外界に来て1週間、軍の堅苦しい調査にも慣れてきた
今日は祝日らしく一部を除き軍人は全ておやすみらしい
って事であきつ丸と神奈川の中古車屋に居る、車を探すらしい
弥 『何が欲しいんだ?』
あ 「うーん、小さい車ですかね」
弥 『資金は?』
あ 「我が陸軍が出してくれるんでありますよ」
弥 『太っ腹だねぇ』
あ 「そうでありますなぁ、流石であります」
そんな話をしていると店の人が出て来た
店 「何をお探しですか?」
弥 『小型車を、この子が乗るんです』
そう言うと店の人は少しあきつ丸を見ると、こっちだと歩き出した
店 「これなんてどうですか?」
そう言って出されたのは赤いアルトだった、所々錆が浮き色褪せが酷い物でいかに雑に扱われたが分かる
あ 「チェンジで!」
店 「分かりました」
店員さんはまた歩き始めた、次なる小型車の元へ
次に紹介されたのは白いスターレットだった、走り屋の物だったのかエアロが付いている
あ 「良いんですが、日産派なんでありますよ、自分」
店 「なら良いものがありますよ」
そう言って店員さんは店の奥の方を指差した
そこにあったのはK10、奇しくも俺のMARCHの先代に当たる車で、
前にあきつ丸と話したMARCH turboだった、黒いボディは埃を被って薄汚いが錆などは無かった
車内を覗くと相応の劣化はあるがシートなどは破れていなかった、尚マニュアル車な様だ
店 「前の店主が大事にしてた物なんですが…、まぁもう乗る人も居ないので」
あ 「…ボンネット開けて見ても?」
店 「どうぞ」
あきつ丸が前ヒンジのボンネットを開けるとそこには…
MA10ETではなくMA9ERTが鎮座していた
MARCH superturbo用のエンジンで、スーパーチャージャーとターボを付けたツインチャージエンジンだ
あ 「驚いたであります」
弥 『考える事は皆同じって事か』
店 「前の店主さんはsuperturboのエアロが嫌いで、わざわざturbo用のエアロとインテリアに積み替えたんですよ」
弥 『ほほぅ、中々こだわりが強い人だったんですね』
店 「えぇ…、これにしますか?」
あ 「はい!、これが良いです、これ下さいッ!」
あきつ丸は凄い食い気味にそう言った、店員さん困ってるよ
店 「分かりました、では店内で書類を…」
そう言ってあきつ丸と店員さんは店に入って行った、そろそろ幻想郷に帰らなきゃな
……
…
あきつ丸を家に送りフィガロの家に帰って来た、鍵を開けると中にはニコニコしたフィガロが待っていた
フ 「お帰りなさい、お兄様♪」
弥 『た、ただいま』
フィガロの後ろには黒いオーラが出ており、無言の圧力を感じる
フ 「どこに行って来たんですか?」
弥 『中古車屋さんに』
フ 「誰と?」
弥 『あきつ丸と』
俺がそう言うとフィガロの笑顔が消え真顔になり、オーラが更に強くなった
フ 「私出掛けてきます、やらなきゃいけない事ができました」
弥 『待て待て待て行くな行くな』
俺がフィガロの肩を掴むと何故邪魔をするんだって顔をしていた、ヤバい気しかしないもん…
弥 『あの、その、ああ!、久しぶりにフィガロの手料理が食べたいなって思ったんだけど…ダメか?』
フ 「そう言う事なら早く言って下さいよ!、準備してきまーす♪」
そう言ってフィガロは台所に走って行った、セーフ!
……
…
頼んでしまったので手伝いに行くと、デーブルに座って待っていてくれと言われキッチンから追い出された
仕方がないので暫くボーッとしていると洋館の家には似合わない和食が出てきた、なんとアンバランス
フ 「出来ました!、召し上がれ〜」
弥 『ありがと、いただきます』
ご飯に味噌汁、アジの塩焼きに卵と漬物と見本の様なもので、器が洋風なだけあってまたミスマッチだ
弥 『…美味しいな』
フ 「腕によりをかけて作りましたから、お口に合って何よりです」
気付けばフィガロもすぐ隣で同じ食べていた、まだ夕飯食ってなかったんだな
弥 『お前さ、もしかしてまだ夕食食べてなかったのか?』
フ 「えぇ、お兄様と食べたかったので」
弥 『まぁ、なんだ、すまない』
俺がそう謝るとフィガロはびっくりした様な顔でこちらを見ていた
フ 「お兄様が謝るなんて珍しい」
弥 『俺は何だと思われてるんだ、悪い事したと思ったんだよ』
フ 「フフッ、そうですか」
そう言ってフィガロは微笑んだ、我が妹ながら可愛いな
弥 『口にご飯粒付いてるぞ』
フ 「え?、どこですか?」
弥 『ここ』
俺はフィガロの頬に付いたご飯粒を自らの口に放り込み、自分の飯を掻き込んだ
……
…
歯を磨き寝間着に着替え寝る準備を済ませた、風呂が一番大変だったぜ
自室に戻りベッドをめくるとフィガロが隠れており抱き付かれた、やめなさいって
フ 「今日ぐらいは一緒に寝て下さい、今日は寂しかったんですよ?」
弥 『分かったから離してくれ、これじゃ寝れないだろう』
そう言うと渋々ながら離してくれた、仕方ないから一緒に寝てやるよ
布団に転がり掛け布団をかけた、背中にはフィガロがくっ付いている
フ 「…昔、お兄様が留学に行った時を憶えていますか?」
弥 『あぁ、お前が引き篭もっちゃった時のことだろ?』
フ 「えぇ、あの時私は凄く寂しかった、いつも遊んでくれていたお兄様が居なくなってしまうんですから」
フ 「寂しくて寂しくてどうしてか考えた時、私気付いたんです、貴方、お兄様が好きだって」
弥 『そうか、悪い事したな…』
フ 「だから…」
フ 「今度は置いて行かないで、お兄ちゃん」
フィガロは可愛い子だよ、愛が重いけど