21XX年 ゲイトの秘密研究所
「何故アイゾックがゲイトを?」
エックスは突如目の前に現れたアイゾックに警戒しながらバスターを構える。そんなエックスを見てアイゾックは、ニヤリと笑っていた。
「流石と言うべきじゃなエックス。いくら仲間たちと戦ったとはいえ、ナイトメアマザーに浸食されることなく最後の調査員を助け出すとは。憎っくきライトの精神を受け継いでいるだけのことはあるわ。一度ならず二度もワシの目の前に立ちはだかるのじゃからのう。」
「憎っくきライト?もしかしてライト博士のことを知っているのか?だが、俺はお前に会ったのは今回が初めてだぞ。」
バスターのチャージを行いながら不審な言葉を聞き、エックスはアイゾックに対して奇妙な違和感を感じていた。はっきり言えば彼と対峙するのは今回が初めてのはずなのだがどういうことかどこかであったような感じがするのだ。
「初めてじゃと?何を言っておる。お前とそこの変態マーメイド娘とカブトムシもどきの三人でワシを倒したじゃろうが。」
「誰が変態マーメイドよ!?」
「いや、待ってください副隊長!あの呼び方をするということはもしや・・・・・・カウンターハンター サーゲス!?」
「何っ!?」
ビートブードの言葉にエックスは思わず驚く。
「ようやくわかったか。」
「そんなはずないわ!アイツはエックスの必殺技で木っ端微塵に吹き飛んで死んだはずじゃない!」
「ほう、証拠がないと納得いかんか。」
アイゾックはマーティの反応を見てボタンを押す。すると機能停止していたモニターが再起動し、ある映像が映し出される。
「あっ・・・」
「嘘・・・・」
「やば・・・」
「えっ?エックス君もマーティちゃ・・・・じゃなくてさんも。ビートブードもどうしたの顔色悪くして?」
「どうしたんだ?」
カリンカとジャイアンが不思議そうに聞くが無理もなかった。
それはかつてカウンターハンター事件終盤、基地に乗り込んで逆上したマーティがバイオレンをいたぶっているシーンだった。
「あ、あ・・・・あぁ・・・・・」
「ほれ、歴とした証拠じゃぞ?お前の最も闇に葬りたいと思っておる記録映像じゃ。」
映像では怒り狂ったマーティがバイオレンに猛撃を加えているのだが、胸のブラが徐々にずれて取れそうな雰囲気になる。その映像を見てマーティの顔色が悪くなっていく。
「あ、あ、あ・あ・・ああああああ・・・・・」
「まずい!あまりのトラウマで副隊長のメンタルが!?」
「なんかよくわかりませんけどもうわかったからこれ以上はやめなさい!まずいことになりそうな気が・・・・」
ガクガク震えながら泣き始めるマーティを心配するビートブードの様子を見てホーネックも何かまずいものだと判断してアイゾックに映像の公開の中止を要請する。
「ん?何を言っておるんじゃ?ここからが見ものなんじゃぞ。どれもう少し早送り・・・・・・」
ボタンを押そうとした瞬間、アイゾックの手が吹き飛ぶ。
「なぬっ!?」
「ドクター!前!」
「ぬぬっ!?」
動揺している中、シャドーマンに言われて前を見た瞬間、いつの間にかアルティメットアーマーに換装したエックスがフルチャージ状態のバスターをアイゾックの顔に突き付けていた。
「い、いつの間に・・・・・」
「これ以上、マーティを傷つけるなら・・・・・・・殺すよ?アイゾック、いや、サーゲスの方がいいか?」
先ほどまでの戦闘でダメージがあるにもかかわらず全身から殺気を発しているエックスを見てアイゾックは、思わず震え上がる。だが、エックスがさらに近づこうとした瞬間、高速で接近してくる何かが彼を撥ねようとした。
「ちっ!」
エックスはジャンプをして回避すると高速で撥ねようとした物体は変形し、一体のレプリロイドの姿へとなった。
「博士、からかいがいあるとはいえ敵を挑発するのはほどほどにした方がよろしいですよ。」
「おぉ!ターボマン!よくぞワシを助けてくれた!」
「ターボマン!?」
「そんな・・・・・・シャドーマンに続いてなんでワイリーロボがここに・・・・」
アイゾックを助けるために駆け付けたターボマンの姿を見てスネ夫とカリンカは驚かずにはいられなかった。
「ここから爆発音が・・・・・」
「もしかしてここに・・・・」
そこへ遅れて別ルートから侵入してきたエイリアたちが現場に駆け付けた。
「エイリア!?なんでここに!?」
「エックス!これは一体・・・・・って、そこで倒れているのはゲイト!?」
お互いに驚きながらもエイリアは倒れているゲイトの方へと駆け付ける。エックスは再びアイゾックの方を見ると既にターボマンの他に数体のロボットたちが彼を囲んでいた。
「あれがロックマンの末の弟か。」
「うげっ、この間の奴ジャン・・・・・」
「・・・・・・」
「博士、準備は整いましたぜ!」
「ご苦労じゃ、クラウドマン。シェードマン、フォルテの奴はカプセルに入れ直したか?」
「人使いが荒すぎますよ。あのハイマックスを破壊した後で疲労があったとはいえ、セブンス全員で取り押さえてメンテナンスカプセルに押し込んだんですから。」
エックスたちを見ながらセブンスナンバーズは、アイゾックに何かを報告していた。
「何が一体全体どうなっているのよ!?アイゾックの中身があのクソジジイなのはわかったけど、それ以上に謎が増えちゃったじゃない!?」
危うく全員の目の前で黒歴史が大暴露されかけた反動なのかマーティは切れ気味にエックスの隣でバスターショットを構えている。ところがスネ夫とカリンカは何かを察したようだった。
「・・・・・・・いや、そうでもないよマーティさん。」
「えっ?」
「どういうことだスネ夫?」
「元々チャモチャ星でワイリーナンバーズを見てから不審に思っていたんだ。そして、のび太たちが言っていたフォルテの襲来。ジャイロマン達フィフスナンバーズが全くそのことに関して認知していなかったことも。でも、ここにあの時のシャドーマンとセブンスナンバーズがいるとなるともうアイゾック・・・・いや、サーゲス以前に彼の正体がようやくわかったよ!」
「・・・・・・・」
スネ夫の言葉を聞いてアイゾックは面白そうに腕を組む。
「ほう、そこの若造はどうやらワシの正体を理解してしまったようじゃのう。ついでにコサックのところの小娘も。まさか、コサックがお前のことをこの時代まで生き延びさせていたことに関しては予想外じゃったがな。」
「・・・・・エックス君たちの話を聞いていてもしかしてとは思っていたけど、そんな姿になってまで生き延びていたなんて・・・・・・貴方はそうやって後どれだけ他の人やロボットたちを傷つければ気が済むの!?」
カリンカは今までと比べ物にならないぐらいの大声で叫ぶ。
「後どれだけ?フン、まだまだ甘いのう。勿論、ワシの野望を果たすまでじゃよ。それには消さなければならぬ者がおるのでな・・・・」
顔をしかめるカリンカに対してアイゾックは平然と言い返している中、エイリアは倒れているゲイトの容態を確認していた。外見は装甲に亀裂が入っている程度で大きなダメージがあるようには見えないが内部機構はナイトメアをむやみに組み込んだ影響で重傷レベルだった。
「酷い・・・・ナイトメアと無理やり融合した影響で回路がズダズダだわ。」
「く、くう・・・・・・」
治療を行おうとしたときゲイトは意識を取り戻した。
「ゲイト。」
「え・・・・・・エイリアか・・・・ぐっ!」
彼女の手を払いのけて立ち上がろうとするもののダメージの影響ですぐに倒れてしまった。
「動いちゃダメよ!」
「グ・・・フ、フッフッフッフ・・・・・・僕の無様な姿を見られて満足かい?」
ゲイトは苦笑しながらエイリアを見る。
「ハ、ハッ、ハッハッハッ・・・・・・昔を思い出すよ・・・・・君には昔から勝てなかった・・・・君は常にトップで・・・・・・僕ははぐれ者だったからね・・・・・・グッ。」
「ゲイト!」
「「ゲイト様!?」」
口から吐血した彼の姿を見てヤンマークとヴォルファングは、すぐに駆け付けようとするがゲイトは何とか踏みとどまり、アイゾックを睨みつけた。
「おっ、ちょうどゲイトの奴も目を覚ましおったわい。ふむ・・・・・せっかくじゃ。ここを去る前のワシの真の姿を見せてやろうかのう。冥途の土産としてな。」
「真の姿?」
「全装甲、解除。」
アイゾックが言うのと同時に彼の身体のパーツが崩れ始める。
意外に体格がよかった体型は徐々に若干痩せ気味の体型へと変わり、やがて頭部を残してすべての装甲が外れて行った。
「・・・・・」
「うん?どうやら頭部パーツはちっとばかり強く締め過ぎたようじゃ。」
アイゾックは頭に手をかけ、外そうとする。
「では、見せてしんぜよう。このワシの真の姿をな。」
ゆっくりと手をかけ、最後の頭部パーツを外す。
それを確認するとシャドーマンは彼の目の前に行き、彼の愛用しているサングラスを手渡す。
サングラスをかけ終わると、そこには若干禿げた頭にサングラス、首には愛用のドクロネクタイが特徴の老人の姿があった。
「「あっ!やっぱり!?」」
「あれが・・・・・・」
「「えっ!?嘘でしょう!」」
エックスたちが驚く中、老人は鼻息を鳴らしながら堂々と名乗った。
「そう、これがワシの真の正体・・・・・100年前、かつて全世界を我が息子たるワイリーナンバーズと共に恐怖に陥れた悪の天才 Dr.ワイリーとはこのワシのことよ!」
「Dr.ワイリー・・・・・・ライト博士と同じ時代に生き、俺の兄さんであるRockManと戦っていた悪の科学者・・・・」
「如何にも。そして、エックス。お前を倒すためにゼロを生み出したのもこのワシじゃ。」
アイゾック改めワイリーはセブンスナンバーズを率いてエックスたちと対峙する。
「ゲームでもサーゲスの正体がワイリーじゃないかって囁かれていたけど・・・まさか、本当に本人だったなんて。」
「でも、変じゃねえか?見た目はそんなに変わっているようには見えねえけど。」
ジャイアンはゲームとはあまり大差のない姿をしているワイリーを見て疑問に思う。サーゲスの時は小柄であまりにも体型が異なっていたが今回はアイゾックの外装を外しての登場だった。
「ワシを甘く見るでない若造ども。100年も生き延びるには何かしらの保険を設けるのが常識じゃ。ライトが自分の人格をすべてカプセルに入れたように、ワシ自身も自分の身体をサイボーグへと改造し、脳が壊死するのを警戒して自分の記憶を常にバックアップできるように備えておいたんじゃ。カウンターハンター事件の時はゼロを回収するのに表で行動しなければならんかったからな。代用としてサーゲスのボディに記憶をインストールし、アジールとバイオレンを製作した上で行動していた。全てエックスに奪われてしまったがな。」
ワイリーは笑みを浮かべながら自分がこの時代まで生き延びた経緯を簡単ながら話した。
つまり、目の前にいるのは見た目はロックマンと戦っていた時と同じ姿でありながら内部はすべて機械へと変わり、一種のサイボーグへと改造していたのだ。
「まさか、ゲイトにこんな事件を引き起こさせたのはお前なのか?」
「何を言う?今回の事件は飽くまでその若造の独断よ。ワシはその計画を利用して自分の計画を進めていたまでじゃ。」
「計画?じゃあ、あのゼロの色違いは何よ?」
「あれはゲイトがゼロのDNAを基に作ったナイトメアの一種じゃ。通常のナイトメアと違ってゼロのプログラムが強く影響したのかオリジナルに近い動きを取るようになったがな。」
「だったら、お前の狙いは何なんだ!?」
エックスは、Zセイバーを展開しようとする。
「狙い?決まっておるではないか。ワシの最高傑作であるゼロの回収じゃよ。」
「でも・・・・・ゼロ隊長は、アイリスさんと共に未だに行方不明のはずです!」
「そうだよぉ。みんなで探しても本当に見つかんなかったんだからぁ。」
ホーネックとマンドリラーが言う言葉に対してワイリーは、フウっとため息をつく。
「確かにあのシグマが作った零空間の跡地では何も見つからんかった。じゃが、ワシは面白いものを発見したんじゃよ。」
「面白いもの?」
「そこのガキどものおかげでな。」
その言葉を聞いてエックスとジャイアンたちはようやく理解した。
「「「タイムマシン!?」」」
「その通りじゃ。少し気になったことがあって調べてみたがゼロはおそらく別次元へ飛ばされた可能性がある。そのために必要なタイムマシンが手に入った時は笑いが止まらなかったわい。」
「だ、だが、そうだとしてもゼロが飛ばされた時代が分からない以上、探すのは無理なはずだ!」
「そう言えばそうね。いくらマシンが手に入っても行き先が分からなかったら意味がないじゃない。」
「フッ、フ~ン!そんなことを言われるかと思ったわ。では・・・・」
ワイリーが鼻を鳴らしながら言おうとした瞬間、光弾が彼の目の前に飛んでくる。寸でのところでジャンクマンがジャンクシールドを展開したことにより当たることはなかった。
「今のは!?」
エックスたちが後ろを振り向くと満身創痍の状態であるゲイトが立ってワイリーを睨みつけていた。
「ハア・・・ハア・・・」
「まだ、抵抗する力が残っておったかゲイト。」
「ワイリー・・・・・・よくも・・・・・よくも僕の・・・・・・僕の計画を!!」
「馬鹿め、お前はゼロのDNAのかけらを拾った時点ですでに正気ではなかったんじゃ。ワシがいなければ間違いなくシグマと同じことを繰り返していた。ワシはそれを利用していただけに過ぎん。タイムマシン建造のための時間稼ぎとしてな。」
「黙れ!!僕の・・・・僕の理想としていた・・・・・優れたレプリロイドによる素晴らしき世界を実現するための・・・・」
「まだ、わかっていないようじゃな。お前が作ろうとしているのは洗脳国家、自分の言いなりになるレプリロイドしか存在せん何とも醜い世界じゃ。そんなものを実現したところで面白くもなんともない。ただの自己満足じゃ。」
「くうぅうう・・・・・・・うぅ・・・・」
ワイリーに罵倒され、ゲイトは膝を付く。
「こうなったら・・・・・・・・ハア・・・・・貴様も諸共消してやる!!」
「ほう、ワシごと消すじゃと?」
ゲイトは先ほどのエックスの攻撃の余波で破損したディスプレイを再起動させ、あるコードを入力する。
「これだけは・・・・・できれば使いたくはなかった・・・・再起動させたら僕も消されてしまうかもしれないからね・・・・・だが・・・・・うぅ!・・・・・お前ごと消すためなら・・・使うには持って来いだ!!」
コードを入力すると部屋のゲートが開き、何かがヨロヨロと部屋に入ってくる。その姿を見てエックスたちは唖然とする。
「し、シグマ!?」
「そ、そんな!?あの時完全に倒したと思ったのに!?」
それはボロボロではあったもののシグマだった。緋色のマントを羽織り、再生が不完全だったのか体の方はつぎはぎ状態で発声機能もうまく働いておらずうめき声を出している。
「この悪魔なら・・・・お前を葬るには持って来いだ・・・・・」
ゲイトはコントローラーを取り出し、シグマに指示を送る。
「さあ、シグマ!!Dr.ワイリーを殺せ!!」
ゲイトの命令と同時にシグマは口を開き、光弾を作り出す。
「・・・・・・・・」
だが、発射する瞬間。
シグマはゲイトの方へと向き直り彼に向かって光弾を発射した。
「何っ・・・・・ガハッ!?」
「ゲイト!!」
胸部を完全に抉り取られ、ゲイトはその場に倒れる。エイリアは急いで彼の元へ駆けつける。
「な・・・・・・な・・・・・・ぜ・・・・・・」
『うぬぼれ過ぎたぞ、小僧。私がお前如きの命令に従うとでも思っていたのかね?』
「な・・・に・・・?」
「この声って!?」
聞き覚えのある声を聞くと重傷のゲイトを掲げながらエイリアはまさかと周囲を見回す。それはエックスたちも同じだった。
「まさか・・・・」
『そう、私だよエックス。』
間違いなくシグマの声だった。だが、目の前にいるシグマから発せられているとはとても思えない。
「どこだ!?どこにいるんだ!?」
『私はここだよ。』
「何っ!?」
エックスたちは声のした上の方を見る。
プルルルルルルルル・・・・・・・
「「「「「「「「「・・・・・・・」」」」」」」」」
そこにはスキンヘッドにプロペラを付けて飛んでいるシグマの頭部があった。
「・・・・・・・・えっ?」
あまりにもショックだったのかエックスは思わず口を開く。
「ブ、ブンビー・ヘリ・・・・・・・」
スネ夫は思わずかつてロックマン時代にいた雑魚メカ ブンビー・ヘリを思い出すがあちらはまだ可愛げがある。
「頭しかないのか。」
「思っていたよりも気色悪い・・・・」
「まあ、それはなんとも。」
「あれでも昔はいい人でしたからね。」
カリンカたちにも酷評され、シグマはしょんぼりとしながらワイリーのところへ戻ってきた。
「ドクター、あまりにもひどく酷評されていますぞ?」
「仕方ないじゃろう。タイムマシンの建造を優先しておったからお前の身体を造る暇がなかったんじゃ。それで我慢しろ。」
「グスッ・・・・・それはあんまりですぞ。」
若干涙目で言うとシグマは再びエックスたちの方を見る。エックスたちも必死に笑いをこらえる。
「ぷ、ぷ・・・・・な、何故シグマがお前のところに!?」
「お前たちなぁ・・・・・せっかくシリアス感あったのに台無しにするでない。」
「それはドクターの責任では・・・・・」
「ええい、黙っておれシャドーマン!えっ、コホン!シグマに関してはそこのゲイトが再生させかけた状態から人格だけはこちらの頭部ユニットに移し替えといたんじゃ。ゼロを探し出すためにな。」
「ブッ、そ、そ、そ、そのハゲが何の役に立つって言うのよ!」
必死に笑いをこらえながらもマーティは吹き出しかけながら言う。
「何簡単なことじゃよ。シグマの本体ともいえる『シグマウィルス』は、元々ゼロの身体に組み込まれている『ロボット破壊プログラム』から派生して生まれたものじゃ。つまり、ほぼ同質の物でこいつを使えばゼロの居場所を突き止めることができるというわけじゃ。そして、現に場所も把握しておる。」
「なんだって!?」
「シグマ、最後の情けで見せてやれ。」
「了解しました。」
シグマはワイリーの近くにまで移動し、目から映像を投影する。
「あっ!ゼロ!?」
「アイリスも一緒にいるわ!?」
「よかった、二人とも無事だったんですね!」
そこにはゼロとアイリスの姿が映っていた。場所はどこかの雪の降っている場所らしい。
「彼がゼロ・・・・・」
「あれ?」
「どうしたのジャイアン?」
「あの端っこに映っているのなんか見憶えないか?」
「えっ?」
エックスたちはゼロの動いている映像を見てみる。最初は何かと思っていたが巨大な頭らしきものが二つ写っており、もう一方の頭には耳に当たるところから翼が付いている。そして、よく見ると・・・・・
「「「あっ!?ドラえもん!?」」」
「ビートも!?」
そこにはドラえもんの姿もあり、その頭の上にはビートが乗っていた。
「ゼロとアイリスは、ドラえもんの時代に飛ばされていたのか!?」
「でも、なんでアーマーなんか着こんでいるのかしら?確か平和だって言ってたはずなのに・・・・・」
「どうしてビートが・・・・・」
エックスたちもそうだがカリンカも動揺を隠せなかった。
ビートはかつて自分の父であるコサックがロックマンのサポート用として制作したロボットであり、自分がコールドスリープに入る以前にコサックナンバーズの残骸の回収の時も姿はなかった。
にもかかわらずどうしてゼロやドラえもんたちと活動しているのか。
「・・・・さてと、ワシはそろそろ行くとするかのう。」
そんな一同の動揺を気にすることなく、ワイリーはシグマたちと共にその場から去ろうとしていた。
「待てワイリー!」
「ワシを邪魔をする気かエックス?残念じゃがお前の相手はワシではないぞ。」
ワイリーがそう言うと今まで硬直していたもう一人のシグマ事バイオシグマがズルズルと立ちはだかった。
「むっ!?」
「残念だったなエックスよ。私とドクターがゼロを迎えに行っている間にそのもう一人の私を相手にしてくれたまえ。」
シグマはそう言うと頭のプロペラを回しながらワイリーの後を追う。
「大丈夫よ、エックス。こんな死にかけなんてすぐに・・・・・・」
「誰がそのままで相手をするといったかね?」
シグマがそう言うとバイオシグマはその場に伏せ、溶けるかのように崩れていく。同時に激しい振動が一同を襲う。
「こ、これはっ!?」
「なんだなんだ!?」
「なんかやばいのは確かみたい!」
床と天井が崩れ、そこからかつてのファイナルシグマWよりも小柄ながらも十分巨体なヘルシグマが姿を現した。
『グッハッハッハッハッ・・・・ごれがるが ホンバナだっ!!』
発声機能が不完全ながらもヘルシグマは口を開きながら一同に向かって破壊光線を発射する。
「みんな避けろ!」
エックスの叫びで一同は一斉に避けるがその威力はすさまじく特殊金属でできている研究所の壁を易々と貫通し、溶解させた。
『ジネ!デッグス!ジヌンダッ!ベッグズ!!』
「エックス、このままだとあの爺さん取り逃がしちゃうわよ!?」
「わかってる。ビートブードたちはジャイアンたちを連れて外に逃げてくれ!エイリアたちもゲイトを連れて一緒に行くんだ!!」
「わかりました!隊長たちもお気をつけて!!」
「さあ、行きましょうゲイト・・・・」
「・・・・・・」
エックスたちに言われてエイリアたちはその場から離れていく。ヘルシグマは、額から不定形のボイド、ソル・カリス、ソル・ペトロ、ソル・キャレスを発射し、二人を包囲した。
「マーティ・・・・大丈夫か?」
「さっきの黒歴史暴露よりはずっとマシよ・・・・・さっきはアタシのために怒ってくれてありがとね。」
「あぁ。」
二人は背を合わせ、セイバーと槍を展開する。
「早くしないとワイリーとシグマがドラえもんの世界に行ってしまう。早くケリを付けよう!」
「えぇ!!」
二人は、ヘルシグマに向かって行く。
最近はモチベが安定しなくて・・・・
X6編後に展開予定の劇場版編で次のうちどれがいいと思いますか?(飽くまで現在投票の中で二票以上入っているものの中での取り決めです)
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ネジ巻き都市
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雲の王国
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鉄人兵団(現段階ではリメイク版)
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ロボット王国
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