あ 「うぅ…頭痛いであります」
弥 『だからやめとけって言ったのに…』
紅魔館の自室にてあきつ丸か起きた、昨日の影響で二日酔いになった様だ
弥 『ほい、水飲んどきな』
あ 「申し訳無いであります」
あきつ丸は体を半分起こしながら水を飲んだ、幻想郷には薬局無いからなぁ
弥 『俺は夜また宴会に行くけど…、あきつ丸留守番してる?』
あ 「…いえ、行くでありますよ」
弥 『お、おう、分かった、時間になったら起こすわ』
あ 「お願いであります…」
そう言ってあきつ丸は眠りに落ちた、さてと、出掛けるかな
昨日の妖怪の噂が気になる、なんか引っかかるんだよなぁ
……
…
武装を固めて車の元に行くと、何故やら萃香が居た、不法侵入ですよ貴女
萃 「どこかに行くのかい?」
弥 『えぇ、人里で噂の妖怪を探しに』
萃 「へぇ、私も付いて行こうかねぇ」
萃 「ちょっと、露骨に嫌な顔しないでよ」
弥 『まぁ良いですよ、車に乗って下さい』
そう言ってMARCHの方に指を指すと、萃香は車の近くまで行って唸っていた
そして何を思ったかルーフの上に乗った、もうこのまま行こうかな
俺が運転席に乗り込むと慌てた様にルーフから飛び降り、恥ずかしそうに助手席に着いた
弥 『………、フッ』
萃 「笑わないでよ、誰にだって間違いはあるじゃん」
そうして萃香は瓢箪の酒を呑んでいた、さすが鬼ですね
セルを回すとエンジンが目覚め辺りに咆哮が響いた、外ではこんなうるさくなかったんだけどな
萃 「中々喧しい物なんだねぇ、車ってのはこんな物なの?」
弥 『これでも静かな方ですよ、それはそうと異変は?』
萃 「そっちもやってるから安心して良いよ」
弥 『異変の首謀者が隣に居るだけで安心出来無いですよ』
萃 「ハハッ、違いない」
萃 「にしても相方のあの子は?」
弥 『二日酔いで家で寝てます』
萃 「まだまだだねぇ、あの程度でそれじゃ」
弥 『鬼の貴女に勝てる人は中々居ないと思いますよ』
萃 「それもそうだねぇ、酒要るかい?」
弥 『今は遠慮しときます、後で貰いますね』
萃 「そう、欲しければ言って」
……
…
しばらく走っていると後ろから別のV8サウンドが近付いて来た、奴だ
赤のボディカラーの丸目四灯で昼間なのにハイビームで煽って来る
O/DをONにしアクセルを床まで踏み込む、すると奴は一瞬離れまた張り付いた
そして在ろう事かバンパーを突いて来た、奴は完全に敵意を剥き出しにしている
少しバランスを崩し車体を揺らす様に立て直し、きつい右コーナーを抜けた
コーナーを脱出する頃には奴は少し離れていた、しかしすぐに取り返されるだろう
奴は外に聴こえる程大きな音で音楽を掛けていた、…Paint It Black、を
あいつ元の持ち主が死んだのか?、だからって八つ当たりされても困るぜ
萃 「私がボコろうか?」
弥 『いえ、そろそろ巻くので』
ハンドルをきり魔法の森に車体を跳ねさせながら入り込んだ
こちらはコンパクトな日本車、ましてその中でも小さいMARCHだ、エアロを付けたとはいえ…
対してあちらは大柄なアメ車、入り組んだ森の中を通ることは不可能だ
木の間をすり抜ける毎に4つの光は遠ざかり、やがて消えて行った
ふと隣を見ると、喧嘩が出来ず不貞腐れた小さな鬼が瓢箪を煽っていた
……
…
紅魔館に戻る途中で萃香を降ろし、紅魔館に戻った
MARCHのリアバンパーを見ると思い切り割れていた、思いの外激しかったんだな
傷付いたバンパーを撫でて居るとあきつ丸が出て来た
あ 「酷いであります!、置いて行くなんて…ってそのバンパー如何したんでありますか?」
弥 『例の妖怪に突かれた、あいつ…、次は無いからな」
あ 「例の妖怪でありますか?」
弥 『そうだ、奴は58年型プリマス、確か250馬力オーバーじゃなかったか?』
あ 「ほう、それでバンパーがそんな事になったんでありますか…」
あ 「で、なんで置いて行ったんでありますか?」
あきつ丸はお怒りの様で、死んだ魚の目をしてらっしゃる、なんてこった
弥 『ま、まぁそう怒りなさんな、お前が寝てからすぐ萃香が来たんだ、起こしたら悪いなと思ったんだよ』
あ 「そうでありますか、なら今度はちゃんと起こすでありますよ?」
何故かあきつ丸は凄みながらそう言った、凄まれても困るんですけど…
弥 『ハイハイ、分かりましたよ』
あ 「よし、なら良いであります」
あきつ丸との話が終わった頃、空間が裂けゆかりが出て来た、毎回それビックリするんだよなぁ
紫 「外界への扉が出来たから、案内するわ」
そう紫が言ってすぐ、俺達はスキマに落とされた、隣であきつ丸が叫んでいた
……
…
足にちょっとした衝撃が伝わった、付いた様だ
あ 「し、死ぬかと思ったでありますよぅ」
そう言うあきつ丸はその場でしゃがんでいた、そりゃ誰でもそうなるよな
紫 「さて、ここよ」
そう言って紫が指を指したのは、ガレージ付きの廃屋だった、これのどこ?
紫 「この車庫の扉を開けると…、外界に行けるわ」
車庫の奥は向こうの景色が揺らめく様に見え、峠の様だった
弥 『向こう側に行くともう戻れないとかは…?』
紫 「安心して良いわ、その様な事は無いから」
紫 「じゃ、私はこれで」
弥 『ありがとうございました』
スキ弥に戻る紫に手を振りながら礼を言うと、彼女微笑みながら帰って行った
直ぐにでも行ってみたいが、今日は予定がある、明日にお預けだな
しばらく待っているとミアが迎えに来てくれた、本当気が効く子だな
あ 「やっぱり人が乗ってないと怖いものでありますな」
俺は頷きながら車に乗り込み神社に向かった、その頃にはリアバンパーは直っていた
雨が凄いですね