アチモフロボ
「ニードルキャノン!!」
エックスがVAVAと共にワイリーの下へと急いでいる頃、ドラえもんたちはダイナモを徐々に追い込んで行っていた。ダイナモは連続で発射されるニードルキャノンを避けるものの多人数を相手していたことで徐々に疲弊している影響でニードルが体に何弾か突き刺さる。
「痛!」
ナイトメアソウルの効力ですぐに回復しようとするがそこへ塩を擦り込むかの如く、アイリスがダッシュをして急接近する。
「疾風牙!!」
「ウゲッ!?」
治りかけていた個所を斬りつけられ、ダイナモは思わず表情を歪めた。
「何やってんだよ・・・・・親父も姉ちゃんも・・・・・・」
ダイナモは距離を取って態勢を整えたいと考えていたが引き下がればその勢いに乗ってドラえもんズ側の進行を許し、メインコントロールルームへ行かせてしまうことになりかねない。
「治りも悪くなってきたな・・・・・・・ドーピングの効力も切れそうだ・・・・」
ナイトメアソウルによる効果がなくなってきたのか傷の再生が遅れ始めていることに気が付く。一部の者のみに性能を大幅にアップさせるナイトメアソウルとてその効力は半永久的なものではない。効力が切れれば当然再生機能も失われるため、極めて危険な状況へとなる。
「フルチャージトルネードファング!!」
ドラえもんは、巨大なドリルでダイナモに向かって行く。反応が遅れてダイナモは避けることができず、ドリルの攻撃を受けそうになる。
「マジかよ・・・・」
と思いきや、ドラえもんの目の前に何かが転送され、ドリルを押さえた。
「あら?」
向かっていたはずのダイナモではない何かに引っかかり、ドラえもんは前をよく見てみる。
それはどこかで見たような巨大な腕だった。
更にその後ろでは赤く光った見覚えのある者が立っている。
「あっ!お、お前は・・・・・・・」
ドラえもんは思わず手を引っ込めて後方に下がる。巨大な腕は、赤い光がなくなると同時に消え、そこにはアチモフの要請で来たヴァジュリーラが立っていた。
「ヴァ、ヴァジュリーラの旦那!?」
予想外の乱入者にダイナモは思わず目を大きく見開く。エックスとの戦闘で治療中だったはずの彼がこうも短期間で戦線に復帰できること自体が驚きだが、よりによって自分を助けてくれるとは思ってもいなかった。
「久しぶりだな、タヌキ。」
「だから、僕はタヌキじゃないってばっ!!」
異様な殺気を放つヴァジュリーラに対してドラえもんは相変わらずのやり取りをする。後方で待機しているドラパンはそんなヴァジュリーラを見ながら警戒を強めていた。
「まさか、ミスターヴァジュリーラがこうも早く戦線に復帰するとは・・・・・・」
「何を恐れているのであるか?ドラパン。」
恐れを感じている彼に対してドラメッドは不思議そうに聞く。
「・・・彼は、ゼロやVAVAと並ぶダブルギアの使い手だ。いくらドラえもんがダブルギアを組み込んでいるとはいえ果たして対抗できるか・・・・」
ドラパンの恐れていた通り、ヴァジュリーラは早速スピードギアを発動させてドラえもんに急接近し、ビームソードを振り下ろそうとする。
「うわっ!?」
「貴様の仲間のエックスのおかげで俺は何もかも失った!貴様を捕らえたばかりにな!!」
「れ、レイクロー!!」
ドラえもんは咄嗟に目の前に三日月型の刃を出現させて、受け止める。
「お前も奴と同じか!」
攻撃を受け止められてヴァジュリーラはを歪めるがドラえもんはすぐに反撃に移る。
「ライジングファイア!!」
拳を上に振り上げと同時に火炎弾を撃ち出し、ヴァジュリーラにダメージを与えようとするが撃ち出した直後背後からの衝撃によってドラえもんは吹き飛ばされる。
「お兄ちゃん!?」
作業中だったドラミは突然吹き飛ばされたドラえもんを見て唖然とする。ドラえもんがいた場所にはい足を振り上げたヴァジュリーラの姿があった。
「なっ!?アイツ、さっきまでドラえもんの目の前にいたのに!?」
「ダブルギアの能力の一つであるスピードギアを使って彼の背後に回り込んだんだ。ミスターヴァジュリーラは元々高いスピードを誇るロボット、それだけにダブルギアを組み込んだだけのドラえもんとは桁が違い過ぎる・・・・・」
愕然としているキッドに対してドラパンは、怯えるように答える。
「っということはあれかよ!?俺たちじゃアイツに勝てねえって言うのかよ!?」
「彼は今までの相手とは違う・・・・・それに・・・・あのやり方を見るとドラえもんに相当の恨みがあるようにも見える。」
ドラパンの言う通りでヴァジュリーラの戦闘は彼が見た時と比べると明らかに荒々しいものだった。
「貴様を捕まえたばかりにマンダレーラはエックスに破壊され、俺自身もエックスの手で殺されかけた!!貴様があの時、ドッペルタウンに現れなければ!!」
「そんなこと言われたって!?」
ドラえもんは、ヴァジュリーラの猛攻を掻い潜りながらスクランブルサンダーを放つ。ヴァジュリーラの着地点を先読みして撃ってはいるもののさらに先読みをしているのか彼は難なくと避けていく。
「当たらない・・・・」
「エックスと再び戦う前に貴様をスクラップにしてくれる!!」
「無茶苦茶だっ!?」
物凄い気迫でドラえもんが押されている一方、ダイナモは相手をアイリスのみに絞って戦闘を続行していた。幸いヴァジュリーラが現れた時に傷が治る時間を稼げたので今度はできるだけダメージを受けないように距離を一定に保ちながら攻撃を仕掛ける。
「ふう、ヴァジュリーラの旦那には助かったぜ。おかげで体勢を立て直すことができたし、これで心置きなくアンタの相手をしてられそうだぜ。」
「邪魔をしないで!」
アイリスは、ダイナモのトリックショットを飛水翔で防ぐとバスターを展開してチャージショットを放つ。
「悪いけど女の子でも手加減してやれるほど余裕がないんだ。」
ダイナモはジャンプで回避するとそのままの勢いでアイリスとの間合いを詰める。アイリスは空いている左手にセイバーを握る。
「燕返し!!」
ダイナモのカウンター技が放たれると同時にアイリスはセイバーを展開して防御をする。しかし、ダイナモはもう一本のDブレードをすぐに展開してアイリスに斬りかかろうとする。
「!?」
「あんまり気が進まないけどここでゲームオーバーになってもらうぜ!!」
ダイナモは今度ばかりは外さないとばかりにDブレードを彼女の脇腹辺りに振りつける。
「このままじゃ、あの嬢ちゃんがやられちまう!?」
キッドは居ても立っても居られないとばかりに空気砲を構える。
「キッド、道具は全部・・・・・・」
「わかってるけどよ・・・・・・クソ!頼む、一発だけでもいいんだ!」
このままではアイリスが危ない。ゼロから受け取ったビームサーベルも既に破壊されてしまった以上キッドにはもうこれしか残っていないのだ。
「これじゃゼロに顔向けできねえんだ!一発でもいいから出てくれ!!」
キッドは、ダイナモに狙いをつけるといつものように叫ぶ。
「ドカーンッ!!」
するとどういうことだろうか。
機能していないはずの空気砲から空気の弾が飛び出し、アイリスに斬りかかったダイナモに直撃する。
「グエッ!?」
脇腹に直撃したことでダイナモは攻撃を中断して当たったところを押さえながらキッドの方を見る。
「そ、そんな馬鹿な・・・・・・・道具は全部、電磁波で・・・・」
「雷神撃!!」
「アビビビビッ!?」
一瞬のよそ見が仇となり、彼はアイリスの放った雷神撃を諸に受けてしまう。
「どうなってんだよ、親父!?道具は使えなくなってんじゃないのか?」
痺れた体を起こしながらダイナモは思わず叫んでしまうがそれ以上に空気砲を発砲できたキッドが目を大きくして唖然としていた。
「う、う、うっ・・・・・・撃てたっ!?」
「一定どうなっていやがんだ!?」
「私にも見当がつきません!?」
キッドが驚きながら空気砲を見ている中、エル・マタドーラと王ドラは使えないはずの道具が機能したことについて混乱していた。動揺しているメンバーに対してもしやと思ったのかドラパンは帽子から測定器を取り出す。
「これは!?」
「どうしたの?」
「何が起こったのかはわからないがどうやら電磁波発生装置が機能停止したらしい!」
「「「「「「えっ!?なんだって!?」」」」」」
ドラパンの言葉を聞いてドラえもんズ一同は声を上げる。
「つ、つまり・・・・・」
「あぁ、これで道具を使うことができるようになる!!」
彼の声は戦闘中のダイナモやヴァジュリーラの方にも届く。
「ま・・・・マジかよ・・・これ、もう無理ゲーみたいなもんじゃないか。」
ダイナモは、アイリスとの距離を取り直して戦闘中のヴァジュリーラに声をかける。
「どうするよ、ヴァジュリーラの旦那。こいつら全員を相手にしていたら命がいくつあっても足りないぜ・・・・・」
だが、当のヴァジュリーラ本人は引き下がる様子はなかった。
「撤退したければ貴様だけが撤退すればいい。」
「えっ!?」
「道具が使えようが所詮は民間用に付け刃を付けた連中。あらゆるレプリロイドのデータを基に作られた俺とは格が違う。」
ヴァジュリーラはそう言うと殺気に満ちた眼差しでドラえもんを睨み受ける。
「俺は今よりも強くならねばならん!エックス、ゼロよりもな。子守用が束にかかっただけで負けるようではそれこそいい恥さらしだ!!」
「うおっ・・・・・」
あまりの気迫にダイナモはそれ以上のことが言えなくなる。ここまで来てしまうと恐らくアチモフの命令でも聞かないだろう。
ヴァジュリーラは、パワーギアを一時的に発動させすぐ脇の壁を破壊する。中には隠しボタンが設置されており、押すとシャッターが開いて複数のパーツが飛んできた。
「な、何が起こるんだ!?」
「この姿はエックスたちにしか見せたことがないからな。俺の憎悪がどれ程のものか見せてやる!!」
パーツはヴァジュリーラの周囲を囲む。ドラえもんは直感ながらこれ以上みんなをこの場に留まらせるのはまずいと感じた。
「ドラミ、どこでもドアを出して地上に逃げて!早く!!」
「えっ?で、でも・・・・」
ドラえもんの言うことにドラミはためらってしまう。だが、ここは本格的に戦場化してしまうと全員無事で済まされないことは明らかだった。
「ここはドラえもんの言う通りにした方が良さそうだ。ドラミはエドや先輩たちを連れて地上に戻ってくれ。」
「みんなはどうするのよ!?」
キッドに引き返すように言われ、ドラミは他の面子を見ながら言う。
「・・・・フッ、決まってんだろ?」
「私たちはここに残って彼らと戦います!」
「アウアウ!!」
「どんな強敵だろうとダイヤモンドよりも固い吾輩たちの友情は決して砕けたりはしないである!」
「よぉお~し~!頑張るぞぉ~!!」
「みんな・・・・・」
ドラミはどこでもドアを出し、使えるかどうかを確認する。
「ドラミ君、復元光線を貸してくれないか?」
リングマンはとりあえず回収できた足のパーツを合わせながらドラミに言う。
「いいですけど、その状態じゃ・・・・・」
「わかっている。だが、ここでケリをつけたいんだ。自分の過去との決別を。」
「リングマンさん。」
リングマンの言葉にドラミは渋々復元光線で足を修復する。アースゲイザーでパーツのいくつかが燃えてしまったがそれでも動く分には問題はないようだった。
「よし。君たちはこのまま地上に脱出してくれ。」
「わかりました。」
「後、妻と娘に聞かれたら絶対に帰って来ると言っておいてくれ。」
リングマンの言葉を聞くとドラミはエド、ミミミと共にどこでもドアから地上へと戻って行った。それを確認すると彼はドラえもんズと共に沈黙しているヴァジュリーラと対峙する。
「・・・・・・最後の別れは済ませたか?」
「最後って・・・そもそも被害者は僕のはずなのになんでそんなに逆恨みされるのさっ!?そんなことしたってドップラー博士が悲しむだけだよ。」
「・・・フッ、フッフフフ。あの人魚娘にも同じことを言われたな。だがな、俺を作ったドップラー博士はもういない。マンダレーラもな。」
ヴァジュリーラは一瞬虚しそうな顔をするとダブルギアを発動させ、体から赤と青のオーラを纏い始める。
「しかしだ!例え何を失おうとこのエックスに敗北した屈辱と憎悪は決して消えることはない!!奴を倒すまでな!!何を言われようが奴を倒すまで俺の新たな始まりはないのだ!!ダブルギア、発動!!」
叫ぶと同時に彼の周囲を浮いていたパーツは一斉に体に装着され始める。
「ハアアアアアアアアァァ!!!」
パーツは徐々にヴァジュリーラを覆い、その様子をすぐ近くで見ているダイナモも表情が引きつっていた。
「コイツは・・・・・・親父のところに戻った方がいいかもな。あの姿になられたんじゃ、こっちもただじゃ済まねえ。」
ダイナモはそう言いながらこっそりとその場から逃げて行った。
ワイリーアイアンゴーレム メインコントロールルーム
「博士、早くしないとエックスたちが来てしまいますよ。」
モニターでエックスたちの進行状況を見ながらシェードマンは呆れた目でワイリーの様子を窺っていた。
「言われんでもわかっておるわ!」
ワイリーは所々焦げながらも不機嫌そうな顔で言う。その近くでは再びボディを失ってプロペラで飛んでいるシグマの姿が見える。
「しかし、参りましたな。まさか、脱出ユニットの起動装置がこうも呆気なく壊れてしまうとは。ドクターも設計の段階で耐久性の確認を怠っていたのでは?」
「お前があんな至近距離で爆発したせいじゃろうが!元々脱出する際にはここは無事だと判断しておったからな。それにこういうシステムは非常にデリケートにできておるからそう簡単に改良なんてできるものでもないのじゃ。」
そう言うとワイリーは、チャカチャカと音を立てながらシステムを修復していく。その間にもエックスとVAVAによる連携攻撃でこの部屋までの防衛システムは突破されつつある。
「あらら・・・・・どうやら、最終防衛メカもやられちゃったようですね。」
「防壁シャッターは?」
「この部屋の直前まで全部下ろしましたよ。それでも何分持つやら・・・」
爆発音が衝撃と共に近づいてくる。VAVAが火力のゴリ押しで壁を破壊しているのだろうか。
「よし、これで後は脱出ユニットのパワーがMAXになれば脱出可能じゃ。」
「ですが、それでもチャージまで時間がかかってしまいますな。」
シグマは別のモニターを見る。そこにはこのアイアンゴーレムの動力炉に突っ込んで機能を停止したビッグアームの姿があった。
「あのクワガタジジイめ、あのライドアーマーを遠隔操作して動力炉を破壊しおって・・・・・じゃがワシとてこのままおめおめと引き上げはせんぞ。ちゃんと仕返しはしてくれるわ。」
最後に艦橋に設置されている転送装置に座標を登録し始める。
「目標はあのロボットの・・・・・・グッフフフ、ワシの所から散々パクった代償じゃ。精々慌てるがいい。」
装置の座標登録が完了すると同時に部屋の扉が吹き飛ばされた。
「フン、来よったか。」
ワイリーは、入口の方を見るとエックスたちが中に入って来ていた。
「ここまでだDr.ワイリー!」
エックスは、バスターを構えて近づく。一方のVAVAは、ここまで来るのに弾薬を使い果たしたのか扉に寄りかかって様子を窺っている。
「・・・・エックス、こうも早くここまで来るとはな。流石はあの憎きライトの最後の作品・・・・・そして、忌々しいロックマンの後継機じゃ。褒めてやるぞ。」
ワイリーは動じることなくエックスの目の前に立ちはだかる。エックスは、彼の背後にいるシェードマンとシグマに警戒しながらワイリーを見る。
「100年前からお前は悪事を繰り返してきた。罪のないロボットたちを洗脳するだけじゃなく、自分のロボットたちを使って世界を何度も恐怖に陥れてきた。そして、今も体を機械に変えてまで!」
「よく言うわ、今の頭を使わんバカな人間どもに使われるポンコツ共が。だから、ライトの言うことは綺麗ごとばかりで気にいらんのじゃ。」
「なんだとっ!?」
エックスの言うことに対してワイリーは皮肉を交えながら言う。
「そもそも、道具として使われるロボットたちに何故『心』を持たせたと思う?人間に近い最高のパートナーとしてじゃろう?お前の仲間の小僧どもとあのタヌキのような関係にな。じゃが、実際見てみるがいい。お前たちが命懸けでイレギュラーと戦っている中、人間たちは何をしてくれた?助けてくれたか?それとも褒めてくれたか?ん?」
「そ、それは・・・・・」
ワイリーの言葉に一瞬エックスは動揺する。そこに付け込むかのようにワイリーは更に話を進める。
「エックス、ライトがお前に与えた人間に限りなく近い感情を持ったお前ならワシの言うことがわかるはずじゃ。お前たちレプリロイドは、人間からしてみればただの『便利な道具』に過ぎんのじゃ。そして、その『道具』であることに疑問に感じ行動し始めた者を決まって『イレギュラー』として処分する。それも同じ『道具』であるレプリロイドがな。」
「・・・・・俺たちが『道具』?」
「その通り。ケインがお前を発見して得たデータを基に多くのレプリロイドを生み出した。ライトがかつてロボットを社会に送り出したようにな。だが、現実を見てみるがいい。言葉では『人間と共に歩む最高のパートナー』と謳っておるが自分たちの面倒ごとを押し付けておいて“最高のパートナー”じゃと?綺麗ごとにも程々愛想が尽きるわ!!」
ワイリーは時間稼ぎのことを忘れたのか話に熱が入り始める。
「パートナーと言う物は互いに支え合うからこそ言えることなのじゃ!面倒ごとを全部押し付けて何がパートナーじゃ!!」
「だ、だからって、洗脳までして世界征服をしようと言うのはどうなんだ!?その方がおかしいじゃないか!?」
ワイリーの言葉に迷いを感じながらもエックスは反抗する。
「確かにお前から見ればワシのやっていることは外道じゃろうな。じゃがな、そこまでしなければ変えようがないほど人間とロボットの関係は歪みきっているのじゃ!!人間のために動く?それはいい!!だが、一瞬のミスや誤作動、寿命、そう言うことを理由に好き勝手処分されるのはどうなんじゃ?ロボット三原則?くだらん!!お互い傷付き合い、認め合うからこそ最高のパートナーとなりえるんじゃ!!それに縛られ、好き勝手に使われる・・・・・・それこそ都合のいい“奴隷”に過ぎん!!」
「!?」
ワイリーの気迫にエックスは、押され始める。
「ワシはかつてライトと共に同じ道を歩んでいた頃からこの関係について考え続けてきた!奴の持たせようとしていた『心』には同感した。だが、それだけでは関係など変わらん!それこそお前たちの言う『イレギュラー』を延々と生み出し続けるだけに過ぎん!それを認めない世界を見てきたからこそワシは、世界征服をすることを決意した!!最初はライトへの警鐘として奴のロボットたちを使い、次は我が子ワイリーナンバーズたちを!何度でも!!ロボットは『都合のいい道具』ではないということを証明するためにな!!そして、ワシの最高傑作であるゼロこそ、その概念を破壊する究極の存在なのじゃ!!」
「・・・・・・」
「わかったか、エックス!!お前がどれだけ身を削って戦っても世間から見れば同然の事、ただの道具が仕事をしているに過ぎんのじゃ!!」
「ち、違う・・・・俺は、みんなを守るために・・・・」
「守るため?確かにお前の周りの者は感謝しておるじゃろうな。だが、他に何処の、誰が、お前に感謝しておる?それ以外の者共はまた『道具』同士の喧嘩で平穏な日常を壊されたとしか思っておらん連中がお前たちのことをありがたかってくれるか!喜んでくれるか!?」
「う、うぅ・・・・・・」
「社会全体から見ればお前たちがいくら足搔こうと所詮は『道具』にしか扱われんのじゃ。だから、100年前のロボット狩りも平然と行われた。ワシが行った世界征服の事ばかりで自分たちの誤った考えを正そうとしない愚かな馬鹿どもによってな。そして、歴史は繰り返される!!」
ワイリーは、言いたいことを言い切ってエックスを見ると彼はバスターを下ろしていた。
「・・・・・・・」
「エックス、ワシが何故悪の道に入ったのか、何故こうまでして世界征服をしようとしていたのかこれで理解できたじゃろう。人間と機械の共存する理想の世界・・・・それを実現するためにはそれだけの犠牲を払っても誤った考えを直さねばいかんのじゃ。」
エックスは、無意識に自分の右腕が震えていることに気が付く。
かつて、シグマが言っていたことも同じことだった。
『お前が正義だと信じているものがお前にそう思わせているだけに過ぎない。』
まさにその通りだった。
自分たちの戦いが延々と続くのは、誤った感情を持った自分たちが原因なのでは?
全てシグマのせいだと言ってきたがシグマはその矛盾にいち早く気づいていたのでは?
パートナーである人間たちは、本当にワイリーの言っているようなことを考えているのでは?
そう考えてくると自分たちは今まで一体何のために戦ってきたというのだろうか?
「俺は・・・・・俺は一体・・・・・何のために・・・・・」
動揺しきっているエックスを見てワイリーは、とどめとばかりに言葉を付け加えようとする。
「わかったじゃろう、エックス。これがワシらの世界の真実なのじゃ。お前が守ろうとしていたことはお前たちレプリロイドの立場を考えない人間たちが作り出した歪んだルールに過ぎ・・・・・フボッ!?」
その直後、ワイリーの顔面に何かが命中する。エックスが背後を振り向くとVAVAが右腕を飛ばしていたことがわかった。
「・・・・っるせえ。」
右腕が戻ってくるとVAVAはワイリーの方へと歩みより、胸ぐらを掴みあげる。
「き、貴様・・・・・・」
「随分好き放題言ってくれるじゃねえか、老いぼれ。確かにてめえの言う通りだろうな。俺たちが都合のいい道具だというのは。この甘ちゃんを動揺させるのには十分な話だ。俺もそのことに関しては気に入らなかったからな。」
「だ、だったら、何故ワシを・・・・・」
「お前もそんなに変わらねえってわけだ。何にしたって世界征服すればどの道てめえの道具のままじゃねえか?てめえの作ったロボットならそんなことを感じないだろうが他の連中が作った奴はどう思うんだろうな?」
「ヌッ。」
ワイリーは、自分の言葉の落とし穴に気づいたVAVAを睨みつける。
「この甘ちゃんはな、お前の言う通り守りたいものを守ろうとして自分のことを躊躇わずに向かって行く大馬鹿にもほどがあるお人好しだ。イレギュラーにすら引き金を引くのを躊躇う程な。」
VAVAは、ワイリーを掴んだままエックスの方を見る。
「・・・・だがそれがいい。それがコイツにしかない物なんだからな。だから、コイツについてくるバカな奴らがいる。コイツのことを本気で想っている奴もな。尤も俺みたいにむかついて倒そうとする輩もいるが。」
「VAVA・・・・・」
「それに比べてめえはどうだ?自分の考えを他の奴に押し付けてきやがって・・・・それも同じく気に入らねえゼロにまでな!世界はてめえの都合通りに動く道具じゃねえ!!」
「おわぁ~~~~!!!」
VAVAは叫ぶとワイリーを勢いよくシェードマン達の方へと放り投げる。ワイリーはそのまま二人の前に落ちた。
「あら、これはご丁寧にどうも。」
「貴様の方からドクターを返してくれるとはな、VAVA。」
「そんな奴、倒す価値もない。さっさと連れて帰るんだな。」
「では、お言葉に甘えてそうさせてもらいましょう。」
シェードマンは、ワイリーを抱えるとそのまま奥のエレベーターへと乗り込む。シグマはプロペラを動かしながら転送装置の前に飛んで行く。
「エックス、今回の所は引き揚げさせてもらうがあのタヌキを助けたいと思うならこの転送装置を使うがいい。ドクターが座標を設定してくれたからな。」
「・・・・・」
「では、さらばだ。」
膝を付いてしまっているエックスを見ながらシグマも続いてエレベーターへと乗る。今までの会話に入り込めず、オドオドしていたマーティは、急いでエックスの下へと駆け付ける。
「エックス、大丈夫?」
マーティは、不安な表情でエックスを見る。
「・・・・あ、あぁ。」
「ごめんなさい。アタシ、あの爺さんが怖くなって・・・・・・」
「・・・・・」
ワイリーたちが撤退したのを見届けるとVAVAはエックスの脇を通り過ぎ、来た道を戻ろうとするが入口で足を止める。
「・・・・・エックス、あの老いぼれの言葉に踊らされるほどお前のやってきたことはその程度なのか?」
「なに?」
「アンタ、なんてことを言うのよ!!エックスは・・・・・」
「俺は、お前のことが気に入らない。何度も蘇ってお前を倒そうとしているほどにだ。それが何故かわかるか?」
VAVAは、エックスの方に向き直るとマーティに指を差した。
「お前には、俺にはないもので強くなっているからだ。そこの女のようにな。だから、未だに勝てない。」
「俺は・・・・・」
「エックス、俺をあまり失望させるな。お前がその程度で動揺してどうする?何を言おうがあのジジイは未だに過去に捕らわれ続けているどうしようもねえ馬鹿だ。そんなものじゃこれから先の戦いで守れなくなるぞ。」
VAVAはそれだけ言うと扉の方へと行く。
「今回のてめえの情けない面は見なかったことにしてやる。次、会う時までに直しておけ。」
「VAVA・・・・・」
「アンタはどうするのよ?」
「ビッグアームを回収して引き上げる。ここまで来るのにエネルギーも弾薬もほとんど使っちまったからな。じゃあな。」
VAVAが去って行くとエックスはゆっくりと立ち上がる。
「エックス・・・・」
「・・・・VAVAの言う通りだ。確かに俺たちがやっていることは矛盾しているのかもしれない。だけど、理解してくれる人たちもいる。そんな人たちのためにも止まるわけにはいかない。」
「・・・そ、そうだけど・・・・」
「今は、目の前のことを何とかしなくちゃ。ワイリーのことだから何か企んでいるのは分かるけど。」
そう言うとエックスは、転送装置の起動を確認しようとする。そんなエックスに不安を感じずにいられないのかマーティは、無意識に彼を背中から抱きしめた。
「マーティ?」
「アタシは・・・・・例え世界から必要とされなくなって敵になったとしても最後までエックスの傍にいるから・・・・だから・・・・・いつまでも優しいエックスのままでいてね・・・。」
「・・・・・ありがとう。」
エックスは優しく答えると、一旦作業を中断して彼女を強く抱きしめた。
アチモフロボ 通路
パーツがすべて合体したヴァジュリーラは巨大なメカニロイド形態へと移行していた。
「こ、これは・・・・・」
「かつて、マンダレーラのパーツと合体した時のデータを基にダブルギアの性能を極力まで発揮するように強化された姿だ。」
その姿はかつてのゴッドカルマシーン・O・イナリーとほぼ同じ姿をしているが常にダブルギアを作動しているが異様なオーラを発していた。
「コイツは・・・・・かなりまずそうだな。」
キッドは空気砲を構えながら緊張した表情で言う。
「さて、エックスへの見せしめとして首だけは残したいところだが加減は効かないのでな。手加減はするが簡単にくたばるんじゃないぞ。」
イナリーは、両手を掲げると無数の光弾を作り出し、ドラえもんズたちに目掛けて放つ。
自分で書いて思ったけどもう俺の知っているVAVAじゃなくなってきている(;´・ω・)
本作でロックマンX7をやった場合で最も生存しそうなキャラは?(枠足りないので二つに分けます)
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フレイム・ハイエナード
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バニシング・ガンガルン
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トルネード・デボニオン
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スナイプ・アリクイック
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ソルジャー・ストンコング