東方銃憶録   作:MICRA

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東京 〜 あきつ丸返却大作戦
上京


朝は暇だ、フランが起きてる訳でも無くあきつ丸はすっかりの寝坊助さんだし

折角だし部屋にあったティーパックで紅茶を淹れておいた、俺は使いの者か?

窓も無い様な部屋だが暖炉さえ火がつけば中々居心地が良い

朝の優雅なティータイムを過ごしているとあきつ丸が起きて来た、ヨロヨロとフラつきながら

 

あ 「おはようございますぅ、弥生殿ぉ」

弥 『おはよう、お茶なら入れてあるぞ』

あ 「あぁ、ありがとうございます」

 

あきつ丸は礼を言って俺の向かいに座った、昨日書いた文字まだ残ってるんだけど

 

あ 「ん、美味しいでありますな…、どうしたんでありますか?、ニヤニヤして」

弥 『ん?、あぁ、いやなんでも無い』

あ 「?、まぁ良いであります、今日でありますよな?、ここを出て東京行くの」

弥 『確か、ね』

あ 「つまりは飛行機であります、弥生殿の苦手な」

弥 『思い出させるなよ…』

 

そんな会話をしているとフランも起きて来た、服がはだけてますよ

 

フ 「…おはよぉ、みんな早いねぇ、ふぁ〜」

 

欠伸をしながらフランもテーブルを囲んだ、陽射しの入らないこの部屋は吸血鬼には最適の様だ

 

フ 「そういえばさ、飛行機ってどんな感じなの?」

弥 『地獄の様』

あ 「それは弥生殿だけであります、基本的には乗り心地の良い物でありますよ」

あ 「まぁ重力に逆らうのは間違いだと思いますが…」

フ 「へぇ〜、楽しみ〜」

弥 『と言うかフランは飛べるだろ、あれとそんな変わらないと思うぞ』

フ 「まぁ、乗って見てから考えるよ」

弥 『乗るの確定かよ…』

あ 「残念でありますなぁ、弥生殿」

 

そう言ったあきつ丸の顔はニヤケていた、こればっかりは腹立つ

 

弥 『後で鏡見ておけよ、今お前凄い面白い』

 

あきつ丸はそう言うと懐から鏡を出した

 

あ 「そんな訳…、あっ」

 

……

 

3人で空の元に出向いた、話によると今日出発らしい、早く言えよな

そして今滑走路に居る、飛行機乗りたくねぇな、輸送機らしいが

まして操縦は空が行うらしい、最早不安要素しかない

 

空 「あれ?、車は持って行かないんですか?」

弥 『あぁ、持って行って良いんですか』

 

俺はそう聞いて指笛を吹くと、遠くから排気音が聞こえ角からMARCHが顔を出した

ミアが大きな犬の様にすり寄って来るのだが、ドアミラーがゴンゴン当たってすげぇ痛い

腕に痣を作りながら周りを見回すと空や加賀さんが目を丸くしていた、まぁそりゃそうか

一通りミアは甘え終わったのか輸送機の貨物室に収まった、心なしか雰囲気が満足気だ

 

加 「なんですか今のは?」

弥 『気にしないのが得策ですよ』

加 「そうですか…」

加 「それじゃあ、乗って下さい?」

 

加賀さんは満面の笑みでそう言った、全くこちらの気も知らないで

嫌々機体に乗り込むと中は予想通り質素で、シートに関してはハンモックの様に布を張っただけのものだ

俺が一番端の席に座ると、隣にはいつも通りあきつ丸、その隣にはフランと並んだ

 

あ 「弥生殿、どれだけ飛行機嫌なんでありますか…」

弥 『ん、どうして分かった?』

あ 「この世の終わりみたいな顔してるでありますよ」

弥 『まぁ、あながち間違いじゃないしな』

フ 「楽しみ〜」

 

3人でそんな話をしていると、機内アナウンスが流れた、飛び立つそうだ

間延びした空の腹立つ声が機内に響き、直ぐに体にGが掛かった

 

その後の事は想像に任せるが、一つだけ言っておく、とても気持ち悪い

 

……

 

色々ゴタゴタがあったが横須賀に着いた、ここからは車で移動だ、尚空はジムニーで別移動である

既に日が暮れ首都高は走り屋達で一杯だろう、久し振りに出没しようかな

そう思い今は大黒PAに居る、ちょっと休憩って事だ

 

あ 「弥生殿〜、何飲みますか〜」

弥 『あ、コーラでよろしく〜』

あ 「はい、コーラであります」

弥 『ありがとう…、ってこれおしるコーラじゃんかよ!』

あ 「あ、間違えたであります」

弥 『あきつ丸…これ飲める?』

あ 「いいえ…、フラン殿に任せましょう」

弥 『そうすっか、まぁ今寝てるし後ででいいだろ』

あ 「そうでありますな、そろそろ出発しましょう、間に合わなくなってしまうでありますよ」

弥 『だな、そろそろ行くか』

 

そうして俺達はMARCHに乗り込み、PAを出た

 

……

 

しばらく首都高を流しているとあきつ丸が話し掛けて来た

 

あ 「陸軍省に帰ったら、もしかしたら一緒に帰ってこれないかもしれないであります」

弥 『やっぱり数ヶ月行方不明だったら、聞き取り調査もあるだろうしな』

あ 「それに、多分身体検査もありましょうし、少なくとも1、2ヶ月間は…」

弥 『そうか、寂しくなるな』

あ 「その代わり、戻って来た暁には強くなっていると期待していて下さい!」

弥 『はぁ、良く分からないが期待しておくよ』

あ 「あ、ここで高速を降りて下さい」

弥 『ん、あぁ、分かったよ』

 

そう言われ下道に降りた、にしてもさっきから付けられてる気がする、気のせいか?

交差点をいくつ通過しようが、あきつ丸の言っている裏道を通ったりしても同じライトが付いて来ている

黒い日産Figaro、純正カラーでは無いがあまり珍しくも無い、俺が知っている個体でない事を祈ろう

そんな事を考えていると陸軍省についた、デカい建物だなー

駐車場のゲートにはゴツい軍人が2人おり、物々しい雰囲気が漂っている

その二人がこちらを見据えると、こちらに手招きしている、早くこっちに来いと言うことか

 

軍 「あなたが弥生さんですか?」

弥 『えぇ、あきつ丸を連れて来ました』

軍 「もうなんて言えば良いか、とても感謝しています、ありがとうございます!」

軍 「我ら陸軍の宝であるあきつ丸を…」

 

そう言って軍人の2人は大粒の涙を零していた、余程大事にされてたんだな

 

あ 「中々恥ずかしいものでありますな、弥生殿、行きましょう」

 

あきつ丸は照れ臭そうに微笑んだ、いつも真っ白な顔が珍しく赤くなっている

駐車場のゲートが開き中に案内された、クラウンやらプレジデントの中にMARCHは中々場違い感がある

高級車に囲まれたミアは自分を強く見せたいのか車高を下げていた、張り合わんでも

 




次回をお楽しみに〜
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