モウナニイッテルカワカンネ(゜⊿゜)
〜執務室〜
コンコンコン
「どうぞ〜」
「入ります! 」
「入ります! 」
高雄達と別れたしらねとはたかぜは、はたかぜの案内の元、この鎮守府の総司令官、『提督』の元へと向かう。
すぐに到着し、ノックをして中に入る。
「よく眠れたかなしらね?はたかぜはさっきぶりだね。私は『提督』。名前はまぁ、気にしないでくれ。こちらは秘書艦の『大淀』」
「よろしくお願いします」ペコリ
「りょ、了解です。申し遅れました、しらね型護衛艦1番艦『しらね』です。よろしくお願いします」
「うん。よろしく!まま、座って座って」
「失礼します」
「失礼しま〜す」
「大淀、お茶4つお願い」
「分かりました」
入った瞬間に挨拶をされ、戸惑ったしらねだが、気を取り直して10度の敬礼をしつつ自己紹介を行う。提督に大淀と呼ばれた艦娘は給湯室と書かれた所に引っ込んでいった。
「しらね、身体の方は大丈夫かい? 」
「あーっと、左腕以外は大丈夫です」
「そうか、なら良かった」
「あの時のしらね、死にかけだったもんね〜」
「心配かけたな、はたかぜ」
「…ま、生きてるから良いよ」
ちょっと照れた様子で言葉を返すはたかぜ。そんな2人をニコニコしながら提督が眺める。
「そうそう、はたかぜの言う通り、帰ってこれればまた行けるからね」
「しらね、はたかぜ。君たち2人はこの鎮守府、『トラック泊地』の仮所属・保護扱いになっているんだけど、このまま正式に所属にしても大丈夫かな?希望の鎮守府があればそっちに連絡して行けるけど? 」
提督からの提案にどうしようかと迷う2人。ドロップ艦は大体の場合は、見つけた艦娘・鎮守府の所属になるのだが、稀に他の鎮守府を希望する艦娘がおり、こういった感じで聞くように、提督に従事しているものには教育がなされる。
ちなみに、他の鎮守府を希望する艦娘は、『前の記憶』があるという。都市伝説みたいなものだが。
「どうするはたかぜ」
「リターンでしらねが決めてくれ」
「お前な…」
はぁ、とため息をつくしらね。いつもの光景である。
「じゃ、決めるぞ? 」
「おう。やっちゃえ」
吸うっと息を吸い、
「提督、護衛艦しらね、はたかぜは本日付けを持って、『トラック泊地』に着任することを希望します」
「こちらもそう望んでいたよ。これから宜しく、しらね、はたかぜ」
「「はっ!! 」」
書類にサインをして、2人は日本国海軍トラック泊地司令部所属となった。
「さて、はたかぜから色々聞いたけど、もう一度本人から聞きたいから質問をしてもいいかな? 」
「大丈夫です」
「ありがとう。まず、しらねは『対潜水艦特化型』なのかな? 」
「そうですね…確かに対潜能力ははたかぜよりか高いですが、『特化型』という訳ではありません。ただ得意なだけです」
「なるほど…」
談話用のテーブルに置いてあったノートに何かを書き込む提督。
「対艦戦闘は?どうなの? 」
「対艦戦闘については主に5インチ砲による射撃ですが、やろうと思えばアスロック・ランチャーにはたかぜのハープーン対艦ミサイルを積むことが出来ます」
「君も撃てるのかい…」
苦笑いしながらノートを書く。若干やつれてるのは気のせいだろう。
「提督、お茶です」
「あぁ、ありがとう大淀」
「お二人もどうぞ」
「「ありがとうございます」」
大淀から渡された緑茶で口を湿らせつつ、話を続ける。
「フゥ、じゃあ続けるね。しらね、対空戦闘は? 」
「対空戦闘は、ヘリ格納庫の上についているRIM-7シースパローミサイル、5インチ砲、CIWSで行います。はたかぜのように艦隊防空は出来ませんが、各個艦防空戦闘なら可能です」
「はたかぜのSM-1にも驚かされたけど、まさかしらねにもそんなものが付いていたなんて…」
現在、しらねの艤装は大破・修復不可能状態のため、本人からどんな装備なのか聞かなければ分からなかったのだ。
「…了解。はたかぜもいるし、これは伝えておこう」
「なんですか?伝えておくことって? 」
それまで黙っていたはたかぜが口を開く。どうやら提督はしらねが起きるまでこのことについては黙っていたようだ。
「それがね…しらねの艤装もそうなんだけど、はたかぜの艤装も修復、補給が不可能なんだよ」
「「え? 」」
「お二人の艤装は、あまりにもオーバーテクノロジーで、補給が出来なかったんです」
「「えぇぇぇえぇぇえ!!??」」
大淀からの『補給が不可能』という事実を伝えられる。それは2人にとっては、戦闘はムリ、輸送任務をしようにも搭載スペースが無い、あっこれいらん子や、どないしよ?どうにもこうにも解体しかないやろ。あっ詰んだ。
ズゥゥゥゥゥン…
「「…………」」(´TωT`)
「いやいやまだ希望はある!二人とも!開発をしてみないか!? 」
「「開発ぅ???」」
「とりあえず、『工廠』に移動しようか」
「ここが、『工廠』。艦娘の艤装や弾薬、燃料等を補給、修理するところだ」
「「おおぉ…」」
提督と大淀に連れられて来たところは、昔ながらの造船所みたいな所だった。
工廠内には妖精さんたちが走り回り、溶接したり、艤装にパイプを繋げて何かを補給していたり、聞きたくない何かを解体するような音が鳴り響く。
ナッカチャンダヨー
アッチョットマッテッテアッー!!!
カーンカーンカーン
「「「私は何も聞いていない」」」
「あはははは…」
しらね、はたかぜに加えて大淀までもがハモって同じ台詞を吐いたことに、提督も苦笑いというか顔がひきつっていた。
「ゴホン、気を取り直してと。こっちだ二人とも」
提督に連れられて歩くと、何やら機械が見えてくる。
「これが、『開発装置』。艦娘の艤装を作る装置だ」
「これが…開発装置? 」
「ただの箱にレバーとパイプが付いただけみたいな感じですけど」
『開発装置』名の通り『艦娘の艤装又は航空機等の消耗品を作り出す機械』だ。これによって作り出された兵装は、艤装にある『スロット』に入れることにより使用が可能になる。
「これを使って、君たち2人には開発をしてもらう」
「ん?何故開発をするんです?僕達は補給できないんですよね? 」
「そうだね、
「「?? 」」
「艦娘の補給はその装備に合わせて補給されるんです」
「……あっもしかして? 」
大淀からのヒントに何かに気がついたしらね。それに満足そうに頷く提督。はたかぜは全く理解していないようだ。
「そう、しらねが考えている通り、『装備に合わせて補給されるならその装備を作ってしまえばいい』ってこと」
「「なるほど…」」
「まずは、オール50で開発してみよう。妖精さん、頼んだ! 」
妖精さん:(●ゝω・)ゞ⌒☆
ドドドドドドドド……
燃料、弾薬、鉄鋼、ボーキサイトのメーターが全て50を指す。
「それじゃ、しらね、やってみよう!! 」
「えっと、このレバーを降ろせばいいんですか? 」
「そうそう! 」
「了解です!おりゃ!! 」
ガッコンッ!!!
右腕でめいいっぱい下にレバーを下げると、重低音が工廠に鳴り響く。
ヴィィィィィィィ……チーン!!
プシュ〜
「さぁ、何が出来た…? 」
開発装置のドアが勝手に開き、中から虹色の光が漏れる。
「提督、どうやら『レア』のようです」
「そうだな。ちょっと楽しみだ」
やがて光がなくなり、中から兵装が出てくる。
「「なんでこんな物が……」」
「これは一体…?」
「しらね、はたかぜ。これは何だ?このハッチは? 」
テッテテー『Mk.41 mod18 VLS ★★★★★★』
規則的に並んだハッチ。中にはESSMやSUMがのぞく。
出来たのは『Mk.41 mod.18 VLS』。西側のイージス艦や駆逐艦、巡洋艦に積まれる垂直発射基だ。
「VLS、"Vertical Launching System"垂直発射装置と呼ばれる発射装置です」
「僕達が所属していた海上自衛隊の護衛艦艇のほとんどが搭載しています」
「全艦がか? 」
「いえ、戦闘艦のみです」
「それでも凄まじいと思うが…」
呆気に取られる提督。"艦息"というイレギュラーに加えて"VLS"という謎兵器が出てきたことにより、胃の耐久値がマッハで無くなる。
「これは君たちにしか使えないってことか? 」
「そうですね…しかし、今の僕達の装備では搭載不可能です」
「そうか…」
考え込む提督。本当に考えているのかどうかはわからないが。若干左手の位置が胃の部分を抑えてるとかは気にしない。
「おいどうしたしらね、腹でも痛いのか? 」
「……」
しらねも同じように下に俯き何やら考えている様子。こちらは腕を組んでいる為、胃が痛い訳では無いようだ。
少しすると、何かを決意したような顔で提督を見る。
「すみません、提督」
「どうしたしらね? 」
「僕を改修させてはくれませんか? 」
「何? 」
まさかの改修の提案に戸惑う提督。確かに、しらねの艤装は大破しており、使い物にならない。いっその事、修復するよりかこのまま開発をして、使えるものに積み替えよう、ということである。
「確かに、最初の開発で『VLS』が出ているところを見ると改修出来なくもないが、ただ」
「ただ? 」
「しらね、君の練度かどれくらいなのかによる」
改修、通常『改・改2』は艦娘の練度によって可能かどうか判断される。練度が低い状態で改になると、艦娘の体もそうだが、艤装もそれに耐えうる能力がない為、最悪の場合、解体になることがある。
提督はそれを危惧しているのだ。
「…練度、ですか」
シラネ妖精:(*ˊᗜˋ*)/(* • ω • )b((* •̀ㅂ•́)و✧
「あれ?お前らいつの間に!? 」
シラネ妖精:( ̄∞ ̄)(σ≧▽≦)σ
「『VLSの匂いに釣られてやってきた』?お前ら変態かよ…」
シラネ妖精:(*´▽`*)
いつの間にか居たしらねの妖精さん達。どうやらVLSの匂いに釣られてやってきたらしいのだが、どんな嗅覚をしているのかは不明だ。
SH妖精:I˙꒳˙)ノ
「おおーあの撃墜されたSH60Jの子達もいるじゃん」
SH妖精:(。・ω・)(ノ`・∀・)ノ
「おまっ!?生きてたのなら報告しろよォ…」ハァァァァ
撃墜されたSH60Jの搭乗妖精さんたちも、付近の海域を漂っているところを発見、保護されていたのだった。
しらねと妖精さんが和気あいあいとしているところを見つつ、手元の報告資料をみて、頷く大淀。
「どうやら大丈夫なようですよ、提督」
「なんでだ大淀? 」
「彼等は白露達が救援に来るまでの間、2人であの大艦隊の相手をし、壊滅状態まで追い込んでいます。唯のドロップ艦がそこまで戦えるとは思いません」
「また、あそこまで妖精さんと意思疎通が取れ、信頼関係がしっかりと確立しています。これならば『改』になっても大丈夫だと私は思いますが?」
「……」
また同じように黙り込む提督。だが今度は早い段階で復帰する。
「よし、決めた」
「しらね。君の改修を許可しよう」
「っ!本当ですか! 」
「ただし、条件がある」
「…なんでしょう」
「はたかぜ、君も改修すること。これが条件だ」
「俺もですか? 」
「そうだ。しらねには対潜水艦特化型、はたかぜには対空戦闘特化型に改修してもらう。そのための資材は用意する」
「ありがとうございます!! 」
「了解です!では早速!! 」
「ああっと待て待て、もう少し開発してから行ってくれ」
「「何故です? 」」
「戦力の増加、というものもあるが、私自身、君たちが作る兵装に興味がある。大淀、この2人に各資材700、与えてくれ」
「分かりました」
「では、頼んだよ。私は執務室に戻るよ」
「楽しみしといてください。提督」
しらねの言葉を背を向けながらも手で答える提督。秘書艦である大淀もそれについて行った。
それを見届けると、早速開発に取り掛かる。
〜はたかぜ〜
「おりゃ!! 」
資材:鉄鋼250・弾薬:250・その他100
妖精さん:\(≧∀≦)/
『オート・メラーラ54口径127mm速射砲★★★★★★』
「「ブフォwww」」
2回目
「どっせーい!! 」
資材:鉄鋼150・弾薬250・その他100
妖精さん:٩(〃'╰╯'〃)ว
『ESSM(発展型シースパロー)★★★★★★★★』
「「なんでこんなもんが出るんだよ!!?? 」」
3回目
「ラストォ!!! 」
資材:残り全部
妖精さん:(^q^三^p^)٩*(゚∀。)و!!!!!!!
『ハープーン対艦ミサイル★★★★★★』
「もう何も言うまい……」
「後でてきそうなやつが予測できるぜ…」
〜しらね〜
「よいしょっとぉ!! 」
資材:各250
妖精:(σ・∀・)σ
『SH60K★★★★★★★』
「誰だっ!!僕に潜水艦を殺しにかかってるって言った奴!! 」
「誰だろうねー(棒) 」
2回目
「セイッ☆ 」
資材:残り全部
妖精さん:∑d(゚∀゚d)
『SH60K★★★★★★★』
「 「まさかの二機目!!?? 」」
開発の結果、Mk.41 mod.18 VLS、オート・メラーラ54口径127mm速射砲、ESSM(発展型シースパローミサイル)、ハープーン対艦ミサイル、SH60Kを開発。そのうち、Mk.41とSH60KとESSMをしらねに、オート・メラーラ54口径127mm速射砲をはたかぜに搭載し、余った73式54口径5インチ速射砲をしらねの破壊された5インチ砲と交換する。余ったハープーン対艦ミサイルははたかぜのアスロックランチャーに搭載することになった。
早速工廠妖精さん達がトラック(妖精サイズ)に乗せて、どこかへと運んでいく。
開発資材もなくなったため、どうしようか悩んでいると、ここの工廠に住み着いている妖精さんから肩を叩かれる。
工廠妖精:σ(・д・*)\( ˙꒳˙ \三/ ˙꒳˙)/
「そっちに行けばいいのか? 」
「みたいだな。行くぞしらね」
「ホイホイ」
工廠妖精に連れられてやってきたのは、酸素カプセルみたいな装置が置かれた一角。その装置の隣にはまだボロボロな状態のしらねの艤装が置かれている。
工廠妖精:\_(・ω・`)\\\ ٩( 'ω' )و ////
「『これが改装装置。中に入るとかくかくしかじかでパワーアップ!! 』らしいよ、しらね」
「まるまるさんかくなるほどわからん」
「まぁとりあえず入れってさ」
「へいへーい」
プシュー…ガコン
ウィィィィィイ……ゴン バタン
改修装置が開き、工廠妖精さんの誘導に従ってカプセル内に入る。と、同時に横に置いてあったしらねの艤装がアームで釣り上げられ、カプセルの上部にある電子レンジみたいな装置に入れられる。
工廠妖精:∑d(゚∀゚d)Σd(^ω^d)Σd(°∀。d)
「おい待て最後のやtっアッー! 」
ゴォォォォオドンドンドンギリギリセーフ!!!!ガガガガガあばばばばばばば!!!!ギャリギャリギャリギャリィィィイ!!!!!?????
チーン
「殺す気かぁ!!!! 」
ドカーン!!!……ガコォン!!ガンッ!!ガランガラン……
工廠妖精:((( …:(´;Д;`):・゚・(。>д<(ω・´ )
「うわぁ!?何事!!?? 」
シュワちゃんもびっくりな登場の仕方をしたしらね。蹴り飛ばされたハッチは10mほど宙を舞い、大きな音を立てて落下した。
「なんだあれ!?マジで息出来ないしめちゃくちゃ痛かったんだけど!? 」
工廠妖精:(´−`) ʅ(๑ ᷄ω ᷅ )ʃ
「『イレギュラーだから仕方ない』だってさ」
「いやいやそれでも程かあるでしょ…」
しらねが文句を言っている間に、装置から艤装が取り出され、元の位置に置かれる。
艤装の形は、丸みを帯びていた艦橋、煙突がステレスを意識した形に変わっており、2本ある煙突が束ねられ、ガスタービンエンジンにすぐ変更できるように工夫されている。元々アスロック・ランチャーがあった場所にはたかなみ型のように盛り上がったMk.41 VLSが設置され、セル内にはESSMとSUMが装填されている。
マストはむらさめ型護衛艦のマストに酷似した物となり、電子機器類が以前よりも強力になっていることが分かる。
ちなみに、若干だが服装も変わっている。微々たるものでしかないので、割愛する。
「「おおぉ…」」
新しく生まれ変わった艤装に、思わず感嘆の声が零れる。工廠妖精さん達も「やってやったぜ」とドヤ顔である。
工廠妖精:\( ˙▿˙ )/(「・ω・)「\\(۶•̀ᴗ•́)۶////
「おう!よろしく頼むよ!! 」
しらねの生まれ変わった姿に感化されたはたかぜも、カプセルの中に入る。すぐさま艤装が装置に入れられ、ハッチが閉まる。
ウィィィィィイ……チーン
「おい待てなんで普通なんだよてゆーかいつの間にハッチ直ってんだよ早すぎるだろ」
工廠妖精:( ¯∀¯ )/
シラネ妖精:(´ー`)シラネ
同じように装置から取り出された艤装はもうほぼあきづき型護衛艦だった。艦橋はもちろん、煙突、マストもステレスを意識した形に変更されていた。
元々手持ちだった主砲が一門は手持ちのまんま、もう一門はCIWSと同じようにアームの先に取り付けられ、回転式だった3次元レーダが固定式のFCSー3に変更、同時対処可能数が2〜3個から5〜6個まで対処可能となった。
「なんか、もっとDDGぽくなったな」
「最初からDDGだ馬鹿野郎」
護衛艦しらね・はたかぜ、改修完了。