特訓二日目にして早速カケカケにイベントの予告が電話と共に。カケカケにトレーナー仕事の出来る日が遠のいていく。
それでは、どうぞ。
朝のお説教から解放された俺達3人はグレモリー眷属の修行に付き合うとするかとばかりに、建物の外へと出た訳だけど、そこで俺の携帯に着信が有った。
「はいもしもし?」
『時渡か? 俺様だが少々問題が起きた。そっちに迎えを寄こすから来てくれないか?』
携帯電話に出たところ、返ってきた声の主は少々落ち着かない調子を滲ませていた。声の主はライザー本人だけど問題が起きたというのは……。
「まさか一族の末端がしでかしたのか?」
『いや、そういう訳じゃ無いんだが、レイヴェルのヤツがな……って、いったい何を言ってるんだ貴様は!』
こっちの潜入作戦は知らないのかライザーは別件の話をしようとして出鼻を挫かれる。レイヴェルって確かライザーの眷属で妹……だっけか?
「いやいや、失礼。それでレイヴェルって娘がどうしたんだ?」
『手土産に渡された菓子折りを食べてな、自分のお茶会にお前の事を招待したがってるんだよ。俺様も食べてはみたが、かなり上物の菓子折りだったな?』
「それはご愁傷さまで」
『例の勝負が終わるまで接触はマズいんだが、それでもお前だけなら違反にはならないだろうと言っていてな、話を受けてくれないか?』
ライザーが参加選手では無い事に着目して俺を招待しようとしている。貴族のお茶会とはいえ対戦相手が誘ってくるのだ、試合前の交流会と称してコーチの俺が参加するのもやぶさかではないとは思うが。
「そこはグレモリーに聞かないと判らないが、確認……」
「構わないわよ、行ってきなさい」
俺がライザーに一言断ろうとしたところをリアスが先回りして許可をくれた。電話の盗み聞きは感心しないな、聞かれて困る話はしてないが。
「……というグレモリーの寛大なお許しが出たので、迎えが……」
『駒王学園の校門で構わんな?』
「……助かる」
そうして急遽、ライザーの妹レイヴェルの要請の下でのお茶会がライザー達の居るフェニックス本家の居城にて開催される運びとなった。招待客は御指名に与った俺だけ。
完全にアウェーのど真ん中。しかも空は青く無いし、来る途中で検問を通るような手続きを踏まされたし、挙句に目の前の城みたいなのが家ってのは何だろうなぁ……。ウン、ワケわかめ。
「貴様のパスポートには驚かされたものだがな」
「おン? そうか?」
俺は案内役の顔の右半分を仮面で隠しているイザベラって女から驚きの目で見られている。初めての冥界入りの俺が既にパスポート、それも魔王様からの発行で所持しているのは確かに衝撃的だろう。
正直に通用すると思って無かったから俺もビビったし。
「あの時の貴様からどう考えれば魔王様からパスポートが渡されるのか想像もつかないからな」
イザベラの言葉に俺は渇いた笑いしか浮かんでこない。確かにあの時の、女体盛りで接待してた俺からは外交なんて大役が想像できるとは思えないからな。俺が異世界の悪魔だって事もライザーから聞かされてショックを受けてたらしい。
「ゴメンよぉ、こんな間抜け面した馬鹿丸出しな外交官でゴメンよぉ」
俺は思わずベソをかきながらイザベラの腰に縋りついてしまう。その指が彼女の穿いているジーパンのベルトに引っかかるとも思わずに。
「なっ! き、貴様! 放せ!」
「ゴメンヨ、ゴメンヨォ~ッ」
イザベラが自分のジーパンのジーパンを掴みながら抵抗するが、俺の謝罪攻撃によってビキビキとボタンフライトの穴が悲鳴を上げる。
そしてそこに運悪く、ライザーとレイヴェルの2人が騒ぎを聞いたのか、城の中から駆けつけてきた。
「何だ何だ、時渡を連れてきたのか」
「どういう状況なんですの?」
「ゴメンヨ、ゴメンヨォオオ~ッ!?」
ビイィィーッ!
苔の一念、岩をも通す……いや、俺の一念、ジーパンを通す……。
イザベラのボタンの穴がが俺と彼女の引っ張り合いに耐え切れずに音を奏でながら引き裂かれ、ジーパンが彼女の足首まで下ろされた。
お洒落な下着と一緒に。