後日 22世紀 ロボット学校
「じゃあ、この手紙は校長先生が出したものじゃないんですか?」
「うむ、残念じゃがわしにも見覚えがない。それどころか新しい研究所など造っておらんのじゃよ。」
ドラえもんズがドラパンの手によって黄金像にされてしまった翌日、唯一難を逃れたドラえもんはドラミと共に恩師である寺尾台校長のいるロボット学校を訪れていた。
「っということはキッドたちは・・・・・・」
前日 ドラえもん宅
「僕だけコピーロボット!?」
キッドの発言にドラえもんは目を丸くする。
「あぁ、俺たちドラえもんズを揃って呼び出すということは何か裏があるかもしれねえ。」
「でも、そんなことをしたら・・・・・・」
「ドラパンが狙っているのはおそらく校長の研究物だとかそんなちゃちなもんじゃねえ。俺たちだけしか持たねえアレかもしれない。」
「あれって・・・・・まさか親友テレカ?」
ドラえもんの答えにキッドは首を縦に振る。
ドラえもんズにあって他のネコ型ロボットにはないもの。それはドラえもんズのみが所有する伝説の秘密道具「親友テレカ」。手に入れるには過酷な試練を潜り抜けなければならない上、たとえ手に入れても、友情度数が低ければ効力が発揮されず、その力は未知数の代物である。
「た、確かに狙われるかもしれないけど・・・・・」
「現に親友テレカが使えるのは俺たちドラえもんズと例外としてドラミしかいねえ。なら、怪盗さんが狙うのは当然だろう?」
「・・・・・・」
「それにここ最近のロボットが誘拐されている事件が全く無関係だとは思えねえんだ。もしかしたらドラパンがつるんでいるかもしれねえ。だが、かと言ってこのままドラえもんズ全員に万が一のことがあったら取り返しのつかないことになっちまう。」
「キッド・・・・・」
真剣な顔をして言うキッドに対してドラえもんは何とも言えない表情をする。
「・・・・この事は他のみんなには言うなよ?すでにドラパンが嗅ぎつけている可能性もあるからな。」
キッドは念入りに言うと部屋を去って行った。
「キッドはこのことを予見して・・・・・・・」
ドラえもんが腕を組みながら考えていると校長の部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「ん?誰かね?」
『タイムパトロールの者です。寺尾台校長とお話をしたい。』
「入りたまえ。」
校長が許可すると部屋の中に部下を数名引き連れたリングマンが入ってきた。
「タイムパトロールのリングマンです。寺尾台校長、今回のロボット誘拐事件について少しばかりお話を聞かせ願いたい。」
「あっ・・・・・リングマンさん。」
リングマンを見るなりドラミは驚く。
「ん?君は確かキッドの・・・・」
「ど、どうも初めまして。僕はドラえもんです。」
ドラミと共に頭を下げながらドラえもんは自己紹介をする。
「こちらこそ、この様子だとキッドはこっちにも来ていなかったようだな。」
「本部にも帰っていないんですか?」
「あぁ、昨日寺尾台校長の依頼で新しい研究所へ行ったきりだ。ところで寺尾台校長。今回誘拐された8体のロボットたちについてですが何か共通点のようなものはありませんか?」
帰ってきていないキッドの安否を気にしながらもリングマンは本題へと入る。
「うむ・・・・・・それがわしにも見当がつかんのです。あると言えば卒業時期が同期だという事。後は、彼らの身体は特殊能力の機能が取り付けられているというぐらいですかな?」
「具体的に教えていただけませんか?」
「まず、最初の被害者であるブロックマンは、外装工事や補強工事に優れています。次の被害者のアシッドマンはお医者さん鞄以上に薬品を自分で精製できるように作られておる。次のパイルマンは三機の杭打ちロボットが合体した・・・・・・・」
校長からの聞き取り調査をしている最中、外で待たせていた部下が慌ただしく入ってきた。
「警部、本部からの緊急連絡です!」
「どうした?」
「そ、それが・・・・・どういうことか世界各地に超強力な特殊電磁波が発せられていることが確認され、秘密道具などの機能が停止、他にも被害状況が相次いでいます!」
「発生源はどこだ?」
「本部がただいま調査・・・・・・あっ!追加で入電、先ほど行方不明になったいたロボットたちが急に姿を現して攻撃を開始!各地での被害が拡大しています!」
「なんじゃとっ!?」
リングマンよりも先に校長が驚く。
「何かの間違いではないのかね!?確かに誘拐された彼らは性格に難のある者もいたが破壊活動をするようなロボットたちではないはずじゃ!?」
「・・・・・映像をこっちに回せるか?」
「はい。」
部下は端末を接続して本部に寄せられている映像をリアルタイムで流させる。そこには各エリアを占拠しているロボットたちの姿があった。
「これは・・・・・・」
「どうしてみんなが・・・・・・」
その姿は行方不明になっていたロボットと外見が一致する。しかし、本来の彼らを知っているドラミと校長にとってはとても信じられないことだった。
「彼らは現にこうして破壊活動を行っています。残念なことですが・・・・・・」
リングマンはそう言うと部下たちに指示を出して部屋から出て行く。
「我々はこれ以上被害が広がらないよう彼らの捕縛・・・・・・最悪な場合破壊を優先します。あなた方も決して外へ出ないようにしてください。では。」
「まっ、待ってください!」
去ろうとするリングマンをドラミが呼び止める。
「破壊なんていくらなんでも酷すぎます!」
「・・・・・ドラミくん、私とて彼らを破壊するのは極力避けたい。だが、彼らの戦闘能力は明らかに改造されたとしか言いようがないほど強化されている。彼らには気の毒だが。」
「でも・・・・・・」
「すまないがこれ以上時間を費やすわけにはいかない。失礼する。」
「リングさん!」
リングマンは複雑な心境でその場を後にしていった。一方の校長の方も相当のショックの様子だった。
「・・・・・・まさか、このロボット学校の卒業生ともあろうものがこのような事態を引き起こすとは・・・・・・・わしは一体彼らの何を見てきたんじゃ。」
「校長先生、しっかりしてください!ドラミも!」
ドラえもんは一人なんとか彼らを止めるべくポケットにしまってあったアーマーを取り出して装着する。
「お兄ちゃん、どうする気?」
「警察がみんなを破壊する前に僕が止めに行く!」
「何を言っておるんじゃ?子守り用である君にそんな危険なことを・・・・・・それに秘密道具が使えないこの状況では・・・・」
「でも、行くしかありません!彼らだって本当はこんなことをしたいとも思っていない筈ですし・・・・・それに僕の友達だったらきっと同じことを言うはずです!!」
「お兄ちゃん・・・・・・」
「ドラえもん・・・・・・あの頃、他の同型と違って失敗ばかりしている君を見て心配していたこともあったが・・・・・・・・・どうやら、君は卒業してからもわしの想像以上に成長し続けているようじゃ。」
校長はそう言うと机の端末の操作をしMAPを確認する。
「この学校には使用されることがなくなった旧式の転送装置がある。秘密道具が使えない今、移動手段にするにはこれが一番じゃろう。」
「校長先生。」
「付いて来なさい。」
校長と共にドラえもんとドラミは部屋を出て、ロボット学校の中ですでに閉鎖された旧校舎の転送室へと向かう。部屋に入ると少しばかり埃をかぶっていたがハンターベースにあった転送装置に似た装置がそこにあった。
「この装置はどこでもドアが開発される以前に使用されておったもので、ドアが開発されて以降旧式として使われることがほとんどなくなったが、今でも十分使うことができる・・・・・・・・はずじゃ。」
校長はシステムにアクセスして電力の供給を開始する。使用されることがなくなり、故障でも起こして使えなくなっているのではと心配していたがシステムは無事に復旧し、転送装置が作動した。
「これで転送が可能になった。まずは誰から行くか・・・・」
「ブロックさんならどうでしょうか?一番近い所にいますし。」
転送装置にデータをインストールした後にロボットたちの活動エリアを確認しながらドラミが言う。ドラえもんは早速転送装置の上に乗る。ついでにドラミも説得係として同行することになった。
「それじゃあ、行ってきます!」
「ドラえもん、彼らを止めてくれ。」
「はい!」
校長は、転送装置のスイッチを押した。
21XX年 ハンターベース
「・・・・・・・・」
「どうだい、ミディ?彼のメモリーのデータは復元できそうかい?」
ハンターベースに帰還後、エックスたちは持って帰ってきたヒートニックスの残骸を解析しようとしていた。しかし、当のエイリアはナイトメアソウルの解析、ドップラーは調査エリアで負傷したレプリロイドたちの修理、ダグラスも強化パーツの開発とエイリアから回されたデータを基に強化アーマーを組み立てているため、以前コンピューターハッキング事件以降からたびたび協力してもらっているミディに残骸を調べてもらっている。
「うん・・・・ここまで破損がひどいと映像を映し出すだけでもかなり時間がかかります。」
「・・・・・・やはり、厳しいか。」
「でも、DNA端末は無事だったからエックスの武器トレースシステムに組み込めば、特殊武器は使うことができるよ。メモリーの方も何度かトレースすればある程度は復元できるはずだし。」
ミディはそう言うとDNA端末をエックスに渡す。
「それにしても一体誰がこんなことをしたんだろう?」
「分かるのは絶対零度の冷気を一気に浴びたということぐらいだけど、問題はあんなマグマのあるエリアでどうやって起こしたかということなんです。」
現象については推測はできるものの一体どうやってやったのかがわからない。こればかりはミディでも返答のしようがなかった。
「スネ夫、何か心当たりはあるかい?」
エックスは、ゲームの知識でありながらも過去のワイリーナンバーズなどにある程度知識があるスネ夫に聞くがスネ夫も首を横に振った。
「こればかりは僕にもわからないよ。ロックマンシリーズ、Xシリーズで氷属性のボスは何体か出てきたけどあんな熱いエリアで敵を氷漬けにするなんて言うのは無理があるよ。初代ロックマンでもアイススラッシャーは、ファイヤーマン以外の敵では敵を一時的に動きを止める程度だし、フリーズマンのフリーズクラッカーでもあんな形にはならない。」
「そうか・・・・ショットガンアイス、フロストシールド、フロストタワーでもあんな形には絶対にならない。そもそもどれもが相手を直接氷漬けにする技じゃないんだ」
「じゃあ、犯人は誰かわからないってわけか?」
「「「うん(はい)。」」」
ジャイアンの言葉にエックスたち三人は同時に答えた。となるとヒートニックスを倒した犯人はますます謎に包まれる。
「・・・・・・もしかしてこの間ハンターベースを襲ったあの黒い奴の仕業じゃない?」
マーティは、思い出したくないからか少し嫌な顔をしながら言う。
「まさか・・・・・フォルテ?」
「僕が知っているフォルテは合体機能があるぐらいしか分からないけど、ワイリーがロックマンをベースに作っているはずだから可能性はないとは言い切れないな。」
「のび太、お前が使えるようになった武器で他に氷属性のものはないのか?」
「残念だけど、博士はアイスマン以外は氷属性を持つロボットは作らなかったようなんだ。飽くまでも武器を見る限りだけど。」
「「「「「う~ん~・・・・・・・・・・」」」」」
一同は再び首を傾げるが今の段階では正体がつかめない。そうしている間に部屋にダグラスが入ってきた。
「おい、エックス。こんなところに・・・・・・・・何みんな揃って頭抱えてんだ?」
「あっ、ダグラス。」
「アーマーの方が組み上がったぜ。最終調整したいから試着しに来てくれ。俺はエイリアほど器用じゃねえからな。」
「わ、わかったよ。」
「後、他のも悪いが医療室で博士の手伝いしてくれないか?人手が足りなくて困っているからよ。」
「「は~い。」」
スネ夫とジャイアンは医療室の方へと向かって行く。
「私はどうすればいいですか?」
「そうだな・・・・・エイリアが忙しいからオペレーターを代わりにやってくれねえか?あぁ、一応、養成学校の訓練生二人に臨時で入ってもらっているんだが少し肩に力が入りすぎていてな。ちょっと、肩の力を抜かせてくれ。」
「分かりました。」
「私は?」
最後に玉美がダグラスを見ながら行く。流石にまだ小さい子供のため、ダグラスは一体何を頼めばいいのか困る。
「うん・・・・・・・・・なにを頼めばいいかな・・・・・・」
「玉美はアタシと一緒にエックスのアディオンをキレイにしに行こうか?」
「うん!」
ダグラスが言う前にマーティが先に言って玉美を連れて部屋を出て行ってしまった。
「・・・・・・早いもんだな。」
「まあ、マーティも久しぶりに一緒に過ごせるようになって嬉しいからね。じゃあ、俺たちも行こう。まだ、調査員のエリアは残っているんだし。ミディ、引き続き頼む。」
「わかりました。」
エックスもダグラスと共に整備室の方へと行く。
22世紀 リングマン宅
ロボット学校を後にしたリングマンは本部で部隊を編成させた後、一旦自宅に戻って来ていた。
「ただいま。」
「パパ、お帰りなさい!」
「ぴー!!」
家に帰るとリングとビートが玄関に来た。リングマンは彼女の頭を撫でるとすぐに部屋に行き、荷物をまとめ始める。
「また、どこか行くの?」
「あぁ・・・・・大変なことが起きてな。パパ、しばらく戻れそうにないんだ。悪いとは思うがしばらくママと一緒にいい子にしているんだよ?」
心配そうな顔をして自分を見るリングに対してリングマンは優しい声で言う。
「リングマン。」
そこへゼロが部屋に入ってきた。
「ゼロか。」
「大変なことが起きたようだな。」
「テレビでもう見たか。すまないがリングを頼む。」
鞄を閉じてリングマンは部屋を出ようとするがゼロの一言が彼の足を止めた。
「俺も行かせてほしい。」
「なっ!?」
「ぴ?」
「今、俺たちがどういう立場なのかはわかっている。だが、この事態まで指をくわえて黙って見ているわけにはいかない。」
「これは私たちの問題だ。君の手を借りる必要はない。」
「アンタだって理解しているはずだ!この事件はただ事ではないということを。それにこの世界のロボットたちは戦闘用に作られているわけじゃない!今暴れている奴らも明らかに改造された可能性がある!」
「・・・・・・だが、今の君で何ができる?武装の機能はロックしてあるんだぞ?それに・・・・君が使っていたセイバーも今はない。」
「バスターが使えないなら拳で殴るまでだ。それとも・・・・・・・俺があの男の最後の作品だからか?」
「何故、それを!?」
ゼロの言葉にリングマンは目を大きく見開く。
「・・・・・ブランク期間があるとはいえ警察のアンタだ。俺があのジジイが作ったロボットだということくらい知らないはずがない。」
「・・・・・・・・」
「正直言ってアンタの兄弟を皆殺しにするような事態を招く結果を生み出してしまったことに関してはすまないと思っている。直接関わっていないとはいえ作られた俺も同罪だ。アンタは、俺のことをどれほど憎んでいたか・・・・・・」
「・・・・ゼロ。」
「だが、俺は奴の思い通りになる気はない。なろうともしない。だが、この事態に何もしないわけにはいかないんだ!それこそ、アンタの兄弟と同じ悲劇を繰り返すことになる。・・・・・・・アイリスの時もそうだった。俺が・・・・・戦うこと以外の答えを見つけることができれば・・・・・・・アイツの兄であり、俺の友でもあったカーネルを死なせることも無かった・・・・・・・・・」
ゼロは拳を握り締めながら言う。その姿を見てリングマンはかつてのロックマンと彼の姿が一致したように見えた。
(ロックマンもかつて兄弟であるライトナンバーズを助けるために自らを戦闘用に改造してもらうよう懇願した。そして、彼もまた同じ過ちを繰り返さないように動こうとしている。・・・・・・・いつまでも兄弟の悪夢にうなされながら逃げ続けている私と違って・・・・・・・)
「ぴー!!」
重苦しい表情をするゼロに対してビートは元気づけるかのように飛び回りながら彼の肩に止まる。
「ぴー!ぴー!」
「・・・・・・俺のことを励ましてくれるのか?」
「ぴぃ~!!」
「・・・・・・・・・ん?」
リングマンは、いつの間にか部屋の外から聞いていたアイリスに気がついた。ゼロもアイリスの方へ向き直る。
「アイリス・・・・・」
「ゼロ、私も貴方と答えは同じよ。でも、兄さんのことで自分のことを責めないで。貴方も私も同じことを繰り返させないように戦ってきたんだから。」
「お姉ちゃん・・・・」
「リングマンさん、私とゼロの武装ロックを外してください。もし、私たちが不審なことをしたというなら後ろから撃たれても恨みません。お願いします。」
アイリスは頭を下げてお願いする。リングは幼い故か何のことだか理解できずに困った顔をしていたがリングマンは、脳裏にかつて言われた言葉を思い出す。
『大丈夫、自分を信じて。』
かつて未知の力を組み込んで暴走した自分に対して行ってくれた言葉が今のゼロたちを信じることと同じだと感じる。
「・・・・・・リング、夕方まで一人になると危ないからパパと一緒に付いて来なさい。」
「うん。」
「リングマン?」
「・・・・・ロックを外すには本部の解除コードをインストールする必要がある。それからじゃないと何もできない。」
リングマンは荷物を持つとエリカに置き手紙を書いて車の助手席にビートを抱えるリング、後部座席にゼロとアイリスを乗せた。
「私だ、現在監視中の二人の武装ロックの解除コードのインストールの準備を手配してくれ。」
『えっ?し、しかし、長官の許可は・・・・・・・・』
「責任は私がとる。至急、準備をしてくれ。後、転送装置の整備も同時並行で進めてくれ。」
『は、はあ・・・・・・・・後で上に文句言われても知りませんよ。』
通信を終えるとリングマンは急いで車を走らせた。
「・・・いいのか?」
「こういうのは昔もやったから慣れている。あの時は本当に牢にまでぶち込まれたからな。」
「いろいろすみません。」
「フウ・・・・・・・少し飛ばすぞ。」
リングマンは車のスピードを速めて本部へ急行する。
次回は11ボス戦・・・・・・だと思う!