仮面ライダーCriminalもいよいよ第三罪です。
今回はいよいよ二人が変身して戦います。二人の変身した姿はどんな感じでしょうか? というか、そもそも戦う相手は誰?
と、いうかんじです。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。
居待町 某所
ルシファーに連れられた二人は地下に来た。地下は大部屋になっていて、なかなか広い。そして、地下には一人の女性がいた。
「あいつは?」
「彼女はプライド。私の有能な協力者だ。プライド、自己紹介を」
「……プライドだ。よろしくする気は無い」
プライドは冷淡にそう言い切った。それを聞いて、巧は不機嫌そうに、薫は苦笑いをした。
「プライド……。まあ、いい。それより、彼らと模擬戦をしてほしい」
「こいつらと? ……はい、分かりました」
プライドは明らかに嫌そうな顔をした。しかし、しばらく葛藤してから諦めたように言葉を発した。
「いい返事が聞けて何より。それでは、まずは……睦月巧君から始めようか」
「そうか。それで? どうやって使うんだ?」
「君が持っているカードを、先ほどのように入れたまえ」
ルシファーにそう言われ、巧はカードを入れた。すると、またベルトから音声が流れてきた。
「
そう音声が流れ、ベルトを中心に何かが巧を覆っていく。それは、彼をを守る鎧であり、敵を倒す武器である。
「これが……」
「ああ、それが君の力だ。その姿の時は『
「シン、か……」
巧はそう言って、自分の姿を見る。黒を基調とし、所々に白いラインが入っている鎧。それは、灰色ともいえる彼の生活に色を与えてくれる予感がした。
「それでは、模擬戦を開始してくれ」
「はあああ!!!!」
ルシファーの合図が出たと同時に巧が飛び出した。これは、自分の力を確認する戦いだ。積極的に行かないでどうする、という考えによるものだ。
「ハッ!! セイヤッ!!」
「単調な動きだ。分かりやす過ぎる」
襲いかかってくる攻撃をさばきながら、プライドはそう言った。プライドはさげすむような声で話している。
「どうした? 当たらなければ意味がない」
「く、くそっ!!」
巧は悪態をついて、攻撃を続ける。そして、運が良かったのか、ようやくよけられない位置に攻撃が入りそうになった。
「いけええ!!」
「小癪な!!」
プライドは攻撃を受け止めた。巧は受け止められるとは考えていなかったようで、驚いていた。そして、更に驚くようなことが起きた。
「うっ!! な、なんだこれ……」
巧に入ってくる情報。そのほとんどが意味不明で、頭痛がしてくる。プライドは巧が混乱しているすきに攻撃を加えた。巧は後ろに後ずさった。
「グフッ!! ……あ、あれ? 頭痛が収まった」
「どうした? どんどん行くぞ!!」
「なんだとっ!!」
巧は後ろに飛んで距離をとる。そして、また自分のペースで攻撃を始める。しかし、相変わらず攻撃は当たらない。プライドはいらいらしたような顔をする。
「積極性だけは認めてやろう。しかし、タイミングを合わせれば……」
巧の攻撃をリズミカルにかわしながら、いきなりカウンターを決めた。
「……こんなことができる」
「グフッ!!」
攻撃を受けた巧はよろめく。後ろに何歩か下がってから、悔しそうな表情をする。なぜ、力を得たのに、この女性に負けているのかと。その時、ルシファーから声が聞こえた。
「カードだ。別のカードを入れるのだ」
「なるほどっ!!」
巧はカードケースからカードを取り出す。そして、それをカードリーダーに入れた。
「
今度はそんな音声が流れる。そして、またベルトを中心に変化していく。だが、先ほどと違って、変化しているのは色と体型だけだった。
「今度は……赤か? いや、どっちかというと紅か」
「フン。色が変わったたところで、どうにもならん」
巧はこの姿なら倒せる気がした。しかし、プライドはそんな考えをたたきつぶすようなことを言う。巧はそれを聞いて、負けじと言い返した。
「分かんねえだろ!! やって見なきゃなあ!!」
巧は背中にある大剣を取り出して、切りかかる。しかし、プライドは攻撃を簡単にかわしていく。
「遅い遅い!! そんな攻撃当たんねえよ!!」
プライドは攻撃をかわしながら攻撃を加えていく。しかし、先ほどよりもダメージが少ない。
「これ、防御力が上がってんのか?」
「フン。そんなの、関係無いな!!」
「何!?」
ダメージが少ないことから、そんな予想をしていた巧だが、プライドは関係ないといい放つ。驚く巧を待つことなく、プライドは何かをためるような格好をしてから、攻撃を繰り出した。攻撃をもろに受けた巧は吹っ飛んだ。
「うう……」
「ほう、すぐに起きるのか。なかなか運が良かったな。先ほどの黒か、受ける場所が悪ければ死んでいたというのに」
「そんな技使うなんて……」
「フン。貴様など、ルシファー様がいるから生かしているのだ。そうでなければ殺している」
プライドは冷たく言い切った。巧はムカッときた。あの態度はさすがに我慢ならない!! 巧がそう思った時、バチッ!! という音と、何かが燃えるような熱を感じた。
「さっきから偉そうに……むかつくんだよ!!」
「な、何っ!?」
巧から発した電撃と炎は、プライドめがけて発射された。プライドはとっさのことでよけられず、攻撃が直撃した。あたりには煙がたつ。
「や、やったか!?」
「…………まだだ」
煙の中から、プライドの声が聞こえて来る。プライドはほこりを払うように、体を二三回はたいた。
「攻撃はなかなかだったな。しかし、決定打にはなりえない。……三枚目でも使うか?」
プライドに従うのは気に入らなかったが、巧は悔しくなり、三枚目のカードを取り出した。
「これで、これでなら倒せるはず!!」
「
また、巧の体が変化する。今度は藍色のような姿に変身した。巧は手に持った盾を見る。
「今度はまた防御か? 守りに徹しすぎな気がする」
巧は残念そうにそういうと、諦めたように構える。プライドは余裕綽々と言わんばかりの顔だ。
「今度は藍色か?」
「そうみたいだな。今度は絶対に倒す!!」
巧は走り出す。すると、いきなりプライドの動きが遅くなった。巧は驚いて立ち止る。しかし、止まるとまたプライドは元の早さで動き出していた。
「な、なんだ今の!?」
「貴様、いつの間に!?」
巧とプライドはお互いに驚き合う。だが、なれているのだろうか? プライドの方が先に正気に戻った。そして、巧の方にやってきた。もう、すでに構えていて、攻撃を放つ直前だった。巧はとっさに腕を出して身構えた。
「はあっ!!」
「ぐぅ……」
巧はなんとか攻撃を防いだ。巧は衝撃が収まるとすぐに攻撃を開始した。最初よりも速度のある攻撃はうまくプライドにヒットし、プライドが後ずさる。
「なるほど……やる気があるからか、その姿が強いのかは知らんが、多少はやるようだ」
「そんなこと言えないようにしてやるよ……」
「面白い。やれるものなら、やってみろ!!」
プライドの攻撃を盾で受け止めて、反撃。そういう、カウンター的な戦い方を選択した巧の思惑はうまく行き、プライドに多少のダメージを与えることに成功した。
「……少々、甘く見過ぎていた」
「ハッ!! 負け惜しみか?」
「負け惜しみ? それは敗者の言葉だろう? 勝者となる私が、負け惜しみを言うことは無い」
プライドはそう言って、腰を落として構えた。そして、一気にトップスピードで走りだし、その勢いのまま巧にタックルをかました。
「グフッ!!」
「どうだ? なかなか効いただろう?」
ドサッ、と倒れた巧の変身は強制的に解除され、そこにはボロボロになった巧が倒れていた。
「終わりだ。次、来い」
「じゃあ、僕の番ですね」
今度は薫がプライドの前に立つ。薫はカードを取り出して、それを入れた。
「
巧の時と同じような音声が流れ、ベルトを中心にして鎧が纏われる。それは、少々機械的な様子がする白い鎧だった。
「なるほど……こんな感じか」
「始めるぞ」
薫とプライドは構えた。あたりは物音一つしない。はたして、何がきっかけだったのだろうか。両者はなんの合図もないにもかかわらず、同時に走り出した。
「はあっ!!」
「だあっ!!」
プライドが攻撃して薫が守る、という構図が起きる。薫は必死に攻撃をかわしていた。
「いい加減、やられろ!!」
「そんなこと言われても……」
プライドはすぐに終わらないことにいらっとしたようで、全力の一撃を放ってきた。薫はそれをよけながらつかんだ。
「は、反応した!?」
「偶然だけど……」
驚くプライドに苦笑する薫。それもそうだ。まともに戦ったこともない彼が、戦闘慣れしている人物の攻撃を止めるのは、偶然以外の何物でもないだろう。もしも、もしも偶然でないとするのなら、それは彼の才能によるものかもしれない……。
「は、離せ……」
「そう簡単には離せません」
プライドは薫を振りほどこうと必死になっている。薫も離さまいと頑張っていた。その時、薫は頭痛に見舞われた。
「うっ!! こ、これは……?」
「な、何!? 貴様、そんな力が……」
プライドはすぐに薫を振りほどいて距離を取った。何か慌てていたせいで、少し息が上がっていたがそれもすぐに収まった。
「厄介な……」
「……どうしようか。決定打が無い。……なら」
薫はベルトの右側にあるカードケースからカードを出してカードリーダーに入れた。
「
「また姿が変わるのか……」
薫の鎧がベルトを中心に変化していく。先ほどよりもシャープな姿をしており、色も桜色に変化していた。そして、腰には鞭が装備されていた。
「なるほど。……それじゃあ」
薫は鞭を手にとって振るった。初めてにしては上手な扱いだった。しかし、あくまで初めてにしては、である。プライドは攻撃を簡単によけてから薫の方に近づいていく。薫は後ろに下がりながら、鞭をふった。
「ハッ!! ハッ!! はあっ!!」
「そんな、やわな攻撃など効かん!!」
「そんな!?」
プライドは鞭をわざとよけず、掴んだ。そして、それを一気に引くことで薫から鞭を奪い薫自身に近づいた。
「私がしたことはこう言うらしいな。“肉を切らせて骨を断つ”ってな!!」
「グハッ!!」
プライドは薫に一気に近づいたと同時に攻撃を繰り出す。薫の鳩尾のあたりにプライドの拳が入ってくる。薫はせき込みながら崩れ落ちる。プライドは薫を蹴り飛ばした。
「ゴホッ!! ゴホッ!!」
「弱い。貴様等、どっちも弱いな」
「ゴホッ!! ……な、仲間でもいれば……」
薫は落ち着くとそう言った。一人では何もできない。なら、仲間が、友がいれば勝てる。薫はそう思った。すると、薫の影から何かが出てきそうになる。薫は何かが抜き取られていくような感覚を覚えた。
「な、なんだこれ……」
「……全く、お前たちの力が分からない」
薫は出てくる何かを抑え込もうとする。プライドはため息をついて言葉をこぼしていた。薫はなんとか影から出てくる何かを抑え込んだ。
「さっきのが、何かは分からないけど、早く姿を変えよう」
「
また薫の姿が変化していく。今度は、滑らかな印象を受ける姿で、色は紫色をしている。背中には大きなハルバードが装備されている。
「……背中にあるのは邪魔だな」
薫はそう言ってハルバードを持った。彼の背の丈ほどもあるそれを振り回しながら、薫はプライドへ突込んでいった。
「はあっ!!!!」
「……ゴミだな」
「え?」
あっさりとかわされた攻撃。薫はハルバードを取り落とし、ゴロゴロと転がった。しばらく転がった薫は、呻きながらゆるゆると起きあがった。
「どうして……ハルバードって、強かったんじゃ」
「使い手の問題だ」
「え?」
ハルバード。槍斧などとも言われるその武器は、槍の穂先に斧頭、その反対には突起がつた武器である。突く、斬る、引っかける、叩く等、様々な攻撃が可能な長柄武器である。しかし、その重さや多芸さが影響し、それぞれの性能の武器を器用に使いこなし、使い分ける適切な判断と迅速な対応が必要な武器でもあった。つまり、ハルバードは使いこなせば強力な武器ではあるが、高い技術を要求する武器だったのだ。
「そ、そんな……」
「今のあんたは、精々喧嘩で殴り合いをしたことがあるとかそのくらいだろ? そんなガキがこれを使うなんてお門違いだ。だから……」
「だから……?」
薫は分かっていた。プライドが何をするか。だからこそ信じたくは無かった。しかし、その予想は外れること無かった。プライドは薫が落としたハルバードを手にとってくるりと回す。
「ちょうどいい。完璧だな」
「く、くそう……」
「さあ、行くぜ」
プライドは走ってきた。重い武器として定評のあるハルバードを持っているにもかかわらず、その速度は落ちていない。おそらく、今までの速度が本気ではない証拠だ。薫は立ち上がってよける用意をする。
「はあっ!!」
「うわっ!!」
ハルバードの斧頭は薫の目の前を通過していった。薫はすぐに体勢を立て直してプライドに向き直った。
「つ、強い……」
「当り前だ。あんたらみたいな戦闘慣れしていない奴らに負けるか」
プライドはハルバードのその先端を薫に向けた。薫の表情が引き締まった。プライドはそれを振り上げた。
「行けえ!!」
「うわあああ!!!!」
プライドの攻撃に動くことすらできなかった薫は、両腕を顔の前に持ってきて、防御の姿勢をとることしかできなかった。
「当たれえ!!」
「ぐっ!! …………あ、あれ?」
薫は不思議そうにあたりを見回した。何かが当たった感覚はあった。しかし、その当たった物は自分を通過していったような気がするのだった。薫はゆっくりと自分の体を見た。
「……え?」
「なん……だと!?」
薫は自分の体を見て驚いた。薫の腹部、そこが液体になっていたのだった。
「こ、これは……」
「そんな能力か……」
「能力?」
薫はプライドの発言に疑問を覚えた。プライドは隠すことでもないので、あっさりと話した。
「あんたたちの姿、一つ一つに何かしらの能力があるのさ。何か、までは知らないけど」
「そうなのか。じゃあ、この姿は液体になる能力?」
「そんなところだろう」
薫は初めて知る事実に驚いていた。まあ、それを知るためのこの戦いであるのだから、逆に知らないと困るのである。
「まあ、知ったのなら有効活用するか」
「できるのか?」
「やるさ。僕は正義の味方だから」
「正義の味方、ね……」
薫の発言にプライドは呆れたとばかりにため息をついた。そして、巧を気絶させた時のような体勢をとった。薫は巧の時を思い出して構えた。
「行くぜ……」
「来い……」
薫の言葉がプライドに届いたかどうかの時に、プライドの姿が消えた。薫はグッと構えていたが何も起きない。しかし、後ろにいきなり何かの気配を感じた。
「思いこみは、よくないな」
「なん、だっ、て……」
ドサッと音を立てて崩れた薫。その後ろには薫の首を叩いて気絶させたプライドがいた。プライドは薫が倒れたのを確認すると、ルシファーの方を見た。
「終わりました」
「そうだな。……少し足りないが、まあいいだろう。足りない部分はこの本でも読めばいい」
「それは?」
「彼らに用意した教科書だ」
ルシファーは二冊の本を手に持ってにやりと笑った。しばらく黙っていたが、プライドが口を開いた。
「ルシファー様、私の同胞たちの方は?」
「彼らは二人を狩る用意はできているそうだ。負ければ、彼らの糧となるがな」
「負け犬にはふさわしい末路だと思いますが?」
「……それは、我等の下からいなくなった者たちもかい?」
プライドはルシファーの言葉に当り前だといわんばかりに即答した。
「当り前です。私は、こいつらを狩りたいのです」
「まあ、そう焦るな。弱い彼らを狩るより、強い彼らを狩りたいだろう?」
「それは……そうですが」
「なら待つんだ。それが、君にも私にも、それ以外の者たちにも得なのだから」
再び沈黙が走る。プライドは複雑な表情をしていたが、しばらくすると納得したように頭を下げた。
「了解しました」
「分かってもらえて何より」
ルシファーは巧達に話していた時よりも少しだけ砕けた様子で喋っていた。そして、プライドに指示を出す。
「それでは行くよ。メッセージは置いておいたから問題は無いだろう」
「そうですか」
「ああ。後は……」
ルシファーは地下室の扉に手をかけて、後ろを振り向く。視線の先には二人の少年がいる。
「彼ら次第だ。『
どうでしたか?
特殊能力は自分で見つけて、自分で効果を探すしかありません。効果を知る方法はそれだけ。
少し厳しいですが、アンクみたいなキャラがいないと、使いこなせません。まあ、教科書を読めば多少は分かるかもしれませんが。
特に話すこともないので、今回はこのくらいにしておきます。次回はキャラ・設定集で行きたいと思います。
それでは、次回『解説』の回も見ていただければ幸いです。
See you next time!