魔法科高校の編輯人   作:霓霞霖

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第百四話 幕間~続・共犯者への説明責任~

2097年3月4日

 

 予定していた通り、鳩の『付喪神』が北京へ到着するのは今日まで要し、おまけに登校時間までに間に合わなかった。

 ただ、ここで俺の保健室登校が功を奏する。

 そう。俺は1月9日から(より正確に言うと1月8日に体調を崩した時から)続けてまだ保健室登校なのだ。きっかけとなった達也の戸籍偽装や婚約については大分下火になってきたと言うか、自爆テロ解決に話題を持っていかれていると言うべきかもしれない。

 それで、その話題のせいで俺が日本魔法師界の英雄とか、日本の若手魔法師の旗手(きしゅ)とか、そんな扱いをされ始め、注目が俺へとさらに集まってしまったのだ。

 ここまで来ると、卒業までずっと保健室登校か、体調を崩しながら出席するかの選択に迫られている気がしてならない。

 ちなみに、第一高校長たる百山は俺にかかる重圧やテロ解決の功績、それらを加味してか、直に保健室登校の許可を降している。さすがに、卒業まで保健室登校をしたら怒るかもしれないが。

 

 ともかく、だ。俺は保健室登校を上手く使い、いつもより体調が優れないと嘘を吐いて寝たフリをし、『付喪神』の操作に意識を向けていた。ちょっと達也や雫には要らぬ心配をかけさせたが。一応、体調が優れない理由は新魔法開発による過労と言ってある。過労は嘘だが、新魔法『分霊(フェンリン)』の開発中なのは本当なので、半分くらいは嘘じゃない。

 

 閑話休題。

 

大人(ターレン)。ここが目的地です)

 

 周妃の『付喪神』がとある建物のベランダに留まったところで、俺にテレパシーを飛ばしてきた。その建物は、何の変哲もない、周りの建物と一切様式が変わらない中華風の建物だった。まだ北京には中華風の建築様式が根付いているようだ。

 それで、本当にそこが目的地なのか疑いつつも、周妃の『付喪神』に倣って、その横に俺の『付喪神』も留める。

 周妃はそれを視認してから、周妃の『付喪神』が窓の前を何度か往復する。そうすれば、その窓は開け放たれた。

 周公瑾をさらに若くしたかのような青少年の手によって。

 

(……お前の『分霊(フェンリン)』か)

 

 俺のテレパシーに周妃は鳩の『付喪神』ではなく、その青少年の微笑みで答える。

 

「怖がらないで、鳩さん。私の名前は周循(シュウジュン)。仲良くしてね?」

 

 周妃の『分霊(フェンリン)』・周循は、まるでただの鳩に声をかけるような言葉を発し、手に持っていた鳩の餌が入った皿を差し出した。

 その餌を求めるように周妃の『付喪神』は皿の淵に留まり、俺の『付喪神』も後に続かせる。

 2体の『付喪神』がしっかり留まったところで、周循は鳩を連れ込むように建物へ引っ込む。

 

(……周循だの周妃だの、一々区別が面倒だな。お前全体を指す時は『周』呼びで、『分霊(フェンリン)』それぞれを指す時は個体の名前で良いか?)

 

(構いませんよ?大人(ターレン)。奥に周胤(シュウイン)という『分霊(フェンリン)』もいますので、お見知りおきの程を)

 

(……揃いも揃って自分の子供の名を付けやがって)

 

(不思議と愛着が湧くのです)

 

 周妃、いや、周とそんなテキトーなやり取りをして、俺の『付喪神』が周循に運ばれている間の暇を潰す。

 周循は、いくつかの隠し扉を潜り、長い階段を降りていた。

 そうして、その終点だろう場所に着く。建物内の中華風な装いは何処かに消え失せた、機材が多く並ぶメカニカルな内壁に包まれたその一室に。奥に人影が浮かぶ水槽のあるその一室に。

 俺の『付喪神』がそれを望むや否や、その水槽の前にいたこれまた周公瑾を若くしたような青少年(おそらくこいつが周胤)が俺の『付喪神』に一礼してきたが、俺はそれに構う余裕がなかった。

 何せ、水槽に浮かんでいる人影も、誰かの面影があったからだ。それも、周に警戒心を抱かなくてはならない要因となりそうなそれが。

 

(……周、お前、やりやがったな。……俺の遺伝子を使いやがったな)

 

 そう。その面影とは、『四葉十六夜』のモノである。ただ、明確に言えばその人影が女性型であるから、どちらかと言えば真夜の方に似ているだろう。

 

大人(ターレン)、申し訳ありません。でも、貴方様が魅力的なのが悪いのですよ?いつかは私の体にしてしまおうと思わせてしまう程に」

 

 周循は悪びれもせずに、逆に恍惚とした表情をして開き直っていた。

 俺は理解する。周が俺に付き従っていた理由、その1つがこれなのだと。俺の遺伝子を手に入れ、そこから次に乗り移るための肉体を作る事なのだと。

 いつ俺の遺伝子を手に入れたのか、疑問に思う必要はない。周妃ならいくらでも俺の家のごみ箱を漁る事ができる。抜け毛どころか、精子を得る事も容易という訳だ。

 そうして生み出したのが、目の前にある女性型の肉体なのだろう。

 

「惜しいのが、成功例がこれ1体という事です。自意識を持たせぬまま体を成長させるのは、中々費用も時間もかかりますし、おまけにこの技術はまだ研究不足なもので。まぁ、時間の方は普通に育てるよりはるかに短縮されていますが」

 

 意思が統一されているパフォーマンスか、周胤が周循の言葉を継いだ。無駄に得意気に。

 しかし、得意気になるのも頷ける。

 何せ、女性型の肉体は14歳くらいの体躯なのだ。

 周妃を俺の家に初めて上げたのは2096年11月11日。その日に俺の遺伝子を手に入れ、肉体の創造に着手していたと仮定しても約4カ月。それが最長期間だ。

 なのに、もう14歳まで成長させている。『とある魔術の禁書目録』における『妹達(シスターズ)』に近しい技術力だ。

 不幸中の幸いが、あくまで周個人によるモノのため、これにかける費用も時間も中々稼げない事と、技術が確立できていない事か。それ差し引いても『ふざけんな』と言いたくなるが。

 

(……どうしたもんか)

 

 俺は自身の頭の中で悩む。周の危険性は格段に跳ね上がった。

 しかし、処分したくても、もう個人で処分できる領域を逸している。それに、周の情報網は当然、この技術力も手放すのは勿体ない。

 幾ばくか悩む。だが、結論は出る。

 

(俺の知った事じゃないな。俺は償いができれば良い。俺が死んだ後の事まで責任を持てないし、持つ気もない)

 

 結局俺は、周を贖罪に利用する。

 

(これを俺の『分霊(フェンリン)』にして良いんだろう?)

 

「はい。是非ともお使いください」

 

 俺がテレパシーでその肉体の使用許可を求めれば、周胤は微笑みながら力強く頷いた。周自身、まだ縁を切られないと確信してのものだろう。

 つけ上がらせたくはないが、俺の遺伝子提供が今までの恭順に対する報酬だと言われれば、俺の方は呑み込むしかない。

 とかく、今はまだ恭順な態度を保ち、俺にその肉体を寄越したのだ。俺はとやかく言わず、さっさと『分霊(フェンリン)』を試すべきである。

 そうして、周胤が機器を操作し、水槽を満たす液体を排出してから、その肉体が取り出されるのを待つ。それから、取り出されて差し出されたその肉体に、俺は鳩の『付喪神』で触れた。

 鳩の『付喪神』に使っていたサイオンもプシオンも、全て肉体の方へ移し替える。

 そうすれば、突如視界が切り替わった。

 

「……女性の体に乗り移るのは、凄く違和感があるな」

 

 俺はその肉体を完全に掌握したのだ。ただ、今まで操作した事のない女性の体に、凄く微妙な気分を味わう。羞恥心と言うか、背徳感と言うか。

 

「慣れてしまえば良いモノですよ?……ところで、どうですか?」

 

「……あんまり『付喪神』と感覚は変わらないな。……プシオンもサイオンも自給できているようだけど。……何と言えば良いのか。腕が増えたような、動かせる体の一部が増えたような」

 

 実験を進めるために、俺は俺が受けた感覚をできる限り言葉にした。今はどうでも良い事だが、女声を自分で発しているのも凄い違和感だ。

 

「……私と感覚が違いますね」

 

「……意識を本体の方に戻す。その際の様子を観察しろ」

 

「了解しました、大人(ターレン)

 

 周胤の反応が芳しくないため、俺はある試しをする。

 結局、これがちょっと変わっているだけの『付喪神』なのか、それともちゃんと『分霊(フェンリン)』なのか。

 意識を俺の下に戻しても、『分霊(フェンリン)』を試した肉体・試験体が自立して動いていれば成功なのだが。

 

(……繋がってる感覚はあるが、自立している感覚はないな)

 

 第一高のベッドの上で、俺は試験体が動いていない事を感じた。と言うか、やはり腕が増えたような感覚だ。その増えた腕を動かそうとしてみれば、試験体はしっかり動いた。でも、やはり自立しているといった風ではない。

 俺はそれで『分霊(フェンリン)』の失敗を悟った。

 その事を伝えるべく、意識を試験体の方へ集中する。

 

「……周、今戻った。……一応訊いておくが、どんな感じだった?」

 

「……私の『分霊(フェンリン)』と違いますね。……一瞬腕が動いていましたが、あれも大人(ターレン)が動かしたのでしょう?我々は一々指示を出さなくても、それぞれの個体が考えて行動します」

 

「……ああ、失敗だな。これは『分霊(フェンリン)』、分身としては使えない。こっちの操作に意識を集中している間は、俺本体への意識がおろそかになるだろうな」

 

 『分霊(フェンリン)』が失敗した事、想定していた成果が得られなかった事に、3人(俺・周胤・周循)揃って肩を落とした。

 失敗した原因が分かっていないというのが、これまた肩を落としたくなる部分だ。

 

「……しかし、遠隔操作の端末として使えるだろう。サイオンとプシオンが自給できているから、補充のために鳩を飛ばして補給するような事は必要ない」

 

「……そうですね。その点だけは成果と喜びましょうか。それに、これならボスの代役は務められるでしょう。例の施術も、その肉体を介する事ができるなら、わざわざ被験者を日本へ運ばずに済むかもしれません」

 

「そうだな。それの試しもしておくか」

 

 『分霊(フェンリン)』としては失敗したものの、色々使い道があるだろう試験体。俺と周はその使い道を試していく。

 

 結果として、リライト能力を()()()()使う事ができなかった。

 何を以って十全ではないかと言うと、この試験体自体に対しての書き換えができなかったのだ。だが、逆にこの試験体によって『付喪神』にした対象には書き換えが行えた。ユリをチューリップに書き換える方法で、その事を確認している。

 これは、リライト能力の発生源が何処にあるか、という事に原因があるのだろう。

 リライト能力は俺の体に宿った力であり、試験体は俺の体ではないからリライト能力を十全に使う事はできない。しかし、試験体は俺の体の一部ではあるから、リライト能力の一部は使う事ができる。

 その認識が正しいかは不明だが、とりあえず俺はそう認識した。

 

「……リライト能力と『付喪神』は、とりあえず施術に使う分は問題ないとして。問題は、魔法資質の方だな」

 

 俺は試験体から魔法が発動できるかについても試す。

 俺本体の固有魔法、『アンキンドルドゥ』や『グレート・オールド・ワン』は使えなかった。どうにも、俺はこの試験体と魔法演算領域を共有できないらしい。

 つまり、俺本体の魔法は使えず、試験体自身の魔法演算領域に依存している。

 なので、試験体自身の魔法資質も試した。

 系統魔法、無系統魔法は俺と同等。精神干渉系に関してのみ俺に劣り、固有の精神干渉系もなし。

 

「……俺の遺伝子を使っただけあって、俺の子供って感じの魔法資質だな。……ただ、無駄に『鬼門遁甲』への適性が高いな」

 

 一応古式魔法の適性も見ておくかと、周からちょっと『鬼門遁甲』を教わったのだが。これがすぐに習得できてしまった。これは同じ大陸系古式魔法・『僵尸術』の習得も期待できるかもしれない。あくまで大陸系というだけで種別は全く違うだろうが。

 それにしても疑問がある。

 

「系統魔法・無系統魔法への適性は俺の遺伝として、『鬼門遁甲』への高い適性は……。いや、うん。止そうか」

 

 『鬼門遁甲』への高い適性は何由来か疑問だったので、少し思考した俺。だが、周胤が意味深長に微笑んだ時点で俺は思考を打ち切った。この試験体の遺伝子、そのもう半分が誰の遺伝子なのか、もう悟ってしまったのだが。

 俺はその悟りを頭から追い出すため、試験体の肉体スペックを試す事にシフトする。

 

「……超人という程ではないな。あくまで運動万能って感じだ」

 

「身体能力はあまり遺伝しませんでしたか……。それとも、半分の遺伝子が薄めてしまった、とか?」

 

「超人としての身体能力はあくまでリライト能力ありき、という事だろう」

 

「……リライト能力は、誰でも1度は使えるのでしたね。それを使用する事でようやく超人になれると」

 

 リライト能力を使わなければ超人にはなれない。

 その事について、周は理解が早かった。実例たる三国時代の英雄を見てきただけあるのだろう。

 

「……やっぱり、自身の書き換えはできないな。超人技能がないのは惜しいが、仕方ない。こっちでは魔法主体での戦う事を念頭に置こう。……鍛錬しとかないとな」

 

大人(ターレン)の技量なら、『付喪神』だけでも充分戦えると思いますよ?」

 

「手札が多い事に越した事はないだろ。それとも、お前がずっと傍にいて守ってくれるのか?」

 

「誓って、お守りいたします」

 

「……」

 

 試験体でも戦えるように訓練するという話をしたかったのだが、何故だか周胤がこの試験体の護衛をする話になってしまった。

 そんな事を言っているが、周もさすがに護衛対象の護身もできないなんて状態は避けるだろう。まぁ、最悪は1人で鍛錬できるだろうし。

 

老板娘(ラオバンニャン)、お召し物をお持ちいたしました」

 

「ん?ああ、俺っていうか試験体の服か」

 

 いつの間にかいなくなっていた周循が戻って来たかと思えば、試験体用の服を取りに行っていたようだ。いつもの『大人(ターレン)』呼びではなく、『老板娘(ラオバンニャン)』呼びされたので、一瞬俺に呼びかけているのか分からなかったが、試験体に服を差し出しているという事はそういう事である。

 とかく。俺は試験体に今まで来ていた患者服のようなそれを脱がせ、差し出された服に着替えさせる。その服は、チャイナドレスだった。コスプレのような丈の短いモノでなく、ちゃんと足元までの長さがあるヤツだ。由緒正しいというには、スリットが大きいような気がするが。

 

「綺麗な足なのですから、惜しげなく見せ付けるべきかと。交渉事では1つの手札になるでしょうし」

 

「……一考に値する意見を提示したから、心を読んだ事は不問にしてやる」

 

「ありがとうございます」

 

 相手の意思を読み取るどころか盗み見れるようになったかと、周の所業には一瞬焦ったが、顔に出ていたと思い至ったので、軽い諫言だけで済ませた。

 

「改めて言及するが。『老板娘(ラオバンニャン)』って女上司的な意味の言葉だよな?」

 

「ええ、そういう意味です。今回は女性のボスという意味合いで使いましたが」

 

「なるほど、そうだな。やはり、この試験体をお前の上司に仕立て上げるべきか」

 

 周循が試験体を『老板娘(ラオバンニャン)』と呼んだのは、この試験体を当初の予定通り俺の代役にするという意向を示すモノだった。

 実際、俺が意識を集中して操作する必要はあるが、周の上司役は充分に熟せると俺も思っている。

 

「じゃあ、個体名がないのもアレだし、名前を付けるか。……(ティエン)でどうだ?」

 

(ティエン)老板娘(ラオバンニャン)……。ええ、ええ!良い名前だと思います」

 

 『天王寺』からテキトーに取って名付けたのだが、周からは思いのほか好評である。

 

「オーケー。では、この肉体を操っている時は(ティエン)と呼ぶように」

 

「かしこまりました、大人(ターレン)。いえ、(ティエン)老板娘(ラオバンニャン)

 

老板娘(ラオバンニャン)いる?」

 

「いります」

「いります」

 

「お、おう」

 

 一々『(ティエン)老板娘(ラオバンニャン)』と呼ぶのは長くて煩わしく感じたのだが、周は即行否定の言葉が返ってくる。周胤と周循で無駄に強く発言するものだから、俺は思わず怯んでしまう。

 

「まぁ、うん。アレだったら(ティエン)の方は省いて、老板娘(ラオバンニャン)呼びでも良いからな」

 

「緊急時でもない限りは省かないようにします」

 

 何か、無駄に『(ティエン)老板娘(ラオバンニャン)』という字面が気に入ってしまったようで、周は強情な姿勢を示していた。

 俺からはもう何も言わずにおこう。

 

「……今さらだが、口調も改めるべきか」

 

「そのままの口調でも、組織の長たらんと頑張っているようで、とても可愛らしいですよ?」

 

「……お前、さっきから自分の趣味を押し付けてないか?」

 

 スリットが大きい気がするチャイナドレスといい、試験体の口調といい、そもそもこの試験体の見た目といい、俺は全部が周の趣味なんじゃないかと思えてきた。

 

「滅相もありません。全て組織運営を潤滑にするためのモノです」

 

「……まぁ、そうだな。美貌や可愛らしさは交渉において武器だからな」

 

 釈然とはしないが、周の意見にはちゃんとした理がある。その理を覆せる反論は、残念ながら俺も持ち合わせていなかった。

 

「……一旦、この辺りで切り上げよう。細かいところはまた後日だな。……この亜種『付喪神』は、繋げたままにできそうだが、どう管理したもんかな」

 

「通常の『付喪神』と同様に、オート操作はできますか?」

 

「……できそうだな。じゃあ、最低限の生活をオートでやらせておく。後、肉体が衰えないように運動もさせておくか。その他、身の周りの世話は任せるぞ?」

 

「承ってございます」

 

 そろそろ意識を俺本体に戻さなければいけないので、細部のすり合わせは後日とし、『(ティエン)』の普段の管理は周胤と周循にぶん投げた。

 そうしてから、俺は寝たフリをしている本体に意識を戻すのだった。




周循:周妃、というか周公瑾の『分霊(フェンリン)』、複数居る内の1体。意思のない肉体にだったそれに『分霊(フェンリン)』を行使して事により、完全に周公瑾の人格がコピーされている。見た目は18歳くらいの周公瑾。

周胤:周妃、というか周公瑾の『分霊(フェンリン)』、複数居る内の1体。意思のない肉体にだったそれに『分霊(フェンリン)』を行使して事により、完全に周公瑾の人格がコピーされている。見た目は16歳くらいの周公瑾。

周の『分霊(フェンリン)』たち:『分霊(フェンリン)』が成功した個体は通常のパラサイト憑依者同様、意志が統一されている。さらに、統一された意志の下、周が掲げた大願を成就すべく、それぞれの役割を熟している。周妃は十六夜のお付き、周循は亡命ブローカー及び情報網の維持、周胤は本拠地防衛及び研究である。周胤はこれ以降、(ティエン)老板娘(ラオバンニャン)の付き人も追加される。
 ちなみに、一応それぞれ独自の思考をしており、既に考え方に微量な差異が出てきている。だが、元となった人格が同じだし、皆抱いている大願は同じなので、強固な繋がり、絆とも呼ぶべきそれがある。
 また、七草の双子の『乗積魔法』のように、『分霊(フェンリン)』複数の魔法演算領域を1つの魔法演算に宛てる事はできない。しかし、周妃の視界で周胤の魔法を発動させるといった、それぞれの視界を介してそれぞれの魔法を行使する事は可能である。
 後、十六夜への心酔具合にも差異があるが、心酔している事は変わりない。

周が持つ意思のない肉体を作り育てる技術:理論上、遺伝子があればどんな人体も制作・育成できる。だが、あくまで個人で獲得した技術・施設なため、成功率はお世辞にも高くない。十六夜の遺伝子を使った人体は制作の時点で50近く失敗している。
 さすがに『とある魔術の禁書目録』並とはいかない。

(ティエン)老板娘(ラオバンニャン):肉体は四葉十六夜の遺伝子を基に作られた意思のない物。それに十六夜が『付喪神』をかけた事によって生まれた、サイオン・プシオンを自給できる『付喪神』。見た目は四葉十六夜を女の子にしたような14歳の少女。
 遺伝子に刻まれている行動(寝て、起きて、食べて、運動して、寝る)はオートでできるが、それ以外の行動は十六夜が集中して操作する必要がある。そうして集中して操作している時、十六夜の本体は意識がおろそかになる。さらに、操作に集中している時、四葉十六夜の魔法を使う事はできない。操作に集中していなかったら、(ティエン)が突っ立っているだけになるが、視界を介する形で十六夜の魔法を発動できる。
 また、魔法資質は四葉十六夜とほぼ同じだが、精神干渉系は四葉十六夜に劣り、『鬼門遁甲』への適性は四葉十六夜より高い。『僵尸術』への適性も四葉十六夜より高かったりする。
 ただ、運動能力は運動万能の一般人レベル。超人としての運動能力も超人技能もない。

 閲覧、感謝します。
 次の更新は4/23の予定です。(今後は更新日をしっかり明記する事にしました。私自身が時々更新日を忘れるので)

※追記(2025/08/08)
 (ティエン)をイメージしたファン・アートを頂いておりますので、ここに掲載させていただきます。

【挿絵表示】

・メビウス斎藤 様 作 (AIイラスト)①
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