22世紀 ポインポインパーク
「くっ、この撥ねる風船の足場・・・・・動きづらいな。」
「そう?私はそうでもないと思うけど。」
室内アスレチック施設「ポインポインパーク」。
それは未来の交通機関が便利になった反面、運動不足に悩ませるようになった未来人の公共の運動場であり、お子様からお年寄りまで手軽に利用できるように作られた。その理由は飛び跳ねやすいだけではなくぶつかる反動を和らげて怪我を負わせないように作られている特殊なバルーンの設置などが挙げられている。
この施設でインストラクターロボを務めているラバーマンは、無邪気な楽天家、楽しく跳ね回っていたいお年頃であり、まん丸で巨大な身体に反して声が可愛らしいため、子供たちからは大人気のキャラとして慕われている。それだけにと止まらず彼は遊びのついでにトランポリンとボクササイズを融合した「ホップボクササイズ」なるエクササイズを編み出す。意外にストレッチとしても最適だと判明し、現在主婦層からの人気も上昇しつつある。そんな大人気の彼であるが少し前に突然消息を絶ち、パークを利用していた子供たちからはどこへ行ったのかと心配されていた。
ところがそれからしばらくして彼は何事もなかったように帰ってきた。
彼はポインポインパークのアスレチックゾーンのバージョンアップを公表し、子供たちは揃って攻略しようとしたがその難易度は異常であり、未だに誰も攻略できていない状態でタイムパトロールが封鎖した時は理由がわからずブーイングするほどでハマっていた。
そんなアスレチックゾーンへドラえもんたちは足を踏み入れていたが例の足場により思うように移動ができず足止めを受けていた。
「ちっ、またミスっちまった!!」
飛び跳ねる足場にゼロは苛立ちながら言う。入り口から入ってずいぶん経つのだが4分の1ほどしか進んでいない。
「今まで嫌がらせにしかならないような道を移動したことはあるがここまでイライラさせたものは初めてだ!!」
ほとんど進めていない現状に焦るゼロに対してアイリスは、落ち着かせようと動く。
「ゼロ、落ち着いて。息を整えてタイミングを計れば思っているよりも簡単に行けるわ。」
「そうか?」
「私に動きを合わせて。」
アイリスはゼロの手を握って飛び跳ねながら呼吸を合わせる。
「いい?一、二、一、二の・・・・・・三!」
「うおっ!?」
二人は同時に飛び跳ねて次の足場へと乗り移る。
「次のもさっきと同じよ。一、二の・・・・・三!」
「ハッ!」
二人は息を合わせながら次の足場へと飛び乗って行く。最初の内はぎこちないゼロであったが次第にアイリスとタイミングを合わせるようになっていき、終いには手を繋がなくても飛び跳ねながら移動できるようになっていた。
「あらら・・・・二人ともあっという間に進んで行っちゃっているな。」
先にコツを掴んで進んでいたドラえもんはすごい速さで追いかけてくるゼロを見て唖然とする。
22世紀 アチモフ城
一方、ドラえもんを除くドラえもんズを黄金像にしてしまったドラパンは、唯一親友テレカを出していなかったドラメッド三世とドラリーニョを別部屋へと移動させ、気を失っている内に黄金像化を解いた。
「全く世話の焼けることをしてくれたものだ。」
ドラパンは片手に好物であるカマンベールチーズ入りのどら焼きを頬張りながら部屋の照明を暗くする。
「地上に放った連中もリーダーであるドラえもんと見慣れない赤いロボットに次々とやられている。人質を利用して親友テレカを使わせるという手もあるがこの二人を先に処理しておかないと後で厄介なことになる。」
そして、彼は自分の髭を抜いて部屋中にばら撒く。
「いてててて・・・・・・・これは本当は使いたくないんだけどな・・・・・」
そして彼は変装道具を出し、瞬く間にドラメッド三世に変装、天井にぶら下がり二人が目を覚ますのを待つ。
「フッフフフフ・・・・・さて、この私の仕掛けにどのような反応をするのか見物だな。ナ~ハッハッハッハッハ~!!!」
21XX年 ハンターベース
「そうか。エイリアが倒れたのも無理ないかもしれないな。」
エックスたちはシグナスに呼び出され、ヴォルファングの話したことを聞かされていた。ナイトメアの調査を開始する際、エイリアの表情があまりよくなかったことがなんとなく納得できた。
「しかも、彼女の部屋から見つかったこの報告書にはヴォルファングを含める調査員は黒幕であるゲイトが製作していたことも発覚した。」
シグナスはエイリアが部屋から運ばれる際に彼女の机の上に置いてあったファイルを見て言う。
「道理で少し様子がおかしいと思っていたら・・・・そりゃ、元同僚が黒幕かもしれないって思ったら不安にもなるわ。」
「ん?でもよ、のび太たちが言っていたアイゾックは一体何なんだ?」
ジャイアンはふとアイゾックのことについて思い出す。話の中でしか聞いたことはなかったが聞いた限りは彼が黒幕だと考えていた。しかし、ゲイトの存在が分かったとなると彼は一体何者なのか?また、謎が一つ増えた。
「多分、助手ロボットなんじゃないの?」
「そうか?俺的にはそっちの方が黒幕っぽかったけどな・・・・・」
「現在、ゲイトの潜伏先については調査中だ。情報提供をしてくれたヴォルファングの頼みでもあるが残りの調査員に関してはできるだけ説得するようにしてくれ。説得に応じてくれなかった場合は致し方ないが。」
「ナイトメアのことについては何かわからなかったの?」
「彼らは飽くまでゲイトの命令で動いていただけに過ぎないからな。詳しい解析は博士かエイリアしかできない。エイリアが復帰できるまでは詳細は分からないが依然としてレプリロイドに害のある存在だというのは明らかだ。」
エックスたちは早速残りの調査員の場所を確認する。
「調査員は残り三人。一人は日本の重要文化財であるイナミテンプル。もう一人はリサイクル研究所、残りの一人はレーザー研究所だ。」
「問題は、ナイトメアの影響でどうなっているのかがわからないってことなのよね。一つ一つ向かうにしても距離が距離で一回出発してから戻ってくるのにも時間がかかるし。」
エックスとマーティはMAPで三か所が離れすぎていることに首を傾げる。
「転送装置を使うにしても時間の短縮にも限度があるぜ。ナイトメアの影響で座標の正確な位置の調整が難しくなっちまっているからな。」
ダグラスは腕を組みながら言う。一応簡易転送装置に関しても妨害電波対策を応用した処置を施しはしたがナイトメアでの影響下でうまく働くとは言い切れない。
「よし!だったら、この際だから三手に別れて説得しに行くって言うのはどうだ?」
「さ、三手!?」
ジャイアンのトンデモ発言にエックスは目を見開く。
「ジャイアン、ナイトメアの正体が何なのかがわからない中で別れて行動するのは危険だよ。」
「でもよ、ナイトメアって言っても被害が出ているのはレプリロイドの方なんだろ?人間の俺たちなら特に悪影響はないんじゃないか?」
「そうだけど・・・・」
「それにこっちはスペアポケットがあるんだ。」
「でも、それ根本的な解決になっていないわよ?そもそも一つがアタシたちが行って、もう一方がアンタたちが行ったとして残りの一つは誰が行くのよ?」
「あっ・・・・」
マーティの言葉にジャイアンは口を開ける。その反応にダグラスとスネ夫は呆れる。
「お前な・・・・・もうちょっと考えて話せよ。」
「そうだよ、僕たちが行ったとしても残り一か所残っ・・・・・・」
「ちょっおっと待ったぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
「「「「!?」」」」
突然の叫び声に一同は驚く。入口の方を見ると丁度今日の作業を終えて戻ってきたアルバイターたちがそろって部屋に入ってきた。
「その残りの一か所、我ら時給戦隊アルバイターが引き受けた!!」
「「・・・・えっ?」」
ジャイロマンの言葉にエックスはマーティと揃って思わず言ってしまう。
「黒幕が誰であれ、アイゾックがゼロに無実の罪を着せたのは事実!!」
「お前らまだ気にしていたのかよっ!?」
「気にするも何も侮辱したことは許さん!!説得はするが応じない場合は力ずくで押さえて居場所を吐かせる!!」
「・・・・・・それならゲイトの潜伏先も早く割り出すことは可能だろうが・・・・・・」
アルバイターたちの反応に一同は困惑する。
「それにだ!そこの人間たちの護衛として二人、残りの六人で現場に向かえば問題ないだろ!?」
「・・・・・・」
シグナスはしばらく考えるとエックスの方を見る。
「どうするシグナス?」
「彼らは説得も行うと言っているんだ。それに人間だけに行かせるのは危険だからな、彼らの案を採用した方がいいだろう。」
「わかった。じゃあ、俺とマーティはリサイクル研究所、ジャイアンたちはイナミテンプル、他はレーザー研究所に向かうようにしよう。」
エックスたちは行き先を決めると先に準備をするべく、部屋を出て行く。
「よし!じゃあ、誰があの人間たちについて行くかくじ引きだ!!」
「「「「「「おう!!」」」」」」
「お~う~」
「お前らも早く準備してこい!!」
22世紀 ポインポインパーク
「途中でデカい風船カエルが出てきたときは流石に驚いたな。」
「でも、面白かったわ。」
「二人とも・・・・・ここ、一応敵の拠点の一つなんだけど・・・・」
自分たちが戦いに来ていることを忘れているかのように楽しんでいたゼロとアイリスに対してドラえもんは、少し疲れた顔で言う。
「でも、この部屋に先にラバーさんがいるはずよ。」
四人は部屋に入ってみる。するとどこからともなくラバーマンが飛び跳ねながら目の前に現れた。
「じゃっじゃぁ~~ん、ラバーマン登場!!」
ラバーマンはドラミたちの方を見ると笑いながら声をかける。
「ドラミちゃ~ん!!僕のアスレチックを初めて攻略したのはドラミちゃんとお友達だったのか~!!!すごいすごい~!!」
「・・・・・他の連中に比べてなんか普通じゃないか?」
ラバーマンの反応を見てゼロはドラミを見ながら言う。
「確かにいつものラバーさんとそんなに変わっているような気がしないけど・・・・・・」
「ねえ、ねえ、ねえ!ドラミちゃん!僕ね、よくわかんない人からすっごい物もらったんだ!!攻略できた君たちにだけ見せてあげるよ!でも、その前に僕と勝負しよう!」
「っと思ったけどただ単に考えが幼な過ぎて遊びと戦いの違いが判らないだけみたい。」
ラバーマンの反応を見てドラミは渋い顔で言う。
「僕のパンチは痛いよぉ~!!」
ラバーマンは飛び跳ねながら戦闘を開始する。弾力性の高い体を活かしながら四人に向かってパンチを繰り出す。
「パーンチ!!」
「皆避けろ!!」
ゼロの声でアイリスとドラミはその場から離れるがドラえもんは一歩遅れて顔にパンチがめり込んだ。
「フブッ!?」
「お兄ちゃん!?」
拳がラバーマンの所に戻るとドラえもんは凹んだ顔を引っ張って元に戻す。
「本当に痛い・・・・・・」
「アイツ、体がゴムでできているって言う割には瞬発的な力なら大型レプリロイド並みに高いぞ。」
ゼロの言う通りラバーマンはロボットでありながらそのボディは収縮自在の特殊ゴムで構成されている。この特殊ゴムは、秘密道具「トロリン」に入っている化学物質がふんだんに使用されており、一見脆そうに見えるがその耐久性は旧世紀の自動車に使われているタイヤのゴムとは比較にならず、定期的に特殊コーティング処置をしておけば100年以上はちぎれることはないという優れモノなのだ。更にその瞬発力はレプリロイドの装甲すら歪ませるほどのパワーを発揮する。
「踏んづけ!」
「お兄ちゃん!」
まだ目まいがして動けないドラえもんの真上からのしかかろうとするラバーマン。
「う、うぅ・・・・ふ、風船・・・・・・」
真上から迫ってくるラバーマンはドラえもんの目から風船に見えた。ゼロは咄嗟に叫ぶ。
「風船なら尖っているもので攻撃しろ!!」
「うっ、うぅう・・・・・パイルドライブ!!」
ドラえもんは落下してくるラバーマンに対してパイルマンから習得したパイルドライブを使う。
「あり?」
自分の尻餅辺りから何かが刺さったことに気がついてラバーマンはキョトンとする。
「う~~~~ん~~~~~~~よいしょっ~~~~!!」
そのまま擬似ヴァリアブルエアダッシュでドラえもんはラバーマンを天井へぶつける。
「よし、何とかうまく・・・・・・」
「うわぁあああああ~~~!?」
しかし、天井に衝突した瞬間ラバーマンの身体はバラバラになってあちこちに跳ね回り始める。
「なっ!?」
「体がバラバラになっちゃったわ!?」
三人が驚いている中、ラバーマンのパーツはあちらこちらに跳ね回り無差別攻撃を開始する。
「いてっ!?」
「きゃっ!?」
バラバラになったパーツは四人を攻撃し、しばらくの間飛び跳ねまわり続けると一か所に集まって再合体する。
「復活~!!!あれ?」
ラバーマンは自分の視界にドラえもんたちがいないことに驚く。
それもそのはず、頭だけ反対になっているのだ。
「ドラミちゃん、どこ~?」
「頭逆!逆よ!!」
「あっ、こっちだ。」
ラバーマンは頭の位置を再調整する。
「もっと行くよ!!」
ラバーマンは壁にぶつかり、飛び跳ねながら腕を伸ばして攻撃を行う。
「プラズマチャージショット!」
「「ダブルチャージショット!!」」
「痛ったいな~。」
ドラえもんたちと戦っているにもかかわらず彼は未だにこれを遊びだと思って楽しんでいる。
「よぉお~し!僕もそろそろ本気で行くよ~!!」
ラバーマンは体を青く発光させる。
「また、あのギアか!?」
「スピードアーップ!!」
ラバーマンは手足を収納し、高速で跳ね回って攻撃を仕掛ける。
「スピードギア!!」
ドラえもんも咄嗟にスピードギアを発動させてラバーマンの攻撃を回避し、攻撃を仕掛ける際にパワーギアに切り替え直した。
「パワートルネードファング!!」
パワーギアの発動により巨大化したトルネードファングがラバーマンに命中する。
「わああぁあああ~!?また、バラバラ~!?」
同時にスピードギアが解除され、ラバーマンの身体は再びバラバラになって飛び散ろうとする。
「今だ!アイリス、同時に仕掛けるぞ!!」
「分かったわ!」
ゼロとアイリスは同時に拳を床に撃ち込む。
「「アースクラッシュ!!」」
アースクラッシュによって引き起こされた衝撃波はバラバラの状態のラバーマンに炸裂する。
「ボヨヨヨヨ~~~~~ン!?」
ラバーマンはバラバラの状態のまま床に落ち、頭はドラミたちの目の前にまで転がってくる。
「ボヨヨン・・・・・もっと遊びたかったのに負けちゃった・・・・・・」
頭をドラミに回収され、ラバーマンは残念そうな顔をする。
「遊びたいんだったらみんなのことを考えてやってちょうだい。子供たちだってみんなラバーさんと遊びたがっていたんだから。」
「本当?アスレチック新しくしたのに誰も来てくれなかったんだよ?」
寂しそうな顔をするラバーマンであったがそれに対してゼロは言う。
「あれは子供だとクリアするのは難しいぞ。現に俺もアイリスがいなかったら進めなかったんだからな。」
「えっ?そんなに難しかった?」
「楽しかったけど子供には難し過ぎるわ。」
「しょぼん・・・・・・・・しおしおのパ~~~~。」
二人の言葉を聞いてラバーマンはしょげてしまう。
「でも、楽しかったわ。」
「・・・・・本当に?」
「まあ、慣れれば面白かったな。」
「子供たちは今でもあなたのことが大好きなのよ。でも、もう少し簡単にしないと誰も進めないわ。みんなに遊んでもらえるように考えて作らないと。」
「うん、わかった。」
アイリスに指摘され、ラバーマンは返事をする。どうやら、自分のことを少しは認めたらしい。
「じゃあ、早く戻ろうか。」
ドラえもんはゼロと共にあちこちに落ちている彼のパーツをかき集め、さっきの道を撥ねながら戻って行った。
「今度、遊びやすくし直したらまた来てくれる?」
「えぇ。」
「まあ、今回ほど難しくなかったらな。」
「僕も楽しかったよ。」
「・・・・・うん!今度はみんなに遊んでもらえるようにするね!」
少し成長したかもしれないラバーマンであった。
やっと11ボスも後半戦か。
X6編後に展開予定の劇場版編で次のうちどれがいいと思いますか?(飽くまで現在投票の中で二票以上入っているものの中での取り決めです)
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