ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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 どうも、お疲れ雅です、バグパイプです。

さてはて、一族の一大事の大手柄が転がり込むようなライザーですが、そのためのハンデが何なのかいまだに分からないという恐怖の中で、色々と事が運ばれて、彼の眼の前を通り過ぎていきます。

 彼はその疎外感に耐えられるのでしょうか。

 それではどうぞ。


第161話 時渡は結婚式を無駄にはしたくない

「……まっ、結婚式の前哨戦となるライザーとリアス・グレモリー嬢の一戦がまだ行われていないんだ、その結果を見守ってから水面下で動きますよ」

 

 俺はそう言って話を区切る。実を言うとまだリアス達が特訓をしている最中なのだ、時間的に言っても。この場にいる俺達はフェニックス家の中で起きている問題に対しての対処を話し合っている、部外者の集まりなのだ。

 

 理由の一つがあのレイヴェルの誘拐未遂事件。あれから彼女の周辺は警護が濃くなったとは狛犬のアイツから聞いている。認識章を使った連絡は次元衛星を介しているから俺達にも伝わる。司令達にだって俺達の方から伝える事も出来る訳だ。口頭で説明するのが面倒なものにはスカイナビを起動してデータ通信を使う訳だが。

 

「もっとも、結果の分かっている試合では退屈過ぎて見所を探すのに苦労しそうだな。ポップコーンとコーラでも用意するか?」

 

「多少の音など気にも留めんだろうから、ポテチを用意するのも手ではあるな」

 

 俺ののん気な呟きにバゼルザーク先輩が便乗する。アンタの口からポテチって言葉が出るとは思わなかったぜ。貴族の観覧なら紅茶が出るんじゃ無いのか?

 

「なぁ、その試合でレイヴェルって嬢ちゃんが攫われない保証は有んのかよ」

 

「ジャベリン先輩、試合の前後は警備が厳重だろうから……」

 

 試合での警戒が足りて無いと気付いたのか、ジャベリン先輩が口を出してくるが、俺が解説しようとすると、横からライザーが口を出してきた。

 

「ああ、その点については問題ない。試合の前後はフィールドへの転送用魔法陣で転送され、試合中は結界によって選手以外の立ち入りが一切出来ない仕組みになっている。俺様の陣営はフェニックス家から直接転送される事になっているから襲撃者が到達できる状況では無いだろう」

 

「仮りに襲撃者が来るとしても、誘拐未遂時と同じ失態を晒すような者はおらん」

 

 当主はライザーの言葉に捕捉する形で力強い事を断言する。これで結婚式までのレイヴェルの身柄の安全は確保出来たも同然だ。俺達組織側としても報告書の作成に専念できる。貴族様様だね、これは。

 

「そうなると……あのリアスの嬢ちゃん側の方は野放しで構わないのかい?」

 

「そっちは簒奪計画の中には無いから放置でも大丈夫だとは思いますよ。むしろ結婚式の最中の警備を底上げする事でフォロー出来る範囲なんで。あと、グレモリー側に手出しすると余計な面倒事まで付いて来るから、グレモリー側に手出しするなら婚姻を結ぶ時と、結婚した後の方で手出しする方が楽ですね」

 

 俺の把握している範囲ではリアスに手出しするのは、結婚式では完全に悪手となる。フェニックス家の印象が悪くなってしまうだけでは済まないからだ。それでは自縄自縛で襲撃する意味を失うというもの。ダークネスの中でこんな事をするのは馬鹿のする事だと先輩達から教えられている。

 

 この簒奪計画の厄介な所はライザーの結婚をごり押しする一方で、レイヴェルの誘拐というもう一つの柱を用意している所だ。簒奪と判っている以上は彼女の身柄に安全の文字は無い。

 

「こいつぁ、警備の連中に同情しちまうぜ」

 

 リバーサル先輩が肩を竦めてお道化てみせる。防衛線の面倒さはダークネス幹部なら俺やポーラさん以前の古株連中が知っているのだろう、伊達に隊長を国王に祭り上げて国を興してないから。

 

「だが、懸念が減るのなら歓迎すべきところだな。防衛側の手はそう多くは無いのだから」

 

 バゼルザーク先輩はそう言ってふと口元を緩める。

 

「だがフェニックス家の警備隊は回復力に物を謂わせる精鋭揃いなのでな、タフな者達で固めておる」

 

「それは有り難い話だ。しかし慢心を諫める為にも交代制での勤務と情報共有を緊密にお願いしますよ、当主殿?」

 

「……そこは善処しよう。招待客の手前も有るからな」

 

 当主から警備体制の連絡許可の約束を取り付け、俺の中での計画は確実な前進を見た。とりあえずこの場で確認できる範囲はこの程度か? 少なくてもフェニックス家の警備体制の許可と結婚式関係、レイヴェルの身の安全はあの狛犬にやらせてるから問題ないだろうし。リアスの勝負の方は両陣営の実力差からして結果は揺るがない。

 

 あっと、こっちが書かないといけない報告書の件が残ってたか。

 

「ライザー、こっちでこの件の報告書を書かなきゃならないんだけど、情報提供者としてお前の名を書く事になるけど良いか?」

 

 俺は本家簒奪計画に関する報告書の作成で、情報提供者として彼の名前を書き込む旨を問いかけ、承諾を得ようとした。承諾が得られればこの件の功労者としてライザーの名前が憶えめでたくなり、何らかの形で貴族社会での地位が用意されるだろう。リアスとの結婚が流れても後から嫁が来るだけの恥ずかしくない功績は有った方が良い。

 

 ……何も無くて惨めになるよりは。

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