俺は真剣でダラッと生きたい   作:B-in

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小学校の給食で食べたカレーとシチュー…何故にあんなにおいしいんだろう?



九話

 

 

 

 

 

甘いモノが嫌いと言う女性は少ない。寧ろ、甘いモノが嫌いと言う人間は少ない。

 

甘さにもイロイロ有る。優しいモノや、ズシリと来る重いモノ。等々、味覚を楽しませる要素には欠かせないモノだ。

 

故に、

 

「…もう一袋買おう」

 

俺はマシュマロを馬鹿食いしている。

 

学校で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何時も通りの昼休み、友達が少ないので教室でシエスタでもしようかと思う百夜です。寝ないけども…

アレですね、給食って美味しいよね。個人的にはカレーも好きだけどホワイトシチューも捨てがたい。

 

甘い人参、ほくほくのジャガイモ、小さいけど存在が分る鶏肉に、何で入ってるの? と疑問に思ってしまうグリーンピース。

 

何で、入ってんだろ?

 

奴は鶯餡に加工するだけで良いんだよ。

 

そんな感じで今日も元気にお代わりをして、人が休んだ為に残っていたコッペパンを頂きました。

大体、シチューの日ってオレンジジュースがついてくるので、それもじゃんけん勝負で勝ちとった。馬鹿め、人相見てりゃ何が出てくるか分るんだよ。

 

で、お腹もいっぱいになって眠たく成る…成るんだが…何かが物足りない。そう、後一口デザート的なモノが甘いモノが欲しかったので学校を抜け出して駄菓子やで袋買いしてきたマシュマロを食べている。

 

「もう一つ貰うぞ?」

 

「僕も一つ頂きますよ。」

 

「どーぞ。もう一袋有るし」

 

三袋買ってきたんだけど後一袋しかない。どんだけ食うつもりだこいつ等

 

「それにしても、何でマシュマロ?」

 

「そうですね、百夜なら桃系の味のお菓子類だと思ったんですが」

 

何故かって? そりゃぁ…

 

「あの白子めがぁ…」

 

「何言ってんだお前?」

 

「…意味によっては僕も考えを変える必要がありますよ?」

 

…そのままの意味なんですが?

 

「白髪、肌も病的な白さ、初対面の人間に対して怯えまくりでいっぱいいっぱいで突いたら破裂しそう。正に白子。二重の意味で。お前らが昨日言ってた奴じゃね? 多分だけど、ボディに良いモノ何発か貰ってると思うぞ? 歩き方も変だったし」

 

「…マジか?」

 

「本当ですか?」

 

「マジマジ、昨日ぶつかって謝ったら、必死に愛想笑い浮かべてマシュマロくれたんだよ。それが妙に塩っぽくてねぇ。今日、買った訳。ついでに今日会ったらやろうと思って。」

 

目の前で、袋あけながらこれがホントのマシュマロだ!! と、説教付きで。

食物は例え嫌いなモノでも粗末にしたらアカンのや。

 

「いや、もう…お前は本当に…アレだな!!」

 

「なんというか…友達止めようかと思ったりもしたんですが、アレですねぇ。」

 

「お前等が何だよソレ?」

 

通じ合いません。

 

「上げて落とすと言うのは聞いた事が有りますが、落としてから上げると言う事は聞いた事が無いですよ? 百夜」

 

「俺もねぇよ。あぁ…でも、お前自覚ないだろ?」

 

「?????」

 

「「天然?」」

 

「…まず、お前達が何を言っているのかが分らない」

 

マジで分らない。

 

そのまま、話の流れでその子を探そうと言う事になったのだが見つからず。次の日もその次の日も見つからなかった。

まさかと思う。思ってしまう。だが、それならば理解できる

 

「あの子は座敷童だったんだよ!!」

 

「「それはない」」

 

ですよねぇ

 

「まぁ、転校したんじゃない? それか不登校。」

 

最悪、死んだ? 多分、虐待も受けてるだろアレ。臭いからして二、三日は風呂に入って無い感じだったし。

 

「…そうかもな」

 

「…ですかね。親も気がついたんでしょう。」

 

どこか、ほっとしたような表情をする二人を見ると良い奴らだなぁと思う。だからこそ言わないんだけど。巻き込まれたくないし、巻き込まれて欲しく無い

 

(まぁ、だからこそ会えない様にしてるんだけどねぇ)

 

こんな時期から人間の暗い部分とか垣間見ちゃったらヒネちゃうよ。本体もそうだったし、俺もか?

まぁ、良いや。楽しいし。

 

「そういやぁ、今度の日曜日試合だろ。百夜?」

 

「そぉいやそうだねぇ。」

 

まさか、少年野球で変化球を使ってはいけないとは知らなかった。将来の為にと誤魔化したけど。

 

「…それで、思い出したんですが」

 

「何? 別に応援にコレなくても大丈夫だぞ?」

 

「いえ、応援には行きますよ。GWの時の連戦も見に行きましたし。そっちじゃなくてですね。僕達ぐらいの年齢から変化球とかを練習してると肩や肘を壊してしまうんじゃないかと。百夜の事ですから何かしらの対策をしているとは思っていますが」

 

……………してませんよ? つか、知りませんでしたよ?

 

「おい、汗の量が尋常じゃないぞ?!」

 

「おやおや、今からでも止めた方が良いですよ。百夜」

 

「やべぇ?! おまっ、ちょっ…うぇ? 」

 

社会的に殺されちゃうかも?

 

「ちょっと行ってくるわ」

 

俺は走った。そして風に成った。

 

 

結果

 

「なんだ、そのような事か。それならば問題無い!! 我が九鬼が誇るメディカルチームにより最高で最適なケアを毎日受けて居るからな!!」

 

おとがめなし!!

 

ヒャッハー!! 今夜は宴じゃ!! マジで良かった、自分の未来予想図(仮)を自分で潰すとこだった!!

今日は、姉ちゃんが風呂に乱入しようが、布団の中で待ち伏せていようが許せる!!

序に、夏に海外旅行に連れて行って貰えるぜ!! なんか、お偉いさんとか上流階級の人間が集まる会合が在るらしい。

 

普段なら行きたくないが、夏は川神院恒例の山籠りとか海での修行とかあるから、逆に嬉しいのよ。

美味しいモノも食べられるし…場違いな空気が嫌だけども……九鬼が護衛を付けるらしいから身の安全も保障された様なモノ!! 行かない訳が無い。

 

畑は風間に任せよう。収穫したトマトときゅうりをやればちゃんと働いてくれるからな!!

 

そんな事を考えながら家に帰ると、なんだかでかいおっさんが居た。釈迦堂のおっちゃんもルーも何か警戒してる? 序に夕飯時です。誰なこの人? なんで、俺の事をじろじろみてるの? ショタコンなの?

 

あっ、姉さんの事も見てる。ジロジロと見てる。腹立つなぁ…シスコンじゃいよ? 家族をそんな目で見られるのが嫌なだけだよ? ホントだよ?

 

ロリコンでショタコンとか…しかもジロジロ見るとか変態なの? ハイブリット変態なの?

 

「お主…何か変な勘違いをしとらんか?」

 

「…いいえ?」

 

何か、この人の声麻生のおっちゃんに似てる。くそっ、また素敵ボイスとか…

 

「すまんのぉ、橘の。家の孫はどちらもちょっとばかし礼に疎いんじゃよ。」

 

「なぁに、子供とはそれぐらいで良いのですよ。だからこそ我等教育者がぁ、礼を持って礼を教え、仁を持って仁を教える。人として大切な事を知って居れば、ソレは立派な大人に成れる。」

 

「然り、それもそうじゃのぉ。おぉ、忘れておったこの方は松笠にある竜鳴館と言う高校の館長じゃ。今、日本に居る武人の中でも五指に入る猛者よ。」

 

その、紹介に姉ちゃんはキリッと姿勢を正して頭をさげる。こういった所はもう完全に武人な姉ちゃん。ちょっとカッコイイ。

 

「初めまして。私は川神百代と申します。高名な橘平蔵殿に逢えた事、誠に嬉しく思います。」

 

「おぉ、姿勢も正しい。鉄心殿、良い子ですなぁ。して、そっちの小童は?」

 

あ~…俺もしなきゃならんのか……どうやんだっけか? 何時も通りで良いか。メンドイし

 

「えっと、初めまして、川神百夜です。武術とか痛い事は嫌いなんで何もしてませんので…貴方の事は良く知りませんが…高校の館長って何ですか?」

 

うん、ごめん。失礼なこと言ってるのは解ってるんだけど、どうにも解らん。館長って何さ?

 

「ん? おぉ、そうか館長では解らんな。校長の様なものと思ってくれて良い。それにしても、その年でその慇懃な態度。将来は大物かどうなるか…楽しみな子ですなぁ」

 

「コレ!! 百夜!! 」

 

いや、怒られるのは別に良いんだけども気当たりは止めてください。だるい

 

「ハハハ!! 生まれるのが遅すぎた竜に対しても態度が変わらないのは流石だなぁおい。おじさん、肝が冷えちまった」

 

「笑い事じゃないヨ!! 百夜、また途中で面倒くさくなったからって礼を欠くのはいけない事だヨ。」

 

「はぁ、すみません。館長ってのが物凄く気に成ったんで…」

 

あちゃぁ~っと顔に手を当てるルーとじーさま。

 

「でた、百夜の知りたがり…おめぇ、ちょっと気を使わねぇと彼女が出来ないぞ」

 

「釈迦堂さんも居ないじゃん。」

 

「ハハ、確かに。でもまぁ、俺は強い奴と戦えればそれで良いんでね。その辺の事は考えて無いんだわ」

 

「ハッハッハッ!! 元気で何より!! ソレが益荒男の条件の一つよ!! 百代も気を張らずに普段通りにすれば良い」

 

「おぉ!! 流石生まれるのが遅すぎた竜!! じゃあ、じゃあ、爺とどっちが強いんだ!!」

 

「そりゃ、わしじゃ」

 

「やらねば…解らんなぁ」

 

「「むぅ?」」

 

あっ、コレやばい。どっちも負けず嫌いっぽい。

 

「御馳走様。お風呂にいってくるねぇ」

 

「おっ、良いねぇ。久しぶりにおじさんが背中を流してやろう。」

 

「それじゃぁ、僕がお風呂の中で礼の復習をしようかナ」

 

「弟とお風呂…爺と橘の試合…ど、どうしよう?」

 

「それじゃ、ちょいと道場に行くかの」

 

「むぅ…久しぶりに血潮が滾る」

 

その日の夜。局地的な竜巻と台風が川神を推しました。道場が無くなってたんだけど?

ニュースでは

 

「またKAWAKAMIか」

 

と、流れてました。夕方に帰ってきたら道場出来てたよ。どう言う事なの?

 

 

 

 

 

 

Side out

 

 

少女は今にも張り裂けそうだった。それは心と精神の悲鳴だった。

 

恐ろしい。帰る家が怖い。通う学校が怖い。辛い、悲しい。

 

経験から知っていた。涙を流そうが、悲鳴を上げようが誰も助けてはくれない。手を伸ばしても誰も掴んではくれない。

 

家のドアを静かに開ける。むわぁっとかおる酒の匂い。それと何処かすえた臭い。誰にも気づかれない様に家に上がり、部屋に入り、布団に包まる。

 

「会いたいなぁ」

 

マシュマロを受け取ってくれた子。初めて会って、初めて手を取ってくれた子。同じ学校の男の子。

 

また明日、会えるだろうか? 友達に成ってるくれるだろうか? 期待に胸が膨らみ、同時に嫌われたらどうしようという恐怖が沸き上がる。

 

ギュッと布団を掴む。

 

母に蹴られたお腹が痛む。教室で投げかけられる言葉に心が痛む。恐怖しかない場所に精神が軋む。

 

下の階から何かが割れる音が聞こえた。体が竦む。誰かが家を出る音がした。安堵が広がる。今の内に風呂に入る。

 

誰も居ない。この瞬間が唯一心休まる瞬間だった。ちらりと見た居間の机の上には、飲みかけの酒瓶と無造作に置かれている注射器が見えた。

 

敷きっぱなしの蒲団からする臭いは嫌いだ。嫌な…生臭い匂いがする。

 

髪を洗って、体を洗う。服を変えて洗う。

 

朝が来るのが怖かった。日が昇った頃に目が覚めた。

 

「学校…行かないと」

 

ランドセルを背負い窓から外を見る。昨日あった少年が居た。静かに急いで外に出る事にする。男の子は家の門の所にしゃがんで何かをしていた。

 

今からなら間に合う筈だ。家を出ると、離れる黒い後ろ髪が微かに見えた走り、ほんの2M弱の距離、門から出ると誰も居なかった。角を曲がっても何も無かった。

でも、学校で会えるかもしれない。そう想い学校へ向かった。

 

会えなかった。

 

次の日も

 

次の次の日も

 

会えない。会えない会えない。

 

「何見てんよこのグズッ!!」

 

家で母に出くわした。お腹を蹴られて顔を叩かれた。痛い。鼻血がでた。お腹に青い痣がまた出来た。

 

「…痛いよぉ」

 

そう呟いても誰も助けてはくれない。誰も…誰も…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして誰も僕を助けてくれないの?

 

 

 

 




良い子は白子なんて人に使ってはいけません。
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