が次の獲物に金魚というタイトルの動画を選んできた。その動画は金魚は金魚でも、お前らが考えている様な金魚の動画とは違う、そのままを考えていたら脳天を撃ち抜かれるぞ。
「……なにコレ?」
心底ゲンナリした表情でリアスが理解の利かなそうな呻き声を漏らす。
「あ、ちっちゃい金魚さんですぅ! 頑張って泳いでますよぉ!」
「あらあら、金魚の赤ちゃんですか」
アーシアと朱乃がようやく出てきた小さな金魚を見て笑みをこぼす。しかし俺はそんな彼女達を崖から突き落とす事にした。
「……その動画の初めの方に出てきた細くて小さいのが金魚の赤ちゃんだ」
ビキィッ!
俺の開設を聞いた面々がその場で凝固した。それもそうだろう。金魚とは似ても似つかない細くて小さな、1センチもあるかどうかの魚が金魚の赤ちゃんだなんてのは、金魚と本気で向き合った連中ぐらいしか知らない事だからな。ちなみに俺は金魚を飼っている。もう少ししたら迎えに行くんだ。
金魚の形になった小さい奴は金魚の子供だ、稚魚じゃ無い。
ちなみに親の金魚を見たら悪夢に悶絶するのは間違いない。
「……えっと、……何コレ」
リアスが親金魚を見て言葉を失いかけている。それもそうだろうな。何しろ頭に肉溜という泡の様なコブをモリモリに付けた出目オランダ獅子頭だから。目玉も飛び出て凄い凄い。挙句にその大きさは20センチを超えているから水槽との違和感が激しいのなんのって。金魚イコール可愛い見た目を考えていた連中には悪いが、俺には可愛く見える。飼い主は別に居るんだけどな。
そして俺はリアス達オカ研女性陣から首を絞められた。マジで死ぬかと思ったよ。三途の川の向こう岸が見えたぐらいには瀕死の状態だった。
あれやこれやと散々にコピーさせられ、オカ研の共有財産にされてしまった俺の秘蔵お宝映像に涙しながら俺は組織の連中を連れて異世界支部に帰還した。
「あの連中、がっちりカツアゲしていきやがったぞ! クソが!」