舞台は露天風呂へと変わり、南極が大活躍していきます。
それでは、どうぞ。
南極の馬鹿がリアスに誘われて露天風呂へと身を翻し、そのまま彼女達へと合流してしまった。残された女傭兵ジャベリン先輩率いる男衆3人は未だに樹上の人、いや悪魔。
「くぅ、南極の馬鹿野郎ぅ~」
「諦めるのは早いよ。南極の離脱はまだ想定内さね」
歯ぎしりする俺に向かってジャベリン先輩はまだ作戦が続いている事を示唆してくる。
「どういうことすか?」
「南極の馬鹿のやる事なんざ、とっくに判ってるんだよ。その上で作戦は幾つもの予備を作るモンだろ」
先輩の頼もしい言葉に俺は目から鱗が落ちた気がした。確かに多少の問題も撥ね退けるために幾つかの予防策を対策として練り上げるのは基本と教えられたっけな。
「南極の使い道は囮だけじゃねえんだよ、そいつをこれから見せて貰おうぜ? 分かったらジリジリと距離を詰めて行くんだよ」
妙に釈然としないものを感じながらも、先輩の言葉に逆らえない俺達はその足でジリジリと牛歩を踏み始める。枝葉の擦れる音もこの場ではブービートラップか鳴子か、露天風呂の警報装置と化している。
だがここで俺はふと気づいてしまった。南極の意外な使い道と言うものに。この使い方が間違ってないなら確かにヤツの役目はまだ始まったばかりだ。
「おっまたせ~」
南国は枝を飛び交いながら塀を越えて露天風呂の傍へと降り立つ。
「それにしても南極さん、どうしてあんな所に居たのかしら?」
「話せば短く短絡的で、趣味の露出」
スパン!
南国の単純明快に略された言い訳にリアスがハリセンを手にして叩き付ける。まあの言い訳なら怒られて当然だろう。
「いったぁ~っ、リアスちゃんぶったぁ~っ!」
ハリセンで叩かれた頭を擦りながら南極は悲しそうな声を上げる。その次の瞬間、彼女の標的がアーシアに移るのを俺達は見た。
「ア~シアちゃ~ん、なぐさめてぇ~ん」
「ええっ?」
唐突の指名に目を白黒させるアーシアに対して南極は迷わずその胸の谷間に飛び込んだ。そして事もあろうに顔を左右に振って胸の谷間を堪能しだした。
「きぃやああああぁぁぁぁぁl!」
おい南極! そこ代われ!
俺がそう思って身を乗り出した瞬間、他の女性陣から黒いオーラが吹き上がった。
……南極、そこはイッセーの指定席だ。命は大事、イノチハヒトツ。
眼下に見えるほどの黒いオーラに思わず腰が引け、命を惜しんでしまう。
ひとしきりグリグリと自分の胸に顔を埋められてしまったアーシアは情けない声を出しながらも抵抗する。
「南極さぁん、温泉に入らないとぉ」
「入れたらね」
「へっ?」
南国の返答を聞いて困惑するアーシアをよそに、彼女はその場で飛び上がっては両足をその手で抱きかかえて温泉へと飛び込もうとする。
「ちょっと、飛び込む……の……は……」
リアスの咎める声が尻切れトンボと化す。人が飛び込めばそれなりに上がるお湯しぶきが、
パチャン……
小さく出ただけで飛び込んだ彼女はお湯の上で三角座り、いや体育座りをしていた。浮かんでいるのでは無く、沈まなくて。
俺達は俺達で、イッセーと木場の口をジャベリン先輩とで塞いでいたから声は出なかった。先輩と俺は南極の正体を知ってたから驚きは無いけど、この2人は知らないから目を剥いてあからさまに動揺している。
「な、何で? どうして?」
「これは驚きです」
「あ、あらあら」
アーシアとマクレノリス先輩以外は三者三様に驚きを隠せない。