ウェーイ!! 百夜です。テンション高いのはこれから病院に行くからです。説得と説明ってメンドクサイね~
嫌な事に結果は予想できちゃってるんだけども…
「いや、それ以前に暑い」
マジで暑い。33°とか何? 地球温暖化で南極の氷よりも俺がヤバイ。
後、どれくらい歩けば良いの? 英雄に病院まで送ってもらえば良かった。
そんなこんなで汗だくに成りながら、白子の入院している病院に来た訳ですが…
「病室の空気が最悪です」
「いや、お前が原因だから」
「……百夜。真面目にお願いします。」
どっから話すか…結界云々からか?
「まぁ、ダイジェストに行くと。こいつの存在に気づかせないように行動してた。序に知らない所で死んでくれないかなぁとか想いつつ、こいつが友達を作る為の状況とかを作ってた。」
失敗したみたいだけどね。そのへんはちゃ~んと確認してます。直接翔一に連絡してみてしらない様だから、大和に連絡してみた。んで、返答は
『しらこ?…来たな、何か変な感じがしたから追い払ったが…クククまさかお前のいい人だったか?』
『んにゃ、近くを通った時に話してるの見たから新しいメンバーかと思った』
『クッ、それは無い。キャップが居ないからな。』
『それもそうか。じゃぁな、お休み。早く寝ろよ』
ってな感じだった。なら仕方が無い。
「なんでですか?」
「何が?」
ん、来るな
「何で黙ってたんですか!! 僕達は同じ学校の人間です!! 何とかしようとするなら僕達の方が適任だったでしょう!!」
「っ若!!」
掴みかかって来た冬馬を準が抑える。やっぱこいつ等良い関係だな。
「まぁ、普通はそうだな。でもよぉ、俺はお前等の方が大事なんだわ。それこそこの白子が他校の奴ならそれでも良かったんだよ。でもな、こいつは俺等と同じ学校に通う虐められっ子なんだわ。」
「若、落ち着けって!! それで? 百夜何で問題何だ? その辺を説明してくれ、納得出来たら若も落ち着くから。納得できなかったら殴るがよ。」
そこは、もうちょっと穏便にして欲しい。
「まぁ、立場っつーかなんつーか……結局は俺等じゃ責任取り切れねぇんだよ。あの時の状況だと。」
「…何でそういう考えに至ったんですか?」
冬馬も大分落ち着いたみたいだ。
「学校での虐めの問題も在ったけども、親からの虐待も在った。そんな時に差し出された手を掴むのは…まぁ普通だな。問題はその後、依存しちまったらどうするよ? 他にも、お前等虐待に気づいたら動くだろ? その先に在る問題はどうするよ? 現にお前等どうにか出来たか?」
「それは!!」
「言われる前に言うけど、俺が隠してたのも原因だけど。何らかのアクションを起こして生じるデメリットは考えたこと有るか? コイツの事背負えるか? コイツの場合助けたら其処で終わらねぇんだよ。それから先が付いてくんだよ。ドラマや映画じゃないの、ハッピーエンドには至らない。自分に当て嵌めて全部考えてみろ。精神状態とか特にだ。」
「「………」」
「この人達は助けてくれる。そう思われる。周りは敵だらけで其処に現れた味方。縋るよ、掴むよ、懇願するよ。俺ならそうする。お前等もそうするだろ? なーんの力も無いんだ、俺もお前等もコイツも子供何だよ。守ってくれるモノが必要なんだよ。 守れるか? こいつを守れたか? その後でコイツを真っ当に出来るか? 一人で社会に出せるか? 親も敵で周りも敵の四面楚歌で、頼りに成る存在に縋っちまったコイツを独り立ちさせられるか? 他人を信じさせれる事が出来るか?」
「出来る可能性は…」
「有るだろ? 何の為に保護施設が有るんだよ」
まぁ、そうなんだけどね準。可能性は低いけども
「其処まで辿り着くのにどんだけ掛かるよ? もっと重傷に成るぞ? 他人が怖くて堪らないのに其処に現れるのは知らない大人だ。知り合った俺達と離れ離れに成るかも知れない事に恐怖を覚えるのは当たり前だぞ?」
「それでも!! それでも…可能性は在った筈です」
「そうだ。百夜、お前の言ってるのは予測でしかない」
だって、でっち上げの上に、今さっき考えただけだもの。
「そうだな。低くても可能性は可能性だ。でもよ、俺はもし・たら・ればが在ったら嫌なんだよ。コイツよりお前等なんだよ。だから、関わらせたくなかった。」
コレは本心。
「…それでも、僕は認められない。百夜が僕達の事を大切にしているのは知っています。でも…」
「あぁ、一方的だろ? 百夜。ソレは善意の押しつけだ。俺達はそんな事望んじゃ居なかった。」
「意見の相違だな。違うか…まぁ、その辺は解ってやってるよ。それじゃぁ、俺は行くわ。その白子は試しに背負ってみな。じゃあな(さよなら)」
次にくる言葉は理解してる。受け入れられない事を一方的にしたんだからソレは当たり前。嫌われるのは当たり前だ。だからまぁ…楽しかったなぁぐらいの思い出が在るからソレで良しとすれば良いさ。
「…えぇ、元気で」
「っ…おう。風邪引くなよ」
病院から出て、九鬼家に連絡する。出たのが完璧な人だった。ちょっと驚いた
『ソレでは、五分ほどでお迎えに上がりますが…』
「が?」
えっ? 何で其処で言葉を切ったの? 何かされるの? 物理的に斬られちゃうのもしかして?
『いえ、三十分程遅れて行きましょうか? 声が震えていますよ。』
「?! …いや、良いよ。今日はもう寝たいんで」
『そうですか…畏まりました』
やだね、やだね。友達二人も減ったよ。畜生。
「まぁ、自殺補助が知られなかっただけ良いかねぇ…」
あっ、結界云々もか。さ~て、明日から何しようかねぇ
Side 冬馬
「…なぁ、若」
「何も…何も言わないでください。準」
さよなら…ですか。百夜こう成る事を承知であの様な行動をとったのでしょうか? 解りません。
ですが、ここに結果は有ります。この少女は親の虐待からは解放された。僕達は友人を一人失った。どうなんでしょうか…僕には最後まで百夜の事を醜いとは思いませんでした。
寧ろ…
(百夜…僕は…)
僕の方が醜いのかもしれません。いいえ、醜いんでしょう。だって、あの親の血を引いているのですから。
百夜は自分のルールに従っていたのでしょうし、自分の欲求に素直に行動していた。ただ、僕達を守る。彼なりに僕達を護る為に行動していたのでしょう。
嬉しいと思いました。そこまでしてくれる事が…ですが、僕はこの少女を救いたかった。
「ぅっ…ん」
「若、目が覚めたみたいだぞ」
「えぇ、良かったです。こんにちは、初めまして。僕は「ひっ?!」…準、NCを」
「もう、押したよ。俺は準、あっちは冬馬。」
「僕達は君の味方ですよ。それでは、また後で」
僕達はそう言って病室を出ました。直ぐに此方に来たNSにどんな状態かを説明し、場所を移しました
「若、あの子…」
「えぇ、対人恐怖症ですかね…」
僕達に向けたあの視線。怖いんでしょう。僕達が…
「百夜が言ってたのはコレか」
そう…なのでしょうか? 何か違う気がします。百夜が僕達に最後に言った言葉を思い出す
『試しに背負ってみな』
背負う…意味は解ります。ですがその前に試しにと彼は言いました。
「準、百夜は試しに背負ってみろと言いました。」
「あぁ、責任を持て…いや、ニュアンス的には人の重さを感じろってとこか? 最後まで俺達の心配だよ。くそっ」
友達辞めるなんて俺も若も言って無いってのによ!!
準も荒れています。僕もソレには賛同します。それに、彼は本当の事を全部は話していません。そんな感じがします。
「そうです。ですが、最初に試しにと付けました。と、言う事は…」
「? …?! 途中で止めても良いって事か? いやいや、若さすがにソレは」
結局の所、答えは出ず。僕達は考え込みながら家に帰りました。
それから、数日の間で百夜の言っている事が解りました。この少女の世界は閉じられている。それ以上の発展が無い。結果的には、だからこそ僕は付き合いやすく感じました。
醜いと感じないのですから、学校に居る知り合いやその他大勢と一緒に居るよりすごしやすいのです。
この場に百夜が居れば…もっと過ごし易かったのかもしれません。
彼と喧嘩別れをしてから九日、そんな事を考えて居た僕の元に準が汗だくで駆けこんで来た時、僕の頭の中は真っ白に成りました。
小雪が…僕達が何も出来ずに見て居たあの少女が年の近い入院患者を殺そうとした。
そんな事を告げられた時、ふと頭に過ったのは百夜の言葉でした。
重い。とても重い目に見えない圧力がのしかかって来ました。正直に言えば放りだしたい。そう思いました…ですが、それは出来ません。そんな、無責任な事はしたくない。
僕と準は小雪に聞きました。なぜ、そんな事をしたのかと。卑怯と思いましたが、鎮静剤でぼぅっとしている小雪は眠たそうな声でポツリ、ポツリと話し始めました。
被害者…小雪が殺そうとした人物は僕達より一つ年下の男のでした。病室が近く、トイレや飲み物を買う時に良く在ったそうです。
そんな少年が、今日たまたま…彼女の髪と目の色を馬鹿にした。
結局の所は、好きな子に意地悪をしたくなると言う幼い恋心だったのでしょう。子供な僕がそう考えるのも可笑しいですが、同じ年の頃の人間の様子は良く見ますからそう考える事が出来たのですが…
今回の事件の発端はその意地悪でしょう。虐めの最初はカラカイ等から始まります。それへの反発等は特に発展しやすい。僕は百夜を思い出しました。名前でからかわれますからね彼は…百夜だから桃屋と言う事です。ソレに対しての彼の反応は
「あの名家だったら今頃豪遊してるよ…はぁ」
で、終わりです。からかう方も彼の気だるげな声色と雰囲気と態度で何故か謝っておわりですからねぇ。
今回の事件の発端は解りました。ですが、行動が過激過ぎる。その事を聞くと、小雪は当たり前の様に言いました。
「だって、僕はあいつなんていらないもん。だから消そうと思ったんだよ? 消えちゃえば良いんだよ。僕に必要無いんだから」
ゾクリと背筋が冷えました。病んでいる…いえ、壊れている。破綻している。でも、醜くはない。逆に白く、とても綺麗に見えた。そう思った自分の心が怖かった。
「僕がだーいじなのはぁ、冬馬とぉ準とぉ…名前も知らない男の子ぉ、だけだ…よぉ」
そう言って、眠りについた小雪に畏れを感じました。同時に哀れに思い、羨ましいと思いました。
これぐらいに壊れて居ればドレだけ幸せなのだろうと考えてしました。そんな事、考えてはいけない筈なのに。ただ、解ったのは彼女には味方が居なかった。伸ばした手を掴んでくれた存在は居なかった。
(いえ、百夜だけが彼女の手を一時的にでも取った。触れた。そして、僕達は彼女に親切に接した。同年代では珍しい存在で、彼女が自分に必要と感じた。つまり、彼女が求めているモノを僕達が持っている。又は代償として欲している?)
もしかしたら、試しにと言う意味は一時的にでも背負ってみると言う事では無く。彼女を通して自分を見つめ直せと言うメッセージなのかもしれません。考えすぎでしょうか?
答えが欲しい。いえ、僕が信じたいと思う答え…結果が欲しい
「ねぇ、準。もし、小雪がこれ程までに壊れて居なかったら…どうなっていたんでしょうか?」
「さぁてねぇ。俺には想像もつかないよ、若。でも…」
「でも?」
「IFのこいつの事は解らんが…今の、俺の知る限りでの小雪は幸せそうだ。何か、寝顔見てたら腹立って来た。」
「クスクスクス、そうですねぇ。今の小雪は幸せそうです。ソレが答え何でしょう。そう言えば十日後から行われる野球の試合…どうします?」
「あぁ、そりゃいかねぇとな。百夜は一発殴らないと気がすまん。俺はまだアイツの友達辞めた訳じゃねぇ」
「フフ、僕もです。小雪も連れて行きましょう。彼女は百夜も必要としていますし、僕達にも彼が必要です。」
そんな事を話していた。話していたんです。
次の日の早くに凶報が電話により告げられました。
百夜と九鬼君が爆弾テロに遭った
僕は準と九鬼家へと走りました。