22世紀 アチモフ要塞 メインコントロールルーム
「にゅにゅにゅ・・・・おのれスカルマン。生き返らせた恩を忘れて私に楯突くとは・・・・・アチモフマシンもまだ未完成だし、面白くないっしょ!」
アチモフはモニターで復活したイレギュラーたちに包囲されたドラえもんズの様子を見ながら不機嫌そうに言う。近くでは部屋から送られてきた親友テレカをマシンに接続して最終調整を行っているベルカナの姿がある。
「ベルカナ、アチモフマシンの最終調整は?」
「今進めているわよ。後30分もすれば世界中のロボットたちに洗脳ウィルスを散布することができるわ。本当はもっと早くやりたいけど・・・・」
「いいっしょ、いいっしょ~!!ヌフフフフフ・・・・・ドラえもんズ、そのまま世界が私の物になる時までそこで無駄な抵抗をし続けるっしょ!」
アチモフは笑みを浮かべながらモニターを眺め、自らもマシンを完全なものへするべく動き始める。
「それではまずはそちらのネコ型のスペックから測らせてもらいましょうか。」
クワンガーは高速で接近し、腕部に装備されているソードを展開してドラえもんに斬りかかる。
「は、速い!?」
ドラえもんは咄嗟にパイルドライバーで受けとめてクワンガーを付き飛ばそうとするが彼はそれを逆手にとって軸にし、回し蹴りを繰り出してきた。
「うわっ!?」
「お兄ちゃん!?」
ドラえもんはそのまま吹き飛ばされてしまうがクワンガーは見逃すことなく、高速で飛ばされた方へと先回りをし、頭部を叩き切ろうとした。
「決まりです!・・・・・・・・うん!?これは・・・・・」
しかし、ソードはドラえもんの頭部に直撃すると刃こぼれをしてしまった。このままだと折れる危険性があると判断し、クワンガーは一旦距離を取り直す。
「ふむ、データでは大型メカニロイドの装甲すら簡単に切断できる硬度なのですが・・・・・・これは驚きですね。」
クワンガーは、刃こぼれした部位を素早く研磨すると再びドラえもん目掛けて進んでくる。
かつて“時空の斬鉄鬼”と呼ばれ、そのスピードは他の特A級ハンターは愚かあのシグマすら認めていたほどの高さだったがアチモフに再生された際に強化されたのか、装備されている追加オプションで重量が増しているにもかかわらずスピードギアを発動した時とほぼ同じ高速移動でドラえもんを翻弄していた。対するドラえもんもスピードギアを使って応戦しようとするもののクワンガーのスピードが速すぎで防戦一方だった。
「速くて姿が見切れない・・・・・・・」
動揺しながらバスターを身構えているドラえもんの背後にクワンガーは再びソードを展開して斬りかかろうとする。
「ならば、首元から斬らせてもらいましょう。」
ドラえもんが気付かない内にクワンガーはソードを首元へと振り翳す。
「アチョ――――――――!!」
だが、寸でのところで王ドラが割り込み、踵落としでソードを叩き折った。
「ん!?」
「王ドラ!?」
背後のクワンガーに気づいたドラえもんは振り向いてプラズマチャージショットを放つ。クワンガーは素早く回避するがそれを追うかのように王ドラも高速で移動する。
「ほう、道具が満足に使えないにもかかわらず私の動きについて来れるとは・・・・・少しこの世界のロボットたちを侮っていたようですね。」
「例え、力が封じられたとしても完全にすべての力を封じることはできません!!」
王ドラは、クワンガーの連撃をうまく受け流しながらカウンターで反撃を試みる。元々カンフーの達人である彼だからこそ対応できることだが電磁波による制限で全力というわけではない。故にクワンガーのスピードについて行くのが精一杯だった。
「・・・・・ならば、少しこの力を使うとしましょう。」
クワンガーはスピードギアを使用し、姿を消す。
「消えた!?・・・・・・いや・・・・・・・」
一瞬王ドラは動揺するがすぐに自分を落ち着かせるようにし、目を閉じて己の神経を研ぎ澄ます。
(・・・・・・右の背後から・・・・・)
スピードギアにより超高速の移動にもかかわらず彼は背後の攻撃を回避する。続いてブーメランカッターを投げられるがそれもうまく避ける。
「・・・・・心眼で私の動きを読み取るというわけですか。人間のみにしかない技と思いましたが・・・・・・ですが、超高速の動きを読み切るなど不可能です!」
クワンガーはソードで王ドラに斬りかかる。
(・・・・・!すぐ後ろ!)
王ドラはジャンプをしては彼の背後へと逃れようとする。
「そこです!」
しかし、通り過ぎようとした寸前にクワンガーはソードを床に突き刺し、勢いをつけて予備として脚部に装着されているソードを展開して王ドラの背中を切り裂いた。
「ウッ!」
負傷した王ドラは思わず着地した瞬間、膝を付いてしまう。
「まず一人!」
クワンガーは突き刺したソードを引き抜くとそのまま頭部の鋏で王ドラを捕らえてデッドリフトを仕掛けようとする。
「ん!?」
だが、その直後に押さえつけられるような重さが襲い掛かる。彼の足が一気に遅くなった隙にドラえもんが急いで王ドラを回収する。
「この力・・・・・まさか・・・・!?」
更にそこへ巨大なチェインブラストが複数命中し、大爆発する。
「王ドラ、大丈夫?」
回収された王ドラを見ながらドラえもんが声をかける。王ドラは痛そうに背中を押さえてはいたものの動けないほどのダメージではないようだった。
「危ない所でした・・・・・・もう少し傷が深かったら動けなくなっていましたよ。」
「まさか、弟の武器まで持っていたとは・・・・・・」
「「!?」」
二人は爆煙の方を見るとそこには無傷のクワンガーがゆっくりと歩いて来ていた。
「あ、あれだけの爆発で!?」
「パワーギアを使って強引に脱出できたとは言え、ここまで私を追い込んだのはエックス以来ですよ。ましてやビートブードのバグホールを使ってくるとは・・・・・ただの子守用ロボットが少しばかり戦闘能力を持った程度と見積もっていた私の考えが甘すぎたようです。」
クワンガーは、ソードを取り外し、取り付けられていたオプションの一部を排除する。すると追加されていた各装甲の中からスラスターが露出し、明らかによりスピードに特化した姿へと移行したと見える。
「集団戦で弱点部位を増やすのはあまり気が進みませんが、ここからは私の本領を発揮させていただきましょう。」
クワンガーは、スラスターを吹かせながら目にも止まらぬ速さで突進してくる。
「喰らえぃ!!」
「キャッ!?」
一方、ドラミはクラブロスを相手に苦戦していた。元々戦闘能力がないことを差し引いても実戦経験が少ないドラミに対して、元とはいえ特A級ハンターだったクラブロスを相手にするのは荷が重かった。
「観念してくたばれ黄色いの!俺はさっさとこの仕事を終えて博士に頼んで自分の世界の財産を回収しに行きたいんだ!さっさと戻らねえと貯めに貯めた隠し財産がどこの骨かもわからねえイレギュラーハンター共に押収されちまう!!」
クラブロスはバブルスプラッシュと小型カニメカを発射してドラミを追い込んでいく。
「ドラミ!!」
「グエッ!?」
そこへキッドが背後から蹴りを入れてクラブロスの攻撃を妨害する。クラブロスを踏みつけて行き、倒れたドラミの方へと駆け付ける。
「キッド・・・・・」
「大丈夫か?」
「ヌヌヌ・・・・・・・道具が使えなければ能無しのネコ型が!!」
クラブロスは、起き上がると肩のハサミをビームサーベルの様に巨大化させて二人に突っ込んでくる。
「うぉおっ!?危ねえっ!?」
キッドはドラミを押さえてしゃがむが背中を掠ってベストが斬られた。
「うわあぁぁ・・・・・・・もう少し深かったら俺、真っ二つになってたな・・・・・・・」
「何処を見ている!ビームシザー!!」
「うわっ!?」
キッドはドラミを庇いながらクラブロスの攻撃を回避する。
「くそ・・・・・・空気砲が使えねえ今の俺じゃどうにもならねえ。」
「ゴラァア!!ワシもおるぞ!!」
避けたのも束の間、避けた先にはアリゲイツが口を開けて待ち構えていた。
「ヤバッ!?」
「ガッハハハハッ!!いただきじゃい!!」
アリゲイツは口を閉じてキッドとドラミを食べようとする。
「ブレイジングトーチ!!」
「んんっ!?」
しかし、口を閉じた瞬間ドラミはがむしゃらにブレイジングトーチを乱射する。逃げ場のない炎はたちまちアリゲイツの口内を駆け巡り、鼻の穴から火が噴き出す。
「フゴォオオオオオオオッ!?」
アリゲイツは思わず口からキッドたちを炎ごと吐き出す。
「アチチチ・・・・・・助かった・・・・・・」
「ところがギッチョン!!」
だが、口から脱出してホッとする間もなくクラブロスがビームシザーを展開して待ち構えていた。
「まずは黄色の二人を刺身にしてやる!ロボットだからよくてジャンク屋にしか売れねえけどな!!」
対するドラミはバスターを構えるがタイムラグを無視して連射したことが災いしてバスターは煙を吹くだけで何も出さなくなった。
「さっきの攻撃で無茶しすぎたみたい・・・・・」
「なんてこった・・・・・・」
「キヒヒヒヒヒ!!覚悟しろ!!」
クラブロスは、パワーギアを発動させてビームシザーを肥大化させる。
「俺は優しいからな。苦しむのがほんの一瞬になるようにきれいに裂いてやるよ!!」
「クソ――――――――――――――――!!」
キッドは何もできない自分に嫌気を差しながら叫ぶ。
一方、そんなドラえもんズたちが激闘を繰り広げている中、一つの影が通路を高速で移動し続けていた。
「・・・・・・・」
メタルマン達を差し置いて先に要塞の中へ乗り込んだクイックマンだ。彼は、ゼロの回収を他のセカンズに任せてこの要塞の動力炉を破壊しようと中央ホールではなく中枢部へと向かっていた。
「・・・・・・ここか?」
彼は、起動音が聞こえる部屋の前にたどり着く。クイックブーメランで扉を破壊して入ってみるとそこには放電状態の巨大な装置が休むことなく動き続けていた。
「・・・・・・・・はずれだな。」
クイックマンは見た目を見てここは動力室ではないと見抜く。それだけを確認して部屋を出ようとすると背後から光弾が飛んで来る。
「・・・・・・・」
彼はすんなりと避けて入口の方を見るとそこにはバスターを展開したブラックゼロが立っていた。
「・・・・・ゼロのコピーか。」
「その呼び方はやめろ。親父のところへ戻ろうとした途中で何か妙な胸騒ぎがしたかと思ったら、ワイリーナンバーズが侵入していたとはな。」
「・・・・・・・・・」
クイックマンは黙ってクイックブーメランを構える。その様子にブラックゼロは少し面白くなさそうだった。
「・・・・・お前も俺のことを見下しているのか?あのジジイのように。」
彼の言葉に対してクイックマンは答えることなく、高速で迫って斬りかかる。
「!」
だが、スピードギアを発動していないはずなのにブラックゼロはブーメランがボディに命中する寸前にセイバーを展開して防御した。
「確かに俺はコピーだ。あのオリジナルの予備としてのな。・・・・・だが、だからと言ってアイツより弱いわけじゃない!!」
ブラックゼロは、セイバーでブーメランを押し返すとバスターからチャージショットを連続で発射する。
「・・・・・・」
クイックマンはチャージショットを避けると距離を取り直してクイックブーメランを構え直す。
「・・・・・・・できるな。」
話はドラえもんズ側に戻る。
「キッド!これを使え!!」
ゼロは戦闘中にもかかわらず、キッドに自分のサーベルを投げ渡す。
「えっ!?」
投げられたサーベルは、キッドの手に渡るとビームの刃を形成し、寸でのところでクラブロスのビームシザーを受け止める。
「何っ!?」
「すまねえ、助かったぜゼロ!!」
キッドはサーベルを持ってクラブロスの攻撃を押し返し始める。対するゼロは相手をしていたアルマージに対してゼロバスターを放つがかつてのエックスの時のようにシールドで跳ね返されてしまう。
「仲間のためとはいえ、自分の一部ともいえる武器を手渡してしまうとは軽率だなゼロ。」
「アルマージ・・・・・お前はあの男の言いなりでいいのか?」
「自分たちはDr.アチモフの手によって蘇った。ならば、彼に恩義を返すために尽くすのが道理ではないのか?」
「だが、奴は・・・・・・」
「お前らしくないな、ゼロ。何を躊躇っている?自分が正しいと言えるのなら私を倒して証明して見せろ!!ハッ!!」
アルマージは体を丸めてゼロに体当たりを仕掛ける。ゼロはアースクラッシュで対応しようとするがアルマージはスピードギアを用いることで加速し、回転力を高めて攻撃力を底上げする。
「グッ!?」
バウンドをうまく利用することでアースクラッシュを放つ寸前にゼロに直撃する。
「甘いぞゼロ!!以前のお前ならこんな醜態みせることなかったぞ!エックスの甘さが移ったか!」
「くっ・・・・・そうかもしれんな。だが、俺は今の俺の方がいいと思っている。」
ゼロは何とか起き上がるとゼロバスターを再展開し、避けながらアルマージの隙を伺う。
その一方でアイリスはキバトドスの攻撃を避けながらバスターで攻撃を続けている。
「クソ!ちょこまかと動き回りやがって!!」
キバトドスは、巨大な氷塊を生成して目の前に置く。
「パワーギア!!」
身体を赤く発光させると彼は拳で氷塊を砕き、それをうまく飛ばして避けるアイリスにうまく被弾させようとする。飛ばされた氷片は広範囲に飛び散り、そのうちのいくつかがアイリス目掛けて飛んでくる。
「うっ!?」
彼女は命中する氷片を防御しようと身構える。
「ったく、女は手荒なことはするなってんの。」
しかし、命中しそうだった氷片は援護に来たスカルマンのスカルバリアーで防御されてしまった。
「あ、ありがとうございます・・・・・」
「礼なんかいらねえよ。」
「あっ!汚ねえな、このドクロ野郎!!」
キバトドスは、キレながらノシノシと向かってくる。
「おい、お前。」
「アウ?」
その様子を見ながらスカルマンは近くにいたドラニコフにタバスコの瓶を手渡す。受け取るとドラニコフは、トコトコと彼の後ろに回り込む。
「揃いも揃ってうっとおしく避けやがって、今度は直接ぶっ潰してやるぜ!!」
キバトドスは拳を振り上げてスカルマン達を叩き潰そうとする。
「・・・・・今だ、やれ!!」
スカルマンの合図と同時にキバトドスの背後に回ったドラニコフは持っていたタバスコのふたを開けてひと瓶丸ごと飲む。すると体がたちまち赤くなり、満月が出ていないにもかかわらずマフラーで隠れていた口が狼顔に変貌する。
「ワオォオオオオオオオオオオンンン!!!」
「アヂィイイイイイイイイイイイイイイ!?」
彼の口から放たれるすさまじい炎はキバトドスをあっという間に包み込み火だるまにする。一方のスカルマンはスカルバリアーを展開してアイリスと共にその様子を見ていた。
「ひと瓶はやり過ぎだったかもしれないな・・・・・・」
困惑した表情を見せるアイリスとは裏腹にスカルマンは過激なドラニコフの反応に呆れている様子だった。
「わああああああああ~~~~~~~~!!」
「逃げるなっクワ!!」
走り抜けるドラリーニョをペンギーゴは滑りながら追いかける。
「グワァオォン!!」
「うおっ!?」
更に飛び掛かってくるビストレオに対して避けられないと判断してエル・マタドーラは腕を押さえて何とか耐え切ろうとする。
「雑魚が何匹集まったところで戦闘型の俺たちを倒せると思っているのか!」
「雑魚?聞き捨てならねえな。俺はこれでもドラえもんズ一の力持ちなんだぜ?」
エル・マタドーラは苦笑しながらビストレオに言う。
「フン!だったら、少しは楽しませてもらわねえとな!!」
ビストレオは一旦距離を取ると爪を光らせて突っ込んでくる。
「ウオォォォォォォォォォォ!!」
「これしき!!」
エル・マタドーラは頭の角で爪をガードする。勢いで押されかかったものの力持ちの名は伊達じゃなく、ビストレオの攻撃を受け止め切った。
「な、なんだとっ!?」
「それに俺一人を相手にしてていいのかよ?」
「ヌッ!?」
ビストレオが後ろを振り向くと目の前に拳だけ巨大化させたドラメッドの姿が。
「フン!!」
「グバッ!?」
巨大な一撃を顔面にまともに受け、ビストレオはそのまま壁に激突する。
「よし、このまま押しかえ・・・・・うわっ!?」
「ヌオッ!?」
相手を一人倒せたかと思った束の間、エル・マラドーラとドラメッドは砲撃で吹き飛ばされる。
「・・・・・ったく、見ていられねえ。」
VAVAは、肩のキャノン砲を下げるとライドアーマーを操作して吹き飛ばされた二人の目の前に着地、追撃を仕掛ける。
「痛・・・・・・・いきなり撃って来るなんて反則だぜ!」
エル・マタドーラは目を回しているドラメッドを抱えてライドアーマーの攻撃を回避するが、VAVAはキャノン砲を再び構えて狙い撃つ。
「うおっ!?」
「電磁波の影響でただの子守用に成り下がったかと思ったがあのエックスの所のタヌキと言い、底知れない奴らだ。今度は俺が直々に遊んでやる。」
VAVAが動き出したことで巻き返し始めていたドラえもんズたちはまた劣勢になり始める。
「許さんぞぉおおお!!」
「うっ!ドラミ、マジでそれ使い物にならねえのか!?」
「無理よ!道具が使えれば何とかなるかもしれないけど今の状態じゃ・・・・・・・」
「全ては金のため!俺の財産のためにくたばれ!!」
サーベルを持ったとはいえ、やはり二体を同時に相手にするのは無理があり、バスターが故障して戦闘続行が困難になったドラミを庇いながら防戦一方のキッド。
「うわっ!?」
「どうしました?私はダブルギアを使っていませんよ?」
瞬間移動するかの如くふと現れては攻撃を繰り出してくるクワンガーの猛攻にドラえもんと王ドラは翻弄される。
「速すぎて気配を感じ取れません!」
「こうなったら、タイムストッパーで・・・・・・」
ドラえもんは最後の手段としてタイムストッパーを使用しようとするが先読みしたのかクワンガーはドラえもんの目の前に現れ頭部の鋏で体を掴み上げた。
「あっ!?」
「決まりですね。」
そして、ゼロの方もやはり強化されたアルマージを相手にバスターだけでは分が悪かった。エックス同様に特殊武器のトレースシステムがあれば対抗できたが、ラーニング技が使えない今の彼ではアルマージの強固な鎧には歯が立たない。
「流石に厳しいな・・・・・・」
「どうやら、今回は私の勝ちのようだな。博士の命令で破壊はしない。だが、戦闘不能にはなってもらうぞ。」
アルマージは再び体を丸めて回り始める。ゼロはバスターを戻す。
「滅閃光!!」
貫通力が高い滅閃光を仕掛けてみるがやはりアルマージの装甲に傷がつく様子はない。
「ちっ!やはり避けるしかないか!」
迫ってくるアルマージを避けようとするが避けた瞬間、彼の身体から四方向に光弾が発射された。
「なっ!?」
ゼロは背後から受けてその場に倒れる。それを察するとアルマージは反転してゼロに目掛けて突っ込んでくる。
「この状態で他の攻撃ができないと思っていたのが仇となったな。覚悟!!」
アルマージは狙いを定めてゼロに突撃する。
「ん!?」
しかし、次の瞬間何かが起こった。目の前にいたはずのゼロの姿がなくなっていた。
「何が起こった・・・・・!?」
更にそこへ丸鋸状の武器が複数飛んでくる。アルマージはシールドで防御すると鋸は刃こぼれしてその場に落ちた。
「この武器は・・・・・・・・」
「まさか、俺のメタルブレードまで防いじまうとは・・・・・とんだ装甲だぜ。」
「むっ!?」
アルマージは上の方を見る。そこにはメタルブレードを持ったメタルマンとゼロを抱えたフラッシュマンがいた。
「い、一体何が起こった?」
「ったく、俺様がタイムストッパーを使っていなかったら危ない所だったぜ。」
フラッシュマンは呆れた表情でゼロを下ろす。
「メタルマン!?」
「久しぶりだな、ゼロ。」
「おい、助けたんだから礼ぐらい言え。」
「あ、あぁ・・・・・・・だが、なんでお前たちがここに・・・・・・」
ゼロは驚きながらも二人を見る。
「俺たちだけじゃない。他のセカンズもここに駆けつけている。」
「何?」
ゼロはホールの方を見る。
「ん?」
ドラえもんを先に仕留めようとしたクワンガーは自分に目掛けて突っ込んでくる火の玉を見てその場から離れる。
「アチャチャチャチャ!?」
代わりに放り捨てられたドラえもんが火の玉を受けた。
「あっ、ミスった。」
転がって消火を試みるドラえもんを目の前にヒートマンは気まずそうな顔をする。
「ワイリーナンバーズ?いつの間に・・・・!」
ライドアーマーでドラメッドたちを捕らえていたVAVAは、自分の周囲一帯に爆弾が設置されているのに気づき、アーマーを捨ててその場から離れる。アーマーは爆弾ごと大爆発するが吹き飛ばされた二人は竜巻で軽く吹き飛ばされて安全地帯へと落ちる。
「な、何が起こったのであるか?」
ドラメッドが戸惑いながら周囲を見るとそこにはクラッシュボムを放っているクラッシュマン、リーフシールドで防御しながら他のドラえもんズを回収するウッドマン、そして、イレギュラーたちを迎撃しているエアーマンの姿があった。
「何故だ?何故ワイリーロボがここに!?」
クラッシュボムの爆発から逃れたリングマンは驚きながら現れたセカンズたちの姿を見て驚く。
ワイリーナンバーズの登場にメインコントロールルームにいたアチモフたちも動揺を隠せなかった。
「ワイリーナンバーズ!?奴らがどうしてここに!?」
同時に何か凄まじい衝撃が襲う。
「何事っしょっ!?」
突然の揺れに対してベルカナは最終調整を中断して原因を調べる。
「外部からの攻撃よ!」
「ナヌッ!?ここは宇宙空間しょっ!?どこから攻撃が・・・・・・」
「モニターを映すわ。」
外に切り替えると要塞の目の前に巨大な時空間ゲートが出現しており、そこから何か砲撃が飛んでいた。
「すぐにバリアー装置を作動させるっしょ!」
バリアー装置で砲撃を防いでいると時空間ゲートからその攻撃の犯人が姿を現す。
「あ、あれは・・・・・・」
それはこの巨大要塞にも劣らぬデカさの宇宙戦艦だった。その戦艦の先端には「W」のマークが刻まれたドクロがついている。
「あのマークはもしや・・・・」
「向こうの船から通信が入って来たわよ。」
ベルカナはそう言ってモニターを開く。
『貴様か!ワシのダブルギアシステムを盗んで最高傑作の予備を盗んで行った発明泥棒は!!』
モニターからワイリーが怒りに満ちた表情で映されていた。
NGシーン
「キッド!これを使え!!」
ゼロは戦闘中にもかかわらず、自分のアームパーツを外してキッドに投げ渡す。
「うげっ!?なんで自分の腕投げてくるんだよ!?」
毎日ちょこちょこ編集していたのですがどうも定期的に投稿するのが大変です。今年中にはX6編を終わらせたいところですが・・・・・
本作でロックマンX7をやった場合で最も生存しそうなキャラは?(枠足りないので二つに分けます)
-
フレイム・ハイエナード
-
バニシング・ガンガルン
-
トルネード・デボニオン
-
スナイプ・アリクイック
-
ソルジャー・ストンコング