北国エリア 博物館
どうにか危険地帯を突破したドラえもんとドラミはツンドラマンの反応がある博物館の中央ホールへと到着した。
「ここにツンドラマンが隠れているのか。」
ドラえもんは手を押してホールの中へと入る。
「真っ暗闇で何も見えないや。」
「ツンドラさん~!どこにいるの~!!出てきてちょうだ~い!!」
ドラミが声をかけるとホールの中央にスポットライトが照らされる。
「僕のステージへようこそ。煌びやかなダンスを存分にご覧あれ。」
「あれがツンドラマン?」
ドラえもんはツンドラマンを見ながらバスターを構える。対するツンドラマンはバスターを向けていることに特に警戒することはなくドラミを見た。
「久しぶりだね、ドラミ。最後に会ったのはロボット学校の卒業式以来かな。君自身が来てくれるとは僕もうれしいよ。」
「ツンドラさん、お願いだからもうこんなことはやめてちょうだい。」
ドラミは身を案じて言うがツンドラマンは笑いながら言い返した。
「ハッハハッ、こんなことだって?ひどいな、僕はただ単に取り引きで動いているだけに過ぎないよ?」
「取り引き?」
「そうさ、この嘘つきな世界からさっさとおさらばするためにね。」
ツンドラマンはそう言うと足のスケートを滑らせながら二人を見る。
「嘘つきって・・・どういうこと?誰が貴方に嘘をついたと言うの?」
「この世界そのものだよ。」
ツンドラマンはそれだけ言って切り捨てると高速で急接近し、二人を跳ね飛ばした。
「うわっ!?」
「きゃっ、つ、ツンドラさん!?」
「悪いけど次のゲストが来るまでには片づけたいんだ。だから、早く終わらせてもらうよ。美しくね!!」
ツンドラマンの戦闘舞台の幕が開かれた。
数時間前 ロボット・ノーズワーキング社
『ロボット・ノーズワーキング社』
北極や過酷な環境でも活動可能なロボットを開発・生産を担うメーカーであり、ここ最近は地球外で開拓が進められているスペースコロニー外での活動をメインとする宇宙活動用ロボットの開発を進めていたがある事件により、過去の不祥事が明るみとなり、前社長は逮捕、新しく就任した新社長を中心に新プロジェクトを立ち上げと同時に社内改革が行われ、新しいスタートの準備中である。
リングマンは、このメーカーの新社長の連絡を受けてオフィスで待たされているのだが、さっきから見えるのは社員であるレゴブロックの人形のようなロボットたちが慌ただしく動いていて社長本人が現れる様子はない。
「・・・・・あの、すまないが社長にはまだ会えないのか?」
10分以上前から待たされていたこともあり、リングマンは社員の一人を呼び止める。
「あっ!申し訳ございません!うちの社長、研究室に籠ると時間にルーズになってしまいますので。」
「研究室?そういうのは会社の研究員たちがやるんじゃないのか?」
「はぁ・・・・それが社内改革の際、社長自身が立案した新プロジェクトにみんなついて来られなくて・・・・」
「・・・・・」
社員が困った顔をしていると慌ただしく一人の女性が来た。
「ハア、ハア!こ、こちらで呼び出しておきながら遅れて申し訳ございません!」
「ん?」
リングマンは女性の方を見る。
髪型が下ろしているのかセットしているのかよくわからない中途半端な状態に眼鏡をかけ、慌ただしく着替えてきたのか服装が整っていなかった。
「社長!慌ててきたせいで恰好がカオスな状態になっているッスよ!?」
「えっ?何ですって・・・・・ブッ!?」
社員から受け取った鏡を見て女社長は自分から噴き出して急いでその場から去って行った。
「・・・・・・・・・・・」
「あっ、すみません。5分ぐらいで戻ってくるんでもうしばしお待ちください。」
「は、はあ・・・・」
社員に言われてリングマンは再びソファーに腰を掛け直す。
5分ぐらい経つとようやく先ほど来た時とは別人レベルで変わった女社長が少し顔を赤くしてきた。中途半端にセットされていた髪型は、後ろ髪が扇形に広がった独特なものへとちゃんとセットされ直し、中央に切れ込みの入ったピンクのワンピースを着用しているなど見違えるほどに変わっていた。
「・・・・・さ、先ほどはお恥ずかしい所を見せて申し訳ありませんでしたわ。」
「い、いいえ・・・・・・っで、貴方が私に連絡を入れてくださったトロン・ボーン社長で?」
目の前に座った女性に対してリングマンは戸惑いながらも聞く。
「トロンで結構でございますわ。態々、お越しいただいてありがとうございます。」
「い、いいえ。」
二人はとりあえず握手を済ませる。
「ところでトロン社長、貴方は私に見せたいものがあると言っておられましたが・・・・・もしや、今回の事件で暴れている貴方の会社製のツンドラマンに関する資料か何かですか?」
「そのこともなんですが実はあなたに確認しておきたいものがありますの。」
トロンは、持ってきたディスプレイを操作して彼の前に見せる。
「これは私が社内のデータベースから発見した前社長が関わっていた極秘資料の一部なんですけど・・・・・」
「これは・・・・・・・!?」
リングマンは目を丸くしながらその画面を見た。それはあるロボットの設計図だった。基本的な部分は専門用語で一般の人間にはわからないようになっていたが彼には何の設計図なのかはっきり分かった。
「この設計図は・・・・・・・・」
「前社長が一部の者にしか閲覧できないようプロテクトがかけられた状態で入っていたんです。前社長を逮捕するにあたって前会社のデータベースのアップデートで削除しようとしたところで偶然見つけて解いてみたら・・・・」
「・・・・・何故このようなものが・・・・・」
リングマンの深刻な顔を見ながらも設計図を見る。
『DCN.029』
つまり、この設計図は彼自身のものなのだ。
縁もゆかりもないはずのこの会社でどうして自分の設計データがあるのか困惑している中、トロンは口を開いた。
「ここで話すのもなんですからよかったら研究室へ行きませんか?他にも見せたいものがありますので。」
リングマンは今まで胸の内にしまっていた何かが沸き上がりそうになってはいたものの何とか抑えながら彼女に付いて行き、エレベーターで地下を目指した。
「・・・・・トロン社長、確認しておきたいことがある。この設計図のデータは他にもあるのか?」
「えぇ・・・・・前社長は、当時秘書だった私に何も仰ってはいませんでしたがあんなのが隠されていたなんて正直驚きでしたわ。我が社のアーカイブスを検索してもどこにも開発された記録が残っていなかったので調べてみたら・・・・・・貴方と一致していましたのよ。」
「・・・・・・・・」
「着きましたわ。」
地下の研究室へと到着する。前社長から彼女が社長になったのを境に前の機材はほとんど撤去され、今は彼女が独自に設置した機材に置き換わっていた。彼女は部屋の中央に設けているデータベースにアクセスをし、他の資料も見せた。
「!?」
「これが前社長が隠していたデータの全てです。」
目の前の資料を見てリングマンは言葉を失った。
そこには自分以外の設計データは愚か戦うためだけに作られた兄弟の設計データまで載っていた。
「何故だ・・・・・一体どういうことなんだ・・・・・」
リングマンはトロンの方を見て言う。
「これは・・・・・・これは・・・・私や他の兄弟たちの設計図だ!だが、この世界には私の生みの親であるコサック博士は存在しない・・・・・・なのに何故こんなものが存在しているんだ!!」
「・・・・・私も最近調べてわかったんです。本社がまだ前社長の経営体制の時はほとんどわからなかったのですが、一部の製品などはこのロボットたちの技術の一部を応用して使われていることが判明したんです。」
トロンはかつて前社長時代に作られた作業ロボットの設計データを出し、比較してみる。すると一部の設計が非常に酷似していた。
「この会社で開発された潜水調査ロボットはダイブの設計の一部を・・・・・天候管理ロボットの人工雨機能はトードのデータが・・・そして・・・・ゆ、遊園地のアトラクション用の特殊照明はブライトとファラオのものが・・・・・・」
「他にもいくつか転用されたものがいくつもありますわ。」
リングマンは、自分の生みの親の技術がこのような形で利用されていたことにショックを受けながらもふとある疑問が脳裏に浮かんだ。
「だが、おかしいぞ?コサック博士はスカルマンを除いて人の役に立つことを前提にロボットの設計をしていたが、ツンドラマンに関しては私たちから転用したと思われる要素が見当たらない。彼には何の技術を転用したんだ?」
ツンドラマンは極地開拓&調査用をコンセプトに開発したと社内のプロフィールに書かれている。しかし、コサックナンバーズではこの性能を持ったものは誰もいない。
「・・・・・・実は彼は我が社製のロボットではないんです。」
「・・・えっ?」
トロンが端末を操作すると目の前に一つの大型収納カプセルが現れた。
「このカプセルは?」
「私が見る限りでもかなり初期のタイムマシンですわ。でも、製造番号が無い上に時空間移動技術が未熟なところがある極めて不安定なものです。」
「まさか・・・・・・・彼はこの中に入っていたというのか!?」
リングマンはカプセルを確認してみる。解放されてから随分経っているのか少し錆がついていたがカプセルには「Mikhail Sergeevich Cossack」と書かれていた。
「セットされている時代は『200X年』・・・・・ちょうど、カリンカお嬢様がワイリーに誘拐される数日前・・・・」
「詳細を調べた結果、このカプセルが解放されたのは今から5、6年前。会社が設立され、ロボットの開発が難航していた頃の時期です。おそらく、このカプセルが偶然にもこの時代に流れ着き、彼の性能を知った前社長含める一部の者が彼の頭脳回路を細工して・・・・・」
「彼の記憶を消去してこの世界のロボットだと信じ込ませていたのか?」
リングマンは、膝を付いてカプセルに手を触れる。
「何故だ・・・・・・・・何故、私はこうも裏切られるんだ?元の世界で人間に裏切られ兄弟を失い・・・・・そして、同じ親を持つ兄弟がこの世界で記憶を消されて偽りの日常を送らされ・・・・・・一体・・・・・私は一体何を信じればいいんだ!?どうすればいいんだ!?」
彼の遠い記憶が蘇る。
22世紀初頭。
ひみつ道具のほとんどが普及されず、タイムマシンが開発されてまだあまり時間が経っていなかった頃。
タイムマシンを悪用し、各時代に干渉する時間犯罪者を取り締まるべくタイムパトロールが組織され、この日も巡査艇が時空間の中を移動していた。
「ん?隊長、超空間の中を何かが漂流しています!」
「何?」
本日のパトロールを終えた直後、索敵班の報告を受けて隊長はブリッジに上がる。
「反応の大きさは?」
「極めて微弱ですがロボットの発しているものです。」
「ふむ・・・・・時間犯罪者が放棄したものか。確認する必要があるな。」
巡査艇はすぐに反応したポイントへと向かいロボットを回収した。
「た、隊長!これは!?」
「ひどい・・・・・・なんという痛々しい姿なんだ。」
発見されたロボットの破損状態は酷いものだった。
両腕を破壊され、体にはいくつもの光線銃を受けたような跡があり、胸部がとどめとばかりに大穴が開いていた。辛うじて稼働はしているがいつ停止してもおかしくない。
「何者かに破壊されたのでしょうか?」
「わからん。だが急いでロボット病院へ搬送した方が良さそうだ。速度を上げろ!!」
回収されたロボットは、そのまま22世紀へと連れて行かれることとなった。本部に巡査艇が停泊すると本部は急いでロボットを病院へと搬送。
しかし、運が悪いことにこの時ひみつ道具製造工場で試験中だった道具が暴走した末に爆発事故を起こしたため、人手不足状態だった。
「先生、次の患者お願いします。」
「ワァオォ~~!?さっき終わったばっかりなのに!?この病院ってこんなに患者の来る日あったっけ!?」
看護婦ロボットもそうだがドクターロボットも一人一人の患者を相手にするには時間が足りな過ぎた。軽傷の物は応急処置ですぐに済ませることができるが重傷のロボットに関しては治療をするのにかなり時間がかかってしまう。当時はまだ修理用の道具がまだ普及しておらず、治療の仕方はドクター以外に看護婦タイプも行えるように教育を受けていたがそれでも足りない有様だった。
「先生、タイムパトロールの方からまた怪我人が。」
「オ~ノ~!僕は手が離せないんだよね~!?今やってる患者は特に重傷だから中途半端にできないんだよね~!?えっと~~~~~~エリカく~~ん!!」
ドクターロボットは止むを得ず当時新米だったエリカを呼び出した。彼女はロボット学校 医療部出身で成績はまずまずの者だったが少しドジっ子属性なところがあり、自分の実力にあまり自信がなくいつもは助手メインにやっていた。
「は、はい!?医療キットすぐに持っていきます!!」
作業中だったのか彼女は慌ただしい様子で部屋に来た。
「ノンノンノン!違うからね~!?これから搬送される患者の治療お願いするからね~!」
「わ、わ、私がですか!?」
ドクターロボットに言われてエリカは目を丸くする。
「大丈夫だからね~!君は一応そこそこエリート出身だからね~!ちゃんと落ち着いてやればできるからね~!ファイトいっぱ~つ!!」
「そ、そんな・・・・・・」
不安に思いながらも頼まれた以上やるしかなくとりあえず修理キットを一通り揃えて患者が搬送された部屋へと急ぐ。
「お待たせしました。すぐに治療・・・・・!?」
エリカは目の前で寝かされているロボットの状態を見て思わず目の前が真っ暗になりそうだった。ロボットの治療に関しては医療部で何度も学習し、訓練も受けてはいたが彼の怪我は自分が想定していたのよりもひどい状況だった。
「何よこれ・・・・・・・こんな酷い怪我・・・・・今まで見たことない・・・・・・・」
元々自信があまり持てないこともあり、来て早々諦めムードへと突入していた彼女だったが患者のロボットは意識がないにもかかわらず泣きながら何かを言っていた。
「・・・・何故・・・・・・・だ・・・・・何故・・・・・・たちを・・・・・・」
「?」
その顔を見てエリカは、彼が死の狭間を彷徨いながらも必死に生きようとしているように見えた。
このままじゃ死んでも死にきれないとでも叫んでいるかのようにもがいている中、治療をする立場である自分が何もしないわけにはいかないと感じ始める。
「・・・・・・・やれるだけやってみよう・・・・・・・慎重に・・・・」
彼女は最初に中枢機能を補う動力炉の破損状況を確認してみる。今の段階では緊急時用のサブエネルギーが機能を維持しているが動力炉自体は取り換えなければならない。
「なんで今どき『なんでも分解胃袋』のタイプじゃないものが組み込まれているのかしら?」
とりあえず動力炉を取り換え、続いて全身の破損個所の手当てに入るが彼の身体を構成している部品はどこで製造されているのかメーカー名が書かれていなかった。
「とりあえず、重要個所は応急処置で仮のパーツを組み込んで、後はえっと・・・・・・復元液で直るかしら?」
容態が安定したのを確認すると続いては、破壊されてしまっている両腕を直すために彼のメインメモリーにアクセスをしてみる。
「あれ?確かこの辺に接続コネクトが設けられているはずなのに・・・・・・」
このロボットには接続用のコネクトが存在していなかった。密造されたものなのだろうか?
仕方なく頭部の一部を分解して電子頭脳から直接データをインストールすることにした。データを取り終えると彼女はそのまま彼をベッドに寝かせ、エネルギーケーブルを繋ぎ止めといた。
「・・・・・・ふう、これで何とか。後は彼のデータから必要なパーツを発注して直さないとね。」
エリカは急いで診察室へと戻る。
後日
運ばれたロボットのパーツの製造は彼女が思っていた以上に難航した。
どのメーカーも取り扱っていなかったのだ。
それでも新しく作ってくれるメーカーがいたおかげでロボットは大事に至らず一通りの治療を行うことができた。ただ、心配なのは彼の電子頭脳が予想以上にダメージを受けていたため記憶の障害が残るのではないかというものだった。ドクターが治療に成功した技量を認め、エリカは引き続き彼の担当となっていた。
「・・・・・う、うぅ・・・・・」
修理がほとんど終わり、ロボットは意識を取り戻した。
「目が覚めましたか?」
「あ、貴方は?」
ロボットは戸惑った顔で彼女の顔を見る。エリカは患者を下手に刺激しないようにやさしく答える。
「貴方の担当のエリカと言います。」
「エリカ・・・・さん、ですか。」
ロボットはしばらく首をかしげるとすぐに答えた。
「あの・・・・・・私は一体誰なんでしょうか?」
「誰って・・・・・何も思い出せないんですか?」
「はい・・・・・自分が何者で何をしていたのか・・・・・」
あれ程もがいていたにもかかわらずロボットはすべての記憶を失っていた。エリカは、データを取る際に彼の設計データに書かれてあった名前を思い出す。
「貴方は『リングマン』。リングマンさんですよ。」
「リングマン?」
リングマンは自分の顔を鏡で見るが困惑していく一方だった。
「思い出せない・・・・・・・何も。何か大事なことがあったはずなのに・・・・・・」
彼は頭を抱えながら困り果てるが彼女はやさしく接する。
「大丈夫ですよ。ゆっくり思い出せばいいんですから、困らなくても・・・・・大丈夫ですから・・・・・私がお手伝いしますから。」
それから二人の関係が始まったのは少し経った後のことである。
北国エリア 鍾乳洞
「うぉおおおおおお!!」
キバトドスはラリアットで氷柱を破壊し、ゼロとアイリスに向かって投げ飛ばす。
「くっ!ダブルチャージウェーブ!!」
ゼロは慣れない足場でチャージショットを連続で放つがその反動で足が滑り、後方へと行く。
「さっさとくたばれ女!お前に俺様は倒せん!!」
ペンギーゴはアイリスに向かってショットガンアイスを連続で放つ。ただ、エックスとの戦い前に使っていたものとは違い壁に衝突すると割れ、反射でもするかのように飛んでくるのだ。
「うっ!」
アイリスは体にいくつも小さな氷柱が刺さりながらも必死でバスターで応戦する。
「クワ~カッカッカッカッ!!無駄だ無駄だ!!俺様のスピードにかなうはずないっクワ!!」
余裕でアイリスの攻撃を避けるペンギーゴ。
だが、アイリスは別々で相手をしているはずのゼロと目を合わせながら応戦を続けていた。
「ちょこまかと逃げやがって!!」
キバトドスは、パワーギアを発動させ、目の前に巨大な氷塊を作り出す。
「これで木っ端みじんになりな!!」
勢いよく氷を叩き割り、無数の破片が二人を襲う。
「アイリス!うおっ!?」
「きゃっ!」
二人は無数の氷片が突き刺さり少し開けたところへと滑っていく。
「クワ~カッカッカッ!!愉快愉快!!かの紅き特A級ハンターも落ちたもんだなゼロ!」
「グヘッヘッヘッ・・・・・・でも、安心しな。とどめを刺したらここで氷漬けにして部屋に飾ってやるからよ!」
二人は勢いのままに二人を追って開けた場所に飛び降りる。
ピシッ
「「ん!?」」
だが二人が勢いよく着地したと同時に何かひびの入ったような音がした。
「なんだ、今の音は?」
「俺様に聞くなっクワ!でも、何か嫌な予感・・・・・・」
その予感は的中した。二人がちょうどど真ん中に着地していた頃、ゼロとアイリスは端の方へと移動していた。
「今だ!」
「せーの」
「「ダブルアースクラッシュ!!」」
二人で勢いよく床をたたきつける。するとペンギーゴたちがいる辺り一帯まで罅が広がり、重さに耐えきれなくなったことで二人の立っていたところが沈んだ。
「クワッ!?」
「な、なっ、なんだ!?」
ゼロたちは移動しながら攻撃をしたのには訳があった。
現在ラーニング技が使用できないゼロたちにとって巨体を誇るキバトドスを倒すのは至難の業である。
しかし、ここは氷に覆われた世界とはいえ元はツンドラマンが一時的に作り出したもの。それも・・・・・・
「ここは元々地底湖が広がっているエリアなんだ。さっき戦いながら地形を確認してここまでくればまだそこまで凍っていない湖があると分かってお前たち二人を誘導し、やられたと見せかけて中央にまでおびき寄せた。軽いペンギーゴならともかくそっちのでかいのはどうかな?」
「た、助けてくれ~!!俺は泳げないんだよ~!?」
キバトドスは泳いで逃げようとするペンギーゴを取り押さえながら叫ぶ。
「無茶なことを言うなっクワ!このデブセイウチ!!」
「助けてくれよ~!!俺は陸地用に作られたから泳げないんだ~!!」
そうこうしているうちに湖は再び凍り付き始める。
「や、やばい!?おい、早くその腕を放せ!!」
「いやだ~!俺事引き釣り上げろ!!」
「無茶言うな!!放せ!!」
「いやだ~!」
「放せ!」
「いやだぁ!」
「はな・・・・・・」
言い合っているうちに二人の身体は凍り付き、地底湖へと沈んで行ってしまった。その様子を見て二人は氷片を取り払いながらホッとする。
「一か八かの賭けだったが何とかうまくいったな。」
「えぇ。二人とも雪地でしか活動したところを見たことなかったからどうなんだろうと思ったけど。」
這い上がってくる様子はない。どうやら本当に氷漬けになって動けなくなってしまったようだ。
「さて・・・・・早くドラえもんたちの後を追うぞ。」
「ずいぶん時間がかかってしまったものね。急ぎましょう。」
二人はドラえもんたちと合流するために出口を目指して走り出した。
形は違えどDASHからトロンを登場させました。
X6編後に展開予定の劇場版編で次のうちどれがいいと思いますか?(飽くまで現在投票の中で二票以上入っているものの中での取り決めです)
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ネジ巻き都市
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雲の王国
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鉄人兵団(現段階ではリメイク版)
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ロボット王国
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このままX7編へ