幻の戦艦~大和型戦艦五番艦[甲斐]推参!~   作:疾風改

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約二年ぶりの投稿です。期待しないでください


第十七話 何事もハプニングは男が悪い

 チュン……チュンチュン……

 

 「んぁ?……朝、か……」

 

 窓の外から聞こえる小鳥の声で目を覚まして身体を起こすと、何故か部屋にラバウルの皆とショートランドの瑞鳳、翔鶴さん、瑞鶴、龍譲が寝ていた。

 

 「……え?…………何だ?この状況」

 

 狭い部屋に皆重なるように寝ていて何人かは服が乱れて色々危ない感じになっていた。

 

 「マジで昨日何が起きたんだ…?」

 

 思い出してみても、俺は二時間ほどで部屋に戻りそのまま寝ただけで、こんな状況を引き起こす事はしていない……ハズだ。

 

 「…………よし、見なかった事にするか」

 

 静かに部屋を抜け出し昨日の中庭に向かった。

 

 

 

 

 

 

 「早いからか此処は静かだねぇ」

 

 中庭は小鳥の鳴き声が響いているだけで他には何も音が聞こえず、偶に遠くから波の音が聞こえるくらいだった。

 

 大破してしまった自分の身体の具合を確かめるようにゆっくりと身体を動かして違和感が無いか確認していると外に続く方から速吸が走ってきた。

 

 「あ!甲斐さんおはよう御座います!身体はもう大丈夫ですか?」

 

 「おはよう、速吸。ああ、身体はなんともないよ」

 

 速吸は「それはよかったです」と微笑み、首に掛けていたタオルで汗を拭いていた。

 

 「そうだ速吸、昨日の宴会なんだが乾杯した所までしか覚えて無いんだが、何が起きたんだ?」

 

 「何も起きませんでしたよ。甲斐さんお酒を一口飲んだらうとうとしていて二時間位かなぁ?そのあと磯風さんに連れられて部屋で寝てしまいましたから」

 

 「そうなのか?」

 

 「はい、甲斐さんが戦闘の疲れで眠ってしまったのでは?って戦闘に参加した皆さんが言ってましたよ」

 

 「そうか、何か申し訳ないな」

 

 なんとなくむず痒くなってしまい頬を掻いたら速吸は何故か微笑んでいた。

 

 「…?なんだよ?」

 

 「いえ、何か可愛いなぁって……あ!な、何でもありません!!えっと…失礼します!!」

 

 「え?あ……速いな…」

 

 凄まじい勢いで中庭から走り去っていった速吸に声を掛ける暇も無く見送るしか無かった。

 

 「……帰るか」

 

 話し相手もいなくなり軽く身体も動かせて満足したため汗を拭きながら部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 「………」

 

 「「「「「「「「………………」」」」」」」」

 

 「……??」

 

 皆がいることを忘れていて何気なく扉を開くと、中には着替え(いつの間に持ってきたのか)途中だったのか、下着姿の部屋で寝ていた9人が居た。

 磯風だけは固まっている俺と8人を見比べて首を傾げていた

 

 「甲斐さん、着替え中だから部屋を出て居てくれないか?」

 

 「……あ…ああ……すまなかった」

 

 『『『『『『『『くぁwせdrftgyふじこ!?!?!?!?!』』』』』』』』

 

 『ぬおぉ!?』

 

 唯一平気そうだった磯風の言葉道理に部屋を出て扉を閉めると、一拍置いて鎮守府中に声にならないような悲鳴が響き渡った。

 

 

 俺が部屋に背中を向けて正座をして五分ぐらい立つと扉が開く音が聞こえ正座のまま振り返ると、顔を真っ赤にした八人と平然としている磯風が居た。

 

 「さて、甲斐さん?何か言い訳があれば聞きますよ?」

 

 天城さんからの言葉に理不尽さを感じたが、ここでソレを言えば更に面倒な事になると思い言葉を飲み込み正直に言った。

 

 「皆が居るのを忘れていました」

 

 「………はぁ、私たちが甲斐さんの部屋で寝ていた所為もありますから強くは言えませんが、気を付けてくださいね?」

 

 「分かった。次がないように気を付ける」

 

 素直に謝ったからか、直ぐに正座を崩すのを許されて、部屋に入れてもらった。

 

 「私達は先に食堂に行くから、甲斐さんも着替えて早く来るんだぞ」

 

 「わかった」

 

 皆が出て行ったのを確認してから汗で湿った肌着を変えて部屋を出た。

 

 「あ、甲斐さん」

 

 部屋を出ると、反対側にある窓の所に瑞鳳がいて、外を見ていたのかこっちに顔だけを向けてきた。

 

 「どうした?皆と行ったんじゃなかったのか?」

 

 「そうだけど、甲斐さん食堂の場所覚えてる?」

 

 「…………勘で行けるはずだ」

 

 瑞鳳の言葉に顔を背けて言うと溜息をつかれた。

 

 「やっぱり戻ってきて正解だったわね。案内するから付いてきてね」

 

 「はいはい、お願いしますよっと」

 

 前を歩く瑞鳳の後を追いかけるように付いて行き、無事食堂までついた。

 

 

 

 

 朝食を終え、食堂でお茶を飲んでゆっくりしていると杉咲提督がやってきた。

 

 「今回演習って名目で貴方の力を図る予定だったのだけど、必要なかったわね?」

 

 「そうですね、てことは演習は…?」

 

 「今回は事が事だから中止ね。ラバウルの皆さんは帰還の指示が奏衣から届きましたよ」

 

 「分かりました。皆に伝えておきます」

 

 「お願いね」

 

 「了解」

 

 

 

 

 「───と、いう訳だから、昼過ぎにはこっち出る予定だからそのつもりで」

 

 「なーんや、もう行ってまうんかいな?折角なかよーできた思ったのに」

 

 「すまないな、また近い内に演習が行われるだろうからその時にまた合おうや」

 

 「せやな、今生の別れって訳やあらへんしな。今度はうち等がそっちお邪魔するかもしれへんな?」

 

 「かもな」

 

 「…………………………」

 

 ラバウルの全員に通達を終えて龍驤と話していたら、龍驤の隣に座っていた瑞鳳が悲しげな、寂しげな顔をして下を向いていた。

 

 「なーに時化た顔してんだよ」

 

 「ふわっ!?」

 

 俯いてる瑞鳳の頭に手を置き少し乱暴に撫でてやるとビックリしたような声を上げていた。

 

 「さっきも言っただろ?今生の別れでも無いって」

 

「うん……また、会えるよね?」

 

「当たり間だろ」

 

「ふにゃっ!?」

 

グリグリと乱暴に撫でながら笑ってやると、瑞鳳も釣られて笑顔になった。

 

「「「「「「……………(ニコニコ)」」」」」」

 

視線を感じて回りを見たら、食堂に集まっている皆が温かい目で俺と瑞鳳を見ていた。

 

 「なんだよ…」

 

 「いえいえ、仲が良くて安心しましたよ?」

 

 「………///」(顔真っ赤)

 

 瑞鳳は口をパクパクしながら耳まで顔を赤くしており、オーバーヒート寸前だった。

 

 「さ、皆さん帰還の用意をしましょう。帰るときは甲斐さんを艦隊の真ん中に配置して帰りますよ」

 

 「そうですね、甲斐さんは大破してましたし無理は禁物ですから」

 

 俺が口を挟む前に天城さんと矢矧に編成を決定されてしまっていた。

 

 「ここで整備してもらったから平気なんだがなぁ」

 

 「「駄目です」」

 

 「……はい」

 

 謎の気迫に押されて頷くと食堂の皆が楽しげに笑っていた。

 

 「甲斐さん、向こうに戻っても無理しないでくださいね?」

 

 「…わかってるって、お前も無理すんなよ」

 

 「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  荷物といっても着替えくらいしか無いためすぐに支度ができた。

 

 「甲斐さん私の用意は終わったぞ」

 

 「分かった。それじゃ行くか磯風」

 

 「うむ」

 

 着替えの入ったカバンをもって港に行くと既にラバウル艦隊の皆が集結しており見送りの人達もいた。

 

 「遅くなりました」

 

 「いえ、大丈夫ですよ。甲斐さんと磯風は荷物を輸送船に預けてきてください」

 

 「分かりました」

 

 「了解した」

 

 荷物を輸送船の妖精さんに預け天城さんの所に戻りショートランドの人達の方を向くと来てると思っていた瑞鳳の姿が無かった。

 

 「瑞鳳は?」

 

 比較的近くにいた龍驤に話しかけると苦笑いを浮かべていた。

 

 

 「また会ったら我慢できそうにないって部屋に籠っとるわ」

 

 「そっか、アイツにもよろしく言っといてくれ」

 

 「任しとき、甲斐もあんま無理したらあかへんで?」

 

 「分かってるって、流石に今回みたいなのはコリゴリだ。龍驤も無理すんなよ」

 

 「最近就役した奴が生意気言いよって」

 

 俺と龍驤が笑いあってると他の皆は話し終わったのか離れ始めていた。

 

 「時間やね、元気にな」

 

 「おう。世話になったな」

 

 龍驤と離れ艦隊に戻るとショートランドから翔鶴さんが一歩出てきた。

 

 「今回は不運もあり演習できませんでしたが、皆様のおかげで私は助かることができました。お礼の代わりですが私の方から直掩隊を出させていただきます」

 

 「ありがとうございます。私たちもお世話になりました。また会えることを楽しみにしておりますね」

 

 「はい、ではまた」

 

 「ええ。……艦隊抜錨!ラバウル基地に帰投します!」

 

 「「「「「了解!!!」」」」」




投稿が遅れてしまい申し訳ございません。

書いては消しを繰り返していたらこんなことになってしまいました

次はもっと早く書けるように頑張ります


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