大分投稿が遅れてしまいました。申し訳ありません。
19XX年 剛田商店
「へい、毎度~!・・・・・ったく、母ちゃん。いくら大学夏季休業入ったからって毎日店の手伝いってちょっとひどくねえか?」
ジャイアンは実家の店の手伝いをしながら母に対して愚痴を言う。
「何言っているんだい!!大学に入ってからほとんど店番していないんだから夏休みぐらいやりな!」
「ちぇっ、わかったよ・・・・・。」
母の言い分に不満を感じながらもジャイアンは、届いた商品の山を店の中に入れ始める。少し後に久しぶりにみんなで集まってキャンプに行くことを承諾してくれたこともあったため、あまり文句は言えない。仕方なく作業を続けていると玉美が慌ただしく走ってきた。
「はあ!はあ!」
「ん?玉美ちゃんじゃねえか?どうしたんだ?」
息を荒くして店の前に止まった玉美を見てジャイアンは声をかける。
「た・・・・・大変なの・・・・・」
「えっ?なんだって?」
「ドラえもんが・・・・・・・・捕まっちゃったの!!」
「・・・・・・・・・・えっ!?」
骨川家
「スネちゃま、そろそろお昼ご飯の時間ざますよ~!!」
「今行くよ。・・・・・・・くそ、どうもここから先がまとまらないな・・・・・・」
時を同じくしてスネ夫は外から暑い日差しが差し掛かっている中、机で何やら書いていた。
「せっかく新しいハードでのボスキャラコンテストなのに・・・・・・この骨組みと言い・・・・・ボスデザインが考えつかないな。って言うか『テングマン』とか『アストロマン』とか先にデザインしちゃって!公式がボス枠減らすなよ!!」
父親のコネを使ってネタバレ情報を収集したのか彼の机の上には二枚の絵が置いてあった。今年の冬にロックマンの最新ハードの発売が告知され、スネ夫もボスキャラコンテストに応募しようと考えていたのだが今回は素体をベースにして考えるというもので思っていたようなものが考えつかなかった。ちなみに同時期にロックマンXシリーズも四作目がリリースされる予定。
「はあ・・・・・・・締め切りまでまだ時間があるけどこの調子じゃ夏休み終わって描く暇なくなっちゃうよ・・・・・」
ため息をつきながらスネ夫は部屋から出て、リビングで母と共に昼食をとり始める。中学までは一緒に取ることが多かったが高校に入って以降は忙しいこともあって最近までは作ったものを部屋に持ってきてもらうことが多くなり、こう云う風に食事をするのは珍しくなっていた。昼食後はデザートとしてメロンが出てきた。
「スネちゃま、お勉強の方はどうざます?」
「ちゃんとやっているよママ。今、ゼミで出されたレポートを書いている最中なんだ。課題が結構難しいから戸惑っているけど・・・・」
「大変ざますね。」
ゲームのボスキャラデザインを描いていたというのは恥ずかしくて言えないため、スネ夫はレポートと誤魔化して言う。
(メロンか・・・・・・そう言えばロックマンのキャラで食べ物をモチーフにした奴はいなかったな・・・・・なら、いっその事クリームマンとかスイカマンとか・・・・・ラーメンマンとかエレメントマンでも描いてみようかな・・・・・・)
その時、家のチャイムが鳴る。
「ハイハイただいま・・・・・・スネちゃま、お友達ざますよ。」
「えっ?」
母の呼びかけにスネ夫は考えるのを中断して、玄関に行く。そこにはジャイアンとしずかが玉美と一緒に来ていた。
「よっ、スネ夫!」
「ジャイアン?しずかちゃんも。どうしたの?」
「いいから、いいから。悪いけどのび太の家に集まるぞ。ドラえもんが逮捕された。」
「えっ?」
22世紀 タイムパトロール本部
「・・・・・・・いつまでこうしているんだろう?」
本部の取調室でドラえもんは体を縮こまらせながら困っていた。本部に連行されてからというもののこの部屋に連れてこられて既に結構な時間が過ぎていた。にもかかわらず自分は取り調べは愚か尋問が行われる様子もない。
「・・・・まさか、いきなり溶鉱炉行きとかじゃないよね・・・・・・」
かつてロボット学校時代に言われた校長の悪い冗談を不意に思い出す。
あの頃、同じタイプのみで構成されたクラスの中でただ一人失敗ばかりしている自分を呼び出し、あまりにも出来の悪いロボットは溶鉱炉でドロドロに溶かされてしまうと言われたときは冷や汗を掻いたものだ。まさか、現実に起こるのではと不安に感じ始める。現にクラス替えと言って危うく溶鉱炉に落とされかけたこともあってのことだが。
「すまないね、待たせてしまって。」
ようやく長官が部下を数名連れて部屋に入ってきた。長官が直々に来るということは余程の問題なのだろうか?
「・・・・・あ・・・・あの・・・・・」
「まあ、気を楽にしてくれたまえ。」
「・・・・・・」
長官に言われてドラえもんは少し楽な体制にする。
「あの・・・・僕が一体何を違反したんですか?」
「違反?・・・・・・あぁ、いやいやすまない。世話をしている子から離すのに理由が欲しくてな。」
「えっ?」
長官の言葉にドラえもんは目を丸くする。
「実は君をある件の重要参考人として呼んだのだよ。しかし、この件はまだ公にできないのでね。違反容疑という形で来てもらったのだ。」
「はあ・・・・・・・」
長官の言葉を聞いてドラえもんは急に緊張がほぐれたのかぐったりとする。しかし、同時に重要参考人という言葉が引っ掛かった。
「でも、重要参考人とはどういうことなんですか?」
「君も少しばかりは聞いているだろう。我が本部が所属不明のロボットに襲撃されたということを。」
「えぇ・・・・・・妹から話は聞いていたので。」
「そのロボットの事なのだが・・・・・・・君はこのロボットについて見覚えはあるかね?」
部屋の照明を消して長官はスクリーンに例のブラックゼロの映像を見せる。
「ぜ、ゼロさん!?」
「やはり知っているようだね。正確には君の知っている彼のコピーと思われるロボットだ。」
「コピー?」
コピーという単語にドラえもんは耳を疑う。
のび太ことエックスの話では確かにゼロのコピーはサーゲスというレプリロイドが製作したと聞いているがそれはドラえもんたちが来る以前のカウンターハンター事件終盤で、オリジナルであるゼロ自身に破壊され存在しないはずだ。
「あっ、というよりどうして僕がゼロさんのことを知っていることが分かったんですか?」
「・・・・・・実はだね・・・・・」
長官はここ数週間の出来事を話す。
ゼロがアイリスと共に大破した状態で発見されたこと。
一時は襲撃犯の疑いをかけたものの病院で収集した彼の記憶データにより自分たちとの関係が発覚したこと。
そして、二人は現在自分の部下の自宅に保護してもらっていることを打ち明けた。
「そ、そんなことが・・・・・・・・」
「君があの世界に不祥事で迷い込んでしまったことに関しては何も言うつもりはない。しかし、肝心のブラックゼロの所在及びその黒幕が分からない以上油断ならないのだよ。だが、見ての通り我々タイムパトロールはこの有様だ。それに上層部の方ではゼロ君に対して未だに不穏の声を上げているものがいる。」
「それで僕を呼んだんですか?」
「うむ、君は彼と交流し、共に戦った仲間でもあり、この世界のおいて唯一の参考人ともいえる。それにきみの所持していた強化アーマーは、ブラックゼロへの対抗策にもなる。」
「はあ・・・・・・それで二人はどうなんですか?」
「今のところはまだ問題はない。だが、肝心のプログラムを無力化しない以上は安心できない。強化アーマーの方はスキャン終了後に返却する。悪いとは思うがしばらくはこちら側で過ごしてくれ。」
ドラえもんにそう言うと長官は席を外し、そのまま出て行く。
21XX年 兵器開発所
「あーあー、暇だなー。」
兵器開発所の最深部でミジンコ型レプリロイド インフィニティー・ミジニオンは暇そうにコンピュータを操作していた。彼もナイトメア調査員の一人であり、この施設で巨大機動兵器「ビッグ・ジ・イルミナ」を操作していた。
「どいつもこいつも雑魚ばっかりでつまんなーい。ゲイト様は、イルミナちゃんのテストしろって言っていたけどみんなやられちゃってしょうもないよ・・・・・・ん?」
その時、操作をしていたイルミナのデータが何か警告を出していた。
<未確認戦力確認。戦闘モード フェイズZ、殲滅形態へ移行。>
「あれ?おかしいなー。ここら辺に面倒くさいイレギュラーハンターが来ている様子もないは・・・・アイヤ~~~~~~~!!」
その直後巨大な何かがミジニオンのいる部屋に落下してきた。ミジニオンは危ういところで回避し顔を床に押し付けられる。
「あいたた・・・・・・・な、何が起こったんだよ!?」
よく見ると自分の目の前には先ほど殲滅モードに移行したはずのイルミナの頭部が顔半分の装甲を破損した状態で転がっていた。
「えー!?なんでイルミナちゃんがこんなに派手にぶっ壊れるんだよー!?・・・・ハッ!?」
突然の出来事に戸惑いながらもミジニオンは自分の後ろに何者かが立っていることに気がつく。振り向くとそこには全身をローブで隠した者が立っていた。
「な、な、何してくれるんだよお前!?大事なイルミナちゃんぶっ壊しやがって・・・・・あがはがっ!?」
ローブで身を隠した者は、ミジニオンの言葉を聞くことなく素早く彼の首を掴み上げた。
「・・・・・・・アイゾックの居場所はどこだ?」
「えっ?」
突然聞かれた言葉にミジニオンは困惑する。
「な、なに言ってるんだよー君!?」
「アイゾックの居場所はどこかと聞いているんだ。」
「し、知らないよ!どうしてあんなおいぼれ老人の居場所を知って・・・・・え?はふぁ!!」
答えた瞬間、ミジニオンは近くの機材に勢いよく顔を叩きつけられる。
「・・・お前の親玉がアイゾックと絡んでいることはわかっているんだ。セントラルミュージアムであの劣化ゼロモドキと絡んでいるのも見ていたからな。」
「た、たから・・・・知らないって・・・・・フブッ!?」
ミジニオンは知らないと言い張ろうとするがローブの者は、何度も機材に叩きつける。
「ほ・・・・・本当に知らないんだ・・・・・・あのじーさん、ゲイト様に報告するときしか姿見せないからボクたちもほとんど素性を知らないんだ・・・・」
「・・・・・・なら、ゲイトとかいうお前の親玉の所に案内しろ。」
「うぅ・・・・・・・調子にのるなよ!!」
ミジニオンは瞬時に分裂して拘束から逃れる。
「散々、機材に叩きつけやがってー!!ぶっ殺してやるー!!」
ミジニオンは分裂を繰り返して一斉に泡を発生させて攻撃する。ローブの者はバスターを展開して泡を破壊しながらミジニオンに攻撃を加えるが本体に攻撃すればするほど分身が増えて攻撃が激しくなる一方だった。
「ほっほーぅ!!無駄無駄!!君が攻撃すればするほど分身が増えて攻撃が激しくなるんだ!!」
「ほう。」
既に20体近くに分裂したミジニオンを見ながらもローブの者は特に焦る様子もなく答える。ミジニオン軍団は先ほどまでのお返しとばかりに泡で防御しながらローブの者へと距離を縮めていく。
「・・・・・・なら、ジジイが組み込んだシステムを試すのにいい機会だ。」
「システム?何言ってんのさ!君はここで終わりなんだよー!!」
ミジニオン軍団は一斉にレーザー攻撃を放つ。その直後にローブの者は、体のある回路を作動させた。
『パワーギア 発動。』
19XX年 野比家
「「「「・・・・・・・・・」」」」
玉美からドラえもんが未来へ連行されたと報告を受けたジャイアン、スネ夫、しずかは、全員急いで野比家に集まり話し合いをしていた。
「ドラえもんが捕まったのってやっぱりこの間の件かな?」
スネ夫が考えた理由はタイムマシンの改造だ。
現にドラえもんのタイムマシンは修理の時にライト博士から受け取ったものなど本来なら存在しないはずの部品が多く使用されている。もしやそれで引っかかったのではと考えてもおかしくはない。
「でもよ、それだったらもっと早く捕まるだろ?今になってタイムマシンに全く取り扱われていない部品があったから逮捕しますなんてことがあるか?」
「う~ん・・・・・・・」
「でも、ドラちゃんが悪いことしているなんて考えられないわ。きっと何かの間違いよ。」
「ドラえもん・・・・・大丈夫かな?」
三人が相談している中、玉美は不安そうに言う。ドラえもんが行く前に「すぐに戻ってくるから心配しないでね」と言っていたがやはり心配だった。
「こうなったら、俺たちが直接ドラえもんの無実を訴えに行くしかねえ。幸いタイムマシンはそのまま置いてあるし。」
「でも、間違えて恐竜時代とかに行っちゃうんじゃないの?」
「心配すんなよ、今回はドラえもんとこに行くだけなんだからよ。」
「何か嫌な予感がするな。」
四人は机の中に時空間に放置されたタイムマシンへと乗り込む。
「よぉうし!早速未来の世界に向けて出発するぜ!!」
「お、おぉ・・・・・・・」
ジャイアンは早速操縦席に座り、操縦しようとする。
「じゃあ、発進・・・・・ん?こんなボタンあったっけ?」
ジャイアンは操縦桿の脇にある見覚えのないボタンに目が行く。
「新しい機能じゃないの?・・・・って、何気に押してるよ!?」
スネ夫が答える前にジャイアンは興味本位でボタンを押してしまった。
『了解シマシタ。記録サレタポイントニ出発シマス。タダチニ、衝撃ニ備エタマエ!!』
「「「「・・・・・・・・・・・えっ?」」」」
タイムマシンはそのまま勝手に動き出してしまう。
「ほら~!!やっぱりこうなっちゃったじゃないか!!」
「悪かったよ~!!」
21XX年 ???
「アイゾック、アイゾックはいるか!」
「はっ。ここに。」
シャドーマンの協力で修理を終えたアイゾックは、部屋に呼び出されていた。
「すぐにハイマックスをこの現場に行かせろ。」
「はっ?」
青年が指したポイントは兵器開発所だった。
「はて?そこは確か調査員のエリアではありませんか。態々行かせなくとも・・・・・・」
「あのエリア一帯のナイトメアの反応が跡形もなく消えた。」
「ん!?」
アイゾックはその報告を聞いて目を見開く。一つのエリアのナイトメアを壊滅させるなど考えられない。ましてやエックスとマーティが乗り込んだアマゾンエリアですらまだ残っているにもかかわらずにだ。
「ミジニオンは傲慢で自分勝手な奴だがこんな事態になってまで報告しないということはなかったからな。それにだ。」
「それに?」
「見つかるかもしれないぞ・・・・・・お前の探し物が。」
「ほう・・・・・・それは楽しみですな。では、早速ハイマックスを現場に向かわせます。」
そう言うとアイゾックは部屋を後にする。
「・・・・・シェードマン。」
「後ろにいますよ。」
「兵器開発所にハイマックスを向かわせるがあのエリアにいるセブンスは誰じゃ?」
「ジャンクマンですが。」
「奴にあのミジンコ小僧の回収をさせろ。記憶回路を奪われてここを知られるわけにもいかんからな。」
「わかりました。」
そう言うとシェードマンは、すぐにその場から離れていく。
兵器開発所
「こちら、エックス。エイリア、聞こえるか?」
しばらくしてエックスはマーティと共に兵器開発所へと赴いた。
『えぇ、問題なく聞こえるわ。他のエリアに比べて電波障害がほとんどないようだけど様子はどう?』
「妙過ぎるわよ。アマゾンエリアではあれほどうようよいたナイトメアが全く見当たらないし、かといってイレギュラーの姿も見られない・・・・どうなってんのよ?」
マーティは、イレギュラーの残骸を拾い上げながら言う。このエリアに入ってずいぶん時間が経つのだが帰れなくなった一般レプリロイドたちは何人か見つけたがイレギュラーは愚か、ナイトメアすら見つかっていない。
『ワン、ワン!!』
「また、ラッシュが何か見つけたみたい。」
二人は、ラッシュが吠えているところへ行ってみるとそこには小太りのレプリロイドがガクガク震えていた。
「生存者か。」
「い、い、イレギュラーハンターアルか!?た、助けてほしいアルよ!!」
レプリロイドは、エックスたちの元に駆け寄りながら言う。
「何があったのよ?」
「ぼ、亡霊アルよ!ゼロの亡霊が出たアルよ!!」
「「ゼロの亡霊!?」」
「私見たアルよ。ローブを被ったゼロの亡霊が!間違いなくあの顔はゼロアルよ!」
「ローブを被った?もう一人誰かいなかったか?」
エックスたちはアイリスも一緒にいなかったのか聞く。しかし、レプリロイドは首を横に振った。
「し、知らないアルよ!そのゼロの亡霊があのタコみたいな奴をドンドン斬り捨てて、出てきた変な玉根こそぎ奪って怯えていた私見た後向こうへ行ったアルよ!」
「何故ゼロがナイトメアソウルを・・・・・・・・」
あの青い玉・・・・・・エイリアにより名付けられたナイトメアソウルをゼロが根こそぎナイトメアから奪って行った。その行動が何を意味しているのかは分からないが、少なくともレプリロイドに手を出していない以上ナイトメアの偽物ではないことは明らかだ。アイリスのことに関しては生存の可能性が未だに不明ではあるが。
「また戻ってくるかもしれないアル。助けてほしいアルよ~!!」
「はいはい・・・・エイリア、簡易転送装置で一人そっちに送るわ。」
レプリロイドを簡易転送装置でハンターベースに転送させ、二人は急いで最深部へと向かう。
兵器開発所 最深部
「おいおい・・・・・・・どうなっていやがんだよ。」
最深部では一足先にスクラップが集まった凶悪顔のレプリロイドがミジニオンの変わり果てた姿を目撃していた。体が生き物で言うミンチの状態になっていたのだ。
「こりゃあ、もう原形をとどめているとかそんなレベルじゃねえ。フォルテでもこんなやり方はしたことねえぞ。」
ジャンクマンは戸惑いながらもミジニオンの記憶データを確認する。体がバラバラに飛散してしまったことと自分とハイマックスが接近していたことで犯人は近くにいない。どうやらナイトメアソウルのみ回収して引き上げたようだ。彼の記憶データを確認すると彼はローブを纏った謎のレプリロイドが放った衝撃波によって分身諸共粉々に吹き飛ばされてしまったようだ。そして、最後に確認したのが衝撃波によって頭のフードの部分が外れてその正体が明らかになった。
「こ、こいつは・・・・・・・ん?」
驚いた直後にジャンクマンの真上に奇妙な穴が出現する。
「なんだ、この穴・・・・・・・」
と言った直後にジャイアンたちが乗ったタイムマシンがジャンクマンの目の前に落ちてきた。
「グエッ!?」
突然のタイムマシンの直撃によりジャンクマンは頭を吹き飛ばされ、体もタイムマシンの落下の衝撃で沈んでしまった。
「と、止まった・・・・・・」
やっとタイムマシンが止まったことによりジャイアンたちは安堵の表情をする。
「もう・・・・・ジャイアン何やってんのさ。」
「いや・・・・・まさか、あんな転移装置が付いていたなんて知らなかったからつい・・・・・・」
「それにしてもここどこかしら?」
四人はタイムマシンから降りて周囲を見る。
「すごい壊され方だな・・・・一体どこに落ちたんだろう?」
「わかんないよぉ。」
「早く帰った方がいいかもな・・・・・・」
「おい、ガキども。」
「ん?おい、スネ夫。お前何か言ったか?」
「えっ?ジャイアンじゃないの?」
「さっさとデカブツを退けろ。俺の身体が動かせねえじゃねえか。」
「「!?」」
知らない声で一同は体を硬直させる。
「な、なんなんだ!?今の声!?」
「怖いよ~!」
「だ、誰なんですか!?」
四人は警戒しながら周囲を見るが人の姿は見当たらない。
「くっそ・・・・・・・姿を見せやがれ!!」
「てめえらの足元だよ!」
「「えっ?」」
ジャイアンとスネ夫は、足元をゆっくりと見る。
「よっ。」
「「・・・・・・・・・」」
「「きゃああああああ!!!」」
そこには首だけの状態のジャンクマンがいた。しかも施設の電気が襲撃によってほぼ止まって周囲が暗かったこともあって更に彼の凶悪顔の怖さが増していた。
「「出たああああああああああああ!!!!」」
スネ夫とジャイアンはしずかと玉美を引っ張ってその場から駆け足で逃げ出していく。
「あっ。こら、逃げるんじゃねぇ!?」
ジャンクマンは逃げ去って行く四人を呼び止めようとするが聞く耳を持たない。
「ま、待て!?せ、せめてそのガラクタをどかせ!俺の身体がってお~い~!!」
「何やってんですか?あなたは?」
そこへ遅れてシェードマンが降りてきた。
「おっ、丁度良かった。」
「何が丁度よかったですか?博士の命令で確認に来たかと思えばそんな姿に・・・・・・ん?」
シェードマンは四人が置いて行ったタイムマシンに目を付ける。
「これは・・・・・」
「おい、何でもいいからそのガラクタをどかしてくれ。俺の身体がそれの下に埋もれちまったんだ。」
「ほほう・・・・・これは意外にお手柄ですよ、ジャンクマン。」
「はっ?」
シェードマンの言っていることがジャンクマンにはよく理解できなかった。
「これが手に入ったとなると博士も大喜びでしょう。もうすぐハイマックスも来ますし早く転送装置にかけなくてはいけませんね。」
シェードマンはタイムマシンを少しばかりずらす。するとその下からジャンクマンの腕が出てきて、引き続き胴体を引っ張り上げ、ボディーのパーツが次々とはい出て頭部も含めて再合体した。
「ふう。」
「さっ、早くこれをここの転送装置を使って運び出しますよ。」
「でも、さっきのガキどもが戻ってくるんじゃないのか?」
「心配いりません。丁度エックスたちがこの近くに来ているのも確認しましたから。それにハイマックスなら二人の時間稼ぎにはなりますしね。」
そう言うとシェードマンはジャンクマンにタイムマシンを担がせて施設にある大型転送装置を目指して移動をする。
その頃、外では。
『このエリアの調査員はインフィニティー・ミジニオン。見た目は小柄で移動速度もそんなに早いわけじゃないけど自身の分身を作り出したり厄介な特殊能力を持っているわ。気を付けて対応してちょうだい。尤も彼が話を聞いてくれればいいことなんだけど・・・・・・』
エイリアとの通信を終え、エックスとマーティは警戒しながら施設の中へと入る。
「インフィニティー・ミジニオン。どこだ?姿を見せ・・・・・・」
「「うわあああああああ!!!」」
「えっ?」
奥から聞こえてきた聞き覚えのある声にエックスは目を丸くする。
「今の声って・・・・・まさかね?」
『クンクンクン・・・・・・・・・・・ワンワン!!』
「あっ、ちょっとラッシュ!?」
鼻を嗅いで何かを察したのかラッシュは施設の中を走って行く。するとこちらに向かってきた何かがラッシュを見て止まった。
「も、もう駄目だ・・・・・・・・・」
『ワン、ワン!』
「「・・・・・・えっ?」」
縮こまっていたジャイアンたちは、目の前でお座りをしているラッシュを見て唖然とする。
「あっ!ラッシュ!」
『ハッ、ハッ。』
玉美がラッシュに駆け寄って頬ずりをする。
「何でラッシュが・・・・・・・」
「みんな!?」
続いてエックスとマーティが四人の元へ来た。
「「「の、のび太(さん)!?」」」
「お兄ちゃん!!」
「みんなどうしてここに?」
「アンタたち帰ったんじゃないの?」
帰ったとばかり思っていた四人を見てマーティも驚きの表情を隠せなかった。玉美はエックスに抱きかかえられながら理由を言う。
「ドラえもんが未来のおまわりさんに捕まっちゃったの。」
「ドラえもんが?」
「あぁ、それで俺たちはドラえもんは何もやっていないって言いに22世紀へ行こうと・・・・・・・・」
「・・・・?そう言えばタイムマシンは?」
「「「・・・・・・・・・・・あっ!?」」」
三人は今頃思い出したかのように声を上げる。
「しまった!あの生首のあった場所に置いてきたままだ!」
「生首?」
「早く戻らないと!」
そう言った直後に巨大な光弾が一同の目の前に飛んできた。
「危ない!」
全員伏せて攻撃を避ける。上を見上げてみるとそこにはハイマックスが飛翔していた。
「ハイマックス!?」
「肺が何だって?」
「イレギュラーハンター・・・・・・・我々の調査の邪魔だ。消えろ。」
「なんかすごいやばそうな奴なんだけど・・・・・・・・」
ハイマックスは電撃弾を発射して一同を攻撃し始める。
「まずい!ここで戦ったらジャイアンたちまで攻撃に巻き込むことになる。」
「エイリア、聞こえる?今すぐアタシたちをハンターベースに転送して!急いで!!」
エックスたちは止むを得ず転送装置でその場から離脱した。
次回はでき次第投稿する予定ですが忙しくなってきたので難しいかも。