仮面ライダーCriminal   作:山石 悠

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どうも、山石悠です。

ここ最近、こちらにこれませんでした。理由については話しませんが、一つ言いたいことを言わせてもらいます。
「……宿題は、計画的にしないとだめですね」
以上。

それでは、今回の話です。
今回は、サブタイトルにありますように、『ツミ』が『出現』するわけです。
さて、この『ツミ』とは何なのか。この『ツミ』が、この物語にどう影響するかは、見てのお楽しみということで。

それでは、お楽しみいただければ幸いです。


第四罪 『出現』スルツミタチ

新町 夏日高校

 

「ぎゃああ!!!!」

「助けてえ!!!!」

 

 

 あちこちで悲鳴が聞こえる。校舎の一部が破壊され、生徒の一部も怪我をしていた。なぜそんな事態になったのか。地震ではない。竜巻でもない。では何か。それは……

 

 

「ハハハ!! 逃げろ逃げろ!!」

 

 

 誰も見たことがない、謎の異形だった。怪獣映画や特撮映画に出て来る怪人。小さな子どもならともかく、高校生がそんな存在がいると言っても笑って馬鹿にされるだけだろう。しかし、それは実際にいた。今、現在進行形で破壊活動を行っている。

 

 

「なんだよあれ!!」

 

 

 少年は困惑していた。先日、ルシファー(後に調べたところサタンと同意義の堕天使だった)という謎の人物から聞かされたことに関係しているような気がしているのだ。

 

 

「出て来いよ!! どこにいるんだ? 早くしないと学校をぶっ壊すぞ!!」

 

 

 怪人は生徒たちをゆっくりと追い詰める。生徒たちは正門や裏門から逃げ出していた。少年も正門から逃げようとしていた。

 

 

「おいおい!! ベルトがあんだろ? さっさとカード入れろよ!!」

 

 

 これだ。この一言がこの前のことを連想させるのだった。少年は腰に手を当てる。新しいおもちゃをもらった子供のように、ずっとベルトをつけていた。カードもあるから、いつでも使用できる。しかし、彼は怖かった。人にすら勝てなかったというのに、怪物に勝てるとは思えなかったのだ。

 

 

「あんなのに勝てるかって…………いたっ!!」

 

 

 少年は後ろから押されて倒れてしまった。周りの人間たちが彼を踏んでいく。彼をよけるようにしてくれた人もいなくはなかったが、忘れてしまうほどの人数だった。彼は悔しくて、辛くて、情けなくて……決めた。この元凶を、この件のきっかけであるあれをぶっ飛ばすと。

 

 

「ああ……ア゛ア゛アアアアア!!!!」

 

 

 逃げている人や怪人までもがビクッとして、動きを止めた。少年は自分を踏んでいる者たちを押しのけて立ち上がった。全員が彼に注目する。誰も動かない、いや、動けなかった。彼はゆっくりと歩き出して、怪人の前に立った。そして、くるっと後ろを見ると、叫んだ。

 

 

「こいつは俺がぶっ飛ばす!! お前らはさっさと消えろ!!」

 

 

 一秒、誰かが前を向いた。二秒、誰かが一歩を踏み出した。三秒、誰かが走り出した。四秒、誰かがつられた。五秒、全員が走り出した。

 

 

「……分かってんじゃねえか」

 

 

 少年は前を向いた。もう誰も来ないだろう。見ることもしない。あの時の少年は、怪人のような恐ろしさが感じられたのだから。

 

 

「始めるか」

「お前が、ベルトの所有者か?」

「何のベルトかは知らんが、こんなベルトなら持ってるぜ!!」

 

 

 少年は、学ランを投げた。腰には特徴的なデザインのベルト。怪人はそれを見てにやりと笑った。間違いなく興奮していた。

 

 

「そうだ、それだ!! ……さあ、変身しろ!! やり合おうじゃねえか!!」

「変身しろ、か……。だが、その前に一つ」

「なんだ?」

「お前はなんだ?」

「……聞いて無いのか?」

「いや」

 

 

 怪人はあからさまにため息をついた。そして、堂々と己がいかなる存在なのか宣言した。

 

 

「俺は“OGUMO”だ。そして、俺達はギルティス!! 貴様等を狩るものだ!!」

「ギルティス……なんだよ、これの関係者は罪が好きなのか?」

 

 

 少年は少し呆れた。この前使ったカードの発していた言葉。調べてみれば、七つの大罪だった。彼は三つそのうちの持っている。そして、もう片方の奴が三つ。そして、あの男がもう一つを持っているのだろう。そして、あの姿の名前も“罪”という意味だったし、ギルティスも“Guilty(ギルティ)”から来ているのだろう。

 

 

「俺は名乗った。今度はお前の番だ」

「俺か。俺は……」

 

 

 少年は考える。自分がいったい何者なのか。そして、遊び心だろうか。そんな物がわいてきた彼は大蜘蛛の名乗りを真似して、こう名乗った。

 

 

「俺は睦月巧、いや“Sin(シン)”だ。そして、俺達は咎人!! 罪という力を使う者だ!!」

「咎人……ハハハ!! ぴったりだ!! お前らにはぴったりな言葉だ!!」

 

 

 大蜘蛛は高笑いをして巧を見る。そして、キッと真面目な顔をして構えた。

 

 

「さあ、狩りの時間だ。その罪を償う覚悟はできたか?」

「ああ、できているさ。生きてこの罪を償い覚悟がな!!」

「おもしれえ!! その覚悟、どこまでもつかなあ!!」

「いつまでも持つぜ!!」

 

 

 巧はそう言って、カードをとりだした。そして、それをカードリーダーに入れた。そして、こう叫んだ。それは、大蜘蛛の発言からとったものだ。

 

 

「変身!!」

Spread(スプレッド)Greed(グリード)”」

 

 

 その音声が流れ、巧の姿がベルトを中心に変化していき、体が黒を基調とした鎧におおわれた。

 

 

「俺の種か……。いいぜ。俺とお前、どっちが強欲か教えてやる」

「種? 意味は分からんが、お前をぶっ飛ばせばいいだけだろ?」

 

 

 両者が構えた。しばらくの間、時間が止まった。そして、何かを合図に両者が飛び出した。

 

 

「はあっ!!」

「だあっ!!」

 

 

 拳が互いの体を穿つべく迫る。両者は体をずらして、攻撃をよける。巧はそこからすぐに蹴りを放った。素人なりの攻撃だが、相手が素人と思って油断していた大蜘蛛には十分な威力を持っていた。

 

 

「ガハッ!!」

「おりゃあ!!」

 

 

 大蜘蛛の背中に攻撃が当たり、前のめりに倒れた。巧はすぐに追撃しようと向かって行った。

 

 

「くたばれええ!!」

「何をおお!!」

 

 

 大蜘蛛は体を回転させて、口から糸を吐きだした。真っ白な糸は巧を拘束した。大蜘蛛はすぐに体を起して、巧に攻撃した。

 

 

「ハハハ!! 動けねえだろ!!」

「くそっ!! グハッ!!」

 

 

 大蜘蛛の糸は粘着性のある糸で、巧は思うように逃げだせなかった。巧は必死でこれからのことを考える。そして、一つの案が浮かび、巧は大蜘蛛に突進していった。

 

 

「おりゃああ!!」

「な、何!?」

 

 

 攻撃してくるとは思っていなかったようで、大蜘蛛は倒れこんでしまった。上には巧が乗っており、大蜘蛛に頭突きを放つ。

 

 

「だあ!! はあ!! セイッ!!」

「グフッ!! ガッ!! うっ!!」

 

 

 巧はひたすら頭突きを繰り返す。大蜘蛛は頭が痛くなってきたようで、巧の糸をちぎって逃げた。巧はちぎられたおかげで、糸を振りほどくことができた。

 

 

「この蜘蛛野郎!! いい加減、くたばれ!!」

「それはこっちのセリフだ!!」

 

 

 巧はこの前渡された教科書とやらに載っていた必殺技の放ち方を思い出した。そして、カードをとりだした。

 

 

「“Greed(グリード)Offense(オフェンス) Convergence(ケンヴァジェンス)

 

 

 罪の集束。強欲という大罪を集束させたそれは、大きな威力を持った物となる。

 

 

「な、なんだ!?」

「必殺技だ。覚悟して死ねや!!」

 

 

 巧の足にエネルギーが集まる。巧はゆっくりと腰を落とし、構えた。そして、そのエネルギーが完全にたまったと思われる瞬間。巧の姿が消えた。

 

 

「き、消えグハッ!!」

「消えちゃあいねえよ。ただ……」

 

 

 大蜘蛛が地面に倒れた。巧は大蜘蛛に背を向けて、言葉をつづけた。

 

 

「……お前が、俺を見れなかった。それだけだ」

 

 

 巧が言い終えると同時に大蜘蛛を中心に爆発が起きた。巧は大蜘蛛の方を見る。すると、大蜘蛛のいたと思われる場所にはカードがあった。巧はそのカードを回収する。

 

 

「なんだこれ? ……もしかして、これがギルティスカードって奴か?」

 

 

 巧が今までもっていたカード“ギルティカード”とは少し違うカードがあった。教科書を信じるのなら、これは“ギルティスカード”なる物で間違いないだろう。巧は変身を解除して、それをちらつかせながら観察していた。すると、携帯が鳴り出した。巧は携帯に出た。

 

 

「もしもし。……ああ、エリートさんか。どうした? ……え? 怪人? こっちも出たけど? ……ああ、もちろん倒した。そっちは? ……ああ、そう。じゃ」

 

 

 巧は携帯を切って、西の方を見た。それは、西郷学園、薫のいる方角だった。

 

 

「……あっちも、もう終わったんだな」

 

 

 

望町 西郷学園

 

「生徒は避難経路に従って避難しなさい」

 

 

 教師の声が響く。生徒たちの顔は冷静な様子ではなく、恐怖に青ざめているようだった。そんな中、一人の生徒が教師たちに止められていた。

 

 

「離してください!!」

「ダメだ!! 君も早く非難しなさい」

「どうしてだ!! 僕にはあれをなんとかできる!!」

 

 

 少年は教師に反抗していた。常識で測るのであれば、正しいのは教師側である。しかし、その常識の物差しが使えないのならどうだろうか?

 

 

「どこかしら? 私の可愛い可愛い獲物ちゃん」

 

 

 八本足で、炎を吐きながら小さな蜘蛛を従えている女性型の怪人。それが現れると、教師も生徒も恐怖に負けたようで、みんな逃げ出してしまった。残っているのは少年だけだ。

 

 

「あら? あなたは逃げないのかしら?」

「僕はおまえを倒す。正義の味方だから」

 

 

 少年はそう言って、カードをとりだした。すると、怪人の目の色が変わった。

 

 

「あら? あなたが私の獲物ちゃんなのね。やっぱり可愛いわぁ」

「僕は悪を倒す。それだけ」

 

 

 少年はそう言って、カードをカードリーダーに入れた。すると、ベルトから音声が流れた。

 

 

Spread(スプレッド)Gluttony(グラトニー)”」

 

 

 ベルトを中心に少年の姿が変わって行く。白っぽくて、少し機械的な鎧におおわれた。怪人は少年に問う。

 

 

「あなた、名前は? 獲物ちゃんは可愛がって殺したいからぁ」

「名前。正義の味方は名乗らないと……」

 

 

 少年は地面を叩く。ダン!! という音が鳴る。少年はビシッと怪人に指をさすと名乗った。

 

 

「僕は日空薫!! またの名を、“仮面ライダーCrime(クライム)”だ!!」

「仮面ライダー?」

 

 

 薫は姿が変わった時から思っていた。これは、自分と同じ正義の味方である仮面ライダーのようだと。ルシファーという人物の話や存在は信じていない。しかし、この力をくれたことは評価している。そして、名前こそ罪という意味ではあるが、正義の味方にはぴったりな装備だと思っていた。

 

 

「そうだ。僕は正義の味方、仮面ライダーの一員だ。お前は何者だ!!」

「私? 私は“JOROGUMO”よ。その命、たっぷりと喰らってあげるわ」

 

 

 話を終えた両者は構える。そして、先に女郎蜘蛛の方が動き出した。その手には炎が見える。

 

 

「はあっ!!」

「うわっ!!」

 

 

 薫はすぐに攻撃をよけた。そして、すぐに反撃する。女郎蜘蛛は薫の手をとって、近くに引き寄せた。

 

 

「その命、喰わせなさい」

「うっ!! ううぅ……」

 

 

 薫の力が抜けていく。自分の中にある何かを女郎蜘蛛に吸い取られているようだった。薫は残った力を振り絞ってすい返そうとする。

 

 

「すぅぅぅぅ!!」

「はああああ!!」

 

 

 たがいに力と命を吸いあう。薫は不意打ちとばかりに女郎蜘蛛を蹴った。女郎蜘蛛はそのせいで力が抜けてしまった。薫はチャンスとばかりに力を吸いきった。薫の中にはよく分からない何かが存在していた。

 

 

「これ……相手の能力を奪う能力?」

「何!? ……そういえば、今のあなたは私の種を使っていたわね」

「何っているかは分からないけど、正解に近い解みたいだね」

 

 

 薫は再び、女郎蜘蛛に迫る。しかし、女郎蜘蛛の周りにいた蜘蛛達が薫の邪魔をしてくる。薫はそれを蹴散らしながら近づいていく。

 

 

「くそっ!! 離れろ!!」

「やりなさい!! 時間を稼いで!!」

 

 

 女郎蜘蛛は周りの蜘蛛から力を貰っているようだった。薫はすぐに蜘蛛を吹き飛ばして、女郎蜘蛛を殴った。

 

 

「おりゃあ!!」

「きゃあ!!」

 

 

 女郎蜘蛛は力がなかったからか、吹っ飛んで、動かなくなっていた。薫は必殺技、という物を実践しようと思い、カードを取り出す。

 

 

「これで決める!! 行くぞ!!」

「“Gluttony(グラトニー)Offense(オフェンス) Convergence(ケンヴァジェンス)

「はあああ!!!!」

「っ!! は、速く逃げないと!!」

 

 

 薫は走って女郎蜘蛛のそばに向かう。ベルトからは薫の両腕と右ひざにエネルギーがたまっていた。女郎蜘蛛は逃げようとするがそんな余力がなかった。

 

 

「追いついた!!」

「ど、どうしよう!?」

 

 

 薫は女郎蜘蛛の目の前に来て両腕を構えた。そして、多くな声で叫びながらその腕を振り下ろした。

 

 

「おりゃああああああ!!!!」

「きゃあああああああ!!!!」

 

 

 薫は女郎蜘蛛を腕で叩くと、今度は膝で蹴りあげた。腕と膝で挟むようにして放った必殺技は“Gluttony(グラトニー)”、“暴食”の名に恥じない大きな大きな口で敵を喰らうような技だった。攻撃が決まった瞬間、女郎蜘蛛を中心に爆発が起きた。そして、それが止むとそこには一枚のカードがあった。

 

 

「ん? なんだろう?」

 

 

 薫はカードを手にとって観察し始める。そして、しばらく観察すると、それをしまってもとの姿に戻った。そこで、薫はあることに気がついた。

 

 

「む、睦月君はどうなった!?」

 

 

 すぐに薫は電話をかけた。ありがたいことに巧はすぐに電話に出てくれた。薫は巧の方の様子を確認する。ルシファーはあんなことを言っていたが、薫はあまり信用していない。だから、自分と同じ状況である巧の方を味方だと思っている。

 

 

「……もしもし、日空です。……学校に怪人が出たんだ。そっちにも出たかい? ……うん、倒した。うん、じゃあ」

 

 

 薫は携帯を切った。どうやら巧の方にも怪人が出ていたが、なんとか倒していたようだった。薫は息を吐いて東の方を見た。それは夏日高校、巧のいる方角だった。




どうでしたか?

今回出た『ギルティス』は、クウガで言う『未確認生命体(グロンギ)』で、アギトで言う『アンノウン(ロード怪人)』な存在です。僕の書いてるハーツで言えば『使心獣(ししんじゅう)』なわけです。
今回の敵は、倒せばカードに変質する……と、いう設定です。ブレイドに似た要素がありますね。

まあ、詳しいことは、次回に出す『解説』の回で見てください。

それでは、次回も見ていただければ幸いです。

See you next time!
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