魔法科高校の編輯人   作:霓霞霖

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編輯黙示編・二片
第五十一話 妖精は罪深き者の夢を見るか


2096年5月20日

 

「やっと、引っ越しが済んだわね……」

 

 休日の昼下がり。真由美は十六夜宅の隣に建てられた七草の別荘、彼女含めた七草の3姉妹が住むその邸宅の前で、とても深く息を吐く。

 吐いた息には、邸宅に荷物を運び終えたための疲労感と、今まで同棲していた十六夜にかけた迷惑が多大に軽減される安心感が込められていた。

 

「ああ……、十六夜お兄さまとの同棲が……」

 

「ボクたちは同棲してなかったけどね。かなり入り浸ってはいたけど」

 

 泉美は甘美なる時間の終わりに意気消沈し、香澄は香澄で少し疲れているようだ。

 香澄の疲れは真由美と同じ荷物を運び終えた事と、十六夜への恐怖心から解放された事に由来する。香澄は二回程度十六夜の逆鱗に触れかけたと思っているので、いつ彼を本気で怒らせてしまうかと、案外気が気ではなかった。彼女は十六夜との接し方がまだ定まっていないのだ。

 

「それじゃあ、一応引っ越しの挨拶に行ってくるわね」

 

「四葉先輩のところに?今更なんじゃない?」

 

「まぁまぁ香澄ちゃん。これはお姉さまがお兄さまと最後の一時を過ごすための詭弁で―――アウチッ」

 

「礼儀と謝罪のために行くの!特に、泉美ちゃんが迷惑かけた謝罪のためにね!!」

 

 泉美の無理な誘導はいつもの事なのだが、真由美は泉美のしつけに余念なく、毎度のようにその頭を叩く。おもに、今後できるだけ十六夜へ迷惑をかけないために。

 

 泉美を色々と黙らせた後、ようやくお隣さんである十六夜宅へと訪れる。

 十六夜の善意でセキュリティをパスできる権限は解かれていないのだが、真由美はインターホンのベルを鳴らした。

 

「……あら?」

 

 全く返事がない。試しにもう一度押すが同じく。

 

「外出中かしら」

 

 念のために電話をかけてみるが、お取込み中と疑える程に呼び出し音が長くなり続けた。

 なんとなく、本当になんとなく嫌な予感がしたため、真由美は許可なく十六夜宅に上がる。

 

「十六夜くーん?お出かけ中かしらー?十六夜く―――……ん?」

 

 書斎への入り口、十六夜はそこでうつ伏せに倒れていた。

 

「十六夜くん!」

 

 血の気が引くも、すぐに駆け寄る。

 

「十六夜くん!しっかりして、十六夜くん!!」

 

「ん……、あ……?……真由美、さん?」

 

 寝起きのような様子に、真由美は何らかの理由で十六夜が気絶して倒れていた事を察した。

 

「十六夜くん、何があったの」

 

「何がって……、魔法の……。ああ……」

 

 真由美の問いに答える際中、十六夜は頭の回転が鈍っていたが、経緯を把握して言葉を切る。

 

「ちょっと、過労と言いますか……。無理な運動が、祟りましたね……」

 

「無理な運動って……」

 

 事前に言葉を切ったのも相まって、十六夜が何かを隠したのは明白だった。

 

「もう、大丈夫です……。一人で立て―――つ、くっ」

 

「ちょっと!?無理しちゃ駄目よ!」

 

 十六夜は立ち上がろうとしたところで痛んだ頭を押さえ、揺れた体は壁に寄りかかるもずり落ちる。どう見たって大丈夫ではない。

 

「安静にしていて。救急車を呼ぶから」

 

「それは、止めてください……」

 

 救急への通報をするために携帯端末を取り出した真由美の手を、十六夜が抑える。その抑える力は弱々しい様子に反してとても強く、真由美は十六夜の意志の強さを読み取った。

 

「少し休めば、治りますので……。大事にはしないで、いただきたい……」

 

「でも……」

 

「お願い、します……。俺を惨め、に……しない、で」

 

 十六夜は電池が切れたように静かになる。真由美は彼が静かになる直前、彼の本性を覗き見た。

 

 彼の本性、「俺を惨めにしないで」。自身が惨めなら、自身が未熟なら。また家に閉じ込められてしまうかもしれない、四葉の名をはく奪されてしまうかもしれない。そんな恐怖心が、いつまでも彼に付きまとっているのだ。

 そう真由美は理解してしまった。

 

「貴方は……、変わってないのね……」

 

 最近の十六夜は、大分明るくなってきた気がしていた。学園生活を楽しんでいる気がしていた。しかし、だからこそなのか、彼はそれが奪われる事を恐怖しているのかもしれない。もしかしたら、却って恐怖心が増しているのかもしれない。

 

 どこまでも痛ましいその彼の姿に、真由美は涙を零しそうになった。

 

「いや、駄目よ、私。十六夜くんはしっかりやっているでしょう。彼を憐れむなんて、それこそ彼を惨めにしているわ」

 

 涙を零す前に、真由美はそれを拭い去る。彼の強さを疑ってはいけないと、彼を憐れむのは烏滸がましいのだと、真由美は意思を改めた。

 

「十六夜くん、貴方は強い人よ。だって、貴方は魔法が使えなかった事に負けず、頑張ってこられたじゃない。努力し続けたじゃない」

 

 真由美は心が折れて魔法が使えなくなった人を多く目にしてきた。魔法の才が皆に劣っているからと、諦めてしまった人がたくさん居た。では、魔法が使えない病気を患いながら、尚も足掻ける人間がどれ程強いのか。論じるまでもない。

 それができた十六夜は間違いなく強い人間だと、真由美は確信していた。

 

「でも、頑張りすぎるのはいけない事よ。疲れたならちゃんとベッドで休まないと、ね」

 

 真由美は彼を寝室へと運ぶ。脱力しているからなのか、彼の体は彼女の予想以上に重い。だが、魔法で重力を軽減しながらも、無事ベッドの上まで送り届けた。

 

 ベッドに沈む十六夜は安らかではある。ともすれば、今にも息を引き取ってしまうのではないのかという程に。

 真由美は不安になり、心臓が動いているのか調べるために十六夜の胸に耳を当てる。そうすれば、健康そうな心音が聞こえてきた。

 不安を解消した真由美は、しかし不安が消えたせいで、伝わってきている十六夜の体温へ意識を割く。そうして自身が今、男性の胸に頭を預けている、恥ずかしい勘違いを誘発しそうな体勢だった事に気付いた。はっとして頭を離す。顔が熱いのは、十六夜の体温に温められたせい、だけではないだろう。

 

「違う、違うわ。私は医療的行為のためにそうしたのであって決して邪な目的のためにした訳じゃなくて、そう、邪な感情なんて一切ないわ、ないのよ」

 

 眠る十六夜以外居ない場所で、誰に向けたモノか分からぬ弁解をする。不明瞭な感情は晴れていないが、理論武装により多少は落ち着いた。

 

「汗とか、拭いた方が良いのかしら。いえ、でも絶対後で気まずくなるわ。申し訳ないけど、我慢してもらいましょう」

 

 真由美は十六夜の看病をあれこれ考えるも、羞恥心が上回って実行には至らない。それでも、何かしなければいけないような、そんな気がしてならなかった。

 

「……」

 

 結局、真由美はただ見守る事を選択する。何もできなくても、傍に居る事はできると、ただ十六夜の傍に居た。

 

「十六夜くん……」

 

 真由美は十六夜の事について考える。思えば、彼の事を知っているようで、知らない事が多いような、そんな曖昧な距離であると感じた。

 

「もっと、貴方の事が知りたいのだけど……。きっと、貴方は明かしてくれないのよね……」

 

 自身の弱さを許せぬこの男から、どうすれば嘆きを打ち明けてもらえるのか。

 たかだか一年とは言え、同じ学び舎に通い、近しい境遇だから触れ合う機会はたくさんあった。だが、どうすれば彼から気持ちの一部でも聞き出せるのか、全く思い付かない。

 

「どうすれば、もっと貴方を知れるのかしら……」

 

 その問いだけが、真由美の中に渦巻いた。

 答えへ辿り着けない思考に長く時間を費やしていると、眠気が襲ってくる。

 

 そして、十六夜の眠る傍で、真由美も転寝をした。

 

◆◆◆

 

■日

 

「……え?」

 

 真由美はいつの間にかに荒野に立っていた。銃撃音と爆発音が響き、鉄の匂いが香る、その荒野に。

 

 見れば、年端もいかぬ少年少女が小銃を担ぎ、拳銃を手に持つ大人たちに襲いかかっていた。少年少女の服装は破れや汚れの目立つ、サイズも合っていないような迷彩の軍服で、大人たちは軍服に似た服装の者も居るが、どちらかと言えばカジュアルな服装の者が多い。

 その光景は真由美に戦争映画を思い起こさせる。少年兵が反乱軍の掃討に駆り出される、そんな映画を。

 

「戦闘終了、戦闘終了!」

 

 一頻り大人たちが殺されれば、一人の少年が無線機に叫ぶ。一心不乱に戦っていた少年少女は大人しくなり、生存者の確認作業に移った。怪我した子供は無線の少年の前まで運び、息がある大人には丁寧にも脳と心臓に銃弾を見舞う。少年少女らしからぬ、機械的で、無情で、どこか物悲しい動きだった。

 

 そこに子供たちと同じような、しかし綺麗な軍服を纏った男性が現れる。

 

「作戦の進捗は」

 

「は!滞りありません」

 

 男性に無線の少年が敬礼と共に報告した。男性は労いもせず、踵を返す。

 

「失礼。負傷兵はどうしましょう」

 

「いつものようにだ。いちいち指示を仰ぐんじゃない」

 

「申し訳ありません」

 

 男性は立ち止まらずにその場を去った。それを見送ってから無線の少年は、自分の近くに並べられている怪我した少年へと顔を向ける。そして、拳銃を構えた。

 

「や、止めて……。死にたく、ない……」

 

 大人を殺しただろう子供は、殺されたくないと訴える。殺されたくないから少年兵に身をやつし、殺されたくないから必死に戦ってきた。しかし、そのように生きてきた少年兵は、治療が面倒だからという大人たちの都合で殺されようとしている。

 

「生きたいか」

 

「生きた―――」

 

 怪我した少年の最期の祈りは、銃声によってかき消される。

 

「俺もだよ」

 

 無線の少年も殺されたくない。彼も生きたい。だから命令に従って、怪我した少年を処分した。

 

「う、うあああああああああああ!」

 

 処分の対象である少年少女が死期を悟りながら、無線の少年に抗おうと牙を剥く。だが、無線の少年は正確無比に銃弾で射抜き、全て処分する。

 

「俺の身勝手で生かし、俺の身勝手で殺すのは、すまないとは思ってる。だが、俺は生きなきゃいけないんだ。俺は、罪を償わなくちゃいけないんだ」

 

 無線の少年に憂いはあるが、慈悲などない。彼は強い贖罪の意識に駆られていた。だから、彼は罪を償い終えるその日まで、何が何でも生きていくのだ。

 

「これは、何……?」

 

 殺伐とした世界と狂った少年。そんなあまりにも現実離れした光景に、真由美は呆然とするしかなかった。

 実際、現状は現実ではないのだろう。誰も真由美に視線を向ける事はない。真由美は夢なのだろうと推測していた。

 しかし、この夢がただの夢であるとは、真由美は思えなかった。ともすれば、誰かの過去の記憶を見ているような、そんな臨場感がこの夢にはある。

 

「基地に帰投する」

 

 この夢がなんであるか、真由美が答えに至れぬ間も夢は進み続ける。

 無線の少年は生き残った少年少女たちにそう指令を出し、皆が戦場を後にしようと何処かへ歩き出した。その無線の少年が、真由美の目の前を横切る。

 

「……十六夜、くん?」

 

 無線の少年に張り付いているかのような憂い顔。その憂い顔は、第一高入学当初によく見られた十六夜のそれに似ていた。

 輪郭に面影はない。声すらも、変声を挿んでいるにしても、全く違う。だが、その横顔と、そしてあの射撃技術は、不思議なくらい十六夜のモノを想起させた。

 

「貴方は、何者なの……?」

 

 その問いに答えが返ってくる事はない。

 だから、無線の少年へと手を伸ばした。手が届けば、何か分かるような気がした。

 そうして真由美の手が、無線の少年をかすめる。

 

―お…は罪人…。………で無能をさ……た親不孝…の、愚か……………

 

 酷いノイズ混じりの意思が真由美の頭に響き、酷い頭痛を覚えた彼女は意識を手放した。

 

◆◆◆

 

「はっ!」

 

 真由美は十六夜を寝かせたベッドの横で意識を覚醒させる。一瞬大きな声で十六夜を起こさないかと懸念したが、そのベッドは空。真由美がそうする以前に起きたようで、この部屋にはもう居なかった。

 

「私、寝ちゃってた、のよね?」

 

 十六夜の眠りを見守っているうちに転寝してしまい、あまつさえ枕のすぐ近くで突っ伏していたのだ。寝ていた事は確かである。

 

「あれは、夢、だったのよね?」

 

 それでも、あの臨場感のある夢が本当に夢であったのか疑ってしまう。夢の細部を思い出そうとすれば、少年少女が自他の血を辺りに巻き散らす光景が鮮明に思い出せる。

 

 思い出した夢へ今になって血生臭さを覚え、真由美は気持ちが悪くなった。

 気持ちを少しでも晴らそうと、洗面所に向かう。そう、十六夜宅の洗面所に。

 

 2か月に満たないとはいえ、直近の期間を毎日その家で過ごしていたのだ。習慣のようについその洗面所に向かってしまう。

 それだけなら、特に問題はなかっただろう。十六夜も勝手に洗面所を使われた程度で怒るような狭量ではない。

 

 問題とするならば、同棲が終わった事による気の緩み。まだ取り決めは守られているだろうという真由美の思い込みと、もう取り決めは守らなくて良いだろうという十六夜の油断である。

 

「……え?」

 

「ん?……あ」

 

 端的に言えば、洗面所兼脱衣所で、扉を開けてしまった真由美とシャワーから上がったばかりの十六夜が出くわしたのだ。

 せめてもの救いは、十六夜がボクサーブリーフを履き終えていた事か。それ以外は身に着けていないが。

 

「……」

 

「……」

 

 時が止まった、と言うには真由美の視線が十六夜の肢体を嘗め回すように移動していた。

 

 十六夜の体、それは服の上からだと分かりづらいのだが、とかく筋肉が引き締まっている。俗に言う細マッチョだ。運動能力に秀でているのは真由美としても既知なのだから、そういう体つきなのは予想していた。しかし、予想して思い浮かべていた偶像と現実にその目にする現像では差異がある。差異があるならば、精神的衝撃を受けるのは当然だろう。

 

 ただ、弁明をするならば。真由美は別に十六夜の肢体に見惚れていた訳ではない。精神的衝撃を受けた主な原因も、どちらかと言えば彼の体に刻まれた傷跡に由来するモノだ。

 

 十六夜の体には、少なくない傷跡があった。真由美にそれらの傷跡が何による傷跡かは識別できない。だが、比較的丸い傷跡は銃弾による傷跡ではないかと想像できてしまった。丁度、銃弾による傷は夢で見てしまったから。

 その傷跡により、無線の少年と十六夜が強く重なったのだ。

 故に、言葉が出なかった。仔細に十六夜の体を観察してしまった。

 

「あの、真由美さん?」

 

「な、何?」

 

「失礼ながら、部屋から出てドアを閉めてもらいたいのですが。着替え中ですので」

 

「え、あ、え……。……」

 

 十六夜のお願いを聞いた途端、真由美は顔が熱くなる。とりあえず、真由美はまず十六夜のお願いを叶えるため、洗面所を出てから扉を閉めた。

 そうした後、真由美は自身のした事を反芻し、さらに顔の温度を上げる。

 

「本当にごめんなさい!」

 

 温度上昇に耐えきれず放熱するように、真由美はドア越しで十六夜に謝罪を言い放った。

 

 

 

 十六夜が着替え、真由美も顔を洗って。お互い何故か無言でダイニングに腰を落ち着け、何故か俯いていた。

 

「その、すみませんでした。鍵を閉め忘れてしまいまして」

 

「十六夜くんは何も悪くないわ。もうここは私が居候する家ではないのだから、取り決めは無効になるでしょう。私がその事を忘れていたのが悪いのよ。だから、私の方こそ、ごめんなさい」

 

「オーケー。では、こうしましょう。それぞれ埋め合わせをしませんか?」

 

 このままでは謝り合いになるだろうと、十六夜は別案を提示する。

 

「埋め合わせ?」

 

「プレゼントを贈るでも良いですし、ディナーに誘うでも良いと思います。そういう埋め合わせを、それぞれにしましょう」

 

 謝罪を形にする事で、自身の気持ちも晴らそうという提案だった。

 

「そうね、それで良いかもしれない。なら、今度私のお気に入りのレストラン……は十六夜くんだと量が少ないかしら」

 

「いえ、まぁ。美味しければ量が少なくても構いませんよ」

 

 真由美は十六夜の大食いをちょっとばかり揶揄い、十六夜の苦笑に小さく笑う。

 

「じゃあ、近くディナーに誘うわね」

 

「楽しみにしておきます。……さて、俺はどうしましょうね」

 

「私がディナーのお誘いなら、十六夜くんはプレゼントじゃない?」

 

 真由美の悪戯はまだ続き、十六夜は非常に困った顔をした。

 

「……何か、リクエストはないでしょうか」

 

「十六夜くんのセンスで」

 

「……」

 

 十六夜は考える人の像となる。女性へのプレゼントで、プレゼント選びは己のセンスに任されてしまった。これは難題である。

 なんと言っても、十六夜は一生涯女性にプレゼントを贈った事はない。前世で、一度きりも、である。母と姉はカウントしていないが。後、義理チョコのお返しも考慮しないモノとする。

 そんな初の経験が、学校の先輩かつ良い所のお嬢様だ。悩みに悩むしかない。

 

 真由美はその十六夜の様子を見て楽しんでいた。無線の少年兵の夢と、十六夜の傷跡を、できる限り頭の片隅に置くよう努めながら。

 

 余談だが。十六夜に引っ越しの挨拶だけしに行ったにしては、真由美は十六夜宅に長く入り浸った。その入り浸った時間について、真由美は泉美にいらぬ疑いをかけられてしまうのだった。色彩で言えば、ピンク方面で。




夢の中で使われている言語:本来は大亜連で広く使われる言語なのだが、真由美には日本語で聞こえている。その夢を見せている存在が大亜連の言語を日本語翻訳して記憶していたため、記憶の再現であるその夢では日本語で再現されていた。

大亜細亜連合の少年部隊:孤児で構成されていた実に荒唐無稽な部隊。発足はとある辺境の基地に居たとある軍人の思い付きに由来する。もちろん予算なんて下りないので、廃棄予定の備品ばかりを回されていた。ほとんどの者が長く持たないだろうと予想していたその部隊は、とある少年の加入によって変貌する。それからというもの、『沖縄海戦』が勃発するその時まで、この部隊は存続し続けた。しかし、そのとある少年の離脱によって、すぐに瓦解したのであった。

酷いノイズ混じりの意思:本作第十四話参照。

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