駄文になりますがどうぞ、お読み下さい。
20XX年、侵略者は海から突然やってきた……。
侵略者は近くの島々を襲い始め、多くの人命を奪っていった。当然世界の国々も反撃をしたが、現代兵器のどんな攻撃も通用せず、各軍の被害が増えていくばかりだった。
その侵略者を[深海棲艦]と名付けたのは良いが中々コレといった策が出ず、そのせいで世界中の海域がほぼ占領され、航路が、空路が寸断され貧困が起きる国が続出していた。
世界中の人々が諦めかけた時、希望が産まれた……その希望の名は、[艦娘]……こう呼称された彼女等のおかげでなんとか一部の航路と空路を取り戻すことが出来た。だが、明らかに艦娘の数とソレを指示する提督(司令官)の数が少なく、未だ海の八割以上が深海棲艦に占拠されている。
その為海軍上層部は艦娘と提督の候補生を養育するための学校を作った。そもそも艦娘は元はただの人間で「気が付いたら艦娘になっていた」「戦い方も何故か分かる」と本人に聞いても曖昧になってしまっている。
しかし、そこは日本の技術を使い全国の学生の中から、一定の霊力(霊感とかそんな感じ)を持つ人を艦娘や提督に振り分けている。
因みに一般人の霊力が50だとしたら、提督(男)の基準が80~125、艦娘(女)は130~180以上の霊力を持つ少女や女性(提督の場合は青年)を養成校に入学して貰い、検査や育成を行っている。
~海軍上層育成兵学校資料より抜粋~
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俺は橘春夜、しがない一般人だった男だ。
だった……というのは高校1年で行われる霊力を調べる為の検査で基準を大きく上回る霊力量が確認され、同じく霊力量が基準を満たしていた二人の女子と海軍上層育成兵学校の校門前に立っていた。
「春夜も大変だね~?男なのに艦娘側の方に行くなんて」
俺の肩に手を掛けて話し掛けて来たのは、北河優希(きたがわゆうき)という仲の良い……腐れ縁のある女子だ。
「うるせーよ、別に途中からでも提督の方に行けるんだ、気にしてねーよ」
「まぁねぇ~まぁ、沙耶香も一緒だし、ボッチにならなくてよかったね?」
「そうですか?春夜さんなら私達が居なくても大丈夫だと思いますけど」
優希に話しを振られて答えたのは、瑞原沙耶香(みずはらさやか)という大人しい女の子だ。
「ま、知り合いが二人がいるから気が楽で良いさ」
他愛ない話をしていると、学校の方から薄黒のスーツを身に付けた女性……恐らく艦娘がやって来た。
「私は重巡洋艦の那智という、北河優希、瑞原沙耶香、橘春夜で間違い無いか?」
「「「はい!」」」
「うむ、良い返事だ。君達にはコレからここで寝起きして優秀な艦娘になれる用に努力してもらう」
「「「はい!」」」
「では先に寮に案内する。着いてこい」
背を向けて歩き出した那智さんを見て、俺が覚悟を決めて校内に入ると、優希と沙耶香も一歩遅れながらも校内に入った。
「……後に戻れなくなったね~?」
「はい……ですが、後悔してません」
「やるからにはしっかりやらねぇとな」
那智さんの後を追いながら、小声で言い合い、その後は黙って着いていった。
赤煉瓦造りの寮はかなり大きく四階建てで中も綺麗にしてあった。
寮内で俺は優希達と別れ那智さんに連れられ四階の端の部屋に案内された。
「ここが貴様の部屋だ。生憎相部屋では無いが、我慢してくれ」
「いえ、大丈夫です。逆に相部屋だったら気が緩まる時が無くしんどそうですから」
からかいの笑みを浮かべる那智さんに苦笑いを返し、部屋に入った。
「荷物がやけに少なかったが、良いのか?」
「ええ、コレがあれば、後は充電器と着替えだけで十分です」
「なるほどな……刀剣に詳しくは無いが、立派な代物だな」
「ありがとうございます。」
部屋に飾られている十文字槍と刀を見ながら荷物を片付けた。
「さて、そろそろ行くぞ。貴様を担当する教官を紹介する」
「那智教官では無いのですか?」
てっきり那智さんが教官をしてくれると思っていたので、思わず聞き返していた。
「私の担当は重巡以下の候補生だからな、貴様の担当では無いんだ。」
「そうですか、分かりました」
那智さんの答えに多少の疑問を感じながら部屋を出て、そのまま校舎まで向かった。
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「ここで少し待っていてくれ」
「分かりました」
一つの部屋の前で那智さんに言われたので待っていると、行き交う他の候補生であろう女子からちらちらと見られ、何やら内緒話のように小声で話しながら通っていった。
「…………居心地悪ぃなぁ」
ポツリと愚痴をこぼしたら部屋が開き那智さんに呼ばれたので、部屋に入った。
「貴方が橘春夜君ね?」
部屋の中には来客用であろうソファとテーブル、そしてその奥に執務用の机と椅子がありその椅子に恐らく知らない人は居ない程有名な艦娘……戦艦三笠が座していた。
戦艦三笠……深海棲艦が現れてから一番最初に出て来た艦娘で数多の人を護り、数え切れない程の深海棲艦を屠ってきた艦娘である。
「はい、橘春夜です」
「それでは、三笠げn……教官私はコレで失礼します。」
「ええ、ご苦労様でした」
那智さんは俺の肩に手をポンと置いて「頑張れよ」と囁いて部屋から出て行った。
「中学から高校1年の途中までの成績は優秀、剣術や槍術をしていて運動神経も良く人柄も良好。そしてつい最近行われた適性検査で霊力量が400を超えていた為艦娘の候補生に志願……貴方の能力なら提督でも行けたんじゃ無いかしら?」
「……書類仕事と人に指示を出すのが苦手ですので、それに深海棲艦と戦えるならその力が欲しかったので」
誰にもまだ言ってない偽りのない本音を伝えると三笠さんは嬉しそうに微笑んでいた。
「そう、貴方のその霊力量なら戦艦クラス……そしてその戦艦の中で最強級の大和型は確実だと思うわ」
「大和型戦艦……」
「ええ、一番艦の大和から始まり武蔵、信濃、紀伊、そして甲斐このうちのどれかだと思うわ」
「…………」
大和型戦艦……世界最大の四十六センチ三連装砲を三基積み大艦巨砲主義だった日本を象徴するような戦艦である。
「さて、改めて自己紹介するわね。もう知っているかも知れないけど、敷島型戦艦四番艦の三笠よ。貴方が入るクラスの教官をします。よろしくね」
「海軍上層育成兵学校に転入しました、橘春夜です。此方こそよろしくお願いします」
お読み下さりありがとうございます