駐車場から中に入るとホールが広がっていた、役所には見えない程至る所に装飾が散りばめられている
色々部署がある様で憲兵団とかなんちゃら対策室など、無知な俺には分からないものばかりだ
にしてもやはりあきつ丸は陸軍では有名人の様だ、アイドルを見る様な目で皆が見ている
あ 「恥ずかしい物がありますな、ここまで注目されると」
弥 『ふーん、そうなんだ』
あ 「どうしたんでありますか?、よそよそしい」
弥 『ん?、あぁ、なんでもない、考え事してた』
あ 「隣にこんなに可愛い女の子が居るのにですか?」
そう言ってあきつ丸は誇らしげな表情をした、自分で言わないの
弥 『はいはい、そうですね、貴女は可愛いですよ』
俺がそう言うとあきつ丸の顔は何故か真っ赤になった、そう言うのに耐性が無いんですかね
あ 「そう言う事を真顔で言わないで欲しいであります…」
あきつ丸はそう言って両手で顔を覆ってしまった、歩いてるんだから前見なさいよ
その後案の定あきつ丸は柱にぶつかった、物凄い音したけど大丈夫かね
……
…
結局俺とあきつ丸は応接間に通された、フランは日がダメなので別室の日の入らない部屋に居る
単冠湾とは違いここには窓があり明るい雰囲気だ、普通はこうあるべきだよな
そうして今はあきつ丸が別部屋で質問を受けている、つまり俺は暇って事だ
仕方ない、本でも読むか、そう思った時ドアが叩かれた
その叩き方は尋常じゃ無く、最早一種の狂気を感じる程だった
ドアを開けると黒いマントにペストマスクを着けた娘が居た
? 「久し振りですね、逢いたかったですよ、お兄様」
そう言って娘はマスクを外した、我が妹フィガロであった
弥 『久し振り、俺は会いたく無かったよ』
フ 「いつもの様に辛辣ですね、まぁ良いです、お兄様には色々聞きたい事がありますが…」
フィガロはほぼ瞬きもせず、ただひたすらこちらを見据えている
フ 「あきつ丸とどの様な関係で?、場合によっては消えて貰うのですが」
その瞬間フィガロの背後に黒い靄の様な物が見えた、負のオーラって奴ですか?
弥 『なんて事は無い、ただの友人だよ』
フ 「そうですか、命拾いしましたね、あきつ丸さん」
弥 『何を物騒な事を…、いつもより素直だな、どうしてだ?』
フ 「お兄様は嘘を付くと目が泳ぎます、それを見てるんですよ」
フ 「お兄様は私に嘘はつけません、私はお兄様の全てを知っているんですよ」
弥 『そうかい、気をつけよ…』
フ 「そう言いつつ何も改善しないのでしょう?」
弥 『もちろん、面倒だからな』
弥 『って事で出掛けて来る、それじゃ』
フ 「御一緒します」
弥 『するな、ここで待ってなさい』
そう言って俺部屋を離れた、絶対付いてくる気がするな
まあ良い、廊下を歩きながら昔のことを思い出した、フィガロが昔起した問題について
昔、まぁ小学から中学位だ、自負するのもどうかと思うが俺はある程度モテた、大半性格に難が有ったが
しかし何故か俺に告った者は次の日から学校に来なくなった、それも何人も
最初の方は偶然だと思ったが余りに数が多すぎる、学校でも噂になった位だからな
そんな曰く付きの俺はイジメの対象になるのに時間はかからなかった、今時余り無い校舎裏って奴だ
まして一人二人なら余裕だが多勢に無勢過ぎた、十人以上は無いだろ…
それが二、三日続いたがある日パッタリと止まった、正直嬉しかったな
その時思い出した、愚痴は全てフィガロにしか言って無い、親に言うのは格好付かなかったからな
うちは余り親が居なくて俺が洗濯していた、その日フィガロの制服には赤い沁みが多数付着していた
その後聞いた話ではそいつらは全員病院送りになっていたそうだ、それが昔の話
フ 「どうしたんですか、考えている姿も愛しいですね」
さらっとマスクを付け直し、フィガロは俺の隣を歩いていた
弥 『ちょくちょくそう言う事言うのやめなさい』
弥 『昔の事思い出してた、セーラー服洗うの大変だったなって』
フ 「思い出す所が違う気がしますが…、別に私に任せてくれても良かったんですよ?」
弥 『腐っても兄だしな、それぐらいやらなきゃ示しがつかん』
フ 「なら姉様達に…、あの人達は駄目ですね」
弥 『不器用過ぎて服破りそうだもんな』
フ 「えぇ…、着きましたよ」
意外と廊下が長かったが駐車場に着いた、良く考えたら何でフィガロ付いて来てんの?
弥 『よくよく考えたらなんでお前付いてきてんの?』
フ 「お兄様が行く所に私有りですよ」
フィガロは真顔でそう言った、何言ってるの
弥 『意味が分からん、折角だから今日泊まるホテルまで案内してくれ』
フ 「ラブホですか⁉︎、流石に物事には順序があるって言うか、その〜」
頬を染めながらフィガロはド直球の下ネタを挟んで来た、そんな子に育てた覚えは無いぞ
弥 『違うわ、陸軍省に泊まるスペース無いだろ、ホテルに泊まってくれって言われたんだよ』
フ 「あぁ、それなら私の家に泊まれば良いんじゃ?」
弥 『お前の家二人泊まれる?、出来れば日の入らない部屋』
フ 「その辺ならご安心ください、いつでもお兄様と同棲出来る様準備してあります」
弥 『全く…、1週間はお世話になるわ』
そうしてフィガロの家に案内してもらった、後でフランも連れて来ないとな
最近迷走中〜