さて、ようやくカケカケとトリーの間で仕事の打ち合わせが行われます。何がどうなるのか。
それでは、どうぞ
トリーと南極が睨み合う中で俺はふと用事を思い出し、イッセーに話しかけた。
「そうだイッセー、昨日からやってる皮むきみたいな自主トレは一人で出来るモンなのか?」
「あっ、アレすか? いやどうも一人じゃ……」
俺の問いかけに対してイッセーは言いにくそうにモジモジしながら言葉尻を濁している。やっぱり先輩達の仕入れた情報は間違いじゃ無かったわけだ。
「誰かの手を借りるならこっちにも教えてくれ。こっちに言いにくいならジャベリン先輩に言ってくれればこっちに通るから」
「あざーす!」
俺の意図が汲めたのか、イッセーは素直に感謝してくれた。
でも問題はここからなんだよな。
「トリー、ちょっといいか?」
「んっ? 何々?」
俺の呼びかけにトリーが身を乗り出すように俺に近づく。俺はそれに答えて顔を近づけ、耳打ちを始めた。
「イッセーの自主トレで剥かれる娘が出ちまうだろうから、服を用意してくれ」
「んっ、了解。報酬はカケカケのおケツで」
トリーの口から出た返事に俺は思わずドン引きした。しかし俺の騒乱の導火線はとっくの昔に火が点いていた。もうすぐ爆発する所まで。
ドンッ!!
「はい、おケツ」
「ぶっ!」
俺達の耳打ちを目ざとく聞きつけた南極が横から妙な物を出してはテーブルに乗せた。そのテーブルに乗った物を見て、噴出さなかった奴が居なかったし、噴出さなかった奴が居たら褒めてやりたい。
「コレで時渡様の依頼を引き受けなさいよ」
南極の出してきたものはプルプルと揺れて見事な肌色をしていて、適当な所に穴が開けられている、、実物大のおケツだった。しかも上には『ひっぷほーる・おぶ・カケカケ』と書かれている。見たまんまで言うんだけどな。
いつの間に、なんてモンを用意してやがんだよ、オイッ!
「こんにゃくゼリーの元で作ったから食べられるよ? 食べるんでしょ?」
にんまりと笑いながらトリーを脅迫する南極。一方のトリーは相手の言う事が理解できたのか、顔色を悪くしながら助けを求める様に俺に情けない顔を向けてきた。『プライドの捕食者』がそんな顔するなよ。
「ちょっと、朝食の場でそんな破廉恥な交渉しないでよ!」
あまりに酷い会話についにリアスが口を開く。しかし2人も引く気は無いご様子。
「仕事の報酬の話をしてるだけなんだけど?」
「こっちは報酬がヒドいから正当な物に切り替えてほしいだけだよ?」
確かに2人の言う通り、トリーは俺と仕事の話をしている。しかもその報酬が俺のケツじゃ割に合わないから南極が別の物にしろと言ってるだけだ。
ただし、コレをトリーが受け入れたら次からこの手で行けるかもしれないという、今後の報酬も含めた交渉をしているだけの話だからアイツは引く訳にはいかない。俺のケツが一歩遠のくんだからな、気が気じゃ無いんだろう。だが思いもよらぬリアスからの援護で交渉は俺に有利な状況へと傾きつつある。このまま上手く行けば最低でもこの場を切り抜けられる。
しかし好事魔多しとはよく言ったもの。
「あらあら、トリーさん、時渡さんのお尻がそんなにお好きなのでしたら……」
横から朱乃が援護射撃か!? 良し、バッチコイ!
「……この程度の事で手に入る様なものでしたら、執着する意味は何だったのでしょうか?」
あぁぴょ~ん!
朱乃の援護射撃は有ろうことか俺を吹き飛ばしてトリーの胸に刺さった。俺のケツの価値をそんな風に釣り上げるな!
「ハッ! そうだったわ。このくらいの仕事と交換するだなんて私の眼も曇ってたのね!? カケカケのおケツはこんな仕事と交換できるほど安くないもの!」
言われたトリーは目を覚ましたように拳を握って俺のケツの価値を再確認している。その目には妙な決意が漲っている様に見えるのは気のせいなのか。
俺のケツの運命が俺の目の前でプルプル揺れてる……。