ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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お久しぶりです、バグパイプです。

 台風が死技サって落ち着いてきましたが気温の変化に悩まされてます。

 物語の方もフェニックス家を本格的に巻き込もうとばかりに話が進んでいきます。

 それではどうぞ。


第7章 非常事態のフェニックス
第160話 大物が集う異世界支部


「まあ、現状はフェニックス家の現当主がお出ましになっても出来る事はたかが知れている。他の者達を出し抜くために動かねばならんだろうがな」

 

 バゼルザーク先輩が要点の一つを口にしている所で、不意に室内に赤い光が浮かんでこいたと思ったら、そこからライザーともう一人、武人さながらな強面の初老の男が姿を現した。

 

「一族の問題になぜ、そちらが介入してくるのか、理由を説明してもらえるのだろうな?」

 

「父上、その辺りは彼の提案なので説明はあるかと思われます」

 

 ライザーが男に対して何やら弁明をしている様子だが、先程の言葉からして彼がおそらくライザーの父親、そしてフェニックス家の現当主なのだろう。

 

「どうやら場に必要な人員が揃ったようなので軽く自己紹介を願えますか?」

 

 俺はすかさず場を仕切る立場に入り込み、いつでも被害者ポジションに行ける様に配慮する。私はいたいけな現場監督です、上司の命令に逆らえないから温情をぜひとも。

 

「突然の来訪、申し訳なく思う。そして歓迎には感謝を。私はフェニックス本家の現当主を務める……、今はフェニックス卿とでも名乗っておこうか」

 

 俺が求めた自己紹介を、相手はフェニックス卿という肩書で済ませてきた。本名を名乗るには大物だったか? でも顔つなぎ程度ならこれがせいぜいか、こっちは平民だしな。

 

「それで聞きたいこととしてはだ、なぜ、フェニックス家に異端分子が居ると判ったのだ?」

 

「失礼ながらフェニックス卿、それが判明したのは偶然というものなのですよ、我々と手掛かりが有って証拠を集めていたわけでは無く、末端の方から確認をしていけばフェニックス家側にとって不利になる物が出て来る、かも知れない所からの調査でして」

 

 俺を睨みつけてくるフェニックス卿に対して俺は言い訳を並べたてる。しかし並べた言い訳は説得力としては乏しく、相手の怒りを買うだけのものでしかなかった。だがそれをライザーがフォローしてくれた。

 

「待ってください父上、許嫁、貴族ともなれば相手に関する調査はするというもの。現に我々フェニックス側でもグレモリー家の調査をしたほどですよ」

 

「本家にとって末端は目が届きにくく、また何をする人ぞになっていても不思議は無いからな。定期的に監視の眼を光らせていても隠しどころが有ればこの通りだ」

 

 俺は手に入れた二重帳簿をフェニックス卿に渡して目を通させる。ある程度数字に強ければ帳簿の数字が妙に合わないと気付くだろう、気付かなくてもページごとに貼られた不戦によって一目で分かる様にはなっている。これはマークエイの仕事の成果だ。

 

「なるほど、裏帳簿による経理の水増しに経費の改竄か……これだけでも処罰の対象ではあるな」

 

「その上でこちらをご覧ください」

 

 俺は当主に対して次の書類として例の本家簒奪計画の書類を手渡す。彼がそれを受け取って吟味する。すると書類を見ている彼の眼がみるみる鋭さを増していく。コピーは有ってもそれが正本だから破かない様にしてくれよ、頼むから。

 

「まさかこのような事を、貴様! これは本当の事なのか!」

 

「本当も何も、こうしてあなたが手にとって読まれているのが何よりの証拠かと」

 

 驚いている当主に対して俺は何とも言えない表情を浮かべてしまう。

 

「これでは結婚式どころの話では……」

 

「相手の方からライザーに結婚を早める様に唆してきたとの話を聞きましたから、結婚式を利用してその連中を一網打尽にする用意がこちらにはありますが」

 

「なるほど、それ故の制止だったか。それならば理解は可能だ」

 

 さすがは現当主、頭脳のキレは見事だ。この程度の説明でこちらの意図とやっている事を理解してしまうとは。

 

「だがグレモリー家の名に傷は着かぬか?結婚を邪魔されて結婚できなかったというのは汚名ではあるぞ?それに彼女自身が次期当主だ。その傷は簡単には拭えまい」

 

「ああ、グレモリー家の側なら俺達の方ですでに汚点にならないだけの算段が付いてるので、今はライザーの方の失点回復の策を確実にしておかないとなりません」

 

「まさかそこまで掌の中か、大した者達だな」

 

 俺の話に当主はほぅ、っと感心している。まさかその汚点にならない算段が、寄りによってフェニックス家側を悪者に仕立てようとしているなどとはこの時点では思いもしないだろう。何一つ零してないから。

 

「まさかリアスと貴様が組んでいるとはな、守りは手堅いって事か」

 

「ああ、お前から貰った情報もだいぶ助かってるから、お前の手柄として魔王様に報告してやるよ。レイヴェル嬢の件の調査で浮上した事にすれば、まんまお前の手柄にも出来るからな」

 

 俺がこの件を全部ライザーの手柄にすると言ったら、彼が呆れた顔で俺を見つめてきた。だが俺はそれを無視して当主へと視線を向ける。

 

「そういう配慮なので、口裏合わせはお願いしますよ。必要以上に彼の傷口を広げない様にするためにも」

 

「うむ、結婚式を台無しにするのみならず、フェニックス本家の一大事だ、これ以上の失態は避けねばならん」

 

「傷を軽くするだけの処理はやってる所だけど、ライザーが当日どこまでダメージを負うのかは我々の知る所では無いので」

 

 実際問題、フェニックス本家へのダメージは結婚式当日に暴露されながらも解決へと押し込んでいく計画だからそれほど深手には至らない。むしろ、イッセーと対決する事になるだろうライザーが哀れでならない。アイツのスケベパワーは俺も仕込みを入れてるからな。

 

「良いのか? 俺様は情報しか出していないんだが」

 

「その情報で組織が隠れていられるならそっちの方が良いんだよ、まだ公に出て良い段階じゃないモンでね」

 

「……そうか、世論がどう出るか分かったモンじゃ無いからな、今はまだ公表するわけにはいかんか」

 

 俺の反論に当主が納得したのか、深く頷いては隠したままにすべきと言葉を濁す。今の段階で組織の事が公になればこの世界で俺達が侵略者の手先だと騒がれかねない。侵略も何も友好を奨めて行きたい組織側にとってそれは大きな失点だ。

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