ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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ダイナモ戦・・・・・でいいのか?


時給戦隊アルバイター

ハンターベース

 

『緊急事態発生!緊急事態発生!ダイナモと名乗るレプリロイドがハンターベースを攻撃中!ベース内にいるハンターは直ちに応戦せよ!!繰り返す!ベースに待機中のハンターは・・・・・』

 

 

マーティがマッコイーンの元から戻ろうとしていた頃、ダイナモがメッセージ通りにハンターベースを襲撃していた。エックスはオリハルコンをベースに転送後、音信不通(転送装置は飽くまで貨物用のためレプリロイドは転送できなかった)。マーティは、自分だけで戻ろうとしても時間がかかり、ゼロたちに関しては随分前に出て行ってしまったため、呼び戻しても間に合わない。

 

「くっ・・・・・エイリア、イーグリードたちが戻るまでどのくらいかかる?」

 

「後20分はかかるわ。イーグリードだけ単独で戻らせても15分、とてもだけど間に合わないわ。」

 

「・・・・・止むを得ん。」

 

シグナスはハンターベース全域に指令を出す。

 

「動けるものは作業員でも構わん!全員銃を持って応戦せよ!!奴をエニグマに近づけさせるな!」

 

「し、シグナス!?」

 

シグナスの命令にエイリアは驚きを隠せない。命令を伝えるとシグナス自身も一般兵用のバスターショットを持って部屋を後にしようとする。

 

「エイリア、君は引き続きここで状況を把握してくれ。」

 

「む、無茶よ!ハンターでもない作業員たちにまで武器を持たせて応戦させるなんて・・・・・」

 

「無茶なのはわかっている・・・・・だが、エニグマが破壊されてはすべてが終わりだ。エックスたちが戻ってくるまで我々がこの身を犠牲にしてでも守り通すんだ!この手で!!」

 

そう言うとシグナスは、エイリアをその場に残して出て行く。一人残されたエイリアは、エニグマに向かって侵攻しているダイナモを見る。

 

「・・・・・・誰でもいいからお願い・・・・・早く戻ってきて・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンターベース 倉庫

 

「全員、バスターとありったけの武器は持ったか!?」

 

「「「「はい、チーフ!全員持ちました!!」」」」

 

倉庫ではシグナスの命令を聞いたダグラスが整備兵たちと共に武装を持ってエニグマの方へと向かおうとしていた。

 

「親方、倉庫の部品整理終わり・・・・・どうしたんです?皆さん揃って?」

 

「ピクニック~?」

 

そこへバイトの8人が掃除を終えて戻ってきた。

 

「何がピクニックだよ!?これから戦闘しに行くんだよ!」

 

「「「「「せ、戦闘!?」」」」」

 

ダグラスの言葉を聞いて驚く一同。

 

「でも、親方たち戦闘用じゃ・・・・・・・」

 

「しょうがねえんだよ!動ける連中はみんな出かけちまったんだからな!呼び戻すにも時間がかかるし、それまで待っていたらお終いだ!戻ってくるまで何とか俺たちで持ち堪えるんだよ!!」

 

「・・・・・親方・・・・・・」

 

「お前たちは飽くまでバイトだ。大人しく倉庫にでも隠れてろ。戻ってこないときはマジで世界が終わるかもしれないけどな・・・・・・」

 

ダグラスは、苦笑を浮かべながら言う。

 

「親方、俺たちも・・・・・」

 

「ありがてぇけど、気持ちだけで十分だ。行くぞ!」

 

「「「「はい!!」」」」

 

そう言うとダグラスは、整備員たちと共に倉庫から出て行った。

 

「「「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」」」

 

「・・・・どうする?」

 

「さっきの警報・・・・・倉庫の整理中でよく聞こえなかったがまさか、誰かがここに攻めてきたのか?」

 

「まさか昔みたいにフォルテが攻めてきたとかじゃないよな?」

 

「そんなことになったらまた給料がパーだ。」

 

「「「「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」」

 

8人は、全員の顔を見合わせる。

 

「・・・・行くか!」

 

「「おう!」」

 

「親方たちだけやらせるわけにはいかない!」

 

「仕事場と上司があってこそのアルバイター!」

 

「今こそミーたちの見せ場ね!」

 

「行こう~行こう~。」

 

そう決めると三人はダグラスたちが向かった方へと走って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンターベース エニグマ前

 

「「「撃て撃て!!」」」

 

エニグマの前では非戦闘員たちがダイナモに向かって攻撃を仕掛けていた。

 

「あらあら・・・・随分とお粗末な射撃だこと。」

 

元々戦闘経験が皆無に等しい整備員たちの射撃を見てダイナモはつまらなそうな顔で避けながら攻撃する。

 

「うわっ!?」

 

「ちくしょう!」

 

ダイナモの射撃は的確でエニグマの前で防衛線を張っていた非戦闘員たちは次々と倒れて行く。

 

「くそ!お前ら気合い入れて撃て!足でも顔でもどこでもいい!!」

 

ダグラスは部下たちが次々倒れて行くのを見ながらも諦めずに攻撃する。しかし、時間が経つにつれ残ったのはシグナスも含めて二人だけになってしまった。

 

「シグナス、悪いけどそれ取ってくれ。」

 

「これだな。」

 

シグナスは大型のバズーカ砲をダグラスに手渡す。一昔前の旧式だが火力は高く命中すれば大半のレプリロイドは吹き飛ぶ代物だ。

 

「これで吹き飛びやがれ!!」

 

ダグラスは、ダイナモに向かってバズーカを発射する。

 

「おっと、危ねぇ!?」

 

弾頭が命中する寸前ダイナモは、態勢を変えて回避する。と同時にダグラスたちがいる方へ大きくジャンプし、愛用の武器である「Dブレード」を展開して、ダグラスに斬りかかる。

 

「うおっ!?」

 

ダグラスは咄嗟に避けるが背中を斬られて倒れる。

 

「ぐう!」

 

「ダグラス!」

 

シグナスは、ダグラスを助けようとするがダイナモにDブレードを首元に向けられ動けなくなる。

 

「うっ・・・・・・・」

 

「せっかく来たって言うのに残念だな・・・・・非戦闘員が束になって俺に敵うと思ってんの?舐めすぎてない?」

 

「くう・・・・・・・貴様は何故このようなことをする?地球の存亡に関わる危機なんだぞ?」

 

「別に俺は仕事の依頼でやってるだけだからね。報酬さえもらえればなんだってしちゃうのよ。コロニーを地球に向かわせるのもね。」

 

「何!?じゃ、じゃあ・・・・・ユーラシアを占拠して地球への向けさせたのは・・・・・・」

 

「ご名答、俺ってわけ。だから、シグマの旦那の言う通りにしないといけないのよ。」

 

驚愕の表情をするシグナスに対してダイナモは悠々と話す。

 

「こ・・・・・この屑野郎・・・・・」

 

「あっ?まだ動けたんだ。お宅、非戦闘用にしては丈夫だね~。」

 

ダイナモは、シグナスから離れて何とか動こうとするダグラスへと標的を変える。

 

「じゃあ、最初はアンタから始末しようかな?恨みはないけど仕事だから勘弁してね。」

 

「・・・・・」

 

ダイナモが自分に向かっているのを見てダグラスは悟られぬようシグナスに逃げろとサインする。

 

(ダグラス・・・・・・)

 

(行け!ここは俺が自爆してでも食い止める!)

 

よく見るとダグラスの手には、高性能手榴弾が握られていた。いざというときのために隠していたのだ。そんなことに気づくことなくダイナモは一歩一歩と歩み寄ってくる。

 

「あ~あ~、こんなに埃まみれにしちゃってさ・・・・・・これ姉ちゃんに怒られちまうよ(汗)。」

 

ダイナモは、困った表情で言う。そして、ダグラスの足元へと来る。

 

(よし・・・・・)

 

「ほんじゃ、早速だけど・・・・・・」

 

 

 

「ナパームボム!!」

 

「クリスタルアイ!!」

 

「!?」

 

「なっ!?」

 

突然飛んできた物体にダイナモは思わず回避行動をとる。しかし、逃げた先の上空では既に第二の攻撃が待っていた。

 

「ジャイロアタック!」

 

「うおっ!?」

 

「グラビティーホールド!!」

 

「ふがっ!?」

 

飛んできたプロペラに弾き飛ばされ、更に地面に押しつぶされそうな勢いで叩きつけられ、ダイナモは何が起こったのかさっぱりわからなかった。

 

「い、今のは・・・・・・」

 

「親方!」

 

「ん!?」

 

ダグラスは、声のした方を見るとそこには倉庫に隠れているように指示したバイトたちがいた。

 

「お前たち!」

 

「早くその人と一緒に逃げてください!」

 

「なっ、何言っていやがんだ!?」

 

「ここは俺たちが食い止めます!!」

 

「さあ、早く!」

 

ダグラスの元へバイトの一人である大柄の岩石でできたロボット ストーンマンが駆けつけてシグナスと共に運ばれて行く。

 

「急げ急げ!」

 

「・・・・痛・・・・・やってくれるね・・・・・」

 

ダイナモはヨロヨロと起き上がるとトリックショットを展開する。

 

「少し腹立っちゃったな・・・・・・もう少しゆっくりやろうかと思ったけどすぐに終わらせよう。」

 

ダイナモは、そう言いながらエニグマに向かってトリックショットを発射する。

 

「え、エニグマが!?」

 

ダグラスとシグナスはもう見ていられないと顔を伏せるがエニグマの前に一人の人影が立ちはだかり、星形の武器を四方に展開して光弾を防いだ。

 

「あれ?」

 

「フッ、ホホホホホ。ミーの『スターバリア』は、無敵ね!ユーの武器なぞ屁でもないね!」

 

「お前たち・・・・・・」

 

面接のときは大丈夫なのかと心配していたが8人の姿を見てダグラスは、驚いていた。

 

 

「ちょっとちょっと・・・・・・なんなんだよ、アンタら。作業員でもなければハンターでもなさそうだし・・・・・一体何者なんだよ?」

 

「何者だと?」

 

ダイナモの問いに対して全身にクリスタルがちりばめられているロボット クリスタルマンがまじめな顔をする。

 

「我々はここのアルバイター。」

 

「親方たちを傷つけ、破壊行為をするなど断じて許さん!!」

 

「許さない?ただのバイトが何言ってんの?」

 

「ただのバイトではない!我々は・・・・・」

 

そう言い始めると作業を急いで終えてきた残りのメンバーが集まり並ぶ。

 

「世(ハンターベース)のため」

 

「人(仕事場の人たち)のため」

 

「給料のため(ボソッ)」

 

「我々は戦う!人呼んで・・・・・」

 

8人はダイナモの前で奇妙なポージングを取る。

 

 

 

 

「「「「「「「「時給戦隊アルバイター!!!このハンターベースは俺たちが守る!!」」」」」」」」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

8人の名乗りにダイナモは呆然とする。

 

「・・・・・・・今どき戦隊ごっこ?いや、流石にそれはないでしょ。」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

ダイナモのツッコミに八人はぎょっとする。

 

「まあ・・・・早く仕事済ませたいからちゃちゃっと・・・・・」

 

「我々をバカにするなど許ざん!!」

 

「えっ?」

 

8人の鬼の形相(一人は大して変わらないが・・・・)でダイナモをにらみつける。

 

「・・・・・・俺、なんか悪いこと言った?」

 

「我々のキメポーズをケチ付けるなんて・・・・・鬼!!」

 

「えっ!?」

 

「どこの馬の骨だか知らない奴が我々をバカにするなど・・・・・・万死に値する!!!」

 

「え、えっ、えっ?ちょ、ちょっと待ってよ。俺、別に本気でやりに来たんじゃ・・・・・・・・」

 

「行くぞ!久しぶりの『モードB』だ!!」

 

困惑しているダイナモを無視してアルバイターたちは攻撃を開始する。

 

「1、チャージタックル!!」

 

「いでっ!?」

 

チャージマンのタックルでダイナモは吹き飛ばされる。

 

「2、ウォーターウェーブ!!」

 

「あららら!?」

 

ウェーブマンのウォーターウェーブで流される。

 

「3、クリスタルアイ!!」

 

「痛い痛い痛い!?」

 

クリスタルマンの無数のクリスタルによる攻撃。

 

「流石に怒っちゃったかな・・・・・・ちょっと本気出すよ。」

 

ダイナモはDブレードを高速で回転させて投げる。

 

「4、ナパームボム!!」

 

「ありっ!?」

 

しかし、ナパームボムの弾幕に防がれた上に、残ったボムは次々とダイナモに命中する。

 

「こりゃあ、遊んでるレベルじゃないな・・・・・・」

 

仕方なく弾かれたDブレードを拾うとダイナモはナパームマンの頭上へと飛ぶ。

 

「燕返し!」

 

「フッホホホホッ。5、スターバリアー!!」

 

そこへスターマンが駆けつけ、スターバリアーで斬撃攻撃を防いでしまった。

 

「えっ!?ちょっと、ちょっと!斬撃まで無効化するなんてずるくない!?」

 

「にゃははは。6、グラビティーホールドォー!!」

 

ツッコむ暇も与えてもらえず、ダイナモはそのまま上空へと押し上げられる。上空では、ジャイロマンとストーンマンが待ち構えていた。

 

「7、ジャイロアタック!!」

 

「うっ!?」

 

「これでとどめじゃ!!8、パワーストーン特別編!!」

 

「グエッ!?」

 

ダイナモはストーンマンに巨大なレンガブロックのような武器「ストーンブロック」に押しつぶされ、そのまま地面に激突した。

 

「決まった!!超久しぶりの『モードB』!!」

 

倒れたダイナモの前でアルバイターたちはキメポーズをとる。その光景を通信室へ戻ってきたシグナスたちが口を開いてモニターで彼らを見ていた。

 

「・・・・・ダグラス、彼らは本当に民間なのか?」

 

「し、知るかよ・・・・・だって、前歴聞いていたら少し前まで田舎でバイトしてた程度しか聞いていなかったからな・・・・・」

 

ただ、一人エイリアのみは不審な目で彼らを見る。

 

(・・・・・・あの武器から見てもとてもだけど民間用じゃないわね。・・・・・でも、気になるのは彼らに着けられているマーク・・・・一体誰が作ったのかしら?)

 

 

 

 

「う、うぅ・・・・・・・」

 

ボロボロにされたダイナモはゆっくりと起き上がる。

 

「やれやれ・・・・・軽い気持ちで来ただけなのにとんだ仕打ちだよ・・・・・・・アンタら8人同時に相手してたら体が持たねえよ・・・・・んなわけで一旦帰るわ。これ以上ボロボロになると姉ちゃん変な方向で心配するし・・・・・・んじゃ、そんなわけでじゃあな。」

 

ダイナモはそう言うと簡易転送装置で撤退していく。

 

 

同時に空の方から何かが飛んできた。

 

イーグリードだ。

 

エイリアが急いでほしいと連絡したため、一人飛んできたのだ。

 

「なんだ?エニグマは無事なようだが・・・・・・ん?」

 

イーグリードは着地するとキメポーズをとっていたアルバイターに目が行く。

 

「こうして!時給戦隊アルバイターの活躍でハンターベースの平和は守られたのである!!だがしかし!!いつまた第二第三のダイナモの魔の手が迫るかもしれない!!」

 

「守れ!!ハンターベースの平和を!!」

 

「祈れ!!時給UPを!!」

 

「「「「「「「「給料日が来るその日まで!!」」」」」」」」

 

 

「・・・・・・どこをどうツッコめばいいのかわからん。」

 

イーグリードは彼らの姿を見て困惑する。それは通信室にいるダグラスたちも同じだった。

 

「・・・・・・・どうするんだ、ダグラス?」

 

「どうもこうもねえよ・・・・・一応アイツらのおかげでエニグマが守られたのは事実だしよぉ・・・・・・時給UPしねえと俺も同じ目に合いそうだよ・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

『・・・・・・・何やっておるんじゃ?あいつ等(汗)。』

 

暗い密室の中でシャドーマンに送られたアルバイターの姿を見ながら人影が困惑する。

 

『百年間、何やっていたかと思えば・・・・・・まあ、流石ワシのロボットといった所じゃが・・・・・・・』

 




メガミックスに出てくる彼らは本当にナンバーズにしては人が好過ぎるんだよなぁ・・・・・。

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