東方銃憶録   作:MICRA

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話の大筋には全く関係ないので飛ばしちゃっても大丈夫ですが…、読んでくれると嬉しいです


羊の皮を被った狼

この峠はあまり全長が長くないが高低差が激しく、ヘアピンやS字コーナーが多い

その上道の状態も悪くただえさえ狭い道がさらに狭くなっている

左右1mは枯葉や砂で滑り易く、夜は気付かなかったが路肩には側溝がある、溝走りが出来そうだ

イメージは埼玉の正丸峠と群馬の榛名山を足して二で割った様な感じだな

勾配は第一いろは坂に近いものがある、お陰でSR20であっても登るのがキツイ

 

龍 「流石に3人乗ってると馬力的にキツイんか?」

弥 『150馬力もあれば十分だと思ったんだけどな、上りは苦手』

摩 「車重が軽いから下りは暴力的な走りになりそうだけどな」

弥 『フロントヘビーだからそこまでじゃないと思うが、まぁあきつ丸に散々文句言われたけど』

弥 「さて、頂上に着いたぜ」

 

峠の頂上に着くと前と変わらず寂れていたが、1台車が止まっていた

トヨタSTARLET EP82、提督が買って来たセカンドカーと聞いた、まぁ加賀さんが良く使っているらしいが

EP82の車内には加賀さんが眠っており、起こすのは憚られる、何でこんな所で?

 

龍 「お、提督んとこのSTARLETやん、K11のライバルやな」

弥 『あの車の中身よるな、並みのエンジンなら負ける気がしないね』

摩 「おい弥生、あれ見ろよ…」

 

俺は摩耶にそう言われSTARLETの方を見ると…、加賀さんがこっちを睨んでいるんですけど

口の動きから察するに…「頭にきました」とな?、頭に来られましても

加賀さんはそう言うとセルを回しエンジンに火を入れた、ブローオフバルブの作動音が度々する事からターボ車なのだろう

MARCHの後ろにくっ付くとパッシングして早く行けと急かしてくる、MARCHだからって舐めてかかってるのかしら

 

摩 「加賀って中々好戦的なんだなぁ…、で、やんのか?」

弥 『もちろん、MARCHがSTARLETに負ける訳には行かない』

 

K11 MARCH vs EP82 STARLET 、コンパクトカー同士の戦いの火蓋が切って落とされた

……

 

走り始めて数分、思っていたより加賀さんが上手くて驚いている

グリップ走行の基本は全て出来ている、本当に初心者か?

それに俺の走り方を見てタックインも習得した様だ、そろそろ引き離さないとまずいな

左にキツいコーナーに差し掛かりブレーキを踏んだ、同時にギアを2ndに入れフロントに荷重を掛ける

次に右にハンドルを切り空かさず左に切る、俗に言うフェイントモーションだ

ノーズが左を向いたらサイドブレーキを小刻みに引きリアタイヤを滑らせアンダーを殺す

コーナーの出口に鼻先が向いたらギアをDに戻しアクセルを踏み込めばコーナを脱出する事になる

しかしここは峠、サーキットの様に休めるようなストレートも無くすぐに次のヘアピンがやってくる

車体を左に振りすぐさま右に切りアクセルを抜く、タックインの力に任せコーナを抜けて行く

そんなヘアピンを3つ抜ける頃には既にコツを掴んだ加賀の車はまたリアガラスに張り付いていた

 

ふと助手席を盗み見ると摩耶が顔を白くしており、バックミラー越しの龍驤は青くなっていた

まぁいいや、そう思い焦点をリアガラスに向けると付かず離れず後ろにくっついて来ている

峠には法則性があり基本的にはヘアピンの後にはストレートが待っている

しかしここは心が休まらないふにゃふにゃした左右のクランクがある

遠心力で地面から剥がされそうになる車体をブレーキングやタックインでなんとか地面に押し付けまたヘアピンが近付いて来た、アレやってみるか

アクセルを早いうちに抜いてエンジンブレーキをかけ、内側の縁石にぶつける勢いでハンドルを切る

片方のタイヤが下に落ちる感覚を感じすぐさまアクセルを踏み込んだ

すると通常では有り得ないジェットコースターの様な気持ちの悪いコーナリングを見せた

コーナーの出口でハンドルを左に切り側溝から引っ張り出した

ふとメーターを見るとコーナー脱出時のスピードが+20kmぐらいだ、素晴らしい

バックミラーから加賀さんのSTARLETはもう消えている

見えなくなったSTARLETのブローオフバルブの作動音がひときわ甲高く峠に響き渡り、バトルの終了をこちらに知らせて来ていた

 

……

 

麓に降りて来る頃には摩耶は元気を取り戻していた、龍驤は未だ青白い

 

摩 「久々に怖ぇ運転だったな…、何回かバンパー擦ってたし」

弥 『そんなに怖かったか?』

摩 「怖えぇよ!、龍驤が酔っちまうぐらいにな!」

摩 「てか龍驤大丈夫かよ?」

龍 「まだ気分は戻らへん、ウプッ…、気持ち悪い……」

弥 『あと少しで鎮守府に着くからそれまで待ってくれ』

 

程なく鎮守府の駐車場に車を止め、龍驤を外に出した

龍驤はフラフラと鎮守府の扉に歩いて行った

 

摩 「見てらんないぜ…、私も行ってくる、じゃあな!」

 

外に出ていった龍驤を介抱する為摩耶も外に出て行ったからぼっちになってしまったのだった

 




なんとも言えないふわっとした内容になりましたね
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