エックスのプラモが発売されると聞いたけどアーマーはマックスよりもアルティメットも出してほしかったな。
22世紀 タイムパトロール本部
遺跡から離脱したドラえもんたちは、回収されたブロックマンの解析を進めながらゼロの話を聞いていた。
「そうか・・・・・・シグマと戦って・・・・・」
「あぁ。少なくともエックスたちは無事だと思うが・・・・・これだけは何とも言えない。」
会話している中、部屋にリングマンと学校から駆けつけたのか寺尾台校長が一つの回路を持ってきた。
「あっ、校長先生。ブロックさんの方は?」
「体の一部がショートを起こしておるだけだから修理すればまた動けるようになる。」
「それじゃあ・・・・・・」
「だが、気になるのは彼の身体に組み込まれていたこの奇妙な回路だ。」
校長の言葉を聞いてほっとするドラミとは別にリングマンが置いたのは机に青と赤の歯車を組み合わせたような回路だった。
「この回路は?」
「彼を修理するにあたって体の中を調べたときに発見されたものじゃ。スキャンをかけてみたがこの回路は彼の製作会社は勿論どの企業も作ったという履歴がない。つまり、誘拐された後、攫った黒幕が新しく取りつけたものである可能性がある。」
「今のところ完全なデータではないがこの回路はロボットの性能を飛躍的に高める機能を有している。君たちが交戦した時に見せたブロックマンのあの姿もこの回路を作動させたことによってできた代物だ。おそらく、現在暴れている他のロボットたちにも組み込まれていると考えた方がいいだろう。」
「校長先生、性能を飛躍的にと言いますけど実際はどう云う風に機能しているんですか?」
「うむ、まずこの青い歯車は、組み込まれた本人は時間がゆっくり進み、相手にはまるで瞬間移動や高速で移動しているかのように見せる。そして、この赤い歯車はロボットの戦闘能力を一気に向上させる能力を持っている。ブロックマンが使ったのはおそらくこの機能じゃろう。」
「つまり、コイツをうまく利用すれば弱いロボットでも戦闘型並みの性能に引き上げられるというわけか。」
ゼロは校長の説明を聞いて何となく理解した。
「じゃが、この回路には大きな欠点がある。それはこの回路を作動している間膨大なエネルギー消費すると同時に体に大きな負担がかかり、民間用ロボットがこの回路を長時間使い続ければ最悪の場合壊れてしまう。それにもし、この回路が悪用されれば過去、未来だけでなくこの世界そのものを消しかねない危険性を孕んでおる。」
「そ、それじゃあ・・・・・・」
「他の7人からも早くこの回路を外さなければ命に関わるかもしれん。なんとしても止めなくては・・・・・・・」
「でも、彼らにもこの回路が組み込まれているとしたら私たちでも止めるのは容易じゃないと思います。」
「毒には毒を持って制すという言葉がある。だが、その毒も使い方によっては良薬にもなる。」
ゼロは回路を見ながら言う。
「何が言いたいんだ?ゼロ。」
「要はこの回路を俺たちの身体に組み込んで使えばいいだけの事だ。それに暴走防止にリミッターやシステムのON/OFFの機能さえつければ最悪な事態は回避できるはずだ。」
「確かにリミッターさえつければ危険性は最小限に抑えられるが・・・・・・・・問題は誰に組み込むかだ。回路のコピーを製作するにしろ一から作るとなるとかなりの時間を費やすことになるぞ。」
ゼロに言い返すリングマンのいうことは尤もだ。確かにリミッターを設けるにしても一つしかない回路を分解するのだから最悪な場合壊してしまう危険性がある。それに現在は秘密道具が機能しないため、タイム風呂敷や復元光線銃が使えない。できたとしても二個目を作るのに時間がかかってしまう。
「そうだな、本当なら俺が付けたいところだが今の俺は機能が回復したとはいえバスターしか使えない。アイリスもだ。なら、ドラえもんに組み込むのが一番だと思う。現にアーマーには武器のトレースシステムも組み込んでいるからな。」
ゼロの言葉を聞いた瞬間、ドラえもんの顔色が真っ青になる。
「ん?どうした、ドラえもん。急に顔色が変わって。」
「・・・・・・ク、組み込むということは・・・・・もしかして・・・・しゅ、手術?」
「ん・・・・・人間で言えばそう言うかもしれないけど体の一部を分解して組み込むだけよ。別に痛いとか・・・・・」
「嫌だ~!!!」
アイリスの答えを最後まで聞かずにドラえもんはドラミの後ろに隠れる。
「おい、何で嫌がるんだ?回路を組み込むだけなんだぞ。」
「病院は嫌い・・・・・・」
「もう、お兄ちゃん。我慢してよ!大変な時にまで・・・・・」
ドラミは困った顔をして言う。
ドラえもんは耳の手術を失敗して以来定期検診すら受けたがらないほど大の病院嫌いになっている。それはのび太時代のエックスも同じではあったがレプリロイドとして生きるようになってからは毎度毎度重傷になってケインとドップラー達に世話になっているため、いつの間にか克服している。
「お前に組み込むのが最も効率がいいんだ。機能を止めている間に・・・・・・・」
「嫌だ嫌だ!手術、ヤダ!!」
「うむ・・・・・困ったもんじゃのう・・・・」
駄々を捏ねるドラえもんに対してゼロたちは首を傾げる。
「あの・・・・・アーマーに組み込むということはできないんですか?」
「データは取ってはいるが組み込む余裕はないな。あのアーマーはライト博士が作ったようだが設計自体が完璧すぎて外から追加機能を組み込むことを考慮していない。無暗に一つの機能を取り外して移植してしまえばそれこそ大きな損失を与えかねない。」
「・・・・・・・・・」
自分なりにアイディアを言ってみたもののリングマンにあっさりと断られてしまったためアイリスは何とも言えなくなる。
「・・・・・・・こうなったら、奥の手よ!」
ドラミは突然大きな声で言うと部屋から出て行く。
「ドラミさん?」
「みんなはお兄ちゃんの手術の準備をして!私はちょっと外れます!!」
「お、おい・・・・・・・」
ドラミが去った後、一同は怯えているドラえもんを見る。
「・・・・・・・どうする?」
「ドラえもんさん嫌がっている気持ちがわからないわけじゃないけど・・・・・・」
「おそらく彼女にも何か考えがあるんだろう。彼には悪いが組み込む手術の準備を進めよう。寺尾台校長はその回路の改造をお願いします。ゼロとアイリスは・・・・・・彼が逃げないように見張っていてくれ。セイバーの方も代用が作れないかどうか掛け合ってみる。」
「お前はどうするんだ?」
「私にも私の仕事がある。他のロボットたちがブロックマン同様に操られているのかどうか念のため彼らの履歴を調べる。自分の意志で今回の事件に加担していないとも言い切れないからな。」
そう言うとリングマンは自分の部屋へと戻って行く。
「では、わしもこの回路の改造に取り掛かるとしよう。」
続いて寺尾台校長も回路を持って部屋を後にした。
「・・・・・・」
「ドラえもんさん・・・・・大丈夫?」
部屋に残されたゼロとアイリスは震えているドラえもんに声をかける。
「絶対に行かない・・・・・絶対に受けない・・・・・・」
「・・・・・これはかなり重症だな。」
21XX年 ハンターベース
「う、うぅ・・・・・・・」
一方、ここはハンターベースのエイリアの私室。エックスたちから受け取ったナイトメアソウルを解析している中、連日休息を取らなかった反動が来たのか彼女は転寝していた。しかし、そこで見ている夢は彼女にとって嫌な思い出を思い出させているに過ぎなかった。
それは彼女がイレギュラーハンターに配属される前、レプリロイド工学員時代の夢だった。彼女はこの時、北極エリア調査本部に配属され日々データ収集などに明け暮れていた。そんな中、上層部からある命令が下った。
「・・・・・あの、これは・・・・・」
書類にはあるレプリロイドの処分通告が記されていた。だが、彼女が知っている限りこのレプリロイドはイレギュラー化どころか問題行動を起こしていない。
「その書類の命令通りだよ、エイリア。本日中に極寒地開拓チーム所属 狼型レプリロイド ブリザード・ヴォルファングを処分するんだ。これは上層部の決定事項でもある。」
「そんな・・・・・・確かに先日の任務中、イレギュラーとの交戦で彼を残して部隊が全滅したとはいえ、こんな仕打ちはあんまりです!」
「エイリア、我々も上層部もヴォルファングがいつイレギュラー化するのか警戒しているのだよ。増してはあのゲイトの製作したレプリロイドだ。君だってわかっているだろう?彼が製作したレプリロイドは高性能である反面危険性を大きく孕んでいる。先に処分したヒートニックスと言い、ミジニオンと言い、調査は愚か処分する時すら多くのレプリロイドを犠牲にする羽目になった。ヴォルファングは確かに今はあのような性格だが同じようにならないとは限らん。先日、ジム博士の護衛に付いていたシェルダンすらイレギュラー化して博士を殺害したという。」
「それは・・・・・・」
エイリアは反論しようにもできずにいた。
ゲイトという男の製作したレプリロイドは優秀な反面、他のプログラムが複雑すぎてエラーする危険性の高さ、独断先行によるチームの全滅。そして、ゲイト自身の性格の問題もあり、上層部と上司は彼を嫌い、次第に彼の製作したレプリロイドを処分するようになった。
「既に決定されたことだ。本日の夜、ブリザードが吹き荒れる中彼を任務と言い、処分ポイントへと誘導し、そこで処分を行う。指示は君に出させる。」
「そんなこと・・・・・・そんなことできません!!」
「君はゲイトに肩を持つというのかね?」
「!」
上司の冷徹な眼差しにエイリアは表情を強張らせる。
「君は優秀な工学員だ。将来的にドップラー博士のような優秀な研究者の助手にスカウトされるのも夢ではない。君の才能はそれだけ評価されているのだよ?」
「し、しかし・・・・・・・」
「現実を見たまえ。あんな男のレプリロイドを庇ってエリートコースを外れるのとこのままエリートコースを進んで名誉を掴み取るのを天秤で比べてみたら、分かることではないか。」
「・・・・・・・・」
それだけ言い残すと上司はそのまま部屋を後にした。
「・・・それでも・・・・・・・それでも、彼を処分するのは間違っている。」
北極エリア調査本部 収容所
「・・・・・・・」
収容所の一部屋に一体のレプリロイドが寝かされていた。
処分が決定したヴォルファングである。彼は上層部から処罰を受けた後に治療を受けてここに入れられていた。上層部からは次の任務まで待機だと言い渡されていたため、彼はその時を待って眠りについていた。
処分されるという事を知らずに。
「・・・ヴォルファング、ヴォルファング。」
「!」
聞き覚えのある声にヴォルファングは目を開いた。そこには電子ロックの解除キーを持ったエイリアがいた。
「エイリア、何故ここに?任務の時間はまだ先のはず・・・・・・・」
電子ロックを外され、ヴォルファングは奇妙に思いながらも外に出る。
「一緒に付いて来て。このままだと貴方は処分されてしまうわ。」
「処分?・・・・・・!もしや、先日の部隊全滅の責任を。」
「えぇ、私は反対したんだけど・・・・・・」
「・・・ならば、貴方はこんなことをするべきではない。すべては私の責任。処分と言い渡されるのなら喜んで受けるまで。」
「そんなこと言わないで!」
自分の責任は自分で取ると言い張るヴォルファングに対してエイリアは叱りつける。
「しかし・・・・こんなことをすれば貴方とて私を逃がしたという罪を着せられてしまう。貴方は有能なお方、私のために・・・・自らの道を外すなど。」
「人工的に作られたとはいえ、貴方だってこの世に生み出されたたった1つの命なのよ。死のうとするなんてことは考えないで。生きていれば罪を償う機会は必ず訪れるわ。その時まで懸命に生きてちょうだい。それがあなたの生みの親であるゲイトの・・・・彼の魂の救いになるかもしれないから・・・・・・」
「ゲイト様の?」
ヴォルファングは、自分の主のためだと言われて一瞬驚いた表情をした。エイリアは、そんな彼を密かに収容所から連れ出して北極エリアから出向する船へと急ぐ。二人が港に着いたときは丁度出航する直前でエイリアは、何とか彼を乗船させることに成功した。
「かたじけない。私のために。」
出航する寸前、ヴォルファングは船の入り口でエイリアに対して申し訳なさそうな顔で謝罪した。
「いいのよ、貴方がすべて悪いわけじゃないんだから。私のことを気にしないで自分のことを大事にして。」
「貴方に救ってもらった命・・・・・・・無駄にはしない。必ずこの恩を返して見せる。」
そう言うとヴォルファングは船の中へと入り、艦橋の方から港で見守っている彼女に手を振る。エイリアもこれでもう大丈夫だと安堵の表情をして手を振り返した。
「グアッ!?」
「ヴォルファング!?」
とその束の間、ヴォルファングの背後に巨大な手裏剣型の武器が数枚刺さった。エイリアは遠くてよく見えなかったが彼の背後にコンピュータハッキング事件で関わるシャドウハンター ザインとギーメルの姿があった。
「ケケケケケケケ!コイツか?例のターゲットのレプリロイドは?」
「あぁ・・・・・間違いない。あの施設の連中が言っていたレアなパーツを持っている奴だ。」
実は基地の上司がエイリアがこのような行動をするだろうと密かにヴォルファングを処分するよう依頼していたのだ。実際、ヴォルファングの身体には希少金属性のパーツがいくつか組み込まれていた。
「グ、グゥウ・・・・・・・」
「ケケケケケ・・・・・コイツ、怯えていやがるぜ。」
「バカな奴だな・・・・大人しく処分されて死んだ方がまだよかったのにな。」
ザインは大剣をヴォルファングに突き刺す。
「グワアアアアァアアアアアア!!!」
深く突き刺されたことによりヴォルファングは悲鳴を上げる。
「おい、相棒。殺すのはいいけどもっと考えてやらねえとパーツがパーだぜ。ミーたちの利益がなくなっちまう。」
「分かっている。」
そう言うとザインは大剣を二度刺す。するとヴォルファングは動くことがなくなった。
「ケケケ。じゃっ、早速お目当てのパーツでも頂こうかね!」
ギーメルは手裏剣でヴォルファングの身体を切り裂いてパーツを奪い取り始める。そして、売れそうなパーツをあらかた奪うと用済みとばかりにヴォルファングの残骸を海へ投げ捨てた。
「ヴォルファング・・・・・・・・・」
助けたつもりが逆に彼の死を早めてしまったことにエイリアはその場で跪いてしまう。海にはヴォルファングのパーツが一時的に浮かんでくるものの再び沈み、そこには何事もなかったかのように静寂だけが残された。
「私が・・・・・私が彼を・・・・・・・・」
彼女は泣きながら彼の沈んだ海を見る。
「ヴォルファング・・・・・ヴォルファング!!!」
「うぅう・・・・・うぅう!!」
「おい、エイリア。大丈夫かよ?おい!」
現実ではダグラスが苦しそうな表情をしている彼女を揺すり起こそうとしていた。悪夢から目を覚ました彼女は額に汗をかきながらダグラスを見る。
「ダ・・・・・ダグラス?」
「やっと目が覚めたか。大丈夫かよ?顔色すごく悪いぞ。」
ダグラスが見る限りでもエイリアの顔色はあまり良くなかった。
「だ、大丈夫よ・・・・・・少し・・・疲れているだけだから・・・・・うぅ・・・・・」
ふらつきながら倒れそうになるエイリアをダグラスは慌てて支える。
「おいおい・・・・・・これで大丈夫も何もないぜ。」
本当はエックスのブレードアーマーのことについて相談したかったのだがそれどころではないと判断し、通信機を取る。
「おい、誰かすまねえがすぐに来てくれ!エイリアが衰弱している。」
22世紀 タイムパトロール本部
「嫌だ、嫌だ~!!」
「頼むから大人しくしてくれ。」
ドラえもんは鎖で巻かれた状態でメンテナンスルームへと運ばれて行く。中にはすでに寺尾台校長が改造の準備を整えており、後はドラえもんを寝かせて行うだけだった。しかし、当のドラえもん本人が嫌がるため鎖で拘束して強制的に尻尾のスイッチを切ろうとしていた。
「全く、こればかりは治らんのかのう・・・・・」
寺尾台校長はドラえもんの態度に呆れながら言う。
「嫌だ!嫌だ!!!」
だが、尻尾を引っ張ろうとした瞬間。
ドラえもんは物凄い勢いで強引に鎖を引きちぎった。
「「「あっ!?」」」
「手術嫌だ~!!!」
呆気にとられるゼロたちとは裏腹にドラえもんは大泣きで部屋から逃げ出していく。
「まずい!二人とも早く捕まえるんじゃ!!」
「ちっ、仕方ない。力づくでも捕まえるぞ、アイリス。」
「うん・・・・・なんか可哀そうだけど。」
ドラえもんは脱兎の如く走りながら本部の外へと出ようとする。
「僕、もう20世紀に帰る~!!」
そして、本部の自動ドアが開いた瞬間だった。
「あっ!お兄ちゃん!」
目の前にはドラミがいた。
「僕はもう帰る・・・・・・・」
「ドラえもん?」
「!?」
聞き覚えのある声にドラえもんは目を見開いて足を止める。そこにはスレンダーな体型の長身のネコ型ロボットだった。
「ノ、ノラミャー子さん・・・・・・・・」
「大丈夫?ドラえもんが戦っているって聞いてきたんだけど・・・・・」
ノラミャー子は、心配そうな顔でドラえもんを見る。ドラえもんは顔を真っ赤にしてデレはじめる。
「い、いや~その~うん!皆のために戦っているんだ~!」
そこへ彼を捕まえに来たゼロたちが来た。
「おい、ドラえもん。大人しく手術を・・・・・・」
「は~い~!手術受けに行きま~す!!」
「・・・・・・ん?」
デレデレしながらノラミャー子と一緒に本部へ戻って行くドラえもんに対してゼロはキョトンとした。
「一体何があったんだ?」
「お兄ちゃんのガールフレンドのノラミャー子さんに来てもらったの。」
「ドラえもんさんの?」
「えぇ、お兄ちゃんあの人の前ではカッコ悪い所見せられないから大人しく手術を受けてくれるわ。」
ドラミはそう言いながら中へと入って行く。
その後、ドラえもんは気合で手術台に寝かされ、例の回路を身体に組み込んでもらうのであった。
ノラミャー子のデザインは原作基準に戻さなくてもよかった気がする。