ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

160 / 174
お久しぶりです、バグパイプです。

だいぶ間が開いてしまって済みません。ここ最近は多忙になってまして、申し訳ないです。

 あの幹部達から解放されてふと気が緩んだカケカケと南極、2人の関係はどうなるのか……。

 それでは、どうぞ。


第142話 それぞれの夜、若い2人の不安

 俺と南極は声の聞こえてきた中庭に注意を向ける。その声の主はリアスと朱乃だった。月明かりの中の、中庭にある屋根付きベンチとも言える場所で話をしている様だ。

 

「リアス、この事は……」

 

「分かっているわ、朱乃。お父様やお兄様が手を回してきたことぐらい」

 

 不安げな声の朱乃に対して苛立ちが隠しきれないリアスの声。的を得ているのかどうか怪しい推論を交わしている様だ。連中が何をどう見ていても俺達組織側にはどうでも良い事だ。こっちの用意する切り札は土俵の外から土俵を破壊する行為だからな。正直に言って勝負自体が俺達には意味が無い。

 

「しかし、ライザー様の強さは血筋が由来のものですわ」

 

「でも勝たないとアイツと私が結婚しなければいけないのよ! アイツが私の夫だなんて冗談じゃ無いわよ!」

 

 朱乃が口にした血筋に関してリアスが激昂する。

 

 うん、そこまで嫌われるのも凄いと思うぞ、ライザー。

 

 まあ、いわゆるフェニックスの血族は異常なほどの回復力と言われている。何でも火属性に優れていて、炎が有る限り怪我をしないとまで言われているらしい。この辺に関してはザクトベリガ先輩が教えてくれたことだから何となくで覚えてるけど。リアス達の世界のフェニックス一族もそうなんだろうか。

 

「まあ、あの子達の悩みの種は露骨な戦力不足と火力不足だからねえ。圧せるだけの火力が有れば話は違うけど、そこは無理だもんねぇ」

 

 南極の言う通り、今のリアス達では決定的に火力に乏しい。頼みの綱がイッセーの神器と言っても、こればかりは本人の身体能力が神器の性能に追い付いていない。この特訓を経ても神器の能力を一割も出せないだろうとバゼルザーク先輩が見極めている。だからこそのスケベパワーに期待している所なんだけど。

 

「いいさ、俺達は俺達の作戦を完了させる努力をするだけだ」

 

「了解です、時渡様」

 

 俺の言葉に南極は深く追求せずに了承する。彼女の方は自分の役目を終えているから言う事が無いのかもしれない。でも俺の方はこれからなんだよ。実際のブツが手元に来ない事にはやり様も無いけど。

 

 例のブツ、いわゆるフェニックス家末端の弱みというブツ。大抵は横領などの裏金、表に出せない商取引などがそれに当たる。末端を切れば本家には関係無いと言われそうだが、バゼルザーク先輩曰く本家程末流の不祥事は本家を墜とす手札になるとの事。シラを切っても現物が有れば、マスコミを躍らせて派手に落とす算段を付けると勝手に墜ちぶれるそうだ。

 

 さすがは元凶悪犯罪者、その辣腕は健在だった。今でも必要に応じて裏社会から裏金を巻き上げていると豪語したんだよ、あの先輩は。

 

 だが、リアスの問題に関してはフェニックス家を揺さぶる作戦だけが進行しているわけでは無い。実はひそかに別の作戦も進行している。こっちの作戦の立案はマクレノリス先輩で、こっちの方が面白くなると断言した程、自信の有る作戦らしい。その為にこの10日間でイッセーの基礎体力をみっちり叩き上げろと厳命されている。その役を買って出たのがジャベリン先輩で、基礎トレーニングの実績は俺よりも豊富で口出しも出来ないぐらいだ。

 

 何はともあれ、この2本立ての作戦ならリアスの不安も消えるが、彼女には一切知られてはいけない大人の都合で。多分リアスの親族とかも動いてるだろうし。

 

「それで連中から報告は上がって無いのか?」

 

「支部長の時渡様が聞いていないのであれば、今だ作戦中と思われます」

 

「しくじる連中じゃ無いとは思ってても、こればかりはもどかしいもんだな」

 

 話題をあの2部隊に戻して問いかけると南極は何も無いと返答してくる。本作戦での2部隊の役割上、俺達から連絡を取るのは危険なので向こうからの連絡待ちとなっている。

 

「という事は、こちらのする事は引き続き彼女達の訓練ですか?」

 

「そういう事だな。夜は夜で何かやるらしいけど」

 

 南極の質問に答えながらも俺はリアスがやるという訓練の内容を聞いてなかった。もっともライザーの様なフェニックスの種族相手に効果のある攻撃なんてものは多くは無い。

 

 まあ、夜の訓練にお呼ばれされて無いというのも有るんだけどな。

 

 そんなことを考えてる俺の横で、南極は悶えてた。

 

「アアンッ♪ 夜のお勉強会って、ス・テ・キ♪」

 

 その言葉を聞いて俺は容赦なく彼女を蹴り飛ばした。まったく、この歩くエロ検体が、何を言ってやがるんだか。俺は思わずため息を吐き、これ以上は付き合いきれないとばかりに俺用にあてがわれた部屋に向かう。

 

 そしてふと気づいて背後を見る。

 

「なぜ付いて来る?」

 

「私を置いてくの?」

 

 背後ではまだ南極が俺の後を付いて来ている。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。