アチモフ城
最終メンテナンスを受けた後にドラえもんは、ゼロたちと共にアチモフ城へと転送され、攻略を開始した。
「リングマン、アンタは無茶するなよ。無茶して何かあればリングの奴が大泣きするからな。」
ゼロはバスターで防衛メカを破壊しながら言う。
リングマンが本格的な戦闘に参加するのはロボット狩り以来だ。しかも飽くまで本格的な戦闘用として生み出されたゼロと違い飽くまでポリスロボットとして作られているため、単純な戦闘力においては面子の中でドラミに次いで低い。
「わかっている。だが、ここで私だけ足を引っ張っているわけにはいかない!」
リングマンはリングブーメランを投げて迫ってきたスナイパーアーマーに酷似したメカを破壊する。
「ゴジ~~~ッ!?」
防衛メカを次々と破壊して進むと今度は歯車のように回転する足場が現れた。
「ドラパンがこんな居城を持っていたなんて・・・・・・本当に世界征服が目的なのかな?」
「どうだろうな?シグマだって自分の居城を造ったほどだが、俺はあのドラパンという奴がそれほど一つの軍隊を操れるほどの柄ではないと思うが・・・・・・」
五人は真下に落ちないように歯車の上を飛び越えていく。
21XX年 ハンターベース
その一方、ハンターベースではゲイトの秘密研究所から戻ってきたエックスたちが治療を終えた後にミーティングルームに集まって今後の対策をどうするべきかを考えていた。
因みにエイリアと元調査員の面子は重傷のゲイトの治療のためにドップラーのいる医務室へと行ってこの場にはいない。アルバイターたちも今回の事件にワイリーが絡んでいたことを教えるとグラビティーマン以外は居づらくなって格納庫の方へと行ってしまった。
エックスは治療を終えたばかりの身体でありながらも腕を組んで最後に見たワイリー戦艦の映像を見ながら眉間にしわを寄せていた。
「ワイリーがこのままドラえもんの22世紀に行けば、ゼロを自分の手元を戻すことももちろん、その世界を征服する可能性は大いにある。俺たちもなんとかして奴を追いかけなくちゃならない。」
「ですが、隊長。問題はそのタイムマシンですよ?」
ビートブードはタブレット端末を操作して別の映像へと切り替える。
「隊長と副隊長が治療を受けている間、イーグリード隊長が部隊を率いて調査をしてくれましたけど、ドラえもんさんのタイムマシンは発見ならず。おそらくワイリーが船ごと持って行ってしまったと思われます。」
ビートブードの報告を受けてシグナスは今できる策を考える。
「ダグラス、一からタイムマシンを作るとしたらどのくらいの時間がかかる?」
「そうだな・・・・・まず、タイムマシンの設計図面はケイン博士の自宅のデータ端末に保管されているからチャモチャ星にいる博士と連絡を取り合えば、プロテクトを外すのは簡単だろう。だが、問題は部品の調達だ。博士自身も重要機密部分の解析に関しては苦労したそうだからな。部品は完全に特注品、今稼働している生産工場も数える程度しかねえから作るだけでそれだけで時間がかかっちまう。」
ダグラスは、ため息をつきながら言う。
「現在ハンターベース、レプリフォースの保有する艦船の中でタイムマシンに改造できるものはないか?ベースがあれば代用は利くかもしれんだろ?」
「確かに艦船とかをベースにすれば必要な部品を減らすことができる。けど、これでも問題は多い。第一は外装を全部、時間旅行できるレベルに改修しなくちゃならないこと。もう一つは目的地の把握だ。連中はゼロの反応を元に出発したそうだが俺たちには目印になるものは何一つ持っちゃいねえ。地図がない船の行きつく先は遭難した末に水没だ。最悪の場合、こっちに戻れなくなるということだって有り得るぜ。」
ダグラスから出た答えに一同は沈黙してしまう。
「・・・・・・このままワイリーの言う通りに大人しくするしかないって言うことか。」
「エックス・・・・・」
悔しそうに言うエックスに対してマーティは心配する。
「ねえ、ドラちゃんの秘密道具を使えばまだ時間を短縮できるんじゃないかしら?」
その矢先、静香は思わぬ打開策を考えた。
「秘密道具?」
「ほら、昔のび太さん、ドラミちゃんがドラちゃんと代わって一緒に住んでいた時に私の家の庭にいろんな季節のお花が見れる花壇を作ってくれたじゃない。」
「ハツメイカーか。確かにあの道具なら必要な材料とかをすぐに用意できるキットも付いているから可能性はあるけど、あれはドラミちゃんのポケットの中の道具だったからな・・・・・・・」
「でも、しずかちゃんの言う通りだよ。ドラえもんの秘密道具を駆使すればタイムマシンを作ることも不可能じゃないはずだよ。」
「そうだ!今までだってそうやって乗り切ってきたんだ!こうなったらダメもとでやってみようぜ!!」
「ジャイアン・・・・・スネ夫・・・・・・」
三人の勢いにエックスは、気力を取り戻す。
「そうだな・・・・ドラえもんが向こうにいるんだ。何とかしないと。」
「話は外から聞かせてもらったぞ!」
そのタイミングに合わせてかアルバイターたちが部屋に入ってきた。
「お、お前ら・・・・・」
「今回はうちの博士が本当に申し訳ないことをした。お詫びと言っては何だが・・・・・・我々アルバイターも手伝わせてもらえないだろうか?」
「我々がワイリーナンバーズだから信用できないっていうのはわかるが・・・・・」
代表してジャイロマンとクリスタルマンが言う。そんな彼らに対してエックスは自分から手を差し伸べた。
「ん?」
「手伝ってもらうよ。確かに昔は兄さんたちと敵対していたけど、今は俺たちの仲間でもあるんだから。」
「え、エックス・・・・・・」
「はぁ~、あのな。お前らはここで採用された時点でDr.ワイリーのロボット以前にイレギュラーハンターの一員で仕事仲間なんだよ!遠慮なんかしてんじゃねえ!もっと胸張って言え!」
「親方・・・・・・・・・・・・・ありがとうございます!!」
エックスの手を握りながらジャイロマンは感謝するように言う。そして、ある程度落ち着くと今度は急ピッチではあるもののタイムマシンの建造計画を始める。
「まずは、タイムマシンの船体のベースだ。」
「ベースはワイリーの船との戦闘も考慮してデスログマータイプの戦艦にした方がいいな。」
「タイムマシンの駆動系に関してはケイン博士からの・・・・・・」
「お兄ちゃ~ん!!」
その最中、ミニドラと遊んでいた玉美が入ってきた。
「どうしたんだ玉美?」
「受付のお姉さんがお兄ちゃんに会いたい人が来ているって伝えてって言われたの。」
「俺に会いたい人?」
そう言われてエックスは、部屋から出てハンターベースの受付の方へと向かう。
22世紀 アチモフ城
途中途中わざと錆びつかせて踏んだ瞬間にすぐに崩れるように仕掛けてあった歯車に足を奪われかけながらも、ドラえもんたちは最初の難所と思われる広い場所へとたどり着いた。
「ここにはキッドたちはいないようだね。」
「だが、気を抜くな。この部屋の造形・・・・・なんか身に覚えがある。」
キョロキョロと見るドラえもんに対してリングマンは警戒しながらリングブーメランを構える。
「奇遇だな。実は俺も見覚えがあるんだ・・・・・・・・・来たぞ!」
ゼロが言うのと同時に無数の黄色いブロックのようなものが飛んでくる。
「これは・・・・・まさかだとは思うが・・・・・・」
リングマンは回避しながら徐々に形成されていく黄色いモンスターを見る。一通り合体し終えて胴体部から赤黒い目玉が開いたときはドラえもんはもちろん、ゼロにも見覚えのある敵だった。
『ブモッ―――――――!!』
「なんでコイツがここにいるんだ!?コイツはあのジジイの作った奴じゃないのか!?」
目の前に現れたのはかつてワイリーが第一次世界征服計画時に投入し、ドラえもんは発展型、ゼロも一度は強化型を相手にしたことがあるイエローデビルだった。しかし、今まで来たタイプとは違い、目の瞳が歯車になっている。
『ブモ、ブモブモ。ブモモモモ、ブモ!』
「何を言っているのかしら?」
ブモと何か言っているイエローデビルに対してアイリスは以前のシャドーデビルとは違い、何か感情豊かに感じる。
「何を言っているかはわからないが少なくとも俺たちが敵だとは思っているだろうな。おい、お前を作ったのはジジイか?」
『ブモ?ブモ ブモブモ。ブモモモモ。』
ゼロの問いに対して返事をしているようだが全く内容が理解できない。ドラえもんの秘密道具が使えれば「翻訳コンニャク」でわかるかもしれないが今までのタイプとは違い、イエローデビルは腕をブルンブルンと振るいながらゼロたちを敵として認識しているようだ。
『ブモモ ブモ、ブモモモ、ブモ~!!』
「言っていること本当にわかんないけど結局戦うしかないのねん。」
「ぴ~。」
『ブモ~!!』
イエローデビルはノソノソは歩きながらドラえもんたちに向かってパンチを繰り出す。
「まさか、イエローデビルシステムまで使ってくるとは!!」
リングマンは回避すると弱点である目玉に向かってリングブーメランをぶつける。
『ブモッ!?』
弱点部位に直撃してイエローデビルは一瞬目玉が飛び出しそうになるほどびっくりして倒れる。
「どうやら弱点は変わっていないようだな。」
『ブ、ブモモモウ・・・・・・・』
イエローデビルは泣き顔で目を押さえながらゼロたちの方を見る。
『ブモ~!!』
「なんか泣いているみたいだけど・・・・・」
「コイツに関して同情したら危ないぞアイリス。」
「わかっているけど・・・・・」
過去に痛い目に遭ったこともあってゼロは言うがアイリスはなんとも複雑だった。イエローデビルはそのまま分離を開始し、ドラえもんの元へと飛んでくる。
「おっと!危ない!」
「ぴ~!?」
一通り攻撃を避けて元の形に戻った直後にドラえもんは、ハードナックルを目にぶつける。戻った直後に急所に攻撃を受けたため、イエローデビルは痛さのあまりにのた打ちまわる。
『ブモ~!?ブモ~っ!?』
「・・・・・・コイツ、本当にイエローデビルか?」
その様子を見てリングマンは目を細めながら言う。
彼はロボットポリスでワイリー関係の事件に何度も関わったこともあり、イエローデビルに関する資料を読んだことがある。しかし、知っているイエローデビルは飽くまで拠点の防衛用システムとしての役割であったためここまで動くことはない。
そんなことを思いながらもイエローデビルはしばらく経ってようやく起き上がり、怒った目つきで一同を睨みつけてきた。
『ブモ~!!』
「なんか怒っちゃったみたいよ・・・・・」
イエローデビルは体を青く光らせる。
「コイツにもダブルギアが・・・・・なっ!?」
一体どんな攻撃を仕掛けてくるのかと思った矢先にゼロは目の前の出来事を見て唖然とする。
イエローデビルは体をバラバラにしたかと思いきや上空へと飛んで行ったのだ。そして、その後バラバラになったパーツの一つ一つが小型のイエローデビルとなり一斉に飛び掛かってきた。
「うわぁ~~!?な、な、なんなんだこれは!?」
ドラえもんは襲い掛かってくるチビイエローデビル軍団を見て混乱する。チビイエローデビル軍団は相手に飛びつくとその小さな体で出してるとは思わぬ怪力で痛めつけ始める。
「キャアァ!?」
「アイリス!えぇい、離れろ!」
チビイエローデビルたちを振り払おうとゼロは必死になるが、スピードギアの時間切れが迫って来ているのか彼らは離れたかと思うと今度は巨大な一体に戻って真上から降ってきた。
『ブモ~!!』
ドッスンと大きな音を立てながら着地するとイエローデビルは手を伸ばしてリングマンの足を掴む。
「しまった!?」
リングマンが弱点である目を狙おうとするがイエローデビルはその隙を与えず、ブンブン振り回して空のかなたへと放り投げてしまった。
「うわあああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁああ・・・・・・・・」
「リングマン!」
「リングマンさん!?」
『ブモモ~!!!』
リングマンを先に葬った(?)と思ったイエローデビルは今度はゼロを標的に定める。
『ブモモモ!!』
「よくもリングマンを・・・・・・・アースクラッシュ!!」
ゼロはイエローデビルが再び分裂しようした時を狙ってアースクラッシュを使う。
『ブ、ブモッ!?』
分裂しようとしたイエローデビルはその衝撃に思わずビビって動きが止まる。
「今だ!全員で目を狙え!!」
「パワーギアチェインブラスト!」
「ダブルチャージウェーブ!!」
「チャージショット!」
「え~い!!」
全員で一斉にイエローデビルの目に攻撃を命中させる。
『ブ、ブ、ブモ・・・・・・・・・・・』
「ぴ~~~~!!」
よろめいているところへビートがとどめとばかりに体当たりを仕掛けた。するとイエローデビルの身体はバラバラに崩れ落ち、そこに巨大な目玉だけが転がった。
カチ、カチ、カチ・・・・・・・・
「なんか音がするぞ?」
ゼロは恐る恐る目玉に近づいてみる。すると爆発で目玉の半分が吹き飛んだ。
「ウオッ!?」
思わず身構えるがそこには先ほどのチビイエローデビルよりも小さく、ほぼミニドラと同サイズのミニイエローデビルがレバーをカチカチと動かしていた。
「ブモ、ブモモ!?ブモブモ!」
「「「「・・・・・・・・」」」」
「ぴ?」
その様子を見て四人は思わず拍子抜けした。
「・・・・・・まさか、このチビが操作していたのか?」
「ブモブモ・・・・・・ブモ?」
ミニイエローデビルはようやく四人に見られていることに気が付く。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・こ、こんにちわ・・・・」
ドラえもんはうまく笑って誤魔化そうとするがミニイエローデビルは全身に冷や汗をかいて四人からぴょこぴょこと逃げて行く。
「ブモモモモブモ~~~!?」
「あっ!こら待ちなさい!!」
ドラミが慌てて追いかけようとするがミニイエローデビルは落ちていたダブルギアを抱えると足場の外へと落ちて行ってしまった。
「ブモ~~~~~~~~~~~~~」
ミニイエローデビルはそのまま空から真っ逆さまに落ちて消えて行った。
「・・・・・逃げられちゃった。」
「あんな小さい奴が操作していたなんてな。」
「でも、リングマンさんどこに飛ばされちゃったのかしら?」
アイリスはリングマンが飛ばされた方を見る。
ここは空の上。
もしかしたらそのまま地上に落下してしまったのかもしれない。
「・・・・・・アイツのことだ。きっと・・・どこかにしがみついて助かっているはずだ。」
「だといいんだけど・・・・・・・」
できれば飛ばされた方へ探しに行きたいが時間がない。
四人はそのまま城の中へと乗り込んで行った。
21XX年 ハンターベース フロント
「だから、エックス隊長たちは今忙しいんです。」
「そんなこと言わないで会わせてよ!」
その頃、ハンターベースの受付では何やら揉め事があった様で一般ハンターたちが対応に困っていた。ちなみになけなしにマンドリラーに来てもらったが全く役に立っていなかった。
「今、エックス隊長は忙しいからねぇ~。お嬢ちゃんに構っている暇はないんだけどぉ~。」
「誰がお嬢ちゃんよ!私は彼のお姉さんなの!」
「そんなこと言われてもな~。」
相手をしているのは少女だった。意外に人間と見間違いそうだが現在地上は、シグマウィルスの影響で立ち入り制限がまだ解除されていないところが多いため、間違いなくレプリロイドだと思われる。
そこへようやくエックスがやってきた。
「俺に会いたい人って誰なんだ?」
「「エックス隊長!!」」
やっと来てくれたとばかりに一般ハンターたちは安堵した表情をする。エックスは彼らを見ながらマンドリラーに聞く。
「一体どうしたんだい?」
「この子がエックス隊長のお姉さんだって言うんだよぉ~。」
「俺の姉さん?」
エックスはマンドリラーが指をさした方にいる少女を見る。少女の方もエックスを見てかなり驚いているようだった。
「貴方がエックス?」
「そうだけど?君は?」
「ロックそっくり・・・・・・」
「ロック?ロックってもしかして俺の兄さんのRockManのこと?」
エックスは少女を見ながら言う。少女は驚いていながらもすぐに落ち着いて彼を見直す。
「えっと、話がそれてごめんなさい。信じられないと思うけど私はロール。ロックマン・・・・ロックと同じくライト博士に作られたお手伝いロボットで、貴方のお姉さんに当たるの。」
「ロール?もしかしてカリンカさんが言っていたロールちゃんって・・・・・君のことなのか!?」
「カリンカ?えっ!?ちょっと待って!?カリンカってカリンカちゃんのこと!?」
両者ともに驚く。しかし、この場で時間を割いてしまってはまずいのでエックスは取り合えず彼女を部屋まで連れていくことにした。
「と、取り合えずここで話すのもなんだから奥の方で話そう・・・・・・えっと・・・・ロール姉さん。」
「え、えぇ・・・・・・」
戸惑いながらもロールはエックスに連れられてハンターベースの中へと連れられて行った。
最近疲れて中々書き進まない・・・・・・
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