護、衞、艦ノ話   作:あゝ無情……

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2話

「つーかあの深海棲艦機はどこから出てきたんだか…」

「俺の対空レーダーにも35km圏内に入るまで気づかなかったし…」

「妖精さんや、何故かわかる? 」

 

しらねは首を捻ると、ちょうど艦橋で水平線を監視していた妖精さんに訪ねてみる。

 

妖精さん:(。-`ω´-)…┓(゚~゚)┏

「『さっぱりわかんね』うーんそうか~」

「そーいやここまで無計画で突っ走ってきたけど、燃料とか弾薬とか確認しなくていいのか? 」

「そうだねぇ…」

 

ふむ…と考え込むしらね。そしてなにか思いついたのか、妖精さん達に指示を出す。

 

「で、どうすんの? 」

「とりあえずもう一機ヘリ飛ばして陸地がないか探す。燃料弾薬の確認はそのあとでいいかな~って」

「なるほど、しらねにしては名案だ」

「おいどういう事だはたかぜぇ? 」

「だってまともな提案したことあるかお前? 」

「うぐっ…」

 

はたかぜからの指摘を受け、ダメージを受けるしらね。

 

「はい論破~ザーコザーコww」

「後で覚えておけよはたかぜぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴバァ…シャッシャッシャッシャッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しらねソナーマン妖精:!!

 

しらねのCICで警戒していた妖精が奇妙な音を拾う。それは水中で空気が抜けるような音と何かをかき混ぜているような音だった。

それを聞いた妖精は砲雷長妖精に急いでそのことを伝え、進路の変更を具申する。

砲雷長妖精は艦橋に「魚雷接近」と送り、対潜水艦戦闘を発令する。

 

「なっ魚雷!?何処から!?」

「つべこべ言ってないで回避だ!」

「あーもうなんでこんな時に!!進路1-3-5ようそろー!」

「進路1-3-5ようそろー」

 

グググッと体制を右に傾け、魚雷を回避する二人。

 

「!!はたかぜ!また来た!進路2-4-0ようそろー!」

「ああもうめんどくせぇな!まだ来るのかよ!!」

 

はたかぜは大声で暴言を吐きながらしらねが言った進路通り魚雷を回避する。なんだかんだで真面目なはたかぜである。

しらねは回避し終わると即座に反撃に移る。

 

「対潜戦闘よーい!左弦三連装魚雷発射管、1番管圧縮空気充填開始!同時に諸元入力開始!」

 

しらねは魚雷の発射源に対し自身の左側を向け、太ももに装備されている68式三連装魚雷発射管を向ける。

それと同じくはたかぜも左側を向け、足首に装備された魚雷発射管を向ける。

 

「しらね!データ送れ!こっちも攻撃する!二段攻撃で確実に沈める!」

「了解だはたかぜ!ほい、データ」

「よし!諸元入力完了!1番管、発射ァ!!」

「同じく1番管発射!!ぶっ飛べ!!」

 

バシュシュッ!!

 

二人から撃ち出されたのは97式対潜魚雷。この魚雷はスクリューではなく、ウォータージェットポンプで進むため、水中速度45キロノット以上という破格の速度を出す。

97式対潜魚雷は自ら探信音を出しながら、敵潜水艦がいるであろう区域に進んでいく。

 

saidout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カ級潜水艦(しらね達を見つけた奴ではない)は艦娘の航空機に見つからないよう潜水しながらアンテナを伸ばし、ヌ級軽空母から2隻の艦娘の情報を得る。

『ソノ2隻ハ我ガ航空隊をヲ壊滅サセ逃走中。オ前ノイル海域ニ逃ゲ込ンダ可能性ガアル。見ツケ次第撃沈セヨ。特徴ハ砲ハ二門ヅツ、ソノ他ハ対空墳進弾ヲ装備シテイル模様。クラスハデストロイヤーダ』

情報を受け取ったカ級潜水艦は返信せず海中へと潜って行く。

ある程度の深度に達すると機関を停止し、静寂航行(スクリューを使わず、海流に身をまかせて進む方法)で目標の艦娘たちが通るであろう海域へと進んでいく。

 

しばらく航行していると、パッシブソナーに反応が出る。スクリュー音は2隻、そのことを確認したカ級潜水艦は潜望鏡深度まで浮上し、潜望鏡で目標を確認する。2隻の艦娘が航行しているのを確認すると、自身の魚雷発射管全部に魚雷を装填、目標の未来位置をはじき出し艦首を向ける。距離3500、慎重に狙えば当たる距離である。

まず初めに1~2番管に注水、発射口を開き発射する。発射された魚雷は白い航跡を残しながら目標である艦娘に向かって行く。その後、回避するであろう方向に艦首を向け直し、3~4番管を発射する。その間に1番と2番管に再装填を行う。

 

そろそろ命中しても良い時間なのだが破壊音が聞こえないので、再度潜望鏡深度まで浮上し確認する。

発射した4本の魚雷は避けられ、こちらに対し指を指す艦娘を確認したカ級潜水艦は緊急潜水を開始する。

カ級潜水艦にとっては高速で潜っているつもりだが、現代艦であるしらねやはたかぜにとってはただ潜水しているだけに過ぎない。着実に迫っていた2本の97式対潜魚雷はカ級潜水艦の艤装に着弾、貫通しその成形炸薬弾頭を起爆させた。

 

saidout

 

 

 

 

 

 

 

しらね&はたかぜsaid

 

ドドーンと白い水柱が立ったあと、黒い重油らしき物や艤装の破片が浮いてくる。撃破確実である。

 

「1番機、爆発地点を調査しろ」

 

1番機:(*・∀・)ゞ

 

しらねの指示に従い、SH60Jが爆発地点でディッピングソナーを下ろし、海中を探る。

 

1番機:(∩´・ω・)…Σd=(・ω-`o)

 

「『撃沈確実』だってさ」

「よく分かるなしらね……」

「え、よゆーで分かるでしょ?」

「えっ」

「えっ」

 

固まる二人。どうやらはたかぜにはよく分からないらしい。

航空機を扱わない&扱えない艦娘によくあることである。(ただし、無線を介してなら分かる)航空機を扱える艦娘でも、最初の頃は妖精さんとのコミュニケーションが分からないため、命中精度が下がったり索敵が曖昧になったりするのだ。そのため、練度を上げる必要性があるのだが、しらねは護衛艦時代の経験もあるので妖精さん達が何を言ってるのか分かるのだ。

 

「……と、とりあえず進路を戻して2番機からの報告を待とう」

「了解した……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

「…」

 

無言のまま海を進む。聞こえるのは二人の機関の音とかき分ける水の音だけである。

 

「おいしらね」

「何かなはたかぜ? 」

 

沈黙に耐えれなくなったはたかぜがしらねに質問する。

 

「まだ連絡ないのか?」

「無い」

「暇だ」

「仕方ない」

 

もはや喋るのも億劫なのか、単語で会話する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!2番機より報告!!『レーダー感あり!方位2‐7‐3、距離50000!』」

「よっしゃぁ!!これでやっと休めるぅ!」

「だからといって速度を上げるなはたかぜ」

「チッバレたか」

 

蒸気機関とは違なったタービン音が高まる。

はたかぜが搭載しているのはガスタービンエンジン。ジェット機と同じエンジンのため、蒸気タービンより立ち上がりが早く、現代の護衛艦艇のほぼ全てがこの機関を搭載している。

 

「ただでさえ補給ができるかどうかわからないのになんでエンジンの出力を上げるんだ…大食らいめ」

「いやお前も言えねぇだろ」

「……」

 

しらねの機関も、戦時中よりか性能が良くなっているが、それでも燃料はよく喰う。

はたかぜの指摘に黙り込むしらね。ドンマイ。

 

「……そろそろ島影がレーダーに映るころだから周囲警戒を怠るなよ」

「ホイホイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海岸線に以上はなし…上陸隊発艦はじめ」

 

艦橋からの報告を受け、立ち入り検査隊を載せたSH60Jがゆっくりと飛行甲板を離れていく。

立ち入り検査隊とは護衛艦に乗船している砲術科等の隊員たちで編成された部隊で、護衛艦1隻に1個部隊ずつある。

 

「はたかぜ、対水上・空レーダーに反応は? 」

「今のところない。2番機も対空哨戒に出ているが、何も連絡は来ていない」

「了解。引き続き監視頼むわ」

 

1番機:(」・ω・)」

 

1番機から到着の報告を受ける。

 

「了解。立ち入り検査隊下ろしたら上空から援護せよ」

 

1番機:( ̄^ ̄ゞ

 

機内から74式7.62mm機関銃をせり出し、ロックを外し安全装置を解除。薬室に初弾を送り込む。

地上でも立ち検隊のメンバーが89式小銃に初弾を送り込み、分隊ごとに別れ散らばっていく。

しらねも主砲に徹甲弾を詰めて、いつでも援護射撃できる体制をとる。

 

1番機:φ( •ω•́ )...(*´・∀・)/

 

「『上陸地点および周囲に異常はなし』了解。1番機は警戒要員2名以外の地上部隊を収容し、帰投せよ」

 

1番機:( *´ω`)ゞ

 

「はたかぜ、念願の地上だ。周囲警戒を怠るなよ? 」

「分かってる。せっかくの休憩時間を台無しにしたくないからな」

 

2人はたった数時間しか陸から離れていただけにもかかわらず、2度の深海棲艦による攻撃を受け、心身ともに疲れていた。

 

「念願の陸…と言ってもまだ1日たってないんだよな〜」

「初っ端から飛ばしすぎだろーよこの世界…あー腰いてー」

「それな〜」ジャバシャバ

 

愚痴をたれながら上陸を果たす二人。ある程度波打ち際から離れ、艤装をはずす。

地べたに置かれたしらねの艤装にSH60Jが着艦していく。着艦を果たしたSH60Jには妖精さんたちが群がり水をかけて塩分を落としていく。妖精さんたちはそれが終わると、砲身や甲板、ミサイルの再装填等を行う。はたかぜの妖精たちも同じように整備していく。

そんな横でごろごろする二人の艦息。うん、なんて対照的・・・

 

「あーどっか燃料とか弾薬とか落ちてねーかなー」

「いや、おちてねーだろ。な、妖精さんよ?」

 

妖精さん:(。-`ω´-)・`ω・´)……d('∀'*)

 

「はっ? 」

「ん? 」

 

しらねが妖精から何かを聞き、固まる。そして妖精さんたちに何か指示を出してゆく。どうやら、上空から何かを見つけていたらしい。

 

「ど、どうしたんだしらね? 」

「いやそれがさ、どうやら少し先に建物があるらしーんだわ」

「((((;゜Д゜)))な…んだと…」

「もう先発隊を向かわせてるから、そろそろ報告がくるかな? 」

 

妖精さん:(*`・ω・)ゞ\( 'ω')/d('∀'*)

 

どうやら、艦息が休憩できるような広さがあるらしい。

 

「よし、はたかぜ艤装背負え。移動するぞ」

「(; ・`д・´)ナン…ダト!? 」

「はよせい」

「へいへい…あーもーめんどいわー」

 

しぶしぶ艤装を自分に取りてけていくはたかぜ。ちなみしらねは妖精さんが先発隊を独自先行させていたことに気づいてから背負っている。まぁ、当の本人もだるそうな顔をしているが。

 

「準備出来だぞしらね」

「了解。妖精さん、道案内頼んだ」

 

妖精さん:(*`・ω・´*)ゝ

 

武装した妖精さんの後ろをついていくふたり。どうやら海岸線近くにあるらしく、砂浜を足の艤装で抉りながら歩いていく。

しばらく歩いて行くと埠頭らしきコンクリートの塊が現れた。

 

「おいおい…砲撃されてんじゃんココ」

「確かに…やけに森が薄いと思ったら」

 

埠頭の近くにある木々は砲撃のせいか、なぎ倒されたり吹き飛ばされていた。埠頭も砲撃を受けたらしく、半分は使えない状態だった。

 

妖精さん:ヾ(*´∀`*)ノ

 

「うん?おぉ……」

「まぁ〜使えんこともないか…」

 

妖精さんが案内してくれた所は、深海棲艦から攻撃を受け、放棄された鎮守府だった。

ちなみに、半壊である。

 

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