とあるシスコンの学園生活   作:新戸よいち

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今回少しオリキャラ出ます。苦手な人はすんません。


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 最近の世論では、高齢化、少子化、などの子どもが少なくなっていて、国の未来は危ういなんて、そんなことを語っている訳であるんだけど、ここ学園都市では学園と言う名の通り、国全体の少子化の波に逆らって、子どもの数がとても多い。

 

 近くに幼稚園、保育園を作らないで、と言う爺ちゃん婆ちゃん、その他大人もいなけりゃ、危険なのでキャッチボール、ボール遊びは止めましょう、なんつー遊び場である公園に不釣り合いな警告文も出されちゃいない。

 

 そんな子ども天国な学園都市。人口全体の平均年齢は二十に満たないんじゃないか? そんな都市だからこそ、公園は常に小学生たちが闊歩する、活気に溢れた昭和の風貌だ。

 

 そしてオレこと佐天眞守は今現在、そんなキャーキャーと喧しい公園で遊んでいた。一回りほど年齢の離れた、ガキどもと遊んでいた。正確には、まとわり付かれているんだけど・・・

 

「まもる! つぎ! つぎはおにごっこしようぜ! 」

「だめ! おにーちゃんはわたしとおままごとするの!! 」

「まもる、おんぶ・・・ 」

「順番に言え、順番に 」

 

 全方位から服を引っ張られ、全方位から甲高い声を聞かされ、高校生のオレとは違って無尽蔵のスタミナがあるんじゃねぇかっつー、子どものバイタリティ。昼から遊び始めてもう恐らく二時間程度は経っているはずなのに、全く疲れた様子がねぇ。無敵か! お前ら無敵か! レベル6か!

 

 こうなっている理由は幾つかある。まぁ、オレって言うほど子どもは嫌いじゃない。て言うか、好きなほう。一番上のお兄ちゃんってとこもあるしな。だから、良く近所のやつらと遊んでやったりするんだけど、今日はいつもより少しやんちゃなメンバーだった。以上。うわ、凄い単純な理由。しかも簡潔。幾つかって言ったくせに、一つしかないし。

 

「おいまもる、きいてんのか? 」

「・・・おにーちゃん? 」

「まもる、おんぶ・・・おんぶ・・・ 」

 

 気付けば、また服を引っ張られていた。引っ張るってか、引き千切ろうとしてんじゃね? ってくらいの強さだけども。あーやめろやめろ、服が伸びちゃうだろ!

  

「スーパーアルティメット、ハイパーアルティメットウルトラサイキーーーーーッッッック!!!!!」

「ごぶっ?! 」

 

 そんなこんなで取り囲むガキたちに悪戦苦闘をしていたオレ、一際後ろの方から大きい声が聞こえたんだけど、これが不穏な掛け声でさ。アルティメット二回言ってるし。いや確かに小学生にはありがちなネーミングだけどさ。キックかよ! 避けれなかったし! いてぇ!

 

「つー・・・な、なんだよ・・・ 」

「キマッター! レッドのサイキーーック!! かいじんまもるにひゃくまんのダメージ!! まさになにはじぬアルティメットぉ!! 」

 

 顔面から地面に激突。めちゃいてぇ。砂ぼこりやばい。服めっちゃ汚れた。それを払いながら起き上がると、キメポーズらしき謎の立ち方でドヤ顔を浮かべる、小学生の姿。レッドと呼ばなきゃ拗ねる、特撮好きのガキだ。本当の名前はえっと確か・・・

 

「おっ、ゆうこ! おそかったな! いっしょにまもるをたおすぞ! 」

「まかせとけ! ってちがう、レェェェェッド!! 」

 

 そうそう、ゆうこ。確かこいつ身体強化系の能力者だろ? キックの威力がそこらのスキルアウト以上だよ、ホントこの街異常だわ。いてぇ・・・

 

「げっ! かいじん、しつこいぞ! まだいきてたのか!! このフタヤロー!! 」

「勝手に殺すな。てか誰が怪人だ。あとタフな、タフ 」

 

 くそ、なんつー教育に悪影響なんだ、特撮ってのは。こいつの被ってる帽子のマーク、これがレッドってやつだっけ? バッタみてぇな顔してるな。

 

「まもる、おんぶ・・・ 」

 

 さっきからうるさ?! おんぶおんぶ! 後でしてあげるから待っててくれよ! 状況考えて!

 

「くらえっ! とどめのスーパーハイパーメガアルティメットウルトラサンダーファイアー・・・サイッ! キーーーーーーーッッッッッックゥ!!」

「は、お前まっ・・・!」

 

 気付けばまた目の前に、靴の裏が見えた。ちなみに女子だからって、ゆうこはご覧の通り短パンなのでパンツが見える心配は・・・づぁっ!!

 

 

 

 

 意識が深い海の底のように、暗闇に包まれていた。不意におぼろ気に、遠くから声が聞こえた気がした。気がしただけだった。わけでは無かった。

 

 縫い付けられたように重い目蓋。どうにかこうにか、そのうんともすんとも言わなそうな、力の入らない目蓋を抉じ開ける。

 

 一番最初に目に入ったのは、どこまでも突き抜ける青い空。つまりオレは横になっていることになる。背中に触れるものはベッドのように柔らかくなくて、固い。寝心地が悪い。まぁやっぱり、家では無さそうだ。

 

 眠っていた場所は、木製のベンチだった。公園のベンチだった。

 

 慌てて起き上がると、腹筋とか上半身とは関係の無い顔が痛む。凄いダメージ。多分これ靴痕残ってるよな。めちゃくちゃ痛い。

 

 顔を押さえていると、近くから爆音が聞こえた。もんの凄く響いた。空気が震えたんだけど! なに? 近くでダイナマイトでも誰か使った?!

 

「うおーーーーすっげぇ!! 」

「んっふっふ。これが根性だ!! 」

 

 音源の方へと顔を向ける。指の隙間から見えたのは、喜色満面といった顔のゆうこ、遠巻きに様子を眺めて困惑しているガキども。そして、白ラン。白い学ラン男だ。ハチマキも巻いてやがる。

 

 あー、この街にあの男の他にもあんな奇抜な格好をするやつがいるんだな。世界には三人似てる人がいるっつーし、そういう偶然もあるんだなぁ・・・

 

 ・・・削板?! なんでここに!?

 

 まずい、あれは御坂に負けず劣らずのトラブルメイカー! 関わったらロクなことがねぇ! アイツはナナだけど!

 

 ここは気付かれないうちに逃げるしか! 脱兎! 兎よりも早く! って、アイツは音速じゃん! バレてる! もう前に来てやがる!

 

「よう、起きたか? 」

「・・・いや、まだ寝てるぞ。オレはこう見えて夢遊病なんだ。ぐぅぐぅ・・・ 」

「へぇそりゃ初耳だぜ。寝ててもランニングか、根性あるなぁ佐天」

 

 ぐぅぐぅ・・・ここは寝た振りで過ごすしか・・・はい、無理っすよねぇ。流石に根性バカの昭和からタイムスリップマンのコイツ相手にも、それは無理があるわ。

 

「佐天!! オレといっちょ根性比べしねぇか? 」

「すまん。オレはこう見えて忙しいんだ。これからおんぶとか、鬼ごっことかおままごととか、するからな 」

 

 咄嗟に方向転換、削板とは顔を合わせないようにして、オレはさっきまで遊んでいたガキたちの方に行く。うんうん、これでフェードアウト出来るはず・・・

 

「のんのん!! それならもうオレが終わらせといたぜ!」

 

 マ・ジ・で?!

 

 はっ、確かによく見たら皆目が疲れきってるし。いや、ゆうこだけめちゃくちゃ輝いてるけど。これはなんつーハードな鬼ごっこをさせられたんだ?! 死屍累々じゃねーか!

 

「ま、まもる・・・あ・・・あんなのにげきれっこねぇよ・・・」

「りこんちょうてい・・・いしゃりょーせいきゅー・・・」

「うぶ・・・はきそう・・・」

 

 どんなおままごと?! てか、大丈夫か?! ジェットコースターでも乗ってきた!? ドドンパ?! 高飛車?! SOGIITA!? ええじゃないか!? いやよくねぇよ!!

 

「うわっ、ソギー! かいじんだ! かいじんがめをさましたぞ! 」

 

 おいコイツヒーローごっこしようとしてるぞ! やめろ、このバカを巻き込むな! オレが死ぬってえーの!

 

「何だと!? なんて根性のあるヤロウだ! ブッ飛ばす!! 」

 

 ヤメロ。拳を握るな、その手は人と人とを繋ぐためのものだ!! てか勝てるわけねぇっ! コイツとは相性が悪すぎる! ノーマルタイプがかくとうに勝てるわけが無いんだ!

 

「削板、戦うのはこの際いいけどな。こんなトコでオレたちがバトって見ろよ。弱っちいコイツらが巻き込まれて、死んじまうかもしんねぇぞ? 子どもを巻き込む根性なし、そんなのにオレはなりたくねぇーな 」

「・・・だな! 」

 

 DA・NA!? いやまぁいい。バトルが避けられたなら、これで良し。ふぅ、良かった良かった。根性とかで責めれば、コイツが退きやすいのはよく知っている。オレの作戦勝ち、だな。

 

 フッ、と得意気な顔で公園からフェードアウトを試みたオレ。

 

「じゃあこれはどうだ? ベェーースボォォーーッル!!!!! 」

 

 しかしやはり、逃げれない。グローブとバット。野球? 悪い予感しかしねぇんだけど?

 

「まもる・・・かたきをとってくれ! 」

「あなた・・・わたしがわるかったわ・・・いっしゅんのきのまよいだったの・・・」

「おぼっ・・・うぇ・・・ 」

 

 昼ドラ展開まだ続いてた!? なに、浮気の設定だったの? てかお前はもうトイレ行ってこい! まともなの一人しかいねぇ!

 

「三打席対決だ! いくぞ、佐天!! 」

「がんばれーっ! 」

「ソギー! かいじんぶったおせえ!! おらぁっ!! 」

 

「・・・おー・・・ 」

 

 流れるままにいつの間にかヘルメットを被っているオレがいる。手にはバット。ボールを見せ付けてくる削板。オレと対照的に乗り気である。客のヤジが少しうるさい。いや、一人だけだけど。

 

「うオォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっっっっっっッッッ!!!!! すごいッ───────ストレェェェートぉ!!!! 」

 

 なんつー、気合いの入れようで・・・って! マジか!? 発光してない?! あ、てか見え、うおっ

 

「おわーーーぁっ!? ごぶっ!? 」

「よっしゃあ!! ストライク、だな!!」

 

 音速を簡単に超える球速。その余波だけで並の能力者ならKOされるだろう爆発が起きた。ボールは哀れにも木っ端微塵。グローブも。そしてバットはベコベコ。オレはボロボロ。

 

 いつの間にか削板がボールの行方を塞ぐように、立っていたので被害はオレだけにとどまった。不幸中の幸い、ってやつ? いや、オレに幸いが無いんだけど・・・

 

「お、オレの負けでいいから・・・もう終わりにしようぜ・・・ 」

「なに言ってんだ佐天!! そんな根性なしになっちまうのか!! 途中ではい、終わりなんて男らしくねぇぞ!! 」 

「そうだそうだー!! イタリアなんてらしくねぇぞ!! 」

 

 それはリタイアだゆうこ。もうツッコミする気力も失せてきた。このまま気絶でもして・・・

 

「ワンストライク!! 二球目いくぞ!! 」

 

 ですよねぇ・・・

 

 そしてオレは最後まで巻き込まれ、台風の中の野良犬のようなずたぼろの状態で、家に帰った。入学してからまだ一ヶ月にも満たない程度。制服の新調をする手続き中、少し涙が出ていた気がした。

 

 根性よりも、今生の間はもうアイツには会いたくねぇ!!

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